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"id": 573839147121,
"title": "選ばれるレストランは、どうつくられるのか。L'AS 兼子大輔シェフが語る体験設計とブランドづくり",
"content": "\n自分だけの勝ち筋をつくる\n「もともとはフレンチのシェフになることしか考えていませんでした。ただ、日本に帰ってきた頃はまだリーマンショックの影響も残っていて、高級店を出すのは少し難しいのではないかと思っていました」\n自分で店をやるなら強みを生かした業態にしたい。兼子シェフの強みは、リーズナブルな食材でもおいしい料理をつくれることだった。当時の東京にはすでにおいしいレストランが数多くあったからこそ、“おいしいだけでは差別化にならない”という認識が出発点にあった。\n当時フランスでは、高級レストランで修業したシェフがカジュアルな業態を出す流れが始まりつつあったが、日本にはまだその動きはなかった。そこに着目し、自分なりに形にしようと動き出した。発想のヒントになったのは、飲食業界の外にある他業態のモデルだったという。「ライフネット生命やスーパーホテルが参考になりました。余計なものを省きながら、本当に大切な部分にはしっかり投資する。そうした考え方はレストランにも応用できると思ったんです」\nワンコースのフレンチが珍しかった時代に先行して挑戦したことで多くのメディアに取り上げられ、最初の25席はすぐに満席となった。その後、現在の65席への移転と増員を経て、売上・利益ともに大きく伸ばすことができたという。\n\nおいしいだけでは、選ばれない\n開業から10年以上が経った今も、L'ASは平日から満席が続く。記念日のカップルから友人同士の食事まで客層は幅広く、SNSでバズる仕掛けがあるわけでも、有名シェフの知名度だけで集客しているわけでもない。それでも支持が途絶えない背景には、料理の質に裏打ちされた明確なビジネス設計がある。\n「まず前提として、しっかりおいしいものをつくることは大切だと思っています。SNSで一時的に話題になったとしても、料理そのものに価値がなければ長くは続きません。その一方で、おいしいだけでも選ばれない時代になっているとも感じています」\nL'ASが長年維持してきたワンコーススタイルは、オペレーション効率化だけが目的ではない。メニューを一つに絞ることでスタッフの習熟度が上がり、食材もまとまった数量で仕入れられるぶん業者との価格交渉も有利に進められる。品質の安定につながるうえ、メニューを定期的に変更することがお客さまとの継続的な関係づくりにもなっていると話す。価格設定も少しずつ見直してきた。開業当初より値上げを重ね、今では7000円近い水準になっているが、その都度予約は途絶えない。「値上げできない飲食店は本当に苦労しているんですよ。価値を感じてもらえている間は、ちゃんと上げていくべきだと思っています」\n2026年4月にオープンしたPrés de L'ASで初めてデザートワゴンを取り入れたのも、こうした発想の延長にある。「料理そのものだけではなく、お客さまが誰かに話したくなるような体験も大切になっています。ただ、それも料理やサービスの価値があってこそだと思います。おいしい料理があり、そのうえで空間やサービスがある。そうした要素の積み重ねが、お店の価値になっていくのではないでしょうか」\n\nすべての細部に、理由がある\nL'ASを訪れると、一般的なフレンチとはいくつか異なる演出に気づく。テーブルには小ぶりな引き出しが設えられており、ナイフやフォークは自分で取り出す仕組みになっている。空間そのものも洗練されていて、テーブルや椅子、照明、食器やグラスに至るまで細部にこだわりが貫かれており、それが体験全体の質を底上げしている。コースは月単位で内容が変わるため、先月来たばかりでも、次に訪れれば別の料理が待っている。そして最初の一皿として手渡されるシグネチャーの“クリスピーサンド”は、毎回フレーバーが変わり、個包装で供される。初めて見た瞬間の小さな驚き、封を開けるときの期待感、口に入れた瞬間の満足――その体験が、誰かを連れてきて驚かせたい、あの感動を共有したいという衝動を生む。連れてきた相手がまた別の誰かを誘い、その人がさらに誰かに教えたくなる。L'ASのリピートと口コミの連鎖は、こうした仕掛けの積み重ねから生まれている。\n「何かを取り入れるときには、必ず理由が必要だと思っています。意味なくついているものはあまり好きではありません。コンセプトとつながっていれば、それは価値になる。お客さまは必ずしも言語化するわけではありませんが、そうした一貫性は自然と伝わるものだと思うんです」\nレストランの体験は料理だけで決まるわけではない。予約の瞬間から、店に入る場面、席に着いたときの印象、スタッフとの会話、そして料理。すべてが積み重なってお店の印象になる。だからこそ、料理だけではなくお店全体としてどう感じてもらうかを常に意識しているという。「L'ASらしいやり方は何か、お客さまにとって自然で心地良い形は何か。その積み重ねが今のスタイルにつながっているのだと思います」\n\nいいチームが、いい店をつくる\n「どれだけ良いコンセプトがあっても、実際にお客さまと接するのはスタッフです。だから良い店をつくるためには、まず良いチームをつくる必要があります」\n飲食業界では“好きだから働く”という文化が長く続いてきたが、それだけでは続かない時代になっている。給与を上げるためには店として利益を出さなければならず、収益性の確保が人材確保に直結する。一方で、成長できる環境をつくることも不可欠だという。「ある程度経験を積んだスタッフが次のステップへ進みたいと思ったとき、その機会がなければ辞めてしまうこともあります。店舗が増えることで、新しいポジションや役割が生まれるという面もあります。例えばプレドゥラスのシェフも、長くラスで経験を積んできたスタッフが担っています。外から採用するのではなく、育った人材が次の場所へ進めるというのは、こういった規模でやることのいいところの一つでもありますね」\nスタッフのモチベーション維持という点では、“称賛の力”も意識しているという。「誰かが頑張っているところを、他の人が気づきにくいところで見つけてあげてちゃんと声をかける。コストはゼロですけど、効果はすごく大きいと思っています」\n品質維持の面では、「感覚に頼りすぎない仕組みづくり」を意識している。「昔は横で見とけというような職人の世界でしたが、僕はかなり細かくレシピをつくります。誰がつくっても一定の品質になるよう、なるべくシンプルで効率的な内容に磨いてから渡す。そうした積み重ねが、多店舗展開を支えるうえでも重要だと思っています」\n\n場所ごとに、価値を設計する\n現在、兼子シェフが手がける拠点は東京、南青山のL'ASとCORK、2026年4月にオープンした原宿のPrés de L'ASは、エリアの客層を踏まえてコースを3000円台から5000円台に設定。L'AS本店の7000円近いコースとは価格帯から設計し直した。それに加え、ホテルレストランの監修案件も全国に広がっている。名古屋JRゲートタワーホテル内「THE GATEHOUSE」、グラングリーン大阪・ホテル阪急グランレスパイア大阪内「MAISON VERTE」など、その活動領域はホテルにも及ぶ。一方で、2025年9月には路面店となる福岡「L'AS Fukuoka」も開業した。そして2026年9月には東京駅エリアへの出店も控えており、活動の場は今なお広がり続けている。\n「立地や客層によって求められるものは大きく変わります。同じブランドや考え方を持ち込んでも、そのまま再現すればうまくいくわけでもありません。大阪と名古屋はホテルレストランですから朝食もつくりますし、アフタヌーンティーのお菓子のタワーも用意する。福岡では九州の食材を使うようにする。ベースとなるL'ASのレシピがあって、それを立地や価格帯によって微調整していくというイメージです。\n以前に比べると、ホテルだから利用するというより、その店に魅力があるから利用するという考え方が強くなっているように感じます。だからこそ、ホテルであっても街場のレストランであっても、お客さまに選んでいただく理由をつくることが大切なのだと思います。料理かもしれませんし、価格かもしれませんし、居心地かもしれない。何がお客さまに響くのかは場所によって異なりますが、その場所ならではの価値を考えることは以前より重要になっていると思います。そういう意味では、L'ASでもホテル案件でも、本質的に考えていることはあまり変わらないのかもしれません。\n名古屋のTHE GATEHOUSEでは、同じ施設内の他テナントが苦戦するなかでも上位の集客を誇る。「施設の回遊に頼るのではなく、SNSでちゃんとそのお店を目的として来てもらう。目的地として選んでもらえる力をつくることが、大型施設のなかでは特に重要だと思っています」\n\n次のステージへ\nL'ASはトランジットグループへの参画という大きな転換点を迎えた。経営的には順調そのものだった店が、なぜその決断に至ったのか。取材を通じて見えてきたのは、“成長への渇望”ではなく、“料理人としての原点への回帰”というテーマだった。\n「店の経営自体は順調でしたし、売上や利益の面で困っていたわけではありませんでした。ただ、店舗が増えるにつれて採用や人事、マネジメントに割く時間がどんどん増えていきました。自分は料理人としてこの仕事を始めましたし、本来は料理や店づくりが好きなんです。もう少しクリエイティブな部分に時間を使いたいという思いがありました。\nこれまでの協業を通じて、信頼関係がしっかりあったことが一番大きかったと思います。トランジットはお店づくりやPRが抜群に上手で、一方で一店舗を細かく磨き上げることは自分が得意なところです。その補完関係をうまく機能させられるという感覚がありました。飲食だけではなく、ホテルや商業施設、イベントなど幅広い事業を展開していますし、組織としての機能も整っています。採用や人事、内装デザインなど、自分一人ではまかないきれない部分を支えてもらえる環境があること、また自分一人では出会えなかったようなプロジェクトや案件に関われる可能性も感じました。結果として以前より料理やクリエイティブに向き合う時間は増えています。自分にとって良い選択だったと思っています。\n完全に戻るというわけではないですね。経営について考えることは今もありますし、店づくり全体を見る立場であることは変わりません。ただ、以前より料理や企画、新しいプロジェクトに関わる時間が増えたのは事実です。自分が本来好きだった部分に、もう一度しっかり向き合えるようになった感覚はありますね」\n\n呼吸をするように、料理をしたい\n現在担ってきた経営改善の役割は一定の形をつくり上げ、今後はエグゼクティブシェフとして料理の現場により軸足を移していく予定だという。「以前に比べると、新しいレストランの立ち上げや、ホテルや商業施設など、これまでとは違う形でレストランづくりに関わる機会が増えてきました。まだ46歳ですし、料理人としては経験的にも体力的にもこれからがピークだと思っています。何か大きな目標を掲げているというよりは、一つひとつのプロジェクトにしっかり向き合っていきたいという気持ちの方が強いですね」\n活動領域が広がるなかでも、変わらないものがある。「最終的にはお客さまに喜んでいただくことが一番大切です。そのために料理があり、サービスがあり、空間があります。立地や客層によって求められるものは変わっても、その思いは変わりません」\nそして、その動機の根底にあるのはシンプルな言葉だ。「料理は、自分のためにやっているんだと思うんです。毎日料理がしたい。呼吸をするように料理をしていたい。それが僕にとっての、立ち返る場所なんですよね」\n \n\n(株)トランジットホールディングス Exective Chef 兼子大輔氏 Daisuke KanekoProfile\/1979年生まれ。大阪「ラ・ベカス」、東京「コートドール」など都内の名店で修業後、渡仏。パリ「ルカ・カルトン」、「アラン・サンドランス」にて研鑽を積み、帰国。2012年に南青山に「L'AS」をオープン。2013年に南青山内へ移転し、同時に「CORK」を開業。2014年にはイギリスの高級グルメ誌「FOUR」にて「世界の若手ベストシェフ」に選出され、ライジングスターを受賞。同年「RED U-35」にてゴールドエッグを受賞。ミシュランガイド東京2024年度版にてビブグルマンに掲載。これまでにトランジットグループが運営する「THE GATEHOUSE」、「MAISON VERTE」の監修を手がけ、2025年10月よりトランジットホールディングス Exective Chefとして活躍。\nL'AS\nトランジットグループ",
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"category": "interview",
"url": "\/en\/blogs\/interview\/2026083101",
"image": "//hoteres.com/cdn/shop/articles/img_260821focus_01_160c9989-e214-408e-a237-99687727fbd8.jpg?v=1788153509&width=600" ,
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"id": 573814800497,
"title": "ウェルビーイング先進企業3社が共催!グランド ハイアット 東京で挑む「朝の出社前ウェルネスイベント」現地レポート",
"content": "\n異業種の3社がタッグを組んだ背景と「健康経営」へのこだわり\n今回の合同イベントを実現させたのは、いずれも従業員の健康増進やウェルビーイング事業に深いこだわりを持つリーディングカンパニーだ。\n〇 ㈱森ビルホスピタリティコーポレーション「世界で一番のホスピタリティ企業を目指す」を経営理念に掲げ、国内外5ヵ所のホテル、会員制クラブ、ウェルネス事業他を展開している。※健康経営優良法人2026(大規模法人部門“ホワイト500”)認定法人\n〇 エステー㈱中期経営計画において、成長テーマのひとつとして“かおり×ウェルネス”を掲げ「かおり」を軸にしたウェルネス領域での社会課題の解決や、企業・自治体・地域との共創を推進している。 ※健康経営優良法人2026(大規模法人部門)認定法人\n〇 西川㈱創業460周年を迎え、「Beyond Sleep~眠りのその先へ~」を掲げ、[エアー]等の高機能寝具や「コンディシート」などの展開に加え、企業の健康経営を支援する「快眠セミナー」の実施や「ねむりの相談所」の運営など、睡眠を入口に心身のウェルビーイングを高める多角的ソルーションを推進している。※健康経営優良法人2026(大規模法人部門)認定法人\n森ビルホスピタリティコーポレーションのバックオフィスにおけるエステーの「かおり」に関する実証実験や、西川の「睡眠・休憩用寝具」の導入などウェルビーイングに関する取り組みを進めてきた3社。今回は「まず自社の従業員自身が心身ともに健康であり、前向きに働ける状態を作ること」を目的に、合同での体験型イベントが企画された。\n自然を思わせる空間で心身を整える2部構成プログラム\n会場となったグランド ハイアット 東京 3階の「グランド ボールルーム」に足を踏み入れると、壁面には青々とした森のビジュアルが映し出され、一面にヨガマットが敷き詰められていた。エステーは会場に業務用アロマディフューザーを設置し、森林調の香りにより空間を演出。清々しい空気の中、スポーティーなウェアに身を包んだ3社の従業員が続々と集まり、談笑しながらスタートを待つ。プログラムはフィジカルとメンタルの両面にアプローチする約1時間の2部構成で実施された。\n\nSHIHOさんによる「ヨガセッション」\n 前半のインストラクターを務めたのは、モデルであり全米ヨガアライアンス認定ヨガティーチャーとしても活躍するSHIHOさん(The Wellness Japan ファウンダー)。元気いっぱいのアドバイスでスタートしたヨガセッションは、まず呼吸の大切さやヨガの目的を意識することからスタート。マットの上に横になり、少しずつ身体をほぐしていく。身体が温まってきたところで、プログラムは近隣の参加者とのペアワーク、数人でのワーク、そして最後は「全員で息を合わせて行うポーズ」へと発展。約120名という大人数での挑戦に、最初は戸惑いを見せるスタッフも。しかし、SHIHOさんからのエネルギッシュな声がけで他社の従業員同士も自然と声を掛け合い、笑顔でポーズを完成させていった。\nCrystal Omによる「クリスタルボウル サウンドメディテーション」\n しっかりと身体を動かした後は、静寂の中で自分自身と向き合うメディテーション(瞑想)タイムへ。プログラムを担当したのは、音によるマインドフルネスを推進するクリスタルサウンドアーティスト「Crystal Om」。会場の照明が落とされると、クリスタルボウルの幻想的で澄み渡る倍音が会場全体に響き渡った。参加者はヨガマットの上に横たわり、五感を音の振動に委ねる。「そのまま眠り落ちても大丈夫」という案内の通り、疲労をリセットする深いリラクゼーションの時間が流れた。\n \n \n\nトップが語る「従業員のウェルビーイング」と今後の展望\nプログラム終了後、すっきりと晴れやかな表情を浮かべる参加者を前に、本イベントに自ら参加した3社のトップからメッセージが送られた。\n㈱森ビルホスピタリティコーポレーション 代表取締役社長執行役員: 苧お原はら 誠まこと 氏\n 約120名の参加で大変盛大なイベントになり嬉しく思います。弊社はここ3〜4年『健康経営』に重点を置いており、エステー様との“かおり”の実証実験や、西川様との従業員休憩用寝具の連携などを行ってきました。高品質なサービスを提供するホテル・ホスピタリティ産業だからこそ、従業員自身の心身の健康と意識向上が不可欠です。森ビルグループ全体の「都市を創り、都市を育む」というテーマのもと、今後もこの取り組みをさらに強化していきます。\nエステー㈱ 代表執行役社長:上月 洋 氏\n 早朝から皆さんと素晴らしい時間を共有でき、心身ともにリフレッシュするひとときとなりました。弊社は「くらしと社会を豊かにするウェルネスカンパニー」を目指す中で心身の健やかさを重要視しています。今回の取り組みをきっかけに、森ビルホスピタリティコーポレーション様、西川様との連携を今後もより強固にしていきたいです。\n西川㈱ 代表取締役社長 COO:竹内 雅彦 氏 \n 素晴らしい機会をつくってくださった関係者の皆さまに感謝いたします。SHIHOさんの呼吸のお話や身体に響く音に大変感動しました。弊社は『よく眠り、よく生きる。』をコンセプトに掲げています。夜の睡眠はもちろん、日中のスタッフのパフォーマンスや「お昼寝」も含めて元気に働ける環境づくりに注力し、眠りの力で日本、そして世界を元気にできるよう尽力してまいります。\n \n\nサービス品質の原点は「従業員のエンゲージメント」にあり\n朝の光と豊かな音、心地よい運動によって心身をリフレッシュさせた参加者たちは、そのままそれぞれのオフィスや現場へと向かった。今回の3社合同ウェルネスイベントは、単なる一企業の「福利厚生」にとどまらず、同じ志を持つ企業がコラボレーションすることで、従業員にこれまでにない価値と体験を提供できることを証明した。顧客に最高の体験やサービスを提供するための原動力は、現場で働く従業員自身の健康と笑顔にある。企業の壁を超えた今回の先進的な取り組みは、今後のホテル業界や健康経営のあり方に大きな示唆を与えるものだったのではないだろうか。\n \n \n会場には、椅子に座るだけで心身のコンディション(自律神経のバランスを含む様々な生体情報)をその場で簡単に計測・可視化できる、「コンディシート(ココロミエール)」(nishikawa独自のセンサー搭載クッション)を設置。従業員がかわるがわる体験し、コンディションに合わせたアドバイスを受ける一コマも。",
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"title": "宿泊主体のリッチモンドホテルに加えライフスタイル、ラグジュアリーセグメントにも参入、多様なニーズに応える体験価値を提供",
"content": "ロイヤルホールディングス株式会社 執行役員ホテル事業、国内事業開発担当ロイヤルマイナーホテルズ株式会社 代表取締役社長本山 浩平氏(Kohei Motoyama)〈profile〉2006年アールエヌティーホテルズ株式会社(以下、RNT)入社、2007年にプレミアブランド1号店となるリッチモンドホテルプレミア武蔵小杉の支配人に着任。その後、長崎思案橋支配人やRNT本社営業企画および情報システム部を経て、2016年に親会社のロイヤルホールディングス株式会社(以下、RHD)財務企画部IR担当課長に。その後、RNT新領域開発、経営企画室長などを歴任し、2021年RNT代表取締役社長に就任。2022年RHD執行役員ホテル事業担当、2025年ロイヤルマイナーホテルズ株式会社代表取締役社長を兼務。2025年RHD執行役員ホテル事業、国内事業開発担当、2026年3月より現職。\n\nホテル事業は堅調に推移、新たなセグメントにも進出\n――今年も後半に入りましたが、貴社のホテル事業の営業状況はいかがでしょうか。\n 上半期の業績は前年を上回っており堅調に推移しています。経営環境はインバウンド需要の変動といった不透明要素を含めいろいろな課題もありますが、それを補うような需要が代替してくれており、現状の力強さを物語っていると思います。関西を中心にこれまでお越しいただいていた国の方々が一時的に少なくなっているものの、全国的には堅調に伸びています。 また、これまでは主にビジネス需要を獲得してきましたが、地方を中心に国内レジャーのお客さまも増えています。これは東京エリアには見られない傾向で、一室当たりの宿泊人数となるDORが増加している要因の一つと考えられます。\n――現在、ホテル事業で重点的に取り組まれていることは。\n 既存ブランドの「リッチモンドホテル」は価値向上のための投資を進め、新たなライフスタイルホテルブランド「THE BASEMENT」も開業しました。さらに、「Minor Hotels(マイナー・ホテルズ)」との合弁会社であるロイヤルマイナーホテルズ㈱を設立し、「Anantara(アナンタラ)」、「Tivoli(チボリ)」、「Avani(アヴァニ)」を展開して、ラグジュアリーホテル市場への参入を果たしていきます。こうした三つのセグメントを展開することで、ビジネスやレジャーにとどまらず、幅広いニーズにお応えする多様な体験価値を提供していく考えです。 基本的には三つのセグメントにバランスよく力を入れていく考えですが、ただ、現在の建築費が急騰している中、一定の耐性を持っているのはラグジュアリー分野で案件数もおのずと多くなっています。 そのほか当社の強みを生かし、いわゆるホワイトレーベルのホテルオペレーターとして運営を受託することも探っており、経営の可能性を広げていく方針です。\n――それでは、それぞれのセグメントについて具体的な動きをお伺いできますか。まず、新ブランドの「ザ ベースメント」の手応えを教えてください。\n 1号店として開業した「THE BASEMENT HOTEL Osaka Honmachi(大阪本町)」は開業から1年が過ぎましたが、大変手応えを感じております。昨年は大阪・関西万博の開催効果も追い風となって稼働率もよく、開業後すぐに9割を超えました。単価は少しマーケットの影響を受けましたが、コストパフォーマンスの点でご好評をいただくことができたと思います。最上階のラウンジのスペースで語り合い、コミュニケーションをとって、ゆったりと過ごす。そんな世界観が実現して、特に力を入れたラウンジの価値、食の価値、ホスピタリティにご満足いただけたことが自信につながりました。\n――「リッチモンドホテル」では、近年大規模改装を進めていらっしゃいますがその理由は。\n コロナ明け以降、お客さまのニーズが多様化しました。インバウンドやレジャーのお客さまが増え、そうしたニーズの変化にお応えするためにも改装を実施しています。改装に際しては、チェーンホテルによくある画一的なものではなく、地域の魅力をしっかり感じていただけるような落とし込みを行っています。\n――ラグジュアリーカテゴリー進出のスタートとして、「アヴァニ」ブランドを2029年度に京都で出店されると伺いましたが、概要をご紹介ください。\n かつて京都新聞社の本社だった旧京都新聞ビルの再開発プロジェクトの一環としてホテルが開発され、その運営を当社が受託し、「Avani Kyoto」を開業する予定です。「Avani」は現代的な機能性と、その土地ならではの体験を重視する旅行者をターゲットに、世界24か国で展開するプレミアム・ライフスタイルホテルブランドです。京都新聞社が掲げるサスティナビリティや、ゲストと地域のハブになるホテルを目指すという点でも共感を得て出店の機会をいただいたという経緯です。「Avani Kyoto」は、旧京都新聞ビルの一部をコンバージョンする既存棟および新築棟合わせて約240室規模の客室を用意します。FBはオールデイダイニング、スペシャリティーレストラン、コーヒーラウンド、バーを付帯する予定で、価格にご納得いただけるコンテンツをそろえていく計画です。 人材教育にはマイナー・ホテルズのスタンダードに準ずるプログラムも取り入れるなど、どのような人材戦略をとっていくのか協議しているところです。また、マイナー・ホテルズはバンコクにホテル経営学を学べる高等教育機関Asian Institute of Hospitality \u0026amp; Management(AIHM)を運営しており、夏には体験授業やワークショップを実施していますので、今後は従業員を積極的に派遣していきたいと思っています。\nAI、DXを運営に活用しつつ人ならではの接客も重視\n――次に近年急速に進んでいるAIやDXにどのように向き合っているのかお聞かせください。\n AIやDXを活用できる分野においては積極的に活用し、従業員のリテラシーを高めていく方針です。例えばレベニューマネジメントは導入が進んでおり、精度も非常に高いです。一気通貫で客室のコントロールや価格の変更など格段にやりやすくなっていると感じています。 その上で人にしか生み出せない価値を従業員自身が考えていくプロセスが大事だと思っています。お客さまをお迎えする準備にAI、DXを活用し、接客では人の価値を出せるような住み分けをしていきたいと考えています。\n――業界全体で人手不足が課題となる中、採用力、エンゲージメントを高めていく施策を打たれていますか。\n ホテルのフロント業務はAIに代替される仕事の一つだと言われていますが、私はそうならないと信じています。むしろAIが台頭すれば、代替できないおもてなしの気持ちやホスピタリティなど、人の価値がより増してくると考えています。人をよろこばせたいというおもてなしの想いを発揮できる職場環境を作っていくことこそが、ESと同時にCSも高めるという考えのもと、そうしたホスピタリティマインドを持つ方に選んでいただけるホテルのビジョンをしっかり示すことが、エンゲージメントを高める最大の鍵だと思っています。\n――リッチモンドホテル浅草では客室の一部を従業員のための休憩室にコンバージョンをされたそうですね。\n 築年数15〜20年のホテルは開業当時、宿泊主体型でいかにレンタブル比を上げるかで事業性の良し悪しを決められていました。極限まで共用部を削ったり、事務所や更衣室、休憩室を減らして客室に振り当てるなど。しかし、現在は顧客満足を叶えるには従業員一人一人が気持ちよく働ける環境が必要という考え方に変わり、一部の客室を休憩室、後室に変える取り組みを浅草からスタートしました。 この取り組みがES向上に直結したのかはまだ判断できませんが、ロイヤルグループのホテル事業を担うアールエヌティーホテルズ㈱では全従業員2500名を対象に年2回のES調査を続けています。従業員の満足度や各ホテルの課題を把握することで職場環境の改善に努める考えです。\n――そのほか現在、課題とされていることがありますか。\n どんなによいホテルをつくったとしても、拠点を増やさない限りはお客さまにご宿泊いただけません。建築コストが高騰して出店のハードルが上がっておりますが、出店数を増やしていくことが大きな課題と意識しています。 中核都市にはほぼ出店しておりますので、今後は日本人も魅力に気づいていないような都市に出店することも有意義ではないかと考えています。\n――海外出店の構想もありますか。\n 海外出店は以前よりもハードルが下がっていると感じています。昔は日本人と親和性の高い場所で日本人ビジネスマンや旅行者を受け入れる前提でしたが、いまはそこに宿泊ニーズがあれば出店を検討しています。 当グループでは、外食事業が直営でシンガポール、ベトナムに現地法人を立てて出店をしております。特にベトナムはここ1年間でかなり多く出店しており、現地での採用活動も進めています。そうしたグループとしての基盤やノウハウを生かしてホテルを運営することは可能性として十分はあると思っています。\n――本日ありがとうございました。\n―――聞き手・オータパブリケイションズ 臼井 usui@ohtapub.co.jp文・アクセント撮影・林 正",
