インターコンチネンタル パリ ル グラン

ホテルは、歴史を更新できるか。パリ ル グラン総支配人が語る「価値」の本質【後編】

価値はどのようにして生み出され、更新され続けていくのか。 後編では、「体験とは何か」という問いを起点に、ホテルという存在の本質へと踏み込んでいく。滞在のすべての瞬間はどのように設計され、記憶へと変わるのか。歴史あるホテルにおいて、何を守り、何を変えるべきなのか。そして、ホテルはこれからどのような役割を担い続けるのか。 ロール氏の言葉から見えてくるのは、ホテルが単なる宿泊施設ではなく、「時間」と「記憶」を扱う装置であるという視座である。日々の運営の中で積み重ねられる意思決定と体験の連続こそが、やがて新たな歴史となる。後編では、そのプロセスと思想に迫る。ポートレート写真:大橋マサヒロ
 ホテル体験の本質とは何か ―ホテルにおける体験価値をどのように捉えていますか。 ホテルの価値は、単に「泊まる」という機能にあるのではありません。むしろ重要なのは、到着から出発までのすべてのタッチポイントが連続し、一つの体験として統合されていることです。 チェックインの瞬間、客室に入ったときの第一印象、レストランでのサービス、廊下で交わされる何気ない挨拶、そしてチェックアウトに至るまで。そのすべてが分断されたものではなく、一つの流れとしてゲストの中に残っていきます。 たとえば、同じコーヒーであっても、その味そのもの以上に、それを誰がどのように提供したのか、どのような言葉が添えられたのか、どの...
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武田雅樹(Takeda Masaki)

武田雅樹(Takeda Masaki)

㈱オータパブリケイションズ 執行役員 ブランドメディア統括/Chief Brand & Editorial Officer。

ホテル開発、ブランド戦略、デザイン、トレンドなどを横断的に取材・分析し、事業・開発・運営をつなぐ視点を強みに活動。ホテルを「事業」と「体験」の両面から再解釈し、その価値や可能性を多角的に読み解く。また、都市や地域のなかでホテルが果たす役割や意味に注目し、国内外での取材・視察を通じて、観光・まちづくり・コミュニティとの関係性を問い続けている。メディアを単なる情報発信の手段ではなく、人と人、思想と実装を接続する“場”として設計し、業界を横断する対話と共創の機会を創出。HOTERES Digitalでは、ホテルの「いま」と「裏側」を掘り下げながら、現場のリアリティとグローバル潮流をつなぐ編集・発信を行なっている。