
Q1|貴社グループの運営事業概況と、HOTERESとの歩み
当社は2016年、訪日外国人観光客向けの宿泊特化型ホテルとして「からくさホテル」を立ち上げ、現在は北海道・東京・大阪で計6軒を運営するほか、ANAクラウンプラザホテル札幌を経営しています。昨年度はからくさホテル6軒でGOR107億円・GOP約60億円、平均稼働率98.5%を達成し、ANAクラウンプラザホテル札幌も開業53年目にして過去最高益である約9億円のGOPを記録しました。また本年7月には、グループの海外事業部門を統合するかたちで、社名を㈱からくさホテルズから㈱ザイマックスインターナショナルへと変更しました。ホテル運営で培った知見と実績を軸に、まずはインドネシアを基軸とした当社独自の海外事業展開に取り組んでまいります。貴誌には、事業開始以来、業界動向を学ぶ場として、また本年7月号では10周年特集を組んでいただくなど、節目節目で大変お世話になってまいりました。
Q2|ホテル運営における現在の重点テーマ——収益・人材・品質管理
最も注力しているのは「人」への投資です。当社はホテルスタッフの外国人比率が4割を超える多国籍な組織であり、国籍を問わず誰もが安心して長く働き続けられる環境づくりを、創業時から一貫して大切にしてきました。言語インセンティブ制度をはじめとする処遇面の充実に加え、国籍や職種を越えて互いに助け合うマルチタスク型のオペレーションを確立し、一人一人がホテルの課題を"自分ごと"として捉え挑む現場のチカラを育んできました。この現場力こそが、平均稼働率98.5%という高稼働・高収益を支える当社最大の強みです。そしてこの7月に発足した新体制のもと、国籍も文化も多様な仲間とともに培ってきた組織力・人材力は、海外展開を推進するうえでの大きな財産になると確信しています。国内外を問わず、「人」を軸にブランド品質のさらなる向上に取り組んでまいります。
Q3|DX・AI活用と運営効率化——現在の取り組みと今後の方向性
ホテル運営の究極のテーマでもある「DXとホスピタリティの融合」に、創業時から取り組んできたことが当社の特徴の一つです。「仕事を難しくしない」「誰でも化」を掲げ、コロナ禍の間に基幹システムの刷新や自社開発システムの導入に2億円規模の投資を行ないました。テクノロジーはあくまで手段であり、効率化によって生まれた時間と余裕を、ゲストへのホスピタリティに還元していくことが目的だと考えています。今後は、ホテル運営で培ってきた「私たちらしい運営プラットフォーム」を主軸に、海外市場への展開にも注力していきます。本年7月にはグループの海外事業機能を当社へ統合し、海外展開を本格化させる体制を整えました。この新体制のもと、まずはインドネシアを基軸に、海外市場への「日本型オペレーションの逆輸出」に挑戦してまいります。
Q4|HOTERES読者へのメッセージ——60周年の節目に
月刊HOTERES創刊60周年、誠におめでとうございます。業界とともに歩んでこられた60年に、心より敬意を表します。当社がホテル事業に参入してからの10年だけを振り返っても、インバウンドの急拡大、コロナ禍という未曾有の危機、そしてその後の力強い回復と、業界は激動の連続でした。それでも日本のホテルが世界のゲストから高い評価をいただき続けているのは、現場で働く一人一人の力にほかならないと感じています。訪日需要が拡大を続ける今、ホテル業界は日本の観光立国を支える基幹産業として、さらなる可能性を秘めています。国内にとどまらず、日本のホテル運営の価値を海外へと発信していくことにも、業界全体で取り組んでいけたらと考えています。貴誌が次の時代も業界の羅針盤であり続けることを期待するとともに、今後ますますのご発展を心より祈念しております。
Editor’s Note
株式会社ザイマックスインターナショナル 代表取締役 代表執行役員社長 佐藤 亮祐 氏
【プロフィール】
1993 年 4 月 ㈱リクルート入社
2000年1月 ㈱リクルートから MBO で分社独立したタイミングで㈱ザイマックス※1 入社
2015年4月 ㈱ザイマックス※1 執行役員
10月 ㈱からくさホテルズ 取締役
2018年4月 ㈱からくさホテルズ 代表取締役社長
2026年7月 ㈱ザイマックスインターナショナル※2 代表取締役 代表執行役員社長
※1 現・㈱ザイマックスグループ
※2 ㈱からくさホテルズから2026年7月社名変更