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"title": "ランドリーは“設備”から“滞在価値”へ ゲストの声がホテルを進化させるグランドニッコー東京ベイ 舞浜",
"content": "グランドニッコー東京ベイ 舞浜 総支配人室 総支配人補佐 白川雄一氏\n「選ばれるホテル」であり続けるために\n――まず、現在のホテルの特徴や、目指しているホテル像は。\n 当ホテルは、東京ディズニーリゾート®に隣接する絶好のロケーションに位置し、ご家族連れをはじめ、女性グループやカップル、そして近年は訪日外国人旅行者の皆さまにも非常に多くご利用いただいております。特に海外からのゲストには1週間以上滞在されるケースもあり、連泊や長期滞在をいかにストレスなく快適にお過ごしいただけるかという環境づくりが極めて重要になっています。 私たちが目指しているのは、「すべての人にしあわせのおもてなしを」というビジョンのもと、ゲストから常に選ばれ続けるホテルとなることです。コロナ禍以降もプールやジムのオープン、客室内Wi-Fiの強化、ベビーカー貸出やお子様用備品の拡充など、滞在中の小さな不便を解消するための取り組みを一つずつ積み重ねてまいりました。 \nランドリー導入は、お客さまの声から始まった\n――コインランドリー導入のきっかけと、これまでの経緯は。\n 以前は外部のクリーニングサービスをご案内しておりましたが、コストや時間の面から「館内で手軽に洗濯がしたい」というご要望を数多くいただいておりました。特にインバウンドの増加や、テーマパークでの水掛けイベントをはじめとする汗をかく夏場の利用において、ランドリーは非常に重要なインフラです。数年前から導入を検討していたものの、大規模な館内構造ゆえに給排水や電源配管の課題があり、実現に至りませんでした。転機となったのはプールエリアのリニューアルです。工事に合わせ、隣接する事務所内に給排水設備を新設することで、2024年7月に待望のコインランドリーオープンを果たしました。\n「16分」というスピードが、オペレーションと滞在価値を変える\n――数ある機器の中から「完洗 KAN-SEN 16」を選ばれた理由は何でしょうか。\n 最大の利点は、約16分という短時間で高品質な洗濯が完了するスピード感です。 舞浜エリアのホテルでは、夜間のテーマパーク閉園後や朝の時間帯にゲストの帰館とランドリー利用が集中します。このピークタイムに処理スピードが速いことは待ち時間の軽減に直結し、限られたスペースでも高い回転率を実現できます。 また、すすぎ工程を大幅に削減する洗剤「重珊水」や自動投入機能により、ゲストが洗剤を購入・投入する手間を排除できました。ホテル側にとっても水道光熱費の削減効果が高く、ゲストの利便性向上と運営コスト低減の双方が叶う点が大きな決め手となりました。 \n設備は設置して終わりではない──改善を重ねるPDCA\n――実際に運用を開始されてからの反響や、現場での変化について教えてください。\n 2024年7月のオープン時、当初は洗濯機6台・乾燥機8台の構成でスタートし、防犯用の監視カメラを設置して24時間体制で稼働を開始しました。しかし実際に運用してみると、繁忙期のピークタイムに乾燥機の待ちが発生することが分かりました。そこでゲストのお声をもとに、導入から1年後に乾燥機を10台へと増設いたしました。 さらに、混雑による満足度低下を防ぐため、事前にスマートフォンで稼働状況を確認できるWEBシステムを導入したほか 、2026年4月には両替機を新たに設置するなど、現場の利用実態に合わせたアップデートを継続的に行なっています。 \n小さな改善の積み重ねこそが、ホテルの真のブランドをつくる\n――最後に、今後のホテル運営における展望と、業界へのメッセージをお願いいたします。\n 舞浜エリアのホテルはゲストの行動パターンが重なりやすく、繁閑の差が極めて激しいという特性があります。混雑時のストレスを解消するシステムやソリューションを導入し、一つひとつの課題を解決していくことこそが、選ばれるホテルづくりの本質だと考えています。 派手な設備投資だけがホテルの価値を高めるわけではありません。ゲストのお声に真摯に向き合い、そのニーズに即したおもてなしを提供すること。そしてそれを支える最適で信頼できるビジネスパートナーやソリューションを見出すことが、最終的な顧客満足度の向上につながると確信しております。 \n国内シェア№1のコインシステム |「あっ!ここにもコインランドリー」のファミリーグループ\nEditor’s Note\n\nイチロク販売価格:20万円(税抜)/台 ※洗剤自動投入器1台含む。初回購入特典で専用洗剤「重珊水」18kgをプレゼント。ファミリーレンタリース:国内シェア№1のコインシステム |「あっ!ここにもコインランドリー」のファミリーグループ\n",
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"title": "【新連載① 月の港ボルドー】クワイエット・ラグジュアリー ~ 控えめに、上質なワインを愉しむ暮らし",
"content": "\nProfile\n\n今野有子氏株式会社アルムンド代表取締役\/Philosophy Technologies inc. Co-CEO早稲田大学商学部卒業後、武田薬品、リクルートエージェント(現リクルート)で法人営業を経験。ニュージーランド、スペイン、フランスに留学後、株式会社アルムンドを創業し、ワインを通じて、新たな市場と顧客体験の創出に取り組んできた。ファイナルファンタジー30周年記念ワイン(スクウェア‧エニックス)をはじめ、ヤマハ、NTTドコモ、東急不動産、関⻄電力グループなど、多業種にわたる大手企業とのコラボレーションを実現。ワインの輸入販売にとどまらず、ボルドーやブルゴーニュ、ロンドンで得たワインの知見を活かした様々なイベント企画、高級旅館やミシュラン星付きレストランなど、ハイエンド顧客層にコンサルティングを多数手掛ける。これまで6カ国で4言語を用いて生活した経験から培った多文化的な視点を強みに、現在はシリコンバレーを拠点に、哲学的思考を活用したビジネスをグローバルに展開している。主な書籍:★★Amazonカテゴリーランキング1位「ソムリエ・ワインアドバイザー・ワインエキスパート資格・検定関連書籍」を獲得(8\/14)★★「目に見えない価値の伝え方 顧客を感動させる提案の技術」、「エグゼクティブはなぜワインにはまるのか?」(クロスメディア・パブリッシング(インプレス))ほか\n\n 「ボルドー」それは格付けシャトーをはじめとする高級ワインの産地。ワインを学ぶ者は必ずここから入る。五大シャトー、1855年のメドックの格付け。ワインの教科書はいつもボルドーから始まる。 けれど私にとってのボルドーは、ラトゥールでもマルゴーでもなく、ペットボトルに入ったワインだ。 私はこの街の語学学校に通っていた。学校が手配してくれたシェアハウスは、観光客の歩く旧市街ではなく、庶民が日々の買い物をする下町、サン・ミッシェル地区にあった。目印は、街のどこからでも見上げられる、高さ114メートルのとんがり屋根――サン・ミッシェル大聖堂に寄り添うように建つ鐘塔「フレーシュ・サン・ミッシェル」だった。南フランスで最も高いこの尖塔が、迷子になりかけた私を、いつも家まで連れ帰ってくれた。ボルドーは、思いのほか寒く、雨がちだった。 ガロンヌ川沿いに広がるボルドーの旧市街は、大理石の重厚なシャトーやファサードが続き、夜には川面に街灯が映り込み、幻想的なその姿は「月の港」と呼ばれ街全体が世界遺産になっている。 街の中心、ガンベッタ広場から家までは徒歩25分。その道は、ヴィクトル・ユゴーの名を冠した大通りだ。デリやブーランジェリーが軒を連ね、雨に濡れた石畳に、焼きたてのクロワッサンとバターの匂いが漂う。 けれどこの道の途中、グロス・クロッシュという古い時計塔をくぐった瞬間、街の匂いが変わる。道はなだらかな下り坂になり、ケバブの屋台が並びスパイスと焼ける肉の匂い。行き交う言葉も肌の色も一気に多様になる。フランス人の友人には「あの時計台から先には、あまり行かない方がいい」と忠告された。この街の優雅な石畳は、実は300年近くイギリス王家の手にあった時代に築かれたものだと、後になって知った。異邦人の資本で富んだ街が、今また異邦人を分け隔てている。同じ石畳、同じ世界遺産の中に、まるで別の国のような二つの時間が流れていた。 その境界の向こう側に、私の家はあった。シェアハウスの自室は、ベッドと小さな机だけで埋まってしまう狭さ。1階のリビングを使っていいと家主には言われていたけれど、彼女の吸うタバコの匂いが気になって、私はいつも自分の部屋に籠っていた。量り売りで買い込んだ一人分のパテ、ハム、サラダを小さな机の上に並べ、ワインを注ぐ。間接照明しかない薄暗い部屋の中で私はいつも一人で夕食を取っていた。 当時、インターネットはネットカフェに行かなければ繋がらなかった。日本から持ってきた数冊の小説を、何度も何度も読み返しながら、圧倒的な孤独の中で先のことがわからない不安を誤魔化すように、一人ワインを飲む。 誰にも邪魔されず、誰に見せるためでもない、その自由だけが確かにそこにあった。 \n\n 平日は午前にフランス語を、午後はワインを学ぶ。そして週末になると、私は決まって市場へ向かった。向かう先は、大聖堂のすぐ裏手に建つカピュサン市場。「ボルドーの胃袋」と呼ばれ、青果、精肉、鮮魚が所せましと並ぶ。その一角、いつも決まった場所に、ワイン農家が直接店を出していた。並んでいるのは瓶ではなく、大人の背丈ほどもある木の樽。近所の人たちは思い思いの空きペットボトルを持参し、栓の下に差し出す。農家のおじさんが慣れた手つきでコックを捻ると、赤紫の液体が音を立てて注がれていく。 これは実は、フランスワインの正統な伝統のひとつで、「ヴァント・アン・ヴラック(vente en vrac)」、量り売りと呼ばれる仕組みだ。瓶詰めもラベルも経ず、生産者から消費者へ直接手渡される。ワインの教科書には決して載らないこの光景こそ、格付けの外側で今も脈々と生き続ける、ボルドーワインのもう一つの顔だった。私はエビアンの大きなボトルに入ったワインを2本大切に持ち帰る。仕事柄格付けの高級ボルドーを飲む機会が多くなった今でも、このエビアンに入ったワインが最も愛する心の中のボルドーワインだ。 大西洋に面したこの街は、魚介も驚くほど豊かだ。週末の朝、私は友人とフレーシュ・サン・ミッシェルの真下で待ち合わせ、大聖堂前の広場に立つ蚤の市を一通り冷やかす。古着、アンティークの食器、ドアノブや古い鍵など、何に使うのかわからないものがたくさんある。 北アフリカ系の露天商の呼び声と猥雑さ、美しい街ボルドーとは違う光景だ。 その後はカピュサン市場の魚屋へ向かう。生牡蠣を1ダース、プラット・ド・メールと呼ばれる海の幸の盛り合わせ、そしてボルドーの白ワインをボトルで頼む。 店の脇に置かれた、簡素なベンチとテーブル。氷を敷いた大皿に、船盛りのように積まれた海老やホタテ、殻付きの生牡蠣。レモンを搾り、フォークもそこそこに指でつまみながら、少し苦みの効いたボルドーの白を喉に流し込む。覚えたてのフランス語を、アルコールの力も借りながら友人と交わす。教室で話すよりずっと流暢に喋れている気がして、気を良くして、もう一杯おかわりをする。潮の匂いと、市場のざわめきが、白ワインの酸味に溶けていく。人と繋がれる小さな喜びをワインの中に感じながら味わっていた。 これが、私にとっての「Quiet Luxury」の原点だ。 ラグジュアリーであることとは感性の解像度の話だ。何が自分を本当に喜ばせるのかを知っていること。それを知るための入り口として、ワインほど雄弁な師はいない。\n(文:今野有子)",
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"title": "ホテルは、スポーツをどう体験価値へ変えるのか。 ― ジーコ氏が語る「人を育てるサッカー」とクラブメッドの思想 ―",
"content": "\nスポーツは、リゾート体験をつくる重要な要素\nオールインクルーシブ・リゾートのパイオニアであるクラブメッド。滞在中に楽しめる多彩なアクティビティで知られるが、クラブメッドが提供しているのは、スポーツそのものではない。そこから生まれる挑戦や成長、家族との時間までを含めた「体験価値」である。\nその姿勢は、今回のキャンプを主宰するジーコ氏の言葉とも重なっていた。取材を通して印象的だったのは、同氏が終始語っていたのがサッカーの技術論ではなく、「人を育てる」という考え方だったことである。\nスポーツを通じて、人としての成長を育む\n「私たちのスクールは、プロサッカー選手を育てることだけを目的にはしていません。」ジーコ氏はそう切り出した。\nブラジルで始まった「ジーコ10サッカースクール」は、将来プロ選手を育成するためだけのスクールではない。サッカーを通じて、人として社会で生きていくために必要な力を育むことを理念としている。クラブメッド・キロロ グランドで開催されている「ジーコ10キャンプ」は、このスクールの指導メソッドを、リゾートでの滞在型プログラムとして展開したものだ。「サッカーには、社会で生きていくために必要なことがすべてあります。ルールを守ること、監督や仲間を尊重すること、応援してくれる人への感謝。それらを自然と学ぶことができます。」\nその一例として挙げたのが、ルールの存在だった。\n「サッカーでは、ルールを守らなければ警告を受けたり、試合に出られなくなったりします。そうした経験を通じて、子どもたちは社会のルールも学んでいくのです。」\nジーコ氏は、この考え方を「ジーコ・スピリット」という言葉に集約している。「TRABALHO(献身)」 「LEALDADE(誠実)」「RESPEITO(尊重)」の3つを柱に、努力すること、周囲を尊重すること、チームとして動くことの大切さを教えている。この理念を、すべてのコーチが同じ姿勢で子どもたちに伝えることを求めているという。\n「コーチの役割は、身体を鍛えることだけではありません。礼儀や責任感、他者への思いやりといった価値観を、コーチ自身が体現しなければならない。私はこの点について、非常に厳しくしています。」技術の指導と人としての教育を切り離さない。それが、ジーコ氏の活動の原点にある。\n\n人生を豊かにするスポーツの価値\nジーコ氏は、スクールの成果を語る際にも、プロ選手を何人輩出したかという話はしなかった。\n「もちろんプロになった子どもたちもいます。しかし、それだけではありません。」卒業生のなかには、医師やエンジニア、教師、俳優など、それぞれの道で活躍する人も多いという。\n「彼らが大人になって、『あのスクールで学んだことが今も役立っています』と言ってくれることがあります。それが私たちにとって、一番うれしいことです。」\nスポーツで身につけた規律や協調性、相手を尊重する姿勢は、競技を離れた後も人生のさまざまな場面で生き続ける。\n「ジーコ10サッカースクール」はブラジルを拠点に、日本国内でも複数の拠点で展開され、活動は長年にわたり各地へ広がってきた。\n「私がすべての場所に行けるわけではありません。それでも各地で続いているのは、ジーコ10のメソッドそのものが評価されているからだと思っています。」\nそれはクラブメッドがスポーツを重視する理由とも重なる。勝敗や技術だけではなく、新しいことへ挑戦し、自分自身が成長する喜びを体験すること。その積み重ねが、旅をより豊かなものにしていくという考え方である。\nリゾートだからこそ実現できる家族の時間\n今回のキャンプについて、ジーコ氏はクラブメッドという場所にも大きな価値を感じているという。\n「ここでは子どもたちはサッカーだけではありません。オールインクルーシブ・リゾートなので、プールやサイクリング、クライミングなど、さまざまなアクティビティが気軽に体験できます。そして、ご家族もリラックスして休暇を楽しむことができます。」\n子どもはサッカーに打ち込み、親は思い思いにリゾートで過ごす。ひとつの旅のなかで、家族それぞれが充実した時間を共有できる。\n「サッカーと家族旅行、その両方を楽しめることが、この場所の魅力です。」\nさらに、キロロ グランドの施設環境についても高く評価する。キャンプで使用するのは、4面の天然芝ピッチだ。国内では人工芝のグラウンドも多いなか、この規模の天然芝を子どもたちが自由に使える環境は多くない。「4面のピッチを、子どもたちが自由に使うことができます。これだけの環境を備えたリゾートは、そう多くありません。ブラジルでも同じです。」\n\n夏のリゾートに、新しい選択肢を\nこの取り組みが持つ意味は、ジーコ氏側の利点にとどまらない。キロロはスキーリゾートとして知られる一方、夏季は集客に課題を抱える季節でもある。「ここは冬のスキーで知られていますが、7月、8月は事情が違います。私たちのキャンプが、ホテルにとってのもうひとつの選択肢になればと考えました。」\nクラブメッドとジーコ氏の関係は、今回が初めてではない。2018年からブラジルのクラブメッド・レイク パラダイスやクラブメッド・リオ ダス ペドラスでジーコ10キャンプが開催され、これまでに6,700人以上のサッカーを愛する子どもたちを魅了してきた。そして昨年、キロロ グランドで待望のアジア初開催を実現した。\nコンテンツの提供者と場所の提供者という関係を超えて、リゾートが持つ運営基盤が、プログラムの可能性そのものを広げている。\n最後に、今回の取り組みについてこう締めくくった。\n「私たちにとっても、クラブメッドにとっても、そして参加する家族にとっても、良い取り組みになると思っています。」\nその言葉が示しているのは、ひとつのサッカーキャンプの成否にとどまらない。ジーコ氏が長年大切にしてきた「サッカーを通じて人を育てる」という考え方と、スポーツを通じて人生を豊かにするというクラブメッドの思想。両者が重なり合うからこそ、「ジーコ10キャンプ」は、単なる著名選手によるサッカー教室ではなく、スポーツを通じた人の成長という価値を、リゾートという場で実現する取り組みとなっている。そしてそれは同時に、リゾートが自らの端境期に新たな価値を生み出す手段でもある。\n\nジーコ10キャンプhttps:\/\/www.clubmed.co.jp\/l\/zico-10-camp-kiroro-grandクラブメッド・キロロ グランドhttps:\/\/www.clubmed.co.jp\/KIGC_SUMMER\nEditor’s Note\n\nリゾートは、体験の「その後」までデザインできる。\nクラブメッド・キロロ グランドに滞在し、「ジーコ10キャンプ」を取材してあらためて感じたのは、クラブメッドはスポーツを通じて、人の成長や家族との時間までをデザインしているということだった。\n子どもにとって、幼い頃にどれだけ多様な体験ができるかは、自分が何を好きなのか、何をやりたいのかを考えるうえで大きな意味を持つ。親に勧められたことではなく、自分で選び、挑戦した経験は、最後までやり切ろうとする力にもつながっていく。\nそして、リゾートならではの価値は、その体験が終わった後にもある。\n楽しかったこと、初めてできたこと、思うようにいかず悔しかったこと。その日一日の出来事を、家族でゆっくり振り返る時間が自然と生まれるからだ。\n日常では、仕事や学校、それぞれの予定に追われ、家族みんながゆっくり同じ時間を過ごすことは意外と多くない。一方、リゾートでは、家族みんなが食事を楽しみながら、その日の出来事を自然に語り合う時間が生まれる。\nそんな何気ない時間が、普段は当たり前になっている家族との時間の価値を、あらためて実感させてくれることもある。\n翌朝には、前日の体験が次の行動につながっていく。もう一度挑戦することもあれば、新しいことに興味を持つこともある。宿泊を伴うリゾートだからこそ、その体験は旅が終わった後にも続いていく。今回のプログラムでは、サッカーの指導はジーコ10のプロフェッショナルが担っていたが、G.O(ジーオー=ジェントル・オーガナイザーの頭文字)と呼ばれるクラブメッドのスタッフも運営を支え、コーチとゲストが同じレストランで食事をするなど、プログラム以外の時間にも自然な交流が生まれていた。食事も滞在中の時間もすべてが含まれているからこそ、コンテンツを提供して終わりではなく、滞在全体のなかで体験を育てていくことができる。\nその体験に伴走しているのが、G.Oの存在である。G.Oは単なるサービススタッフではない。クラブメッドが大切にする思想を体現し、ゲスト一人ひとりの滞在に寄り添う存在だ。ブランドの思想は、人が体現して初めて価値になる。G.Oが日々のコミュニケーションや振る舞いを通じて、その思想を自然に届けているからこそ、クラブメッドの体験はより深く記憶に残る。この一体感こそ、クラブメッドらしさだ。\n現在、日本のスポーツ育成環境は世界でも高いレベルにあり、子どもたちは日々、競争のなかで技術を磨いている。それはとても素晴らしい。一方で、その環境にいるからこそ、「勝つため」だけではなく、純粋にスポーツを楽しむ時間も大切ではないだろうか。クラブメッド・キロロ グランドの広大な天然芝と豊かな自然に囲まれた環境では、子どもたちは仲間と夢中になってボールを追いかける。その時間を通じて、忘れかけていたサッカーの楽しさを思い出した子もいたかもしれない。競争から少し離れ、スポーツ本来の楽しさに触れることもまた、子どもたちの成長につながる貴重な体験だと感じた。\nスポーツは目的ではない。その先にある人の成長や家族の時間まで含めて体験として提供すること。それこそが、私が今回あらためて感じたクラブメッドの価値だった。オールインクルーシブもまた、それ自体が売りなのではない。クラブメッドが目指す体験価値を実現するための手段のひとつなのである。\n\n",
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"title": "【新連載】クワイエット・ラグジュアリー ~ 控えめに、上質なワインを愉しむ暮らし",
