ピエール・イヴ・ロション(PYR)事務所インタビュー前編

なぜ世界のラグジュアリーホテルは、PYRを選ぶのか。 「ロション・スタイル」ではなく、一貫した哲学を受け継ぐデザインスタジオ

世界のラグジュアリーホテルやブランドは、なぜピエール=イヴ・ロション(Pierre-Yves Rochon:PYR)へ仕事を託すのか。Four Seasons Hotel George V Paris、The Dorchester London、Waldorf Astoria——名前を聞けば誰もが知る世界最高峰のホテルが、40年以上にわたり、同じスタジオへプロジェクトを任せ続けている。世界には数多くのホテルデザイナーが存在するなかで、これほど長く、厚い信頼を集めるスタジオは決して多くない。今回、Pierre-Yves Rochon(PYR)のPrincipal / Managing Directorを務めるブノワ・ジュレ(Benoit GELEZ)氏と、Alliances Development Directorのローラン・バティ(Laurent BATY)氏が来日し、東京・銀座のフランス料理店「ロオジエ」でインタビューの機会を得た。ロオジエは、2013年のリニューアルでPYRがインテリアを手掛けた、日本を代表するプロジェクトの一つである。ランチをともにしながら数時間に及んだ対話で見えてきたのは、意外なことに、二人がほとんど自らのデザインを語らなかったという事実だった。彼らが繰り返したのは、その土地を理解すること、ブランドを理解すること、そしてクライアントとともに、その場所にふさわしい答えを導き出すことだった。世界のラグジュアリーホテルやブランドは、PYRの何を信頼し、仕事を託しているのか。前編では、その哲学と、それを組織として受け継いできた仕事の流儀を追う。
プロフィール 右 ブノワ・ジュレ(Benoit GELEZ)氏 Pierre-Yves Rochon(PYR) Principal / Managing Directorピエール・イヴ・ロション(PYR)のパリおよびシカゴ拠点を統括するマネージングディレクター。ラグジュアリー建築・インテリアデザイン分野において30年以上にわたり、プロジェクトの開発・マネジメントを牽引。キャリア初期には、フランスの公的投資機関であるCaisse des Dépôtsにて文化資産を担う施設開発に従事。その後、RDAI (Hermès Group)やJean Paul Gaultier Groupで要職を歴任し...
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武田雅樹(Takeda Masaki)

武田雅樹(Takeda Masaki)

㈱オータパブリケイションズ 執行役員 ブランドメディア統括/Chief Brand & Editorial Officer。

ホテル開発、ブランド戦略、デザイン、トレンドなどを横断的に取材・分析し、事業・開発・運営をつなぐ視点を強みに活動。ホテルを「事業」と「体験」の両面から再解釈し、その価値や可能性を多角的に読み解く。また、都市や地域のなかでホテルが果たす役割や意味に注目し、国内外での取材・視察を通じて、観光・まちづくり・コミュニティとの関係性を問い続けている。メディアを単なる情報発信の手段ではなく、人と人、思想と実装を接続する“場”として設計し、業界を横断する対話と共創の機会を創出。HOTERES Digitalでは、ホテルの「いま」と「裏側」を掘り下げながら、現場のリアリティとグローバル潮流をつなぐ編集・発信を行なっている。

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