
CheckInn ㈱リージョナルソリューション室 室長 栗本 将也氏 、中 ㈱銀波荘 代表取締役社長 成世敏昭氏,右 Check Inn ㈱ 代表取締役CEO 田中 健太郎氏)
コロナ禍を経て
「働くことのありがたみ」
「地元の漁師からの仕入れルート」を得た
田中 成世さんはこれまでどのような経験を積み、銀波荘の代表取締役社長就任に至ったのでしょうか。
成世 私は大学卒業後、企業に就職して営業の仕事に携わりました。その後父親が経営する㈱ナルセに戻り、大阪で回転寿司、蕎麦店、焼肉店、イタリアン、焼き鳥店の開業などを経験してきました。そして32 歳のときに㈱銀波荘の会社を継ぐことになり、銀波荘の代表取締役社長に就任しました。
田中 銀波荘の強みはどこにあると考えていますか。
成世 海と空に溶け込むような開放感を味わえる「天海の湯」、岩壁と海の風景によって心ほどける癒しの湯処を提供する「岩海の湯」の2つの露天風呂が、商品としては一番の強みと言えます。いずれの湯にもボナパーム式サウナを備え、瀬戸内の風を感じながら、心と身体を整える上質なサウナ体験が楽しめます。サービス面の強みは、「おもてなしの心」で人としての真心を感じさせる接客で他の旅館との差別化を図れている点が挙げられます。瀬戸内の恵みである海の幸をふんだんに使った贅沢な料理も好評です。
栗本 コロナ禍の前後で、何か変化は見られましたか。
成世 言うまでもなくコロナ禍が宿泊業界にダメージを与えたのは確かですが、当エリアはそこまで大きな影響を受けずに済んだエリアの1つかもしれません。2020 年当時、
一定期間旅館の営業ができない状況を経験したことで、スタッフの意識は確実に変わりました。コロナ禍以前は「働くことは当たり前」という感覚だったと思うのですが、以後はスタッフの雰囲気から「働くことのありがたみ」が顕著に溢れ出るようになりました。通常の営業ができないコロナ禍でも何か出来る事をしようということで、レストランの料理長と私で宅配弁当を作って販売していましたが、その際に地元の漁師から魚を直接仕入れることにつながり年間2% 以上の原価改善につながっています。
AI エージェントの進化のスピードを見て
チャンスが訪れていると実感した
田中 将来的なビジョンを教えてください。
成世 「銀波荘を完成形まで持っていく」ということだけに、私は集中して取り組んでいます。完成形とは「自分が納得できる形」という意味です。もう1つ大切なのは、AI の活用の推進です。AI エージェントを自分の力で作り上げることで、銀波荘にとって最適な合理化を図りたいと考えています。従来あったシステムの課題解決に向かって、すべてをシステム会社に丸投げするのではなく、自分自身で進めていくことができるチャンスが訪れていると実感したのです。自社に必要とされるシステムをどのように取り込み、いかに使っていくかを考え、自動化、効率化を飛躍的に発展させなければならない年になるはずです。

Editor’s Note
AIは人間の正しい記憶力を基本に成長している。最先端の技術や思考を持つスーパー人間が存在しても人間を越えない。AIを“共生パートナー”としてこれからの旅館経営に挑む銀波荘 成世敏昭社長の手腕に注目したい。
(文:山下裕乃)
赤穂温泉 銀波荘
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