"content": "\nProfile\n\n今野有子氏株式会社アルムンド代表取締役\/Philosophy Technologies inc. Co-CEO早稲田大学商学部卒業後、武田薬品、リクルートエージェント(現リクルート)で法人営業を経験。ニュージーランド、スペイン、フランスに留学後、株式会社アルムンドを創業し、ワインを通じて、新たな市場と顧客体験の創出に取り組んできた。ファイナルファンタジー30周年記念ワイン(スクウェア‧エニックス)をはじめ、ヤマハ、NTTドコモ、東急不動産、関⻄電力グループなど、多業種にわたる大手企業とのコラボレーションを実現。ワインの輸入販売にとどまらず、ボルドーやブルゴーニュ、ロンドンで得たワインの知見を活かした様々なイベント企画、高級旅館やミシュラン星付きレストランなど、ハイエンド顧客層にコンサルティングを多数手掛ける。これまで6カ国で4言語を用いて生活した経験から培った多文化的な視点を強みに、現在はシリコンバレーを拠点に、哲学的思考を活用したビジネスをグローバルに展開している。主な書籍:★★Amazonカテゴリーランキング1位「ソムリエ・ワインアドバイザー・ワインエキスパート資格・検定関連書籍」を獲得(8\/14)★★「目に見えない価値の伝え方 顧客を感動させる提案の技術」、「エグゼクティブはなぜワインにはまるのか?」(クロスメディア・パブリッシング(インプレス))ほか\n\n異色のキャリアがもたらす多文化的な視点\n今野氏は製薬会社や人材紹介会社の営業職を経て、2007年にニュージーランドへ留学。現地でワインに魅了され、帰国後に資格を取得後、渡仏・渡西して文化と語学を学び、2009年にアルムンドを設立しました。「自ら現地で探し当てたワインで、人と人をつなぐ」をミッションに、世界各国の希少なワインを直輸入し、「日本ではここでしか買えない」をコンセプトにした専門店「ここだけワイン」を運営。2017年にはブルゴーニュのワイナリーに住み込み、醸造も学びました。これまで6カ国に暮らし、2021年からは米国に移住。現在はシリコンバレーから、哲学をビジネスに応用する事業を展開しています。目利きや値付けの経験から「価値を生み出すのはワインそのものではなく、言葉(思考)である」と気づき、現象学や美学といった哲学領域へ関心を深めたといいます。「ワインと哲学のベースにあるのは『人間への興味』。なぜワインの値段が千倍もの差を生むのかは、結局は人間理解の話です」と今野氏は語ります。 \nワインが映し出す価値の本質とは \n長年業界を見つめる中で、今野氏は「ワイン愛」が強すぎるゆえにプロダクトアウトが先行し、顧客への関心が薄れる風潮に違和感を抱いてきました。「大事なのは価格ではなく相手の反応をきちんと見られるかどうか。それができる方こそ本当のエグゼクティブです」と強調します。資本主義的な「価格=価値」という極端な結びつきに皮肉を感じる一方、気候変動で伝統的なワイン産地という正解が失われつつあるという「不都合な真実」も冷静に見つめています。一方で、ワイングラスの形状が味の感じ方を科学的に変化させるなど、ワインを楽しむための「技術」には確かな根拠があります。今野氏はこうした知識や背景を知ることで、より自由に自分らしくワインを楽しめるようになると考えています。 \n新著に込めた想いと「わかったふり」への警鐘\n新著は、ワインに苦手意識を持つリーダー層などをイメージして執筆されました。第1章の「知性の格付け──なぜ、100万円のワインを開けても遠ざけられるのか?」という挑戦的なタイトル通り、高いワインを開けて偉そうにする「自称ワインわかっている勢」へ本音で切り込んでいきます。「ワイン好きの6〜7割は思い込みを指摘されると怒りますが、本当に余裕のある方は謙虚に対話ができます」と語ります。知識がすぐ手に入る現代だからこそ、既存の正解や価格に依存せず、自分の感覚を言葉にして相手とフラットに対話するプロセスこそが、エグゼクティブの美学だと力説します。今野氏の活動は、ゲーム(ファイナルファンタジー)の世界観を表すワインの商品開発など業界の垣根を超えて広がっています。「文化や感性、物語を通して、人や組織が自分たちの言葉で『価値の本質』を語れるように、人間が意味を見出すプロセスを支えたい」とビジョンを語ります。\n ホテル・旅館業界のマネジメント層にとっても、ゲストに提供する「価値の本質」を見つめ直すヒントが、このワインと美学の対話の中に隠されているのではないでしょうか。今野氏が紡ぐ人間理解のストーリーは、今後も私たちの感性を心地よく刺激してくれそうです。ぜひ、次回からの連載もお楽しみに。\nEditor’s Note\n\nたくさんの会食の機会に恵まれますが、「ワイン」会などは避けていました。理由は「鼻持ちならない連中」がいるからです・・食事の本質はフラットに「楽しく食べる」ことです。書籍も読んで、実際に著者お会いし「ワインの勉強でも始めようか」と素直に思いました。ホテル・旅館業界のマネジメント層の方々にとっても、ゲストに提供する「価値の本質」を見つめ直すヒントが、このワインと美学の対話の中に隠されているのではないでしょうか。今野氏が紡ぐ人間理解のストーリーは、今後も私たちの感性を心地よく刺激してくれそうです。ぜひ、次回からの連載もお楽しみに。世界各地のワインにまつわるショートエッセイです。 文:林田研二\n\n",
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"category": "interview",
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"title": "【㈱西武・プリンスホテルズワールドワイド】開業60年を経てなお世界中を魅了する「マウナ ケア ビーチ ホテル」のオペレーションフィロソフィー",
"content": "マウナ ケア リゾートLLC.運営担当副社長 クレッグ アンダーソン氏\n1965 年開業時からのサステナブルポリシー\nマウナ ケア ビーチ ホテルは、フィランソロピスト(慈善家)で知られるローレンス S. ロックフェラー氏が「芸術と自然」をテーマに開発したハワイ島初の総合リゾートで、1964年には「マウナ ケア ゴルフ コース」、当ホテルは65年にグランドオープンしました。開発当初よりサステナビリティを重んじていて、例えば、上下水道に関する循環型システムや太陽光パネルを活用するなど、自然環境を尊重しつつもリゾート施設としての快適性を追求し続けてきました。\n改装後の客室「KOAAK」ルーム№800\nこの度のリノベーションでは約2.4億ドルを投資。全客室(252室)の改装ほか、spa施設「スパ アット マウナ ケア」やフィットネス、キッズエリアの新設などを行ないました。特に環境への配慮にも注力し、全客室にウォーターサーバーを設置し、オリジナルのウォーターボトルでいつでも飲料水を利用できるように変更し、プラスチックボトルを削減、また4,400枚の太陽光パネルを増設し館内電力の52%をまかなえるようにしたほか、マウナ ケア ゴルフコースの芝を塩害に強いものに入れ替えました。その他、新しいプールや給排水設備を整備して水資源管理を改善したことでリサイクル水による散水が可能になりました。さらに、ホテル敷地内の未使用の土地を活用して25種類以上の農作物を有機的な方法で栽培する約2,600㎡のシェフズガーデンである「ウル ガーデン」を新設しました。上記以外にも以前から地域の農家と連携し5カ月先までの発注保障を行なうことで地産地消と地域経済にも貢献しています。\n改装後の客室「KOAAK」ルーム№616\n客室内給水ステーションおよび再利用可能なウォーターボトルを設置\n三世代にわたるゲストとスタッフの絆\n主な顧客はアメリカ西海岸からで、中には三世代にわたってお越しいただいている方もおられます。1967 年、エスクァイア・マガジン誌「世界の高級ホテルベスト3」などへの選出を機に、近年では富裕層向け米国旅行雑誌「トラベル・レジャー(Travel+Leisure)」の読者が選ぶ2025 年ワールド・ベストアワードの“ハワイのトップホテル”の一つに選出。直近では、米国旅行雑誌「AFAR」の『ベスト・ニュー・ホテル 2026』を受賞しました。開業直後から多くのリピーターに支えられ、また世代を超え、誇りを持って働いてきた歴史がこのような実績に結び付いたと思っています。リノベーション後のADR(平均客室単価)は30〜40%程度上昇していますが、私どもはその期待に応え続けていくだけです。\nテクノロジーの進化とホスピタリティー\nサステナビリティ推進のために「モクプラマファンド」を設立。ご宿泊いただいたゲストから一部フィーを支払っていただき、年間120万ドル程度のファンド資金を島内の自然保全団体、海洋生態保護、ハワイ伝統文化保全団体、さらには人材育成支援や教育機関への奨学金・支援金として配分しています。自然保全やホテル業界の人材育成、地元大学への支援を通じて地域と未来へ投資しています。つまり、「ホスピタリティー業界はゲストのみならず地域コミュニティ全体に寄与する」という考えのもと、この仕組みは成り立っているのです。また、地域雇用の安定化を図るために、地元の中学生を対象に「ゲスト体験/現場体験/管理職とのミーティング」を実施し、この仕事の楽しさと大切さを伝える活動を続けています。私たちのホスピタリティーを持続可能にできるのは、スタッフのチカラにかかっていると考えているからです。テクノロジーの進化でスマート化は推進していますが、まずはスタッフがテクノロジーとラグジュアリーの意義を理解しなければ本来のホスピタリティーは提供できないと考えています。人と人との「つながり」やパーソナルな体験は、テクノロジーに置き換えられるものではない。その裏にある摩擦や小さな困りごとを取り除くためにテクノロジーは活用すべきだと考えています。ゲストに対する、到着前のコミュニケーション、プロファイル管理、デジタルエージェントなどにデジタルを活用して障壁を減らすことで、スタッフは対面でのサービスに注力できる時間が増やせるのです。とは言え、伝統的なブランドイメージを持つホテルにどの程度テクノロジーを導入すべきか、QRコード注文の導入がブランド価値にふさわしいかなど、常に検討する必要があるでしょう。\n\nマウナ ケア ビーチ ホテル\nhttps:\/\/www.seibuprince.com\/ja\/mauna-kea-beach-hotel【開 業 日】1965年7月24日 【客 室 数】全252室【所 在 地】62-100 Mauna Kea Beach Dr, Kohala Coast,Hawaii 96743 U.S.A.【規模・構造】メインタワー:地上6階 地下1階/ビーチフロント ウィング:地上4階\n「品プリグルメ紀行~ハワイアンフェア~」2026年9月15日まで\n品川プリンスホテル(所在地:東京都港区高輪4-10-30、総支配人:春山新悟)は、全国 13のプリンスホテルで開催する「ハワイアンフェア 2026」の一環として、五感で巡るハワイの食の旅『品プリグルメ紀行 ~ハワイアンフェア~』を2026年7月16日(木)~9月15日(火)まで、ホテル内の3つのレストランとブーランジュリーで開催いたします。\n今回のフェアでは、ハワイ島コハラコーストの美しい海に面し、長年多くのゲストに愛されてきた当社運営施設「マウナケアビーチ ホテル」の大規模リニューアルが2026年4月に完了したことに伴い、ハワイ現地にあるプリンスホテルも一体となって全面協力。現地のレシピやエッセンスを取り入れ、遠く離れたハワイと品川を「食」でつなぐ、進化を遂げた特別なグルメ体験を実現いたしました。\n本フェアのテーマは「五感で楽しみ、体感する食の旅」。現地の食文化やリゾートの空気感を表現したメニューを通じて、ハワイが持つ豊かな魅力を五感で存分にご堪能いただけます。ハワイ現地の味わいを再現した“ローカルメニュー”と、ホテルならではの技と感性で仕上げた“アレンジメニュー”の2つのスタイルで、心ほどける南国のひとときをお届けいたします。\n「TAKANAWA GATEWAY CITY」のグランドオープン及び「OIMACHI TRACKS」のまちびらきに伴い、さらなる進化を遂げる広域品川圏。日本と世界をつなぐ玄関口に位置する当ホテルは、ホテルコンセプト FUN! Goes On”のもと、世界の多様な文化を身近に感じられる豊かな社会の実現を目指し、今後もさまざまな「非日常体験」を創出してまいります。\n『品プリグルメ紀行~ハワイアンフェア~』概要\n\n\n【期間】2026年7月16日(木)~9月15日(火)\n【店舗】LUXE DINING HAPUNA (メインタワー 1F)コーヒーラウンジ マウナケア (メインタワー 2F)ブーランジュリーシナガワ (メインタワー 2F)DINING \u0026amp; BAR TABLE 9 TOKYO (メインタワー 39F)\n【ご予約・お問合せ】レストラン総合予約 TEL:03-5421-1114 (受付時間:10:00A.M.~6:00P.M.)\n【URL】 https:\/\/www.princehotels.co.jp\/shinagawa\/plan\/special\/hawaiianfair2026\n\n\n取材・本誌 森下智美",
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"title": "なぜ今、アコーは日本で有料会員事業を本格化するのか。「旅行サブスクリプション」が変えるホテルと顧客の関係",
"content": "\n\nエミリー・クートン(Emilie Couton)氏アコー・プラス 最高経営責任者(CEO)フランス出身。ホスピタリティ業界で20年以上の実績を持ち、約25年にわたりアコーグループの要職を歴任。ホテル向けデジタル流通・マーケティング企業「D-EDGE」での経験を持ち、ホスピタリティとテクノロジー双方に精通する。アジア太平洋地域でロイヤリティプログラムや顧客体験の向上を牽引し、2025年にAccor Plus CEOに就任。シンガポール在住。\n\n\n旅行・ライフスタイルのサブスクリプションには、まだ大きな可能性がある\n――なぜ今、日本市場で「ALL Accor+ Explorer」の本格展開となったのでしょうか。\n私たちは、いまサブスクリプション経済の中に生きています。音楽や映像、ショッピングなど、さまざまな分野でサブスクリプションが定着しています。しかし、旅行やライフスタイルの分野は、まだ十分に発展していないと考えています。そこには大きな可能性があります。Accor Plusは新しいプログラムではありません。1994年からアジア太平洋地域で展開し、30年以上の歴史があります。長い時間をかけて、多くの会員に支持されながら成長してきました。このプログラムが生まれたのは、1994年にオーストラリアのホテルを取得し、ノボテルとして運営を始めた際のことです。引き受けたそのホテルはすでに、レストランへの再訪を促すサブスクリプションを独自に運営していました。「周辺の地域の人々にもホテルを日常的に使ってもらうにはどうすればいいか」という問いへの答えがそこにあり、私たちはその考え方をアジア太平洋全域に広げていきました。そのなかで、私たちは日本市場に大きな可能性を感じています。日本は国内旅行市場が大きく、食文化も豊かで、人々が外食や特別な体験を楽しむ文化があります。また、アジア太平洋地域の会員にとっても、日本は非常に人気の高い旅行先です。実際、日本は私たちの会員にとって旅行先の人気ランキング第5位です(1位はオーストラリア、次いでインドネシア、タイ、ベトナム)。会員による日本での宿泊数は前年比27%増加しており、日本のアコーネットワークは現在45ホテルを展開しています。こうした伸びを見れば、今こそ日本市場に本格的に投資するタイミングだと確信しています。\n――日本市場では、新規会員獲得と既存会員の送客、どちらを重視していますか。\nどちらも重要です。既存の48万5,000人の会員に対し、日本というデスティネーションの魅力をさらに伝えていきたいと考えています。一方で、私たちが優先したいのは、日本を訪れる旅行者や、アコーホテル内レストランを利用するダイナーとの関係を築くことです。私たちは、ホテルを旅先だけで利用する場所だとは考えていません。週末に食事を楽しむ場所、記念日を過ごす場所、短い休暇を楽しむ場所など、日常の延長線上でホテルを利用するライフスタイルを広げていきたいと考えています。ホテルが、旅の時だけ利用する特別な場所ではなく、生活の一部としてもっと身近な存在になる。それが私たちの目指している姿です。想定する会員像は多岐にわたります。出張や旅行を頻繁にするビジネスパーソン、ビジネスパートナーとの接待でレストランをよく利用する方、家族でのステーケーションや年に1〜2回の旅行を楽しみたいファミリー、そして友人や家族との外食を日常的に楽しみたい方。こうしたさまざまなライフスタイルに寄り添う形でホテルをより身近な存在にしていきたいのです。\nホテルブランドと顧客が直接つながることに意味がある\n――国内では、クレジットカードを通じてホテルの上級会員資格や無料宿泊特典を得るモデルが広がっています。Accor Plusは何が違うのでしょうか。\nもちろん、クレジットカードとの提携は重要です。すでにオーストラリア、シンガポール、インドではアメリカン・エキスプレスとの提携で、カードにAccor Plusを内蔵した形で展開しています。韓国ではウリカードとのコ・ブランドカードも実現しています。日本でも、金融パートナーとの協議を進めているところです。しかし、Accor Plusの特徴は、ホテルブランドと顧客が直接つながることにあります。私たちは会員が何を好み、どのような体験を求めているのかを理解し、そのデータをもとに、よりパーソナライズされた提案を行うことができます。有料会員制度は、単なる割引プログラムではありません。ホテルブランドと顧客の関係をより深く、長期的なものにするための仕組みだと考えています。また、会員制度によって、会員はホテルをより身近な存在として感じるようになります。単にポイントを貯めるために宿泊するのではなく、「次はどこへ行こうか」「どのレストランへ行こうか」と考えるきっかけが生まれます。それが、より強いエンゲージメントにつながっていくのです。\n「先払い」がロイヤリティを加速させる\n――年会費39,800円を支払う価値はどこにあるのでしょうか。\n私たちは、サブスクリプションがロイヤリティを“加速させる”と考えています。その効果は数字にも表れています。Accor Plus会員は非会員と比べて、ホテルへの再訪問頻度が5倍、滞在中の消費額が2倍に達しています。サブスクリプションへの先払いが、単なる特典の受け取りではなく、ホテルとの関係を積極的に深めようとする動機になっているのです。ゲストは、先に費用を支払うことで、そのサービスをより積極的に活用しようとします。これは旅行だけでなく、あらゆるサブスクリプションサービスに共通することです。入会後最初の3ヶ月は、行動変容がはっきりと現れます。会員はまず「2泊の無料宿泊をどこで使おうか」と考え始め、同時に家族やビジネスパートナーと行けるレストランも探し始めます。「次はどのホテルに行こうか」という問いが日常の中に生まれ、その旅行の中でさらに別の滞在を計画するという好循環が生まれます。また、私たちが提供する「Red Hot Rooms」のような会員限定オファーも非常に人気があります。こうした特典が、ホテルを利用する新たなきっかけを生み出しています。いまは、選択肢が多すぎる時代です。旅行先も、レストランも、ホテルも、あまりにも多くの選択肢があります。そのなかで、会員制度は「次にどこへ行くか」「どこで体験するか」をシンプルにしてくれます。私たちは単に割引を提供しているのではありません。ホテルを利用する理由をつくり、ホテルとの関係をより深いものにしていく。そのための仕組みを提供しているのです。\n会員とホテルをつなぐマーケティングプラットフォーム\n――Accor Plusは、ホテル事業者やホテル運営会社にどのような価値をもたらすのでしょうか。\n私たちは、会員とホテルをつなぐマーケティングプラットフォームです。昨年、Explorerをリニューアルするにあたり、7,000人の会員と数百のホテルを対象に大規模な調査を実施しました。その結果、ホテル側は、より高いエンゲージメントを求めており、会員側は、よりシンプルで価値の高い特典を求めていることが分かりました。私たちは、ホテルが会員に対して直接オファーを発信できる仕組みを提供しています。例えば、新しいレストランの認知向上や、特定期間の需要喚起、会員向けイベントの開催など、さまざまな用途で活用されています。ホテルオーナーはこのプラットフォームを無料で利用することができます。閑散期には安定した集客基盤として機能し、繁忙期には会員向けの特別オファーで収益をさらに最大化するツールとして活用できる。この双方向の活用が、Accor Plusをホテルビジネスの主要な収益源のひとつにしているのです。ホテルにとって重要なのは、客室だけではありません。レストランやバー、さまざまな体験を通じて、ゲストとの関係を深めていくことです。私たちは、会員とホテルの双方に価値を提供し、両者をつなぐ役割を担っているのです。\nホテルを「旅先」から「日常」へ\n――日本でこれから、どのような存在を目指していますか。\nアコーは日本での成長を続けており、開発計画は非常に野心的です。現在、日本には45のホテル、10のブランドを展開しています。2ヶ月前にはメルキュール広島がオープンし、来年はラッフルズの開業も控えています。主要都市だけでなく、地方の第2都市への拡大も視野に入れています。宿泊だけではありません。食事やイベント、週末の小旅行など、さまざまな場面でホテルを利用していただきたいと思っています。アコーは、ラグジュアリーからエコノミーまで幅広いブランドを展開しています。そのため、人々のライフステージや目的に応じて、さまざまな形で関わることができます。私たちは、ホテルを人生のさまざまなシーンで利用していただける存在にしていきたい。そのために、今後5年では金融サービスやライフスタイル分野のプロバイダーとのパートナーシップを構築し、日本での認知をさらに高めていきます。旅行とライフスタイルをつなぐ新しい関係を、日本でも育てていきたいと考えています。\nALL Accor\nALL Accor+ Explorer\nEditor’s Note\n\n「1泊無料」ではなく、「2泊以上で1泊無料」である意味\n「ホテル会員のサブスク?」正直に言えば、今回の取材前、少し懐疑的だった。日本では、ヒルトンやマリオットをはじめ、クレジットカードを通じて上級会員資格や無料宿泊特典を得るモデルがすでに浸透している。年会費を払うという点では、有料会員プログラムとの違いが見えにくかったのも事実だ。しかし、エミリー氏の話を聞いていて、少し見方が変わった。クレジットカードの年会費と、ホテルブランドそのものに対して会費を支払うことは、似ているようで少し違う。ホテルに対して自らお金を払い、会員になる。すると、「せっかく払ったのだから元は取りたい」「よりお得に使いたい」という心理がより働く。結果として、次の旅行先やレストランを考えるときに、自然とそのホテルブランドが最初の選択肢に入ってくる。これが、エミリー氏の言う「ロイヤリティを加速させる」ということなのだろう。もちろん、ゲスト目線で見れば、「2泊以上で1泊無料」という特典には、どこか“最大で50%オフ”のような印象が残る。ヒルトンのようなシンプルな「無料で1泊」と比べると、インパクトは決して強くない。しかし、ホテル経営の視点で考えると、この仕組みはなかなか興味深い。連泊してもらうことで、1泊では体験しきれない滞在価値を提供できる。国内旅行では1泊だけで帰るケースも少なくないが、2泊、3泊と滞在すれば、レストランやバーの利用や館内での体験、地域との新たな接点も自然と増えていく。単なる宿泊割引ではなく、「もう1泊してみよう」と思わせるきっかけづくりとして捉えると、この仕組みの見え方は変わってくる。Accor Plusには宿泊だけでなく、レストラン利用の割引特典も含まれている。宿泊しなくてもホテルを訪れる理由をつくり、日常のなかで接点を増やしていくという発想は興味深い。食事をする、誰かと会う、何でもない日を少し豊かに過ごす――そんな「ハレの日」も「ケの日」も含めて、ホテルを日常の延長線上に置こうとする考え方には、大きな可能性があると思う。日本市場で、このモデルがどこまで支持を広げられるのか。顧客は、ホテルブランドと直接つながる有料会員を選ぶのか。その答えは、まだ分からない。だからこそ、この挑戦を少し長い目で追いかけてみたい。そして、ホテルのロイヤリティプログラムが、次にどのような姿へ進化していくのかを、継続して見届けていきたい。\n",
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"image": "//hoteres.com/cdn/shop/articles/img_260714aco_02_4f086a0d-31b7-4bfb-bf2d-bd7bb6afae91.png?v=1785455835&width=600" ,
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"title": "観光地に泊まるのではなく、京都で暮らすように滞在する。 MUJI BASE KYOTO kiyomizuが提案する新しい旅のかたち",
"content": "\n \n\n伊藤遼哉(Ito Ryoya)氏㈱良品計画 ソーシャルグッド事業部 「遊」創事業部 宿泊事業課MUJI BASE KYOTO kiyomizu 支配人\n無印良品の店舗運営に長年携わり、店長として地域に根差した店舗運営に取り組む。山形県酒田市では、住民や地元企業、行政と連携しながら、地域資源を活かした事業づくりに携わる。無印良品をきっかけに人と人がつながる場づくりや、地域の人がチャレンジできる場づくりを行うほか、地元企業との連携による新たな販路づくりや、循環をテーマとした酒田の刺し子文化を切り口にしたコミュニケーションの創出など、これまで無印良品と接点のなかったお客さまとの出会いづくりや、地域の魅力を伝える場づくりに取り組んできた。\n\n宿泊だからこそ伝えられる、無印良品の価値\n――伊藤さんは、長年、無印良品の店舗運営に携わってきたなかで、今回、宿泊施設の運営という新たな挑戦をされています。まず、このプロジェクトに携わることになった経緯と、実際に運営を始めて感じていることを教えてください。また、店舗運営と宿泊施設運営の違いや共通点についても聞かせください。\n私はこれまで長年、無印良品の店舗運営に携わってきました。店舗では商品を通じてお客さまへ暮らしを提案してきましたが、無印良品の商品や考え方の価値をより深く体感していただくためには、その背景にある時間の過ごし方や暮らし方そのものを体験していただくことも重要なのではないかと感じていました。そうした中で宿泊事業に携わる機会をいただきました。\n宿泊施設は、店舗の滞在時間よりも長く、お客さまが実際に何時間、何日間と過ごす場所です。良品計画が考える「感じ良い暮らしと社会」を、商品だけでなく空間や時間を通じて体験していただける可能性があると感じ、この挑戦を選びました。また宿泊事業には、店舗との大きな相乗効果があると考えています。\n店舗が暮らしのきっかけを提案する場所だとすれば、宿泊施設はその暮らしを実際に体験していただく場所です。私はこの二つがつながることで、良品計画が目指す「感じ良い暮らしと社会」をより立体的にお届けできると考えています。\nMUJI BASE KYOTO kiyomizuの客室(写真はファミリールーム)\n観光する京都ではなく、暮らしに出会う京都へ\n――MUJI BASE KYOTO kiyomizuでは、単なる観光拠点ではなく、「地域で暮らすように滞在する」という考え方も、この施設の特徴のひとつです。支配人として、この施設ではどのような滞在体験を届けたいと思っていますか。また、その体験を実現するために、どのような工夫をされていますか。\nMUJI BASE KYOTO kiyomizuで私たちが目指しているのは、「観光のために泊まる場所」ではなく、「暮らしに触れるために滞在する場所」です。\n京都には多くの魅力的な観光地があります。もちろん観光を楽しんでいただくことも大切ですが、私たちはそれ以上に、この土地に根付いている生活文化や日常の風景に触れていただきたいと考えています。チェックインからチェックアウトまでの時間の中で、私たちはお客さまに「観光地を案内すること」よりも、「この地域の人々のふだんの暮らしに触れていただくこと」を大切にしています。\n例えば、地域の方々が日常的に利用しているスーパーや商店を訪れていただいたり、そこで購入したものを客室で楽しんでいただいたりする。特別な観光体験ではなく、その土地で暮らす人々と同じ目線でまちを歩いてみることで、その地域の価値や文化をより身近に感じていただけるのではないかと考えています。\nそのきっかけのひとつとして、客室には「まち歩きBOX」をご用意しています。地域を「きよめる」「いただく」「ととのう」など9つの動詞で切り取り、このまちの日常に出会える場所をご紹介しています。マイバッグやノートを片手に、気ままに歩いてみる。そんな過ごし方も、この施設ならではの楽しみ方のひとつです。また、客室には無印良品の商品を数多くご用意しています。単に商品を展示するのではなく、実際に使いながら過ごしていただくことで、ご自身の暮らしを見つめ直すきっかけになればと思っています。\n旅先でありながら、どこか日常の延長のように過ごせること。そして、その土地の暮らしに触れることで、自分自身の暮らしについても考えてみること。それがMUJI BASE KYOTO kiyomizuで提供したい滞在体験です。\n全客室に設置される「まち歩きボックス」、持ち帰れるアメニティ\n新しくつくるのではなく、受け継ぐという選択\n――本施設は既存ホテル(旧アメニティーホテル京都)をリノベーションして誕生しました。施設づくりにおいて、どのような部分を残し、どのような部分を新たに生まれ変わらせたのでしょうか。また、建物に残る地域の記憶をどのように継承しようと考えたのかを教えてください。\n無印良品では以前から、新しい何かをゼロから生み出すのではなく、すでにあるものを活かしながら新しい価値や見方を生み出すことを大切にしています。それは商品づくりだけでなく、空間づくりにおいても同じです。\n今回、私たちが大切にしたのは、建物そのものを新しくすることではなく、この場所がこれまで積み重ねてきた時間や記憶を受け継ぐことでした。清水エリアは世界的な観光地として知られていますが、一方で今も地域の方々の暮らしが息づいています。昔から続く商店があり、人々の日常が流れています。\n私たちは、この土地に新しく無印良品の世界観を持ち込むというよりも、この土地が持つ暮らしや文化を活かし、そのままの形でお客さまへ届けたいと考えました。そのため、外観や共用部の設計においても、過度な演出や装飾を加えるのではなく、地域の日常や、この建物がこれまで育んできた空気感を活かしながら、無印良品らしい心地よさを重ねることを大切にしました。\n建物を活かすことは、単に資源を活用することではありません。その土地が育んできた時間や暮らしを未来へつないでいくことでもあります。MUJI BASE KYOTO kiyomizuもまた、このまちの新しい施設でありながら、この地域の日常や文化を受け継ぐ存在でありたいと考えています。\nもとのホテルの面影を残した外観、地域の風景\nガイドブックには載っていない京都の時間\n――MUJI BASE KYOTO kiyomizuでは、宿泊そのものだけではない体験づくりにも取り組まれていますが、支配人として、この施設に宿泊するからこそ体験してほしいことや、おすすめしたい過ごし方について教えてください。また、その背景についても聞かせてください。\n私がこの施設でぜひ体験していただきたいのは、観光ガイドブックには載っていない京都の時間の過ごし方です。その象徴的な取り組みが、私たちが実施している早朝の清水寺ツアーです\n一般的な観光ツアーのように歴史や建築を詳しく解説することが目的ではありません。私たちがお伝えしたいのは、この地域で暮らす人々が普段どのような時間を過ごしているのかということです。早朝の清水寺は、日中とはまったく異なる表情を見せてくれます。人が少ない境内を自分のペースでゆっくりと歩き、小鳥のさえずりや木々を抜ける風の音、水の流れる音に耳を傾けることができます。普段であれば見過ごしてしまうような屋根の上の鍾馗様に気づいたり、地域の方々が集まってラジオ体操をしている姿に出会ったりすることもあります。観光地としてではなく、人々の暮らしの場としての清水寺を感じていただける時間です。\nそして、それはMUJI BASE KYOTO kiyomizuだからこそ実現できる体験でもあります。施設から清水寺までは徒歩圏内にあり、公共交通機関を利用することなく、開門前の静かな時間からこの地域を歩くことができます。観光名所を巡るだけではなく、その土地の空気や時間の流れを感じること。そして、その体験を通じて自分自身の暮らしについても考えてみること。それこそが、MUJI BASE KYOTO kiyomizuだからこそ体験していただきたい過ごし方だと考えています。\nMUJI BASEが主催する早朝の清水ツアー\n「人を減らす」のではなく、「時間を変える」\n――清水エリアではオーバーツーリズムも課題となっています。そのなかで、宿泊施設として地域とどのような関係を築いていきたいと思っていますか。また、実際に地域からはどのような反応がありますか。\n清水エリアは世界中から多くの観光客が訪れる京都を代表する観光地です。その一方で、時間帯によっては混雑が集中し、オーバーツーリズムが課題として語られることもあります。\n私たちは、その課題に対して「人を減らす」という発想ではなく、「時間の過ごし方を変える」という提案ができないかと考えています。例えば、日中の清水寺周辺は多くの観光客で賑わっています。しかし清水寺が閉門した後や早朝の時間帯になると、人通りはぐっと少なくなります。夜の路地を歩いてみる。朝の静かな参道を歩いてみる。場所そのものは同じでも、時間帯が変わるだけでまったく異なる魅力に出会うことができます。そのような過ごし方が観光客の集中する時間帯の分散につながり、地域にとっても、観光客にとっても、より心地よい地域滞在につながればと思っています\nオーバーツーリズムを単なる課題として捉えるのではなく、これまでとは違う清水の楽しみ方を発見するきっかけとして提案していくことも、私たち宿泊施設の役割のひとつではないかと考えています。\n早朝と深夜の静かな二寧坂\n必要な時に、そっと寄り添う存在でありたい\n――伊藤さんは長年、無印良品の店舗運営に携わってこられました。その経験を踏まえ、この施設ではどのような宿泊体験を届けたいと思っていますか。また、その体験を実現するために、スタッフにはどのような役割を期待しているのでしょうか。無印良品の店舗運営で培った考え方や価値観が、宿泊施設の運営にどのように生かされているのかも教えてください。\n店舗運営と宿泊運営は業態こそ異なりますが、お客さまとの向き合い方には共通する部分が多いと感じています。それは、「お客さまに何かを押し付けるのではなく、その人にとって心地よい選択肢を提供する」という考え方です。\n宿泊施設においても、私たちが目指しているのは過度なサービスや豪華なサービスではありません。例えば、客室で実際に商品を使っていただいたお客さまが、「これで十分心地よい」「これが自分には合っている」と感じられることも、ひとつの価値だと考えています。そして、滞在中に気に入った商品があれば、1階の売店で購入し、その後の日々の暮らしの中でも使い続けていただくことができます。\nまた、客室にご用意している水ボトルも、必要な分だけご自身で水を汲んでいただくスタイルです。私たちは、それが唯一の正解だとは考えていません。ただ、そのような選択肢や暮らし方もあることをお伝えしたいのです。\n私たちが大切にしているのは、使い方や過ごし方を決めることではなく、お客さま自身が選べる余白を残すことです。必要以上にお客さまの時間へ入り込むのではなく、それぞれの過ごし方を尊重しながら、必要な時にお手伝いできる存在、お役に立てる存在でありたいと考えています。\nロビーに設置された無印良品の売店\n宿泊体験は、その後の暮らしへとつながっていく\n――無印良品はこれまで商品や店舗を通じて『暮らし』を提案してきました。一方で、宿泊施設は実際にその空間で時間を過ごす場所でもあります。支配人として、この施設ではどのような暮らしの価値を体験として届けたいと思っていますか。また、宿泊事業だからこそ伝えられる無印良品の魅力があれば教えてください。\n無印良品はこれまで商品や店舗を通じて、お客さまの暮らしに寄り添ってきました。\n無印良品の宿泊体験は、その場限りで終わる瞬間的な消費ではなく、お客さまのその後の暮らしともつながっていくことが可能です。また、無印良品は日本国内だけでなく、世界各地に店舗があります。帰国後に現地の店舗で商品を見つけたり、旅先で感じた価値観をその後の暮らしの中で思い出したりすることもあるかもしれません。\n私は、それも無印良品の宿ならではの宿泊体験の価値だと思っています。ただ、私たちがお届けしたいのは商品そのものだけではありません。\nこの地域で出会った風景や時間の流れ、人々の暮らし方、そして無印良品が大切にしている考え方も含めて、ひとつの体験として持ち帰っていただきたいと思っています。例えば、朝の静かな時間を楽しむことや、自分にとって本当に必要なものを考えること、あるいは少し立ち止まって暮らしを見つめ直してみること。その体験が、お客さまそれぞれの人生や日々の暮らしの中で、何かを考えるきっかけになれば嬉しいです。\n私たちは、無印良品が主役になることを目指しているわけではありません。地域には地域の魅力があり、そこには長い時間をかけて育まれてきた暮らしや文化があります。MUJI BASE KYOTO kiyomizuもまた、その魅力をそっと支える存在でありたいと考えています。\nあたたかな光に包まれる館内\n\n施設概要\n施設名:MUJI BASE KYOTO kiyomizu所在地:京都府京都市東山区清水 4-171開業日: 2026年5月20日事業会社: ㈱良品計画経営会社: ㈱良品計画運営会社: NA建築設計: NA内装設計: NA施工:NA客室構成:全18室(ダブルルーム 約18.1~約18.8㎡、ツインルーム 約25.6㎡、ツインルーム バスタブ付 約29.8~約30.9㎡、ファミリールーム 約53㎡)付帯施設:小川珈琲(カフェ)、無印良品 売店、ランドリールーム敷地面積:NA延床面積:NA客室価格:20,200円(税込み)〜 ※時期・曜日により変動あり\n\nMUJI BASE KYOTO kiyomizu\nEditor’s Note\n\n無印良品に囲まれて過ごすことは、なぜこれほど心地よいのだろうか。\n今回、「MUJI BASE KYOTO kiyomizu」に滞在して、改めて感じたのは、日頃から使い慣れた無印良品のプロダクトに囲まれていることへの安心感だった。寝具やアロマ、アメニティ、水ボトルに至るまで、どれも特別に高価なものではない。しかし、そのひとつひとつが、長い時間をかけて私たちの暮らしに寄り添い、「これで十分心地よい」という価値観を育んできた製品でもある。\nラグジュアリーブランドのように所有する喜びを提供するのではなく、自分の暮らしに心地よく寄り添ってくれること。その価値観に共感し、自ら選択していることへの静かな満足感こそが、無印良品というブランドの魅力なのかもしれない。\nそして、無印良品にはホテル事業者として極めて大きなアドバンテージがある。それは、世界中に多くのファンを抱え、膨大な顧客接点と顧客データを有していることだ。多くのホテルがOTAへの依存を課題とするなか、無印良品は店舗、EC、アプリ、会員基盤を通じて、自ら顧客と直接つながり続けることができる稀有なブランドである。\n今回の滞在を通じて感じたのは、MUJI BASEにはまだ大きな可能性があるということだ。例えば、無印良品のアプリを通じて宿泊予約を行い、滞在前から地域の情報に触れ、宿泊中に気に入った商品をそのまま購入し、帰宅後も日々の暮らしのなかで使い続けていく。そんな体験がシームレスにつながれば、宿泊は単なる一度きりの消費ではなく、顧客との継続的な関係性へと変わっていく。\nそして何より興味深いのは、旅が終わったあとも、その体験が暮らしのなかに残り続けることだ。旅先で使ったアロマの香りや寝具の心地よさを自宅でも使い続けることで、旅の記憶が日常へと溶け込んでいく。ホテル体験が自宅へ持ち帰られ、その後の暮らしへとつながっていくのである。\nこれは、一般的なホテルのロイヤルティプログラムとは少し異なる関係性だ。ポイントや会員特典ではなく、「暮らし」そのものを通じて顧客とつながり続けることができる。宿泊体験が旅先だけで完結せず、その後の日々の暮らしへと続いていく。私は今回の滞在を通じて、MUJI STAYとは「泊まること」を提供する事業ではなく、旅と日常をつなぎ、「暮らしの続きをつくる」事業なのではないかと感じた。\n",
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"title": "“電力を選ぶ時代”へ~経営者に求められる新たな電力調達戦略",
"content": "㈱大谷山荘 代表取締役社長 大谷 和弘氏 Kazuhiro Otani Profile / 1979 年山口県生まれ。 名温泉地の旅館で実務経験を積み、2005 年に家業の大谷山荘へ入社。 2020 年代表取締役社長に就任。2019 年山口県温泉協会会長に就任\nデジタルグリッド株式会社 取締役COO 近清拓馬氏(Takuma Chikakiyo) 2013年に東京大学大学院工学系研究科を修了後、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。エネルギー関連の製造業で戦略立案、経営改革、オペレーション改善プロジェクトに従事。2017年に国内重工系メーカーに出向し電力ビジネスを担当。2019年よりデジタルグリッド社に参画し、2019年8月23日に取締役に就任。\n電力は「コスト」から「調達判断」へ\n――電力市場はホテル・旅館経営にどのような影響を与えていますか。\n近清2016年の電力自由化以降、企業は電力会社を選べるようになりましたが、当初は価格競争が中心でした。転機となったのは2022年の燃料価格高騰です。市場価格が急変動し、供給側も需要側もリスク管理を迫られる状況となりました。現在は「電力会社に任せる」構造から、企業自らが調達方法を設計する段階に入っています。価格変動を前提に、どうリスクを分散するかが経営課題になりつつあります。当社は企業間で電力調達を設計できる「デジタルグリッドプラットフォーム(DGP)」を提供しています。固定価格と市場連動を組み合わせたり、再生可能エネルギーを選択したりと、調達の柔軟性を高める仕組みです。加えて再エネ取引や蓄電池事業も展開しています。\n――DGPの特徴はどこにありますか。\n近清一定量を固定価格で確保し、残りを市場連動にすることで、安定性と経済性の両立を図れる点です。価格が急騰した場合でも影響を限定でき、逆に市場が落ち着いている局面ではコストメリットも取り込めます。これまで意識されにくかった「電力リスクをどう分解するか」という視点が、今後は宿泊業でも重要になると考えています。\n「削減」から「設計」へ――現場の視点\n――大谷社長はこれまでどのように電力と向き合ってこられましたか。\n大谷以前は使用量を減らすことが中心でしたが、それだけでは限界があります。電気料金には自助努力で変えられる部分と、制度的に固定されている部分があることを整理できたのは大きな変化でした。使用時間帯や契約形態で変動する部分と、再エネ賦課金などの固定要素を分けて考えることで、判断がしやすくなりました。DGPのサービスを雑誌の取材がきっかけで知ることになり、まず社内で検討を始めたのが出発点です。\n――現在の契約形態について教えてください。\n大谷固定価格と市場連動を組み合わせたハイブリッド型です。旅館は24時間稼働で、温浴施設もあるため、価格変動をすべて受けるのは難しい。一方で全量固定にすると市場メリットを取り込みにくいです。その中間として設計しています。導入プロセスですが、担当営業である菱本氏とのオンラインでの打ち合わせから始まりました。契約判断前に詳細なシミュレーションを提示いただき、従来契約との比較ができたことで意思決定しやすかったです。また、導入後も市場動向や国際情勢を踏まえた情報共有があり、「今何が起きているのか」を把握しながら運用できています。正直、最初は難しさもありました。ただ、説明を受けながら理解を積み上げていく形だったので、不安より納得感の方が大きかったです。感覚としては、資産運用のアドバイザーに近い印象です。\n――なぜ、伴走型支援を重視されるのですか。\n近清電力市場は国際情勢や制度変更の影響を強く受けます。そのため単なる供給ではなく、背景情報を含めて共有することを重視しています。具体的には、個別相談に加え、月次レポートやウェビナーを通じて、市場動向や燃料価格の変化などを提供しています。単に「安くなる」ではなく、判断材料を増やすことが目的です。また、営業・エンジニア・プロダクトが連携し、現場の声をもとに改善を続ける体制を整えています。\n「中身が見える」ことで判断軸が変わる\n――導入後の変化について教えてください。\n大谷最も大きかったのは、電気料金の内訳が可視化されたことです。従来は料金構造が複雑で、何がコスト上昇要因なのか把握しにくい状況でした。料金や市場要因、制度関連費用などが分解されて示されることで、「市場変動によるものか」「自社の使い方によるものか」を切り分けて判断できるようになりました。これは経営管理上、大きな変化です。\n――コスト効果はどの程度でしたか。\n大谷導入1年で約2,500万円の改善効果がありました。想定以上の結果で、調達手法の違いがこれほど差を生むのかという実感がありました。\n――価格変動への備えとしての効果は。\n大谷燃料価格や国際情勢の影響で電力価格は大きく変動しますが、固定価格部分を持つことで急激な上昇リスクを一定程度抑えられます。旅館業は食材費や人件費に加え、エネルギーコストの影響も大きいです。電力調達を経営課題として捉える重要性は以前より高まっています。\n――運用面の変化はありますか。\n大谷初年度は調達面の効果が中心でしたが、今後は使用側の改善が重要になると感じています。LED化や空調・給湯設備の最適化に加え、稼働時間の調整など、エネルギーの“使い方”そのものを設計する段階に入っています。ピーク時間帯の抑制によって契約電力を下げられる余地もあり、運用改善の重要性は今後さらに高まると思います。\n――宿泊業界への展開について。\n近清宿泊業は固定費比率が高く、電力はその中でも大きな割合を占めます。価格変動の影響を受けやすい一方で、改善余地も大きい領域です。当社では電力使用量や市場価格の動きを可視化し、「いつ使うとコストが高いのか」「どう運用すれば抑制できるのか」を示しています。電力価格は1日の中でも変動します。使用時間の最適化によって、追加的なコスト削減も可能です。当社では「エネルギーの民主化」を掲げています。従来は提示された価格を受け入れる構造でしたが、本来は企業ごとに最適な調達方法があるはずです。安定性を重視するか、再エネ比率を重視するか、市場活用を重視するか。選択肢を明確にし、意思決定できる環境を整えることが重要だと考えています。\n",
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"title": "なぜ無印良品は、宿泊事業に取り組むのか。 MUJI BASEが描く「もうひとつの暮らし」",
"content": "\n \n\n廣川 剛史(Hirokawa Takeshi)氏㈱良品計画 ソーシャルグッド事業部「遊」創事業部 部長2009年よりマーケティング企画・販促計画、2015年より宿泊施設の企画開発や地域・都市開発のブランディング、クリエイティブディレクションに従事。2022年に良品計画へ入社後、宿泊事業責任者として「MUJI STAY」を立ち上げ、銀座・北京・深センの「MUJI HOTEL」の運営に加え、「MUJI BASE」「MUJI room」など新たな宿泊モデルを開発。地域資源を生かした施設開発、既存施設の収益改善、ブランド体験の設計を推進し、良品計画らしい宿泊事業の拡大と事業基盤づくりを担う。\n\n地域の暮らしを支える企業へ\n――良品計画はこれまで、地域活性化や空き家活用など、全国各地でさまざまな取り組みを進めてこられました。まず、良品計画は企業として地域やコミュニティとどのように向き合おうとしているのでしょうか。また、その背景にある考え方についても教えてください。\n良品計画は、全国津々浦々の店舗が地域のコミュニティセンターとして進化していくことを目指しています。各店舗が地域のコミュニティセンターとしての役割を持ち、地域のステークホルダーの皆様とともに、地域課題に取り組むことで、地域への良いインパクトを実現することを目指しています。特に、資源循環、地域活性、防災、ヘルスケア、文化・伝統、創エネルギーを軸とし、店舗を起点とした地域活動・取り組みを展開しています。\n無印良品の商品(MUJI BASE KYOTO kiyomizu売店)\nなぜ、宿泊という手段だったのか\n――無印良品は「暮らし」を提案するブランドとして、多様な事業に取り組まれています。そのなかで近年は、MUJI BASEをはじめ宿泊事業にも力を入れられています。なぜ今、「宿泊」という領域に可能性を見出したのでしょうか。また、宿泊事業を通じてどのような価値を実現したいと考えていますか。\n平成30年の住宅・土地調査では、全国の空き家数は約850万戸。以降も続く人口減による地域文化・産業の衰退などの社会問題に対し、空き家や使われなくなった公共施設を活用して宿泊施設とすることで、地域の関係人口を創出できるのではと考えたからです。また「暮らしのきほん」を作ってきた良品計画として、衣生食にまたがる商品群と店舗設計を通じて培ってきた空間デザインを活用することで、暮らしの価値を拡大し、日本中の地域で「もうひとつの暮らし」を提案する宿泊施設を展開できると考えています。\nMUJI HOTEL GINZA客室\nMUJI room LIBER HOTEL 客室\n地域で暮らしと文化を体験する拠点\n――MUJI BASEは、一般的なホテルや旅館とは異なり、地域の日常や文化に触れる滞在体験を重視しているように感じます。良品計画はMUJI BASEをどのような事業として位置付けているのでしょうか。また、地域と宿泊者をつなぐ拠点として、どのような役割を担っていきたいと思っていますか。\nMUJI BASEは、良品計画が展開する「無印良品事業」の宿泊領域である「MUJI STAY」の一つとして、地域に根差したくらしの拠点を作り、「地域で暮らしと文化を体験する滞在拠点」を実現する施設です。ワーケーションやデュアルライフなど、ライフスタイルが場所にとらわれない形へと変化する中で、暮らしの拠点を広げ、穏やかな日常を体験しながら、地域の魅力を再発見できる場所となることを目指しています。\nMUJI BASE OIKAWA外観\nMUJI room SAKAMOTOYA外観\nMUJI BASE OIKAWA内観\n京都・清水という場所に宿をつくる意味\n――MUJI BASE KYOTO kiyomizuは、日本有数の観光地である京都・清水エリアに開業しました。この場所を選んだ理由や、この地域だからこそ実現できる価値について、どのように考えていますか。\n開発のきっかけは、建物の老朽化や旅行スタイルの変化などを背景に、継続的な運営が難しくなっていた「アメニティーホテル京都」のオーナーからご相談をいただいたことです。京都は、長い時間をかけて人々の暮らしや文化が受け継がれてきた土地であり、その蓄積された日常の価値は、「無印良品の宿」の価値観と近いものがあります。また、本建物にも地域の記憶や暮らしの痕跡が残されており、それらを生かしながら次の時代へ引き継ぐことに意義があると考え、今回の開業に至りました。\nMUJI BASE KYOTO kiyomizuサイン\nMUJI BASE KYOTO kiyomizu外観\nMUJI BASE KYOTO kiyomizu客室\n地域とともに価値を育てる\n――MUJI BASEでは、地域の日常や文化に触れる体験を重視されています。良品計画は、宿泊施設と地域との関係をどのように考えているのでしょうか。また、地域の事業者や住民との連携を通じて、どのようなことを実現したいと考えていますか。\n一般的なホテルや旅館が快適な滞在の提供を主な役割とする一方で、MUJI BASEでは、その土地に根付く文化や暮らし、人々の日常に触れる体験を大切にしています。地域の魅力は観光資源だけでなく、そこに暮らす人々の営みそのものにあると考えているためです。\n日本国内に展開しているMUJI BASEでは、地域の事業者や住民の皆さまと連携しながら、その土地ならではの文化体験を宿泊体験の中に取り入れています。例えば、千葉県・大多喜町の廃校となった小学校を改装した宿泊施設「MUJI BASE OIKAWA」では、地元の事業者と連携して養蜂体験や野菜の収穫、味噌作りなどのプログラムを実施しており、いずれも好評です。宿泊をきっかけに地域への理解や愛着が深まり、地域に新たな価値や循環が生まれていくことを目指しています。\nMUJI BASE KYOTO kiyomizuが紹介している金継ぎ体験\nMUJI BASE OIKAWAの養蜂体験\n宿泊体験は、チェックアウトでは終わらない\n――MUJI BASEは、宿泊をきっかけに地域との新しい関係を生み出す取り組みでもあるように感じます。良品計画は、MUJI BASEを通じて地域との継続的な関係性や、関係人口の創出についてどのように考えていますか。\n私たちは、宿泊体験の価値はチェックアウトの瞬間で終わるものではないと考えています。MUJI BASEで過ごした時間を通じて、その地域に親しみや愛着を持っていただき、再び訪れたり、地域の人や産品とのつながりを持ち続けたりすることに大きな意味があります。実際、毎年同じ時期に同じMUJI BASEを利用くださるお客さまや、価値観に共感して複数のMUJI BASEを訪ねてくださるお客さまもいます。宿泊を通じて生まれた小さな関心が、将来的には関係人口の創出や地域の持続的な活力につながっていくことを期待しています。\nMUJI BASE OIKAWAで販売している地元産のはちみつ\nMUJI room SAKAMOTOYAの製材所見学ツアー\nホテルは、地域の未来に何ができるのか\n――近年、宿泊施設には観光拠点としてだけでなく、地域との接点づくりや関係人口の創出など、さまざまな役割が期待されています。良品計画は、これからのホテルや宿泊施設が地域の未来に対してどのような役割が求められていくとお考えですか。\n多くの地域が人口減少や高齢化、伝統の断絶などさまざまな社会課題に直面している今、宿泊施設は地域外の人々と地域を結ぶハブとして、それらの課題に対峙するひとつの選択肢となり得ます。例えば、千葉県・鴨川市にある「MUJI BASE KAMOGAWA」は築100年の古民家を改装した施設で、日本家屋の魅力や昔ながらの暮らしの知恵を宿泊者に伝えています。京都・清水にある「MUJI BASE KYOTO kiyomizu」では、早朝ツアーや夜の散策を提案することで地域の魅力を伝えながらオーバーツーリズムの解消も目指しており、近隣の神社仏閣から喜ばれています。地域とともに価値を育て、地域の未来を支える存在であることが、これからのホテルや宿泊施設に期待される姿だと考えています。\nMUJI BASE KAMOGAWA内観\nMUJI BASE KYOTO kiyomizu早朝ツアー\nMUJI STAYが描く宿泊の未来\n――良品計画では、「MUJI HOTEL」「MUJI BASE」「MUJI room」など、複数の宿泊モデルを展開されています。これらを包括する「MUJI STAY」とは、どのような構想なのでしょうか。また、無印良品は宿泊を通じてどのような価値を提案し、そのなかでMUJI BASEをどのように位置付けているのでしょうか。\nMUJI STAYは“くらし”の概念を再定義することで、宿泊施設や住居のあり方を見直し、ライフスタイルそのものを変革するための試みです。遊休資産等を活用することで都市と地方、国内と海外を問わない複数の居場所を作り、自分らしい“くらし”を送れるようにすることを目指します。そのひとつの形であるMUJI BASEは、良品計画が提案する地域に根差したくらしの拠点です。「地域文化の体感基地」をコンセプトに、地域の文化や食材を活かした生活を体験することで、訪れる人々に新たなライフスタイルを提案しています。\n\nMUJI STAY\nEditor’s Note\n\n宿泊は、地域との新しい関係をつくることができるのだろうか。\n近年、宿泊施設には、単なる「泊まる」場所を超えた役割も求められるようになっている。地域との接点を生み、関係人口を育み、その土地の文化や暮らしを次の世代へつないでいくことも、いま宿泊施設に求められる役割のひとつだ。\n今回、良品計画の話を聞いていると、MUJI BASEは宿泊事業というよりも、地域との新しい関係を育むために生まれた取り組みのように思えてくる。\n同社はこれまで、全国各地で移動販売や空き家活用、自治体との連携、地域コミュニティづくりなどに取り組んできた。そこに共通しているのは、「暮らし」をどう支えるかという視点である。\n人口減少や高齢化が進むなかで、地域ではさまざまな機能が失われつつある。買い物をする場所、人と出会う場所、地域の文化を受け継ぐ場所。良品計画は、店舗や商品を通じて、そうした暮らしの機能をどう残していくかを考え続けてきた。そして、MUJI BASEもまた、その延長線上にある。\nMUJI BASEが目指しているのは、単に地域に泊まることではない。その土地で暮らす人々の日常に触れ、その地域との関係性を育むことにある。「もうひとつの暮らし」という言葉には、旅先で消費するだけではない、新しい地域との向き合い方が込められているように思う。\nホテル業界では近年、「地域共生」という言葉が頻繁に語られる。しかし、その実践方法はまだ模索の途上にある。\nそのなかで、良品計画の取り組みは興味深い。宿泊施設を単独の事業として成立させるのではなく、地域との関係を育み、暮らしの循環をつくるための一つの手段として位置付けているからだ。\nホテルは、地域とどのような関係を築くことができるのか。MUJI BASEの挑戦は、これからのホテルと地域の関係を考えるうえで、ひとつのヒントを示しているように思う。\n",
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"title": "〈インタビュー〉総支配人を目指す1級の合格率は5%の狭き関門、世界に通じるホテル人材育成を目指す国家資格「ホテル・マネジメント技能検定」",
"content": "一般社団法人日本宿泊産業マネジメント技能協会 副理事長 平 浩一郎氏(ホスピタリティキャピタルマネジメント株式会社 代表取締役)\nプロフィール\n\nMIT修士(MS)課程修了。国内デベロッパーにてホテル開発・経営企画を担当後、米系金融機関にてバンカー業務および不動産ストラクチャードファイナンスのアレンジ業務を担当。総額1兆円以上の商業用不動産のファイナンスアレンジやM\u0026amp;A、IPO、事業再生案件を担当。ホスピタリティキャピタルマネジメント社起業後はホテルの開発型証券化案件における組成・開発・経営指導をはじめ、外資ホテルへのリブランドやM\u0026amp;A交渉アドバイザーなどの経営および財務コンサルティング業務を行う。立教大学大学院元特任教授(「ホテル経営論」等担当)。\n\n\n前年は約1200人が受験、1級はホテル経営能力の実践能力が試される場\n――初めにホテル・マネジメント技能検定の概要をご紹介ください。\n ホテル・マネジメント技能検定は厚生労働省が所管する国家資格でホテルの経営能力を検定し、2018年にスタートして今年で9回目を迎えます。 検定は1〜3級に分かれており、1級は総支配人やそれをも目指す方、もしくは本社部門の部長クラス以上が対象です。2級は30代ぐらいのマネージャークラス、3級はビギナー向けで専門学校生、大学生、20代の社員の方向けとなっています。試験は札幌、東京、名古屋、大阪、岡山、高松、福岡、那覇の8カ所で実施し、9月に筆記試験、11月に実技試験を行います。 筆記試験はマークシート式でマネジメントに関する知識を問いますが、実技試験ではいずれの級もケーススタディが中心となり、特に2級は論述形式の出題と1級はさらに加えて面接官に対して与えられた課題対するプレゼンテーションとそれに対する諮問(ロールプレー)形式で受検いただきます。 学科と実技の合格を持って当該級の「技能士」認定となります。昨年の第8回の受験者数は3級が800人、2級が300人、1級が120人の約1200人。合格率は3級が約50%、2級が約15%、1級が約5%という結果でした。 なお、今年度の受験申し込みの締め切りは7月25日となっています。\n――具体的にそれぞれの級でどのようなスキルが必要なのでしょうか。\n 当検定では、①収益管理力、②企画力、③課題解決力、④管理運営力、⑤専門知識の5つの能力に対して、1級は「事業管理視点」、2級は「業務管理視点、3級は「作業管理視点」から的確な知識と分析力を持ち、判断できる能力を有しているかを判定します。 具体的な判定基準は、1級は原則9年以上(2級・3級合格者はより短い年数で受検可能)の実務経験を有し、ホテル単体の長として、市場環境の現状分析に基づき先読みをしながら、経営戦略を策定できることなど。 2級は原則5年以上(3級合格者はより短い年数で受検可能)の実務経験を有し、ホテルの各部門(宿泊・料飲・宴会)の長として、全体経営方針に基づいた部門目標を設定できること。サービス開発および運用・管理業務を設計・改善できること。他部門との連携を図り、部門収益を向上できることなど。 3級は5年未満の実務経験者でホテルの担当する課、セクションの収益目標やKPIに留意しながら運営・進捗管理できることなどです。\n――受験に向けた準備や、出題の傾向などをご教授いただけますか。\n どの級も筆記試験に関しては基本的な知識が試されるので、当協会が発行している『ホテル・マネジメント教本2026年度版』を読んで身に付けることやインバウンドの動向など業界にかかわるニュースには日頃からアンテナを張っておくことも重要です。実技試験については、毎年出題の傾向は大きく変わらないので、過去の問題(JLMのHP上に掲載、または販売されている過去問題集には解答例や考え方も掲載)を試してみることも有効です。また、1級、2級はキャリアやどのくらい現場において判断を要求される場数を踏まれているかも重要になってきます。 特に1級はロールプレー面接におけるプレゼンテーション・質疑応答能力をはじめとする総合力が求められますので、受験勉強だけではなく、日ごろからホテルマネジメントに関して問題意識を持って仕事に当たっているのか、そしてどれだけの情報を持っているのかが大切になります。そうした蓄積を元に出題された課題を自分なりに咀嚼して判断し、アウトプットするという過程を見るのが1級の試験です。 実際の出題では、コロナ後は急激に需要が回復して人手不足となったのでヒューマンリソースの配置の問題が大きなトピックスになりました。またインバウンドの増加で宿泊料金が急上昇しましたのでレベニューマネジメントのトピックスも取り上げられました。去年は宴会の需要が戻ったことからFB分野に関する問題も出題されました。このようにホテル業を取り巻く経営環境や法律関係も日々変化しますので、問題の内容もそれに合わせて毎年変えているのも特徴です。\n今後の日本の成長産業を支える人材育成にも寄与\n――ホテル・マネジメント技能検定の技能士を取得するメリットをお聞かせください。\n 日本のトップ10に入るような大手ホテル企業複数社においてホテル・マネジメント技能検定を社内研修プログラムに取り入れる事例も増えてきています。例えば総支配人には1級、マネージャーには2級が必須、条件が同等なら3級を持っている学生を優先採用するとケースもあるようです。 また、実技試験の面接官はホテル業界の大手企業のトップマネジメントや大学でのホテル経営ご担当の教員経験者で構成されています。1級合格者は一国一城の主としてホテルの総支配人を任せられるというお墨付きも得られます。 さらに、最近は専門学校・大学などからホテルマネジメント講義を担当する教員の紹介を要請されることも多くなり、その場合はご本人の許可を取った上で、当検定の1級技能士の方をお繋ぎすることも増えています。\n――最後にホテル業界や検定に臨む方へのメッセージをお聞かせください。\n 昨年はインバウンドが4000万人を超え、近い将来6000万人になるとの予測があります。日本の人口が減っていく中で、観光業は外貨の獲得に寄与できる有望な成長産業なのです。インバウンドがもたらす宿泊等の産業の市場規模はもうすぐ10兆円に届こうとしていますから。 そうした中、外資系ホテルが日本各地に進出してきています。彼らのビジネスモデルはホテル経営のリスクを負わない運営受託等の手数料ビジネスである一方で、会員組織も含めて自前のリソースから多くを集客しており、エージェントに頼る日本のホテルとはビジネスモデルが異なっています。また、海外の総支配人の年俸が3000万円以上というケースも多く、現在は日本のホテル企業との差が大きいと言えます。しかし、これは埋められない差ではありません。 この差を埋めるには、いままでの業界カルチャーから脱却して、ゲームチェンジャーとなり得るAI/DX時代に即した新たなビジネスモデルを創造していくことが必要ではないかと感じています。世界では歴史の浅いホテルブランドが急速なスピードでグローバルチェーンに急成長している例も少なくありません。そういったところを参考にするとやるべきことは多岐に亘りますが、その第一歩として、例えばオーナーサイドに競合他社に勝つための提案する、リノベーションなどに際して費用対効果を客観的な数値で提示するといった経営的視点や能力が求められるようになってきました。 こうしたスキルを養い、自身がステップアップするためにもホテル・マネジメント技能検定が一助になれることを望んでいます。\n――本日ありがとうございました。\n◎ホテル・マネジメント技能検定 https:\/\/www.hotel-management.or.jp\/\n―――取材・本誌 オータパブリケイションズ 臼井 usui@ohtapub.co.jp文 アクセント",
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"title": "人が、目的地になる。 クラブメッドが証明する、G.Oという財産",
"content": "\nマーク・ルトゥールノ氏(Marc Letourneau)クラブメッド 日本法人 代表取締役\nクラブメッド日本法人の代表取締役として、日本市場における事業戦略、ブランド成長、ビジネス全体を統括している。1998年の入社以来、クラブメッドで数々のリーダーシップポジションを歴任。ホスピタリティ、ブランド戦略、デスティネーション開発における豊富な知見を活かし、クラブメッドを“プレミアム・ライフスタイルブランド”へと進化させる成長を牽引。東京を拠点に、持続可能な成長戦略の推進、パートナーシップ強化、そして地域文化とクラブメッドならではの世界観を融合した特別な体験価値の創出に注力。さらに、人材育成やサステナビリティ推進にも積極的に取り組み、責任あるツーリズムの実現に向けた長期ビジョンを支えている。\n \n\n\n\n\nクラブメッドという文化\n \n――今回のドキュメンタリーでは、支配人を中心に、クラブメッドで働く“人”に焦点が当てられていると感じました。まず、このドキュメンタリーを制作された意図や背景について教えてください。そのうえで、あらためてクラブメッドとはどのような思想や価値を持つブランドなのか、グローバルおよび日本での展開も含めて、どのような体験を提供しているのでしょうか。\nクラブメッドにおいて、ゲスト体験の基盤となるのは何よりもG.Oをはじめとする“人”です。今回のドキュメンタリーでは、世界各国から集まったスタッフたちがクラブメッドならではのキャリアを歩み、シェフ ド ヴィラージュ(支配人)を目指す姿を描いています。世界中のリゾートでゲストと最も近い距離で関わり、心に残る体験を生み出しているのがG.Oです。そして、クラブメッドの支配人は100%社内昇進によって誕生しています。G.Oこそが、ゲストにとっても働く仲間にとっても、クラブメッドを唯一無二の存在にしているのです。今回の作品には、「クラブメッドはすべての人に開かれた場所であり、誰もが世界を舞台に成長し、多彩なキャリアを実現できる」というメッセージが込められています。\n \n\n \n――クラブメッドで象徴的な存在であるG.Oについて、あらためてその役割や位置づけを教えてください。一般的なホテルスタッフとの違いはどこにあるのでしょうか。\nG.Oとは、スポーツ、キッズクラブ、エンターテインメント、レセプション、料飲など、さまざまな分野でゲストと接する国際色豊かなスタッフたちです。彼らの役割は単に業務を遂行することではありません。ゲスト一人ひとりに寄り添い、期待を超える交流や体験を届けることにあります。そしてG.Oたちが生み出しているのが、クラブメッドならではの空気感です。世界中から集まったスタッフやゲストが国籍や世代を超えて自然につながり、ひとつのコミュニティのように時間を共有する。その温かく開かれたバカンス体験こそが、クラブメッドの大きな魅力です。\n \n\n \n――マークさんご自身もG.O出身と伺っています。これまでのキャリアの中で、G.Oとしての経験が現在の経営にどのように影響しているのかを教えてください。また、G.Oとしての経験があるからこそ見えているクラブメッドの価値や強みを教えてください。\n私のキャリアは1998年、スポーツ部門のG.Oとしてスタートしました。ゲストとの交流を通じて、世界の広さや多様な価値観に触れた経験は、私の人生を大きく変えました。その後、現場や本部でさまざまな役割を経験しながらキャリアを重ねてきました。自身の経験を通じて実感しているのは、人は成長を求め、新しいことを学ぶことに喜びを感じるということです。だからこそ私は、自らの経験や知識を共有しながら、チームの挑戦や成長を後押ししたいと考えています。G.Oとして学んだ柔軟性や挑戦する姿勢は、現在のリーダーシップにも大きく活かされています。\n \nG.O時代のマーク・ルトゥールノ氏(1998〜1999年、バハマ)\n\n人が価値を生む理由\n \n――クラブメッドでは、体験価値の中心にG.O(人)がいると感じました。なぜここまで“人”が重要な役割を担うのか、その背景にある考え方を教えてください。\n人々がバカンスに求めているのは、日常から解放される特別な時間です。そして、その体験を実現しているのがG.Oたちです。G.Oは人と人をつなぎ、新しいスポーツや趣味、情熱との出会いを届けています。家族同士が交流し、新たなコミュニティが生まれるのもクラブメッドならではの魅力です。だからこそ、“人”はこれまでも常にクラブメッドの中心であり、デジタル化が進む現代において、その価値はますます重要になっています。ゲストの心に残るのは、施設だけではなく、人とのつながりによって生まれる特別な体験なのです。\n \n\n \n――クラブメッドでは、「G.Oに会いに行くために旅をする」という話も聞きます。人そのものが目的地になるという現象について、どう見ていますか。また、それは意図して設計されているものなのでしょうか。\nクラブメッドには、長年にわたり世界中のリゾートを訪れてくださる顧客が数多くいます。特に海外旅行では、「知っているスタッフがいる」という安心感が大きな価値になります。そのため、モルディブやメキシコのような遠方のリゾートにも、多くのゲストが足を運んでくださっています。また、G.Oたちは世界各国のリゾートを経験するため、ゲストとの関係も自然と深まります。「別の国で、また同じG.Oに再会できた」という体験も珍しくありません。さらに、支配人が創り出す雰囲気や体験に魅了され、その支配人が赴任した次のリゾートを訪れるゲストもいます。人とのつながりが、次の旅へとつながっていく。それこそが、クラブメッドが長く愛され続けている理由の一つだと思います。\n \n\n \n――私自身、クラブメッドでの体験を通じて感じたのは、働くことそのものが生き方と重なっているように見えた点です。もちろん、これはあくまで私自身の印象ですが、クラブメッドではなぜそのような価値観が生まれるのでしょうか。また、それを支えている文化や仕組みについて教えてください。\nG.Oたちは一般的なホテル業務に加え、スポーツやアクティビティ、イベントなども企画・運営しています。これらは単なる催しではなく、ゲストとスタッフの自然な交流を生み出し、リゾート全体に一体感をもたらすクラブメッド独自の文化です。夜にはエンターテインメントショーにも出演し、ゲストとともにその時間を楽しみながらリゾートを盛り上げます。それぞれのG.Oが個性を活かしながら働くことで、ゲストも自然とその輪に加わり、特別な時間を共有することができます。食事やアクティビティだけではなく、人との出会いや交流を通じて時間を共有すること。それこそがクラブメッドが提案するリゾート体験です。\n \n\n \n――クラブメッドでは、G.Oは体験価値の中心的な存在であると感じました。一方で、経営という観点から見たときに、G.Oはどのような価値をもたらしているのでしょうか。例えば、ブランドの差別化やリピート、顧客との関係性といった観点で、どのような存在だと考えていますか。\nクラブメッドにおいてG.Oは、単なる従業員ではなくブランドそのものを体現する存在です。彼らは人と人とのリアルなつながりを生み出し、滞在を心に残る体験へと昇華させます。これはホスピタリティにおける大きな差別化要素です。G.Oがゲストとの関係性を築くことで感情的なつながりが生まれ、再訪意欲やブランドへの信頼にもつながっています。顧客満足やブランドへの共感、高いリピート率を支える存在として、G.Oはクラブメッドにとって最も重要な財産の一つです。\n \n\n\n支配人というキャリア\n \n――ドキュメンタリーを通じて、G.Oから支配人を目指すプロセスに強い熱量を感じました。また、実際に現役の支配人の方々も、一般的なホテルとは異なる、型にはまらない個性的な存在だと感じました。クラブメッドにとって支配人とはどのような役割や意味を持つ存在なのでしょうか。そして、なぜ多くの人が支配人を目指すのでしょうか。\nクラブメッドにおける支配人は、リゾートのリーダーでありアンバサダーであると同時に、ゲスト体験の“感動の源”となる存在です。その使命は、クラブメッドのスピリットを体現することにあります。多国籍なチームをまとめながら、自らもゲストの中に入り、リゾート全体に活気と温かさを生み出しています。支配人が多くの人にとって目指すべきキャリアである理由は、その役割が単なる管理職ではなく、“影響力と目的を持つ仕事”だからです。個性を活かし、人を動かし、人を幸せにする。支配人になることは、キャリアのゴールであると同時に、自身の個性を最大限に発揮しながら、ゲストとチーム双方に忘れられない体験を創り出す機会でもあります。\n \n\n\n日本市場の可能性\n \n――現在の日本市場におけるクラブメッドの状況をどのように見ていますか。インバウンドの回復や国内需要の変化も踏まえ、いまの市場環境をどのように見ているのかを教えてください。また、今後の日本国内における展開や戦略について、現時点でお考えの方向性について教えてください。\n日本は現在、北海道と石垣島に計5つのリゾートを展開する、世界でも第2位の重要市場です。昨年は日本国内のリゾートに13万人以上のゲストを迎え、年々着実な成長を続けています。需要は依然として強く、今後も成長を支えるため、新たなリゾート開発の可能性を積極的に検討しています。日本市場はグループにとって極めて重要な市場であり、海と山、両方のリゾート体験を通じてさらなる価値創出を目指しています。\n \nクラブメッドの舞台裏に迫るドキュメンタリー『DREAM MAKERS 幸せの創造者たち』。\nAmazon Prime Video・YouTubeにて好評配信中。\n \nEditor’s Note\n\n人が、旅の目的地になれるのか。クラブメッドには、G.Oに会うために世界中を旅するゲストがいる。私がクラブメッド・キロログランド(北海道)を訪れたとき、ホテルでの体験で最も印象に残ったのはそこで働くG.Oたちの姿だった。もちろん彼らはスタッフであり、仕事としてゲストを迎えている。しかし、その姿は一般的なホテルスタッフとはまったく異なって見えた。接客をしているというより、その場所での暮らしや人生そのものを楽しみ、その輪の中にゲストを自然に招き入れているように感じた。今回のドキュメンタリー『DREAM MAKERS 幸せの創造者たち』を観て、その理由が腑に落ちた。クラブメッドが育てているのは、単なる接客のプロフェッショナルではない。クラブメッドのカルチャーを受け継ぎ、人と人をつなぎ、体験そのものをつくる存在である。そして、その先に支配人というキャリアがある。\nホテルが選ばれる理由は、ブランド、立地、価格、デザインなどが挙げられることが多い。しかし最終的にゲストの記憶に残るのは、ブランドそのものではなく、それを体現する現場のスタッフが生み出す体験ではないだろうか。どんなに優れたブランドも、人が体現してこそゲストに届く。クラブメッドはその答えを示している。「人」が目的地になる。それはマニュアルや制度だけでつくれるものではない。長い時間をかけて育まれてきた文化そのものであり、クラブメッドにとって最大の魅力なのだろう。\nHOTERESは、現場で働くすべてのホテリエの伴走者でありたい。華やかなブランドも、洗練されたデザインも、それを日々体現しているのは、現場に立つ一人ひとりだ。スタッフのモチベーションと誇りこそが、ゲスト体験の質を決める。人こそが、ホテルの最大の魅力だと思う。\n",
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"title": "「『人』が輝く、『世界』がかわる」、ホテルにて代行スタッフとして働いている若手らにホテルの魅力と課題を聞いてみた",
"content": "事業部長 HV事業部の今井 雄基氏\n■最初に貴社の特徴についてお知らせ願います。\n今井 FIDIAグループは理念として「さあ、ワクワクを創ろう」を掲げ、FIDIA SOLUTIONS社としては「『人』が輝く 『世界』がかわる」を社是としています。それぞれが自身はこうなりたい、このようにありたいとまっすぐに向き合えているとき、自分の可能性をもっと広げていけるのではと視座が高まります。ワクワクしながら一生懸命な輝いた状態ですと周りも、自分たちも頑張らなくてはと感化されていきますので、世界が変わるという意味が込められています。 今現在、取り引きしている企業の多くが、派遣会社として選んでいただいたのではなく、FIDIAの理念に共感をいただいたからこそと感じていますね。\n■ホテルとやりとりをしている中で、派遣人材の人選などどのような点を意識されていますか。\n今井 ホテル側のリクエストの初動としては「良い人をください」が前提ですが、「学ぶ姿勢させあれば、ちゃんと育てられます」と皆さん共通して述べられます。弊社では派遣業界で稀ですが、多くの面接回数を経て一人一人の人となりの把握や採用後のメンター制度など、人の人生を預かる上で大事なことの多くを仕組化しています。 もちろん、身だしなみや言葉遣い、学ぶ姿勢などおもてなしを提供するホテル業界に沿う人選を見定めていますが、私たちは「人材不足」を補うという思想です。今日来た人たちで埋められる仕事で手がまわらないという「人手不足」であれば、スポットワーカーを活用すべきでしょう。経験者の離職が多いホテル業界だからこそ、経験や教育を必要とする「人材不足」に寄り添えますし、弊社スタッフが輝いていくためにも必要な要件だと考えています。\n■ホテル業界の課題についてどのように見られていますか。\n今井 観光業界および人材派遣業界にも同様のことが言えますが、どれだけファンをつくってリピーター化することができるかが肝要です。ホテルでしたらまたこのホテルに泊まりたい、ピークシーズンにファン化をできたならば閑散期にもお越しいただけるということですね。ファンをつくる接点の場に人材を充てることができているのか、人材が不足している状況では容易にはいきません。 採用において、これまでホテル業界に興味のある方々のみの流入経路と思います。弊社が手掛けるサービスはまずは体験してみるという長期的なインターンに近い側面もあり、新しい第三の人材の流入経路としてお役立ちできると自信をもっています。\nFIDIA SOLUTIONS、ホテル派遣の若手社員座談会\n〈座談会メンバー〉◎山口 諒佑さん ホテル専門学校を卒業後、リゾートホテルにてフロントからレストラン、ハウスキーピング、バトラーを担う。25年5月同社入社を経て、派遣ホテルにてレストランスタッフを担当し、その後、本社勤務にてホテル部門のクルーのメンターを担う。◎伊藤 航さん 家電量販店での販売業務やウィッグの販売営業を担当。25年5月同社入社を経て、派遣ホテルにてフロント業務を担当。◎小林 梨々果さん 看護師として整形外科、消化器外科、眼科の看護全般を担当。25年12月同社入社を経て、派遣ホテルにてレストランスタッフを担当。◎磯部 弥菜さん さまざまな飲食店で接客業務全般を担当。26年4月同社新卒入社を経て、派遣ホテルにてレストランスタッフを担当。\n左から伊藤 航さん、山口 諒佑さん\n左から磯部 弥菜さん、小林 梨々果さん\n■就業先のホテルでどのような点が自身のスキルアップにつながったと感じられますか。\n山口 ホテルで働いてみたいと、前職のリゾートホテルに勤務時はラグジュアリーホテルであったこともあり、高い接客レベルを身に着けることができました。言葉遣いや立ち居振る舞いだけでなく、ワインやレストランサービスに関する専門知識をも習得できました。退職後は当時未経験であった宴会業務を現場にて学んだ後、次は営業にチャレンジしてみたいと考え、FIDIA SOLUTIONSへの面接の際、ホテル事業の立ち上げの構想を聞き、新規事業の立ち上げに携われる貴重な機会になると感じたことが入社の決め手となりました。 入社後はレストランスタッフとしてクライアント先に配属され、現場では定着率に課題があったため、定着ができる関係値づくりのため内外での信頼関係の構築や職場関係の改善に努めました。その後、弊社から追加で複数名が派遣されることとなり、それぞれに接客の技術や楽しさなどを自身のエピソードを交えながら伝えてリーダーとしての経験を重ねることができ、本社勤務に異動後はホテル部門のクルーのケアを行っています。\n伊藤 クライアント先ではフロント業務を担っており、マンツーマンで教わりスムースに業務ができるようになるまで3カ月間ほど時間を要してしまいましたが、フロントでのお客さまとのやりとり、バックヤードで予約の確認、口コミの返信、アメニティの出し入れ、共用部の清掃なども行い、社員の方と同じ業務を任せていただいています。前職では家電量販店での販売など接客業に携わっていましたが、接客に対する丁寧さはホテルが一番だと感じています。海外からのお客さまがお越しになった際など、ホテルのスタッフが慌ててしまうとお客さまも不安になってしまいますので、言語がわからなければ翻訳機を使うなど、落ち着いた対応を心がけ、その姿勢を学ぶことができました。\n小林 クライアント先でレストランスタッフとして配属しています。ホールが中心であり、お客さまの対応が主な内容となります。ホールでは自分がすべきことに加えて、チームのサポートも日々意識し、多くのお客さまに毎日お越しいただきますので、タイミングごとにお客さまが今何をお望みなのか、そしてその次を予測するという観察力が大きく身に付きました。最近は出来上がった料理のサーブをスタッフに指示するデシャップの役割も交代制で担ったり、月ごとのデザートメニューなどパティシエの方にレシピをヒアリングしレポートにまとめるといったことも行っています。\n磯部 4月に新卒として入社を経てクライアント先に配属され、人生経験の中で一番大切な社会人としての土台作りのタイミングで、クライアント先では基礎的なことからしっかりと指導していただいて、日々成長することができているという実感を多く覚えています。クライアント先ではレストランスタッフとして現在、早番の業務に携わっています。朝食は外国人の方が多く、英語での意思疎通が中心となりますが、学生時の接客アルバイトでの経験を生かしながらコミュニケーションを図っています。社会人としてゼロからのスタートだったこともあり、1日でも早く覚えて対応できるようになることを一番大事にし、教わったことはすべてメモにとり、そのメモをもとに自宅で振り返って改めてノートにまとめています。\n■配属先にて次にチャレンジしてみたいことはありますか。\n伊藤 新人教育に興味がありますね。普段行っている業務がクライアント社員の方とFIDIA SOLUTIONS側で大きな差異がないことから、自身の能力をもっと高めることで例えばクライアント先で新人の方が配属された際など、自身に教育を任せていただくことで現場での負担が大きく減ると考えています。\n小林 今現在、ホール業務とデシャップの両方を担っておりますので、より広い視点で現場全体の流れを見ながら動けるようになりたいと考えています。以前まではシェフの方々との接点が少なかったのですが、デシャップを務めるようになってからはコミュニケーションの頻度も増え、積極的に一人一人に「〇〇さん、おはようございます」などお名前とともに挨拶することを心がけています。\n磯部 まずは職場での経験をさらに積み重ねながら、自分自身が体験した一つ一つの経験に理解を深めていきたいと考えています。そして、将来的には後輩や私と同じようにゼロからのスタートの方に、フォローができるよう寄り添い、チームワークを構築していくことが目標です。\n■ホテル業界において、どのような点を改善すればよりよくなると感じていますか。\n山口 スタッフが辞めない環境づくりは大事になってくると考えています。自身が過去に勤めていたラグジュアリーホテルもそうですが、ハイレベルなサービスを求められる現場では高い緊張感の中で日々働いています。そのような中で、意見のぶつかり合いや細かなミスによる叱責などもよく発生しますが、スタッフ一人一人に面倒を見る役目の方をつけ、その方はたとえ何が起きてもそのスタッフに寄り添い、自分を見てくれている人がいる、という環境をつくるだけでもモチベーションおよび全体の離職率に大きく影響すると考えています。\n伊藤 客室の冷蔵庫が壊れてしまった際には予備をフロントスタッフが運ぶなど、女性スタッフには大変になってしまう力仕事があったり、夜勤の時間帯などにフロントで1人体制になってしまうケースですと、女性スタッフのみの配置でしたら不安に感じてしまうという話を聞いたこともあります。クライアント先では女性スタッフは深夜の外線に応対せずともよいとケアをされており、女性の働きやすさへのケアがホテル業界全体で必要になると考えています。\n小林 前職が看護職で日勤3日のあと1日夜勤という流れでしたため、週5日の勤務は働きやすいなと感じています。そして、頑張っている人がきちんと評価される仕組みが必要だと思っています。仕組みが整えられていましたら、もっと頑張れるという方もいるでしょうし、今現在、評価してもらえるチャンスがあるということはありがたいことだと考えています。\n磯部 配属をされている現場では、一人一人のお客さまの細やかなニーズに柔軟に対応することを重視し、よりよいサービスを提供すべくお客さまのアレルギーや嫌いな食べ物などスタッフ間の密な情報共有や、お客さまに快適にご利用いただくための環境づくりを大切にしています。これがホテル業界全体に広まっていけば素敵だなと感じました。\n■貴社の理念「『人』が輝く 『世界』がかわる」を、皆さんが各現場で発揮されていると感じました。本日ありがとうございます。\n―――文・オータパブリケイションズ 臼井 usui@ohtapub.co.jp",
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"title": "ホテルブランドは、何を約束するのか ― 「選ばれる理由」を設計するブランド戦略(後編)",
"content": "ブランドは「存在理由」から生まれる\n――ブランドアイデンティティはどのように構築していくのでしょうか。\nホテルブランドは、コンセプトやキャッチコピーだけで成立するものではないと思っています。ブランドアイデンティティは、作るというよりも、見つけていくものに近い感覚があります。私たちがブランド開発を行う際は、まず市場環境、マクロトレンドの分析・予測、エリア特性、競合環境、顧客インサイト、そしてオーナーのビジョンや意思を丁寧に紐解くところから始めます。重要なのは、これらを個別に見ることではありません。それぞれの要素が交差するポイントを見つけ、「なぜこのホテルが存在するべきなのか」「なぜこの場所でなければならないのか」「なぜ人々がここを選ぶ理由があるのか」を定義することが重要です。その中で特に重要なのが、競争空白(White Space)を見つけることです。競争空白とは、単に競合が少ない領域を探すことではありません。市場や顧客が求めている一方で、まだ十分に価値提案されていない領域を見つけ、そのホテルならではの存在理由を明確にすることだと考えています。私はよく、ブランド開発はコンセプトを作る仕事ではなく、「存在理由を発見する仕事」だと考えています。その上で、ポジショニングを整理し、ブランドアイデンティティを構築し、最終的にはブランド体験へ落とし込んでいきます。特に重要なのは、オーナーの意思と市場性の両立です。どれだけ理想的なブランドを描いても、市場とズレていては成立しません。一方で、市場だけを見ても、唯一無二のブランドにはなりません。ブランドアイデンティティとは、市場、顧客、地域、オーナーの意思、そして実現性。そのすべてが交差する地点に存在するものだと思っています。\nブランドは体験として届けられる\n――ブランドアイデンティティをどのように顧客体験へ落とし込んでいますか。\nブランドアイデンティティは、定義しただけでは意味がありません。顧客が実際に体験し、感じ、記憶として持ち帰って初めて価値になります。だからこそ重要なのは、ブランドを体験へ翻訳することです。私たちが重視しているのは、予約前から滞在後まで、一連の顧客体験を一貫して設計することです。PRコミュニケーション、Webサイト、SNS、予約導線、到着体験、空間、サービス、F\u0026amp;B、コンテンツ、スタッフとの会話、そして滞在後に残る余韻まで、ブランドはすべてのタッチポイントに存在するべきだと思っています。そのため、ブランド体験を考える際は、「何を提供するか」よりも、「どう感じてもらいたいか」「どのような変化(Transformation)を持ち帰ってほしいか」を重視しています。特にこれから市場を牽引するミレニアル世代やGen Z世代を見ると、価値観は大きく変化しています。「何を経験したか」よりも「その経験によってどう変化したか」、「見せる贅沢」よりも「感じる贅沢」、そして単なるリフレッシュではなく、自分自身を整え、最適化し、その状態を日常へ持ち帰ることに価値を見出す傾向が強くなっています。また、人とのつながりにおいても、常時接続されたコミュニティではなく、必要な時に自然につながれる“選択的なつながり”が求められるようになっています。だからこそ私たちは、単に体験を増やすことではなく、ゲストがどのような感情を持ち、どのように変化し、何を持ち帰るのかを起点に体験を設計することを重視しています。ホテル体験は、単なるサービス提供ではありません。どのような感情を生み出すのか。どのような行動を促すのか。どのような記憶として残るのか。そして、滞在を通じてゲストにどのような変化をもたらすのか。そうした体験全体を設計することが重要だと思っています。また、ブランド体験は企画部門や立ち上げチームだけで作れるものでもありません。開発、クリエイティブ、運営、マーケティング、PR、そして現場スタッフまで、全員が同じブランドアイデンティティを理解し、それを体現することで初めて成立します。私は、ブランド体験とは「偶然生まれるものではなく、意図して設計し、運営し続けるもの」だと考えています。 \nブランドアイデンティティは、市場・地域・顧客・オーナーの意思が交差する地点から生まれる。\nブランドを体現するのは人である\n――ブランドと人材・組織の関係をどのように考えていますか。\n私は、ブランドを最終的に体現するのは「人」だと思っています。どれだけ優れたブランド戦略やデザイン、空間を作ったとしても、最終的にゲストが触れるのは人です。だからこそ、ブランドにおいてPeople \u0026amp; Cultureは非常に重要だと考えています。実際、優れたグローバルブランドを見ると、ブランドガイドラインやデザインシステムだけではなく、People \u0026amp; Cultureへの投資を非常に重視しています。なぜなら、ブランドは組織の中で理解され、体現され、日々運営され続けなければ意味がないからです。ブランドとは、スタッフが暗記するスローガンではありません。ブランドの価値観や思想を理解し、それを日々の判断や行動に反映できる状態を作ることが重要です。ブランドを立ち上げるフェーズでは、多くの場合、そのブランドを生み出した人間やビジョナリーが自ら言葉で語り、組織へ伝えていきます。しかし、運営フェーズに入ると、その役割は総支配人をはじめとする現場リーダーへ引き継がれていきます。特に総支配人は、単なる運営責任者ではなく、ブランドアンバサダーであり、カルチャーを作る存在だと思っています。そのためには、採用、オンボーディング、教育、評価制度、組織文化なども含め、一貫したPeople \u0026amp; Cultureの設計が必要になります。私は、ブランド体験はサービスオペレーションから生まれるものではなく、人とカルチャーから生まれるものだと思っています。だからこそ、ブランド戦略とPeople \u0026amp; Cultureは切り離せません。強いブランドとは、強いカルチャーを持つ組織なのだと思います。\nブランドは運営の中で育つ\n――ブランドを運営や組織文化へ浸透させるために必要なことは何でしょうか。\nブランドを作ることと、ブランドを運営し続けることは、まったく別の難しさがあると思っています。どれだけ優れたブランドコンセプトや空間を作ったとしても、それが日々の運営の中で体現されなければ、ブランド価値は生まれません。私自身、グローバルブランドとTRUNKの両方を経験させていただきましたが、その中で学んだことは多くあります。グローバルブランドから学んだことの一つは、ブランドを仕組み化する力です。ブランドガイドライン、オペレーション、ブランドガバナンス、People \u0026amp; Cultureなど、ブランドを人に依存させず、長期的に維持・運営する仕組みが確立されています。そして、その中心にいるのが総支配人です。優れた総支配人は、単なる運営責任者ではありません。ブランドアンバサダーとして、組織へブランドを浸透させ、日々の意思決定をブランドへ紐づける役割を担っています。一方で、TRUNKではまた違う学びがありました。特に大きかったのは、創業者である野尻佳孝社長の存在です。ブランドを生み出した本人が、自らの言葉でスタッフへ想いを伝え続け、ブランドを浸透させていく。その姿を間近で見ることができたことは非常に大きな経験でした。これは理想的なブランド浸透の形の一つだと思っています。ただ、最終的に重要なのは、Founder-ledであっても、System-ledであっても、一貫性を維持することです。ブランドが意思決定の基準になっているか。困った時に立ち返る共通言語になっているか。常にブランドが合言葉になっているか。ブランドを運営へ根付かせるために重要なのは、特別な施策ではなく、一貫してブランドを語り続け、判断基準として使い続けることだと思っています。ブランドとは、作るものではなく、運営し続けるものなのだと思います。\n日本発ブランドの可能性\n――日本のホテルブランドにはどのような可能性があると考えていますか。\n私は、日本発のホテルブランドには非常に大きな可能性があると思っています。実際、海外で仕事をしてきた経験や、海外のパートナーやオーナー、投資家と接する中でも、日本ブランドに対する評価や期待値は非常に高いと感じています。ただ、その魅力は単純な「おもてなし」だけではありません。日本ならではの文化、地域性、細部へのこだわり、独自のウェルビーイングの考え方、ものづくり、空間感覚など、日本発ブランドだからこそ生み出せる価値は数多く存在しています。また、日本人だからこそ気づける価値もあれば、外国人だからこそ見つけられる価値もあります。その両方の視点を持ちながらブランドを考えることが重要だと思っています。一方で、課題もあります。日本のホテル業界は、幅広い顧客を取り込もうとするあまり、結果として誰にも強く刺さらないブランドになってしまうケースも少なくありません。平均点を目指しすぎることで、差別化が難しくなり、結果としてコモディティ化してしまうこともあります。だからこそ今後重要なのは、より明確に意思を持つことだと思っています。本当にその常識は必要なのか。本当にそのカテゴリーである必要があるのか。既存概念を疑い、時には脱概念しながら、より尖り、より突き抜け、挑戦していくことが必要だと思っています。ブランドとは、多くの人に好かれることではなく、選ばれる理由を作ることです。失敗を恐れず、独自の価値を磨き続けること。その積み重ねが、日本発ブランドの可能性をさらに広げていくのだと思っています。\n \nEditor’s Note\n\nホテルは創って終わりではない。\nどれだけ魅力的なコンセプトや空間をつくっても、開業後の運営が伴わなければブランドにはならない。逆に、長く選ばれ続けるホテルには、一貫した思想や価値観があり、それが体験として届けられている。木下さんの話で印象的だったのは、ブランドを「経営資産」と表現していたことだった。ブランドには、デザインやロゴ、マーケティング、ブランディングといった要素も含まれる。しかし、それだけではない。それらを個別に考えるのではなく、開発から運営までをつなぐ考え方として捉えている。だからこそ、ホテル全体の価値を統合するものとしてブランドを位置づけているのだろう。今回のインタビューでは、「選ばれる理由を設計すること」という言葉が何度も登場した。ホテルを取り巻く環境が変化し、顧客の価値観も多様化するなかで、その考え方はますます重要になっていくのだろう。ブランドとは創るものでなく、育て続けるもの。その視点は、これからのホテルづくりを考える上で、多くの示唆を与えてくれるものだった。\n\nホテルブランドは、何を約束するのか― 「選ばれる理由」を設計するブランド戦略(前編)",
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"title": "ホテルブランドは、何を約束するのか ― 「選ばれる理由」を設計するブランド戦略(前編)",
"content": "\n\nプロフィール\n木下 昌之(きのした・まさゆき)氏\nMM\u0026amp;I ファウンダー/マネージングディレクター\nPepperdine University卒業。パーク ハイアット 東京、パーク ハイアット 上海で営業部門に従事した後、アンダーズ 東京の開業準備に参画。アンダーズ マウイではセールス&マーケティング副部長としてブランドコミュニケーションやレベニューマネジメントを担当した。2016年にTRUNKへ入社し、副総支配人、総支配人、ブランド開発責任者などを歴任。TRUNK(HOTEL) YOYOGI PARKの開発・開業にも携わる。2026年、ホスピタリティ・ライフスタイル領域に特化したブランドエージェンシー「MM\u0026amp;I」を設立。現在は、ホテル開発からブランド戦略、体験設計、マーケティングまでを横断し、国内外のホテルプロジェクトを支援している。\n\nブランドは経営資産である\n木下さんは、なぜ今、MM\u0026amp;Iを立ち上げたのでしょうか。\nパークハイアット、アンダーズ、そしてTRUNKにおいて、運営、営業・マーケティング、開発、ブランド、クリエイティブと、多くの貴重な経験をさせていただきました。その中で感じていたのは、ホテルは単に良いデザインや空間をつくるだけでは成立しないということです。ホテルは、開発、ブランド、体験、運営、コミュニケーションが一貫してつながって初めて、人々から選ばれ続ける存在になります。しかし実際には、多くのプロジェクトでそれらが分断されているケースも少なくありません。一方で、市場環境や顧客の価値観は急速に変化しています。ライフスタイル・ラグジュアリー市場の成熟、SNSやAIによるブランド認知構造の変化、そしてハードだけでは差別化できない時代への移行など、ホテルを取り巻く環境は大きく変わっています。にもかかわらず、業界全体としては、まだ十分にその変化へ対応できていない部分もあると感じています。だからこそ、これまで培ってきた経験を活かし、新しい形でホスピタリティ業界へ貢献したいと考え、MM\u0026amp;Iを立ち上げました。MM\u0026amp;Iという名前には、「Me」「Myself」「I」という三つの視点が込められています。Meは市場や顧客からどう見られるか、Myselfはブランドの本質や価値観、そしてIはブランドが社会へ何をもたらすのかという使命と意思です。この三層を統合し、ブランドの本質と市場価値の両立を支援する。その考え方を名前に込めています。私たちが目指しているのは、単なるブランディングではありません。ホテル開発、ブランド体験、運営、コミュニケーションを横断しながら、ホテル全体の価値を統合的に設計し、長期的な事業価値を最大化することです。ブランドとは見せ方ではなく、事業価値を最大化するための経営資産だと考えています。今、ブランドやマーケティングの専門性が求められているのは、ブランドが「あると良いもの」ではなく、「事業価値そのものを左右するもの」になったからです。人々がホテルを選ぶ理由が多様化し、共感や体験価値が重要になる中で、ブランドは経営や開発と切り離せない存在になっています。MM\u0026amp;Iを通じて、ホテル・ブランド価値の最大化を支援するとともに、日本のホスピタリティ業界に、より多くのイノベーションと持続的な価値創造を生み出していきたいと思っています。 \nMM\u0026amp;Iが捉える市場変化と業界課題、そしてブランド価値向上に向けた役割。\n「選ばれる理由」が競争力になる\n――現在のホテル市場や顧客価値観の変化をどのように見ていますか。\n現在のライフスタイル・ラグジュアリー市場は、成熟期に入っていると考えています。かつては、ラグジュアリーであること、デザイン性が高いこと、新しいこと自体が価値になりました。しかし現在は、それだけでは十分な差別化になりづらくなっています。特に大きく変わったのは、人々のホテルの選び方そのものです。以前は、立地、価格、ブランド名、施設スペックなどが選択の大きな理由でした。しかし現在は、「自分らしい体験ができるか」「共感できる価値観を持っているか」「そこへ行く理由があるか」「その体験によって自分がどう変化できるか」といった、より情緒的・文化的な価値が重視されるようになっています。また、SNSやレビューサイトの影響力拡大に加え、AIによるレコメンデーションが浸透し始めていることで、ブランド認知の構造そのものも変化しています。これからは、人々が自ら検索して選ぶだけではなく、AIが推奨する時代、いわゆる「AIによるレコメンド経済圏(AI Recommendation Economy)」へ移行し始めています。その中では、ブランドが持つ思想、一貫性、顧客からの評価、体験価値そのものが、これまで以上に重要になります。また、外資系ホテルチェーンの動きを見ても、興味深い変化が起きています。かつては「ホテル運営会社」として成長してきた企業も、現在はより多くのブランドを持つ「ブランドハウス化」を進めています。実際、多くのホテルチェーンは独立系ホテルブランドのM\u0026amp;Aを通じてブランドポートフォリオを拡張しています。重要なのは、単純にブランド数を増やすことではなく、顧客の価値観が多様化する中で、それぞれのブランドが明確な役割や存在意義を持つことです。その結果、ホテルに求められるものも変わっています。単に美しい空間や設備をつくるだけではなく、「何を提供するホテルなのか」「誰にどのような価値を届けるのか」を明確にし、それを一貫した体験として届けることが重要になっています。私は、ブランドとは単なる見せ方やマーケティングではなく、「選ばれる理由を設計すること」だと考えています。だからこそ今、ブランドをどう定義し、どう体験へ落とし込むかが、ホテルの競争力そのものになっているのだと思います。 \nホテル価値を生み出す要素を統合的に整理した「HOTEL VALUE」の考え方。\nブランドとは顧客への約束である\n――木下さんは、ホテルにおけるブランドをどのように定義していますか。\nホテル業界では、「ラグジュアリー」「ライフスタイル」といったカテゴリーや、デザイン、価格帯などがブランドとして語られることも少なくありません。しかし、私はそれら自体がブランドだとは考えていません。私にとってブランドとは、「選ばれる理由を設計すること」であり、顧客に対する約束(Promise)だと考えています。ホテルは宿泊施設である以前に、人々が時間を過ごし、感情を動かし、体験を持ち帰る存在です。だからこそブランドとは、単にどう見せるかではなく、「何を約束し、どのような価値を届けるのか」そのものだと思っています。そして、その約束は言葉だけでは成立しません。PRコミュニケーション、予約導線、空間、サービス、F\u0026amp;B、スタッフとの会話、そして滞在後に残る記憶まで、あらゆるタッチポイントを通じて体験として証明されて初めてブランドになります。だからこそ、ブランドアイデンティティが重要になります。ブランドアイデンティティを人に例えると分かりやすいかもしれません。人も、見た目や肩書き、属性だけで成り立っているわけではありません。その人らしさを形づくる価値観や性格、考え方があり、それが行動や振る舞いに現れます。ホテルも同じです。デザインやロゴ、空間だけではなく、「自分たちは何者なのか」「誰にどのような価値を届けるのか」「なぜ存在するのか」という本質的な部分を定義すること。それがブランドアイデンティティだと考えています。ブランドアイデンティティが曖昧なままでは、デザイン、体験、運営、マーケティングの意思決定もバラバラになってしまいます。一方で、強いブランドアイデンティティがあれば、それは開発、運営、組織、コミュニケーションをつなぐ共通言語になります。ブランドとはロゴやスローガンではなく、約束であり、その約束を一貫した体験として届け続けるための土台だと考えています。\nグローバルブランドはなぜ強いのか\n――グローバルブランドの強さはどこにあると考えていますか。また、日本のホテルブランドが学べることは何でしょうか。\nグローバルブランドが強い理由は、単純に知名度があるからではないと思っています。もちろん、世界規模のdistributionやloyalty programは大きな強みですが、本質的な強さは、ブランドを単なるホテル名やマーケティングではなく、長期的に価値を生み出すIP(知的資産)として設計・運営していることにあると思います。実際、多くのグローバルホテルチェーンは、従来の「ホテル運営会社」から、複数ブランドを保有・運営する「ブランドハウス化」をさらに進めています。独立系ブランドのM\u0026amp;Aを通じてブランドポートフォリオを拡張しているのも、その表れだと思います。重要なのは、ブランド数そのものではありません。それぞれのブランドが明確な役割、価値観、顧客像を持ち、一貫した体験として設計されていることです。例えば、同じホテルチェーン内であっても、それぞれ異なる顧客ニーズやライフスタイルに応じてブランドが明確に棲み分けされています。ブランドアイデンティティが明確だからこそ、開発、デザイン、運営、マーケティングまで、一貫した意思決定ができます。さらに重要なのは、それを維持するためのブランドガバナンスです。ブランドガイドラインや運営基準だけではなく、「何を守り、何を変えるべきか」を継続的に判断し続ける仕組みがあるからこそ、ブランドは長期的に価値を維持できるのだと思います。一方で、日本のホテルブランドが劣っているとは思いません。むしろ、日本ならではの文化、サービス、地域性、独自のウェルビーイングの考え方、そして細部に宿るものづくりへのこだわりなど、日本発ブランドだからこそ持てる強みは数多くあります。実際、私自身もTRUNKにおいて、日本発のライフスタイルホテルブランドをゼロから構築し、育てる経験をさせていただきました。その中で感じたのは、日本発ブランドでも、明確な思想や世界観、そして一貫した体験設計があれば、十分に強いブランドをつくることができるということです。日本のホテルブランドが今後さらに学べることがあるとすれば、ブランドをデザインやマーケティングだけで捉えるのではなく、開発、運営、組織、コミュニケーションまで含めたIP(知的資産)として捉え、長期的な経営資産として一気通貫で考えることだと思います。ブランドは、作ることよりも、運営し続けることの方が難しい。そして、その積み重ねこそが、本当のブランド価値になるのだと思います。\nホテルブランドは、何を約束するのか ― 「選ばれる理由」を設計するブランド戦略(後編)",
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"title": "ホテルは街とどうつながるべきか。 Kimpton St Honoré Paris が描くライフスタイルの価値【後編】",
"content": "©Jerome_Galland\nホテルと街をつなぐ「接点」をつくる\n――キンプトン サントノレ パリでは、レストランやバーもホテル体験の重要な要素となっています。それらはどのような役割を担っているのでしょうか。\n私たちにとってレストランやバーは単なる付帯施設ではありません。ホテルと街、人と人をつなぐための重要な場です。\nカリフォルニアの自由な精神とパリの感性を融合させたレストラン「Montecito(モンテシト)」は、宿泊ゲストだけでなく地元の人々も集う場所として機能しています。また、ルーフトップバー「Sequoia(セコイア)」は、旅行者とパリのクリエイティブコミュニティが自然に交わる場所となっています。\n私たちが目指しているのは、ホテルの中だけで完結する体験ではありません。街の人々と旅行者が交わり、新たな出会いや会話が生まれる場をつくることです。\nホテルが地域社会とつながり続けるためには、こうした空間の存在が欠かせないと考えています。\n©Jerome_Galland\n人とのつながりが旅を豊かにする\n――旅行者の価値観は大きく変化しています。現在のゲストはホテルに何を求めていると感じていますか。\n現代の旅行者は、本物らしさを求めています。\n彼らは豪華さやステータスだけではなく、その場所ならではの物語や人との出会い、自分自身とのつながりを求めています。\n特にミレニアル世代やZ世代は、「何を見たか」よりも「どのように感じたか」を重視しています。旅とは、自分自身を豊かにする体験であり、感情的なつながりを得る機会でもあるのです。\nまた、旅行者はますます洗練され、表面的な演出と本物の違いを見抜くようになっています。\nだからこそ私たちは、流行を追うのではなく、誠実さや人とのつながりを大切にしています。\n人々が求めているのは、効率的に管理されることではありません。一人ひとりが大切にされていると感じられることなのです。\n ©Jérome_Galland\nホテルは街の一部になれるか\n――近年、ホテルが地域やコミュニティの一部として機能することが求められています。ホテルと街との関係、そしてライフスタイルホテルの未来についてどのように考えていますか。\n私は、ホテルが街から切り離された存在であってはならないと考えています。\nホテルは、その土地の文化や人々とともに存在するものです。地域とつながり、地域に貢献し、その魅力を発信する役割を担っています。\nキンプトン サントノレ パリでも、地元アーティストとの協業や文化イベント、地域コミュニティとの連携を大切にしています。私たちが目指しているのは、旅行者にパリを紹介するだけではありません。パリという街と旅行者をつなぐ存在になることです。\nそして私は、こうした考え方こそがライフスタイルホスピタリティの未来につながると考えています。\n重要なのはデザインやトレンドではありません。自らのアイデンティティを理解し、その土地や文化と誠実な関係を築くことです。\nホテルは単なる滞在先ではなく、人々が何かの一部であると感じられる場所でなければなりません。\nコミュニティ、文化、感情、そして人とのつながり。そうした要素こそが、これからのホテルに求められる価値になるでしょう。\n私たちはこれからも、パリという街とともに成長しながら、人々に本物の体験を提供していきたいと考えています。\n\n \n©Jerome_Galland\n【施設概要】\n施設名:Kimpton St Honoré Paris(IHGホテルズ&リゾーツ キンプトン ホテルズ&レストランツ)住所:フランス・パリ 75002 カピュシーヌ大通り 27-29番地開業日:2021年8月23日歴史的建造物:1917年竣工の旧百貨店「Samaritaine de Luxe」を再開発運営会社:IHG Hotels \u0026amp; Resorts建築設計:B\u0026amp;B Architectesインテリアデザイン:Charles Zana、Saguez \u0026amp; Partners、Humbert \u0026amp; Poyet客室数:全149室(うちスイート26室)主な施設:Montecito Paris(レストラン&バー)、Sequoia Rooftop Bar、Spa by CODAGE Paris、屋内温水プール、フィットネスセンター、パティオ、ルーフトップガーデン敷地面積:約12,000㎡延床面積:NA宿泊料金:1泊1室 約475ユーロ〜(シーズンにより変動)※日本円換算:約65,000円〜(2026年5月時点の参考価格)\n \nEditor’s Note\n\nライフスタイルとはなにか。\nホテル業界では当たり前のように使われている言葉だが、その本質を説明しようとすると案外難しい。今回、キンプトン サントノレ パリを訪れ、その問いについて改めて考えさせられた。\nまず率直に言えば、このホテルそのものが素晴らしかった。\n1917年に建設された旧百貨店「サマリテーヌ・ド・リュクス」をコンバージョンした建築は、歴史的価値を残しながら現代のホテルとして見事に再構築されている。開放感のあるパブリックエリア、居心地の良い客室、そしてパリの街並みを一望するルーフトップバー。ホテルの中を歩くだけで自然と気持ちが高揚した。\n今回のパリ取材では、パラスホテルやグランドホテルも訪問した。そこには歴史と格式に裏打ちされた素晴らしいサービスがあった。\nその一方で、キンプトンで印象に残ったのは、スタッフがつくり出す空気だった。\nスタッフは自然なアイコンタクトと笑顔で迎え入れ、まるで友人の家に招かれたような距離感で接してくれる。しかし、それは単なるカジュアルさではない。そこにはゲストへの敬意と、その人に寄り添おうとする姿勢があった。\n私が感じたのは、ライフスタイルホテルの価値は空間やデザインだけでは語れないということだった。\nライフスタイルホテルというと、デザインやカルチャー、空間の雰囲気に目が向きがちだ。しかし、その本質はそこではない。ブランドが目指す価値観や世界観を、人やサービスを通じて体験として届けること。その積み重ねが、そのホテルらしさを生み出しているのだと思う。\nレティシア・エルマレ氏は、「街とのつながり」「コミュニティ」「人と人との関係性」の重要性について繰り返し語っていた。レストランやバー、音楽やイベントも、その思想を体験として表現するための手段である。\n帰り際、天候の悪化によりルーフトップバーは営業を終了していた。入口付近にあるルーフトップのネオンサインも消えていたが、私が記念に写真を撮っていることに気づいたフロントスタッフが、わざわざ外まで出てきて、「今ライトつけるから!」と笑顔で声をかけてくれた。そして撮影のためだけにネオンを点灯してくれたのである。\n決して大きなサービスではない。だが、その小さな気遣いは、このホテルで過ごした時間を象徴する出来事として記憶に残っている。\nホテルは街とどうつながるべきか。そして訪れる人とどのような関係を築くべきか。\nキンプトン サントノレ パリで体験したのは、その問いに対する一つの答えだったように思う。少なくとも私にとって、その答えは建築やデザインだけではなく、そこで働く人たちが生み出す体験のなかにあった。\n\n\nホテルは街とどうつながるべきか。Kimpton St Honoré Paris が描くライフスタイルの価値【前編】",
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"title": "ホテルは街とどうつながるべきか。 Kimpton St Honoré Paris が描くライフスタイルの価値【前編】",
"content": "©Thomas_Deron\n\nレティシア・エルマレ(Laetitia Elmaleh)氏\nキンプトン サントノレ パリ 兼 ホテルインディゴ パリ クラスタージェネラルマネージャー\nラグジュアリーホスピタリティおよびガストロノミー分野で20年以上の経験を持つホスピタリティリーダー。ヴァテル・インスティテュート卒業後、ESGでマーケティング修士号を取得し、「オテル・デュ・ルーヴル」などパリの名門ホテルでキャリアをスタート。その後、セールス&マーケティング責任者やアラン・デュカス料理学校ディレクターを歴任し、5つ星ホテルの運営・開業にも携わった。2021年よりキンプトン サントノレ パリ総支配人。感情や体験価値を重視した新しいラグジュアリーを体現し、パリを代表するライフスタイルホテルへと導く。2026年にはホテルインディゴ パリを含むクラスタージェネラルマネージャーに就任。双子の母としても知られ、革新性と豊かなライフスタイルを体現する現代的リーダーとして注目を集めている。\n\n©Jérome_Galland\n人とのつながりから始まるブランド\n――IHGグループのなかで、キンプトンはどのようなブランドなのでしょうか。また、キンプトンが大切にしている価値観について教えてください。\nキンプトンは、IHGのポートフォリオの中でも極めてユニークな存在です。当初から伝統的なラグジュアリーブランドとして設計されたわけではありません。しかし、それこそが私たちの強みでもあります。\n1981年にビル・キンプトンによってサンフランシスコで創業されて以来、その哲学は変わっていません。それは、強い個性と感情を持ち、ゲストと滞在先との間に本物のつながりを生み出す、人間味あふれるホテルをつくることです。\n私たちの哲学は、「本物の人間同士のつながり」「温かく心に寄り添うサービス」「地域に深く根ざした姿勢」という3つの柱に基づいています。どの都市にも独自のアイデンティティがあるため、すべてのキンプトンは意図的に異なる存在となっています。私たちは画一的なホテルをつくろうとは考えていません。\nお客さまにとって、それは洗練されながらもリラックスできるラグジュアリー体験を意味します。サービスは堅苦しさではなく心に寄り添うもの。デザインは誇示するためではなく、その土地らしさを表現するものです。\nそして何よりも、お客さま一人ひとりを、それぞれ異なる期待や旅のスタイルを持つ個人として大切にしています。再訪の理由は客室だけではありません。そのホテルでどのような気持ちになったか。その記憶こそが、人々を再びホテルへと導くのです。\n©Jérome_Galland\n歴史を残し、体験を更新する\n――キンプトン サントノレ パリは、1917年に建設された旧百貨店「サマリテーヌ・ド・リュクス」を再生したホテルです。この歴史建築をどのように再解釈し、現代のライフスタイルホテルとして表現したのでしょうか。\nキンプトン サントノレ パリは、歴史的遺産と現代の創造性との対話から生まれました。私たちの責任は過去を消し去ることではなく、その物語を未来へとつなぐことにありました。\n2021年に完了した改修はシャルル・ザナに委ねられ、大階段や当時のエレベーター、屋内バルコニーなど、建物が持つ建築的アイデンティティを保存しながら再構築しています。その結果生まれたのは、パリを舞台装置のように演出するのでも、博物館のように保存するのでもない、自然にパリを感じられるホテルでした。\n149室の客室とスイートは、ホテルルームというよりもパリの邸宅をイメージしています。\nまた、このホテルは単なる宿泊施設ではありません。ロビーやライブラリー、リビングルームは、人と人との出会いや交流を想定して設計されています。毎晩開催される「ソーシャルアワー」も、その思想を象徴する取り組みのひとつです。\nホテルは、進化し続け、人々を驚かせ、何度でも訪れたくなる場所であるべきだと考えています。\n©Jerome_Galland\nパリという街の内側へ\n――パラスホテルやグランドホテルが数多く存在するパリにおいて、キンプトン サントノレ パリはどのような存在を目指していますか。\nパリは世界でも屈指のホテル都市です。私たちはその歴史と伝統に深い敬意を抱いています。\nしかし、キンプトンは伝統的なパリのラグジュアリーを模倣することを目指していませんでした。私たちが目指したのは、現代パリのリズムや創造性、そして自然体な空気感と結びついたホテルです。\nオペラ・ガルニエやヴァンドーム広場から徒歩圏内という立地も重要ですが、それ以上に大切なのは、この街との関係性です。\nホテルは単に街を眺める存在ではありません。街のエネルギーや創造性に参加する存在であるべきだと考えています。\n私たちは絵葉書のようなパリを再現しようとしているわけではありません。ゲストには、パリジャンが実際に体験しているような形で、この街を発見してほしいのです。\nその場の空気、人との出会い、音楽、美食、そして予期せぬ出来事。そうした体験を通じて、パリを感じていただきたいと思っています。\n今日、最大の贅沢とは街から隔絶されることではなく、その街と深くつながることなのかもしれません。\n©Jerome_Galland\n感情に響くラグジュアリー\n――近年、ライフスタイルホテルというカテゴリーが世界的に存在感を高めています。キンプトンはどのような価値を提供しているのでしょうか。\nライフスタイルホスピタリティが支持されるのは、現代の旅行者が快適さや形式美だけではなく、感情や個性、本物らしさを求めているからです。\nライフスタイルとは単なるデザインではありません。それは、人の感情を理解し、その人一人ひとりに響く体験を創り出す力です。\n従来のラグジュアリーホテルは壮麗さや儀式性、技術的な完成度を重視してきました。それは素晴らしいアプローチです。しかしキンプトンは、よりパーソナルで、感情に響くラグジュアリーを提供したいと考えています。\n私たちは、ゲストが私たちに合わせるのではなく、私たちがゲストに合わせます。\n人々が記憶するのは、その場所で感じた感情です。会話、偶然の出会い、自分が一人の人間として認識されているという感覚。そうした瞬間こそが長く心に残り、再訪の理由になります。\n現代の旅行者は、効率的に管理されることではなく、自分自身として理解され、歓迎されることを求めているのです。\nホテルは街とどうつながるべきか。 Kimpton St Honoré Paris が描くライフスタイルの価値【後編】",
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"title": "ホテルは、歴史を更新できるか。インターコンチネンタル パリ ル グラン総支配人が語る「価値」の本質【後編】",
"content": "\n ホテル体験の本質とは何か\n―ホテルにおける体験価値をどのように捉えていますか。\nホテルの価値は、単に「泊まる」という機能にあるのではありません。むしろ重要なのは、到着から出発までのすべてのタッチポイントが連続し、一つの体験として統合されていることです。\nチェックインの瞬間、客室に入ったときの第一印象、レストランでのサービス、廊下で交わされる何気ない挨拶、そしてチェックアウトに至るまで。そのすべてが分断されたものではなく、一つの流れとしてゲストの中に残っていきます。\nたとえば、同じコーヒーであっても、その味そのもの以上に、それを誰がどのように提供したのか、どのような言葉が添えられたのか、どのような空間で体験されたのかによって、その価値はまったく異なるものになります。\n私たちが提供しているのは、モノではなく「文脈」です。そしてその文脈の中で生まれる体験が、やがて記憶となり、時間を超えてゲストの中に残っていく。\n重要なのは、その体験がその場で完結するのではなく、持続することです。滞在が終わった後も、その余韻が続き、再び訪れたいという感情へとつながる。そのような「継続する幸福感」を生み出すことこそが、ホテルの本質的な役割だと考えています。\n\n \nCharles Garnier suite シャルルガルニエスイート©Jérôme_Galland\n|歴史的ホテルにおける「変えるもの」と「変えないもの」\n―歴史あるホテルを運営するうえで、どのような判断が求められますか。\n歴史的ホテルを運営するうえで最も重要なのは、「何を守り、何を変えるのか」を明確に理解することです。\nまず、決して変えてはならないものがあります。それは、この場所に宿る精神や文化、そして歴史そのものです。サロンやカフェ、ボールルームといった空間は、単なる施設ではなく、長い時間の中で積み重ねられてきた記憶の集積です。\n世界中のゲストがここを訪れる理由は、まさにその歴史に触れるためであり、私たちはその価値の“守護者”としての責任を負っています。\nしかし同時に、変えなければならないものもあります。それがテクノロジーと快適性です。\n現代のゲストは、歴史的空間の中にあっても、現代的な快適さを当然のものとして求めます。通信環境、客室設備、サービスのスピードや精度。これらは常に進化させ続けなければなりません。\nまた、テクノロジーの導入は単なる効率化ではなく、人が人に向き合うための時間を生み出すための手段であるべきです。事務的な業務を減らし、スタッフがゲストとの関係性に集中できる環境をつくることが重要です。\nつまり、歴史を守ることと、現代に適応すること。この一見相反する二つを両立させることが、歴史的ホテルにおける最も重要な意思決定であり、そのバランスの中にこそ、ホテルの価値が存在しているのです。\n\n©Jérôme_Galland\n現代のグランドホテルの役割\n―現代においてグランドホテルはどのような存在であるべきでしょうか。\n現代のグランドホテルは、単なる高級宿泊施設ではありません。それは、多様な人々と目的が交差する「場」として機能する存在です。\nレジャーで訪れる個人客、ビジネスで滞在するゲスト、国家元首や外交関係者、国際的なブランドイベント、インセンティブや文化的催し。さまざまな背景を持つ人々が、一つの空間の中で同時に存在しています。\nその中でグランドホテルに求められるのは、単なるラグジュアリーではなく、「象徴性」です。\n私はそれを、記憶に残るラグジュアリーと捉えています。つまり、単に豪華であることではなく、その体験が語られ、共有され、時間を経てもなお意味を持ち続けることです。\nグランドホテルは都市の一部であり、その都市の文化や歴史を体現する存在でもあります。だからこそ、すべてのゲストに対して一貫した体験を提供しながら、それぞれに異なる価値を感じてもらう必要があります。\nその複雑性こそが、現代のグランドホテルの本質であり、同時にその魅力でもあると考えています。\n\n©Jérôme_Galland\nホテルという存在の価値\n―これからの時代において、ホテルに求められる価値とは何でしょうか。\nホテルは単なる宿泊施設ではありません。それは都市の一部であり、文化の一部であり、歴史の一部でもあります。\n私たちが日々提供している体験は、その場限りのものではなく、やがてそのホテルの歴史となり、さらに言えば都市の記憶の一部となっていきます。\nつまりホテルとは、過去を保存する場所であると同時に、未来をつくる場所でもあるのです。\n歴史は固定されたものではありません。日々の運営の中で更新され続けていくものです。そしてその更新は、建物ではなく、人によって行われます。\nだからこそ私たちは、一つひとつの体験に責任を持たなければなりません。それがどのように記憶され、どのように語られていくのか。その積み重ねが、ホテルの価値を形づくっていくのです。\nホテルとは、時間を扱う仕事であり、記憶をつくる仕事でもある。私はそう考えています。\n \nEditor’s Note\n\n歴史は、更新できるのか。\nインターコンチネンタル パリ ル グランは、1862年の開業以来、パリという都市の中心でその役割を担い続けてきた。カフェ・ド・ラ・ペやボールルームといった空間は、単なる施設ではなく、時代ごとの記憶が積み重なった「文化そのもの」である。しかし、このホテルの価値は、その歴史の長さにあるのではない。むしろ重要なのは、その歴史が“いまも更新され続けている”という点にある。総支配人であるクリストフ・ロール氏が語ったのは、歴史的ホテルにおける明確な意思決定の軸だった。守るべきものは、建築や意匠だけではない。そこに宿る精神であり、文化であり、ホテルとしての「魂」である。一方で、テクノロジーや快適性といった要素は、常に更新されなければならない。この「守る」と「変える」という一見相反する行為を、同時に成立させること。その連続こそが、歴史を未来へとつなぐ営みなのだ。そして、その主体は建物ではない。人である。どれほど優れた建築や空間であっても、それだけではホテルにはならない。そこで働く人々が、日々の判断と行動の中で体験をつくり続けることで、はじめてその場所は生きた存在となる。ホテルとは、過去を保存する場所ではない。時間を扱い、記憶を生み出し、それを積み重ねていく場所である。さらに言えば、ホテルは都市の中に存在する一つの「装置」でもある。人が集い、交わり、関係が生まれ、文化が育まれていく。そのプロセスの中で、ホテルは単なる滞在の場を超え、都市の一部として機能していく。いま、ラグジュアリーは「モノ」から「体験」へと移行していると言われる。しかし、その本質は体験そのものではなく、「記憶に残る体験」をいかに設計できるかにあるのではないか。ホテルは、その問いに正面から向き合う場所である。歴史は、更新できるのか。その答えはすでに示されている。更新するのは、建物ではない。人である。そして、その人の営みこそが、やがて新たな歴史となっていく。\n\nホテルは、歴史を更新できるか。インターコンチネンタル パリ ル グラン総支配人が語る「価値」の本質【前編】",
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"title": "ホテルは、歴史を更新できるか。インターコンチネンタル パリ ル グラン総支配人が語る「価値」の本質【前編】",
"content": "\n\nクリストフ・ロール(Christophe Laure)氏インターコンチネンタル パリ ル グラン総支配人フランス及び南ヨーロッパ リージョナルディレクターIHGにおけるフランスのラグジュアリー&ライフスタイル部門責任者\nフレンチリヴィエラ生まれ。幼少期をアフリカで過ごし、旅への情熱を育んだ。モナコ公国で学業を修了後、ローザンヌホテルスクールでホテルマネジメントの専門教育を受ける。カンヌのカールトンホテルでキャリアをスタートし、スペイン、オマーン、ヨルダン、エジプト、マルタのIHGホテルにおいて営業、マーケティング、運営管理などを歴任。その後インターコンチネンタル パリ ル グラン総支配人に着任し、2025年に就任15周年を迎えた。教育機関との連携や社会貢献活動にも積極的に取り組んでいる。 2015年フランス国家功労勲章を受章。\n\n©Jérôme_Galland\n総支配人という仕事とは何か\n―40年以上にわたるご経験を踏まえ、総支配人とはどのような存在であるべきだとお考えですか。\n総支配人とは、ホテルという一つの世界を統合する「指揮者」のような存在です。ブランドが掲げる価値や約束を、日々のオペレーションの中で具体的に体現し、ゲストに一貫した体験として届けていく。そのために、ホテルの「魂」や文化を理解し、それをチームとともに高め、表現していくことが求められます。\n重要なのは、人に向き合う力です。私たちはチームをケアし、ゲストをケアするために存在しています。私はよく「自分は奉仕するために生まれてきた」と言いますが、それはこの仕事の本質を表していると思います。\n一方で、この20年ほどで総支配人の役割は大きく変わりました。かつてはサービスの質を高めることが中心でしたが、現在はそれだけではありません。事業として持続可能であること、収益を確保すること、市場や競争を理解し、オーナーに対して価値を提供することも重要な責任です。\n日々の業務においても、朝はキッチンでメニューや食材について議論し、午後にはオーナーと資産価値やポジショニングについて議論する。そのようにミクロとマクロを行き来しながら意思決定を行うことが、この役割の本質だと考えています。\nまた、こうした考え方はホテルの中だけにとどまるものではありません。私は長年、子どもの心臓手術を支援するNGO「メセナ・シルジー・カルディアック(Mécénat Chirurgie Cardiaque)」の活動にも関わってきました。ホテルとしても同団体とパートナーシップを結び、これまでに15人以上の子どもたちの命を救う活動に寄与しています。\n私にとってホスピタリティとは、単なる仕事ではなく、人に向き合い、支えるという姿勢そのものです。\n\n©Jérôme_Galland\n単一ホテルと複数ホテルを率いる視点の違い\n―パリ ル グランの総支配人であると同時に、複数ホテルを統括されています。両者の違いをどのように捉えていますか。\n単一ホテルの運営では、そのホテルに深く入り込み、オペレーションや収益、戦略の細部まで関与します。一つの屋根の下で、一人のオーナーと一つのチームとともに、最適解を追求していく仕事です。\n一方で、複数ホテルを統括する立場では視点が大きく変わります。そこでは「リーダーを率いるリーダー」としての役割が求められます。最も重要なのは、優秀な総支配人を採用し、適切な場所に配置し、そのチームを構築することです。\nさらに、ブランドごとの個性を維持しながらも、全体としての一貫性を担保し、オーナーとの関係を安定させることも重要なミッションです。加えて、マーケティング、レベニューマネジメント、開発、デザインなど、地域全体の機能と連携しながら、戦略を実行していきます。\nつまり、単一ホテルが「最適化」であるとすれば、マルチユニットは「全体最適と人材戦略」であると言えるでしょう。\n\n©Jérôme_Galland\nインターコンチネンタル パリ ル グランとは何か\n―160年以上の歴史を持つこのホテルを、どのように定義されていますか。\nこのホテルは1862年に建設され、ホテル業におけるラグジュアリーの基準を生み出した場所の一つです。私はよく、「パリには多くのパラスホテルがあるが、私たちは“宮殿の中のパリ”である」と表現します。\nカフェ・ド・ラ・ペ、ラ・ヴェリエール、そしてシャルル・ガルニエが手がけたボールルームなど、ここには歴史的価値を持つ空間が今も生き続けています。それらは単なる施設ではなく、都市の文化そのものです。\nこのホテルの本質は、建築だけではありません。そこで働く人々が、その歴史と精神を受け継ぎ、体現し続けていることにあります。従業員こそが、このホテルの「魂」をつくり、それを次の時代へと運んでいるのです。\n\nCafé de la paix カフェドラぺ ©Jérôme_Galland\nパリ市場とラグジュアリーホテルの現在地\n―パリのホテルマーケットをどのように見ていますか。\nパリは常に変化し続けてきた都市です。歴史を守りながらも、社会や時代に適応し続けてきた。その結果として、世界で最も魅力的な都市の一つであり続けています。\n現在、パリには約90の5つ星ホテルがあり、そのうち11がパラスに位置付けられています。これらの平均客室単価は1,600ユーロを超えており、世界でも極めて高い水準です。\n特にコロナ後は「リベンジ消費」と呼ばれる需要の回復に加え、オリンピックなどの国際イベントもあり、市場は大きく成長しました。\nさらに重要なのは、ラグジュアリーの本質が「モノ」から「体験」へと移行している点です。現在、ラグジュアリー市場の約3分の2は体験に費やされており、ホテルやレストランはその中心に位置しています。\nその意味で、パリは単なる観光地ではなく、「体験としてのラグジュアリー」を体現する都市であり続けているのです。【後編につづく】※5\/18(月)9時公開予定\nホテルは、歴史を更新できるか。インターコンチネンタル パリ ル グラン総支配人が語る「価値」の本質【後編】",
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"title": "日本でライフスタイルホテルは定着するのか。 — THE KNOTが示す、共に創るという構造【後編】",
"content": "\n共創をどう成立させるか|運営と収益のリアル\nQ6|“共創”をオペレーションに落とすということ\n— コンセプトとしての共創は理解できますが、それを現場で実現するのは難しいのではないでしょうか。\nA|おっしゃる通りで、ここが一番難しい部分です。\nホテルという業態は、長年の運営の中で一定の型が確立されていて、「こうあるべき」という常識が強い。一方で、我々がやろうとしているのは、その常識を一度壊すことです。\nだから現場ではかなり時間をかけて共有をします。「このホテルはこういう考え方でやる」という前提を、全員で理解する時間を取る。\n特に既存ホテルのリブランドの場合、前日までビジネスホテルだったものが、翌日からライフスタイルホテルになる。これは簡単ではありません。\nだからこそ、思想を“説明する”のではなく、“体験させる”。これが重要になります。\n\nQ7|福岡のフロント|“ありえない設計”の意味\n— 今回の福岡では、フロントとバーが一体化し、レストランスタッフがチェックインを行うという、従来のホテルとは全く異なる設計になっています。\nA|これは象徴的な取り組みだと思っています。\n通常、フロントはホテルの中核機能で、完全にホテル側の領域です。レストランが関与することはまずありません。\nただ我々は逆に考えました。「ゲストが最初に接する場所はどこか?」\n我々は従来のホテルのやり方にそのまま寄せるのではなく、THE KNOTらしいあり方を考えました。飲食の現場にいる人たちのほうが、よりカジュアルで自然な接客ができる部分もある。だから今回の福岡では、バーを中心とした空間の中で、レストランスタッフがチェックイン対応も担う形にしています。\n\n共創を“事業”として成立させる\nQ8|なぜ他社はできないのか\n— 同様のモデルを目指す企業も多いですが、実現できていないケースも多い印象です。\nA|理由は明確で、「ホテルの常識」に引き戻されてしまうからです。\n例えば・フロントはホテルがやるべき・レストランはテナント・オペレーションは分離すべき\nこういった前提がある限り、このモデルは成立しません。\n我々はそこを一度すべて外します。そして「お客様からどう見えるか?どういう体験をしてもらえるか?」から考える。\nその結果として、レストランがチェックインを担うという形になる。\nつまり、単に仕組みを変えればいいのではなく、まず“お客様の体験を重視する”という考え方を全員で共有できるかどうかが大きいのです。\n\nQ9|収益モデル|なぜ成立するのか\n— ライフスタイルホテルは収益化が難しいという印象もあります。\nA|確かにそう言われてきました。\nただTHE KNOTでは、・宿泊・レストラン・空間価値\nこれらを分けて考えていません。\nレストランが賑わえば、ホテル全体が賑わって見える。それが結果として宿泊にもつながる。\n我々は、宿泊とレストランを完全に切り分けて考えているわけではありません。レストランが賑わうことで、ホテル全体の印象や魅力にもつながる。一方で、収益の大部分はあくまで客室です。その両方をどう成立させるかが重要だと思っています。\nまた、我々はリース型のスキームを採用しており、オーナーとしての収益性を確保しやすい構造になっています。一般的なフルサービスホテルよりも、オーナー収益は高くなる設計です。\n\nQ10|ホテルの未来|“結び目”としての役割\n— 最後に、これからのホテルの価値をどのように捉えていますか。\nA|ホテルは「泊まる場所」だけではありません。\n人と人が出会い、関係が生まれる場所。街とつながる場所。さらに言えば街を変える場所。\nそういう“街の結び目”としての役割が重要になると思っています。\nTHE KNOTという名前も、まさに“結ぶ”“つなぐ”という意味です。人と人、まちと旅行者をつなぐ場所でありたいと考えています。\n\n【ホテル概要】 \nホテル名:THE KNOT FUKUOKA Tenjin(ザ ノット 福岡天神)\n開業時期:2026年4月20日(月)所在地:福岡県福岡市中央区大名1丁目9−63企画・開発:いちご地所㈱運営:ワンファイブホテルズ㈱、㈱MOTHERS公式サイト:https:\/\/hotel-the-knot.jp\/fukuokatenjin\/\n【レストラン概要】\nレストラン名:MORETHAN CAFÉ RESTAURANT LOUNGE(モアザン カフェ レストラン ラウンジ)\n運営:㈱MOTHERS営業時間:モーニング7:00 - 10:00(L.O. 9:30)ランチ11:00 - 15:00 カフェ15:00 - 17:00 ディナー 17:00 - 23:00 バーラウンジ 7:00 - 26:00座席数:1階 66席 \/ 2階 32席※レストランは宿泊者以外も利用可能MORETHAN 公式Instagram:https:\/\/www.instagram.com\/morethan_tenjin \nEditor’s Note\n\n開業直前のトライアル期間に滞在し、朝食とディナーの時間を中心に空間を体験した。このタイミングは、関係者やメディア、招待ゲストなど限られた来場者で構成されており、一般ゲストによる“本来の賑わい”が生まれている段階ではない。しかし、その空間に触れる中で、この場所には人が集まっていくであろうという予感があった。レストランは“まちに開かれる”構造を持っている。天神・大名という立地の中で、宿泊者だけでなく、そこに暮らす人々が自然に集まる風景が生まれていく。そうした気配が感じられた。同時に印象的だったのが、レストラン「MORETHAN CAFÉ RESTAURANT LOUNGE(モアザン カフェ レストラン ラウンジ)」の存在だ。まず何よりも、ひとつのレストランブランドとして魅力的であること。空間、メニュー、サービスにおいて、単体でも十分に人を惹きつける力を持っている。一方で、このレストランは「泊まれるレストラン」という視点でも語られている。さらに別のリリースでは「ホテルにある魅力的なレストラン」としても打ち出されている。同じ場所でありながら、異なる切り口で価値を提示している点は非常に示唆的だ。実際にその空間に立つと、それは単なるコンセプトではなく、体験として成立している。ホテルレストランでありながら、「THE KNOT」というブランドの考え方や空間のあり方を、スタッフ一人ひとりが理解し、自分の言葉で語れている。その一体感は非常に高い水準で成立している。それは偶然ではなく、オーナー、ホテルオペレーター、レストランオペレーターという三者が同じ思想を共有しているからこそ生まれているものだろう。空間だけでなく、人もまた“共創”されている。そのことを、現場の振る舞いから実感した。象徴的なのが、フロントとバーラウンジを一体化し、レストランスタッフがチェックインを担うという設計だ。本来であれば分離されるべき機能をあえて重ねることで、滞在の始まりそのものを体験として設計している。チェックアウトの際、レストランレセプションにいたスタッフがこちらに気づき、「いってらっしゃい。またお待ちしています」と笑顔で声をかけ、持ち場であるレセプションを離れてフロントまで足を運び、さらに出口まで見送ってくれた。その何気ない瞬間に、このホテルの本質が表れていたように思う。ホテルスタッフであれば自然な振る舞いかもしれない。しかし、レストランスタッフが持ち場を離れ、そこまでの対応をすることは、通常のホテルではあまり見られない。それは単なるサービスの質ではない。この場所が、どのような関係性を生み出そうとしているのか。その設計思想そのものが、体験として現れていた。このホテルが今後どのようにまちに受け入れられ、どのような賑わいを生み出していくのか。定点的に訪れながら、その変化を見ていきたい。そして同時に、ホテルはどのようにまちと関係を結び、どのような価値を生み出し得るのか。その問いに、引き続き向き合っていきたい。\n\n日本でライフスタイルホテルは定着するのか。 — THE KNOTが示す、共に創るという構造【前編】",
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"title": "日本でライフスタイルホテルは定着するのか。 — THE KNOTが示す、共に創るという構造【前編】",
"content": "\n\nいちご地所株式会社 代表取締役社長 細野康英氏藤和不動産㈱(現三菱地所レジデンス㈱)入社後、コンサルティング部門、マンション企画・販売、リゾート部門等に約10年間従事した後、2002年よりゴールドマン・サックスの不動産投資部門で日本における様々なタイプの不動産投資、M\u0026amp;A案件のバリューアップ等に従事。2015年9月いちご㈱入社、いちご地所㈱にて不動産アクイジション、ホテルの心築事業を推進。2017年3月よりいちご地所㈱代表取締役社長に就任。HAMA Japan(日本ホスピタリティ・アセットマネージャー協会)顧問。\n\n \n\nブランドの思想と“共創”の起点\n\nQ1|福岡というマーケットの中での今回の開業の意味\n— 外資系ホテルの進出が続く福岡で、THE KNOTを開業する意味をどのように捉えていますか。\nA|福岡はここ数年で明らかにフェーズが変わっています。ザ・リッツ・カールトンをはじめ、外資系のラグジュアリーブランドからライフスタイルホテルまで、一気に選択肢が増えた。その中で、単純に「どのブランドを入れるか」という話ではなく、「この都市でどんな価値を提供するのか」が問われる状況になっています。\n今回の物件は天神の中心というよりも大名エリアに位置しています。これまでのTHE KNOTの立地とは少し異なります。ただ、福岡の天神で見ていたのは“視認性”ではなく、“人が集まる力”です。特にレストランとしてのポテンシャルを重視しました。\n福岡は国内出張客と観光客、アジア圏インバウンド顧客を主軸にしながら、「日常の延長線上にあるホテル」として成立するかどうか。そこに面白い勝機があると判断しました。\n\n\nQ2|なぜ自社ブランドなのか|外資と組まない理由\n— 外資ブランドと組めば一定の安定は得られます。その中でなぜ自社ブランドにこだわるのでしょうか。\nA|これは非常にシンプルで、収益構造の問題です。外資ブランドは基本的にブランド側が利益を取る仕組みになっています。もちろん送客力や安心感はありますが、オーナーとしての利益が最大化されるとは限りません。\n一方で自社ブランドは、すべて自分たちで責任を持つ必要があります。ただ、その分、価値も利益も自分たちに残る。\nさらに重要なのは、ブランドの“意味”を自分たちで定義できることです。外資ブランドは完成されたパッケージですが、我々は都市ごとに最適な形を考えたい。\nつまり、単に集客やブランド力の話ではなく、オーナーとして価値と収益を自分たちの側に残せるかどうかが大きいと思っています。おかげ様でKNOTは誕生8年目ですが期待以上の認知度を持つことができました。KNOT福岡天神はシリーズ第6弾です。新しいKNOTは常に新しいチャレンジをしています。\n\n\nTHE KNOTが定義するライフスタイルホテル\nQ3|THE KNOTとは何か|ライフスタイルホテルの再定義\n— THE KNOTが考えるライフスタイルホテルとは何でしょうか。\nA|ライフスタイルホテルという言葉はかなり広く使われていますが、我々の中では明確に3つの軸があります。1つはデザインと心地よさ、これは前提です。すべてのライフスタイルホテルはデザインコンシャスです。ただし、私はそれだけでは成立しないと考えています。\n重要なのは2つ目の「ローカルな体験」と、3つ目の「オープンでカジュアルなホスピタリティ」です。\n旅行者はその土地の生活や文化を見たい、触れたいと思っている。一方で、地元の人にとっても日常的に使える場所である必要がある。その両方が同じ空間に存在することが重要です。それをKNOT(結び目)として重視しています。\nだからTHE KNOTでは、レストランを“付帯施設”ではなく、“体験の核”として設計しています。ホテルの中にまちを持ち込む、あるいはまちにホテルを開く。そういう考え方です。\n\nQ4|共創という構造|レストランはテナントではない\n— THE KNOTの特徴として、レストランパートナーとの関係性が非常に強い印象があります。\nA|一般的なホテルでは、レストランはテナントです。朝食を提供できればいい、という位置づけになりがちです。実際にほとんどのホテルでレストランは収益を生んでいない。\nただ我々はそうではありません。レストランはブランドを共につくるパートナーであり高い収益性を持っています。\n実際、THE KNOTでは、オーナー(事業者)、ホテルオペレーター(運営者)、レストランオペレーター(演出者)が連携することでブランドをつくっています。特に新宿では、MOTHERSさんのように“街というマーケットで戦っている”パートナーが入ったことで、ホテル全体の賑わいや世界観が一気に昇華したと感じています。\n彼らは“マーケットで戦っている”人たちです。毎日、SNSや口コミサイトで評価にさらされながら店を運営して生き抜いている。そのリアリティとストリート感がホテルに持ち込まれることで、空間に本当の意味での“賑わい”が生まれた。\n我々はMOTHERSさんをパートナーとしてリスペクトしています。\n\nQ5|ローカライズは設計できるのか\n— THE KNOTはそれぞれの都市ごとに全く異なる表情を持っていますが、再現性はあるのでしょうか。\nA|ローカライズの方法を言語化するのは難しいです。実際、デベロッパーの方から「どうやっているのか」とよく聞かれますが、説明は難しい。\nただし、軸は明確です。・デザインと居心地の良さ・ローカルな体験の提供・オープンでカジュアルなおもてなし\nこの3つのコンセプトに立ち返ること。\nそれともう一つ重要なのは、「誰と組んでどう演出するか」です。パートナーが変われば空間も変わる。つまり、ローカライズは単にデザインだけで決まるものではなく、誰と組むかも含めて立ち上がってくるものだと思っています。【後編につづく】※5\/12 12時公開予定\n日本でライフスタイルホテルは定着するのか。— THE KNOTが示す、共に創るという構造【後編】",
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"title": "リッツ・パリ マネージングディレクター アルノー・ド・サン=テグジュペリ氏 が語る「エモーショナル・ラグジュアリー」の真髄",
"content": "\nProfile\n\nアルノー・ド・サン=テグジュペリ(Arnaud de Saint-Exupéry) 1971年フランス生まれ。2001年7月ハイアットグループ入社。パークハイアット・パリ・ヴァンドームの開業を経て、2008年同ホテル支配人に就任。2007年、新ブランド「アンダーズ」の立ち上げに伴い、アンダーズ・ロンドン総支配人を務める。2013年、アンダーズ東京の開業総支配人に就任。「星の王子さま」で知られる作家サン=テグジュペリは遠戚にあたる。現在はリッツ・パリのマネージングディレクターとして、ホテルの伝統と革新を牽引している。\n\nホスピタリティの核心は「人間同士のつながり」に回帰\n太田(以下、O): ハイアットグループで20年以上のキャリアを積み、現在はパリの象徴であるリッツ・パリのマネージングディレクターを務められています。グローバルなホテル市場を見て、以前と現在で最も大きな変化は何だと感じていますか。サン=テグジュペリ(以下、S): ホスピタリティの核心、つまり「人と人、人間同士のつながり」という部分が、以前にも増して重要視されていると感じます。テクノロジーは劇的に進化しましたが、パンデミックを経て、ゲストはより「オーセンティックな体験」や「パーソナルな歓迎」を求めるようになりました。私たちが提供すべきは単なるサービスではなく、チームの情熱が伝わるような心のこもった時間です。それこそが、ホスピタリティの原点への回帰と言えるでしょう。\n独立系オーナーシップがもたらす「ブランドの誠実さ」\nO: 大手チェーンでの経験と比較して、リッツ・パリのような独立系のホテル運営にはどのような違いがありますか。S: 意思決定のスピードが圧倒的に早いことが挙げられます。具体的には、投資判断などのプロセスが非常にシンプルで迅速です。 また、最も重要なのは「ブランドの誠実さ(Brand Integrity)」です。巨大なコーポレートグループは多くのホテルを展開しますが、リッツ・パリは世界に一つだけ。ブランドのDNAや伝統を一切変えることなく、唯一無二のポジショニングを維持し続けることができます。\n\nAIは「感情」を伝えるための触媒\nO: 深刻な人手不足への対策として、業界ではAIの活用が進んでいます。リッツ・パリではどのようにAIをサービスに取り入れていますか。S: 私にとってAIは、チームを繰り返しの作業から解放することで、ホスピタリティの本質に立ち返る手助けをしてくれると私は信じています。その結果、事務的な処理をAIに任せることで、スタッフが画面に向き合う時間を減らし、その分、ゲストと対面して対話する時間を増やすことができます。 例えば、ゲストからのメールへの返信案をAIが素早く作成することはできますが、最終的にそこに「感情(Emotion)」を込め、磨き上げるのは人間の仕事です。AIはあくまで舞台裏の存在であり、表舞台では常に人間が主役なのです。\n「エモーショナル・ラグジュアリー」:標準を超えた先にあるもの\nO: サン=テグジュペリさんが考える「ラグジュアリーホテル」の定義とは何でしょうか。S: それは「ハードウェア(建物)」と「ソフトウェア(人)」の完璧な融合です。パリの最高の立地にあり、歴史とDNAを継承した美しい建物があることは大前提です。しかし、それだけでは十分ではありません。その上に「感情的なつながり」を築く必要があります。マニュアル通りの完璧なサービスだけでは、ゲストの記憶には残りません。私はこれを「エモーショナル・ラグジュアリー」と呼んでいます。ゲストが去った後も「あの人に会えた」、「素晴らしいストーリーがあった」と思い出してもらえるような、コミュニティとしての体験を提供すること。それが標準を超えた真のラグジュアリーです。\n未来へのビジョン:伝統と革新のブレンディング\nO: 今後のビジョンについて教えてください。S: 私の使命は、128年続くこの伝説的なホテルの「守護者(Guardian)」であることです。しかし、単に守るだけではありません。伝統的なフランスのエレガンスと、現代のイノベーションをどう「ブレンド」させるかが重要です。例えば、若い世代との接点を作るためにTikTokを活用したり、家族旅行のニーズに合わせて客室をコネクティングルームとしてスイートを増やしたりと、常に変化するゲストの期待に応え続けなければなりません。創業者セザール・リッツがそうであったように、常に先見の明を持ち、進化し続けること。それがリッツ・パリの歩むべき道です。\nEditor's Note\n\nアンダーズ東京時代と変わらぬ、温かくも鋭い情熱を感じさせたサン=テグジュペリ氏。彼が語る「エモーショナル・ラグジュアリー」は、効率化が叫ばれる現代のホテル業界において、我々が忘れてはならないホスピタリティの本質を突いている。文:林田研二\n",
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"title": "巨大チェーン時代のホテル戦略 独立系ホテルを支えるプリファード【後編】",
"content": " \n\nリンジー・ユベロス氏(Lindsey Ueberroth)Preferred Travel Group CEO。1968年創立の世界最大級の独立系ホテルブランドであるPreferred Hotels \u0026amp; Resortsを中核とする同グループの経営を統括。ホテルブランド事業に加え、トラベルおよびデスティネーション領域を含むグローバルなトラベル・エコシステムの構築を推進している。現在、同グループは80カ国以上に広がる独立系ホテルネットワークを展開し、営業・流通・ロイヤルティ・テクノロジーなどの機能を通じて加盟ホテルの国際競争力向上を支援。デジタル、ロイヤルティ、サステナビリティ分野への投資を進め、独立系ホテルの成長を支えるグローバルプラットフォームの強化を進めている。\n\nQ5|品質保証と独立性の両立\n―独立系ホテルのネットワークである一方で、ブランドとしての品質保証も重要になると思います。加盟ホテルの個性や独立性を尊重しながら、どのように一定のサービス品質を担保しているのでしょうか。\nA|独立系ホテルの魅力は多様性ですが、同時にブランドとしての品質保証も重要です。そのため私たちは「IQA(Integrated Quality Assurance)」という品質管理プログラムを導入しています。このプログラムには二つの柱があります。ひとつは第三者による抜き打ち検査です。外部機関が12〜18カ月ごとにホテルを訪問し、サービス、施設、ブランド基準などを詳細に評価します。もうひとつはオンラインレビュー分析です。世界中のレビューサイトを分析し、顧客評価をリアルタイムでモニタリングしています。もしホテルが基準を下回った場合は改善計画を求めますが、私たちはホテルと協力して改善を進めることを重視しています。私たちの目的は、ホテルを排除することではなく、パートナーとして共に品質を高めていくことなのです。 レジェンドコレクションでは、約2年前からフォーブス・トラベルガイドと提携してインスペクションを実施し、同コレクションに求められる最高水準のラグジュアリーとサービス品質を確保しています。\nQ6|送客・ロイヤルティの実効性\n―営業・マーケティング・予約・ロイヤルティプログラム(I Prefer Hotel Rewards)など、包括的な支援を提供されています。ホテルオーナー/運営会社の視点から見て、最も実効性の高い支援領域、あるいは収益へのインパクトが大きい領域はどこにあるとお考えですか。\nA|独立系ホテルにとって最も大きな価値は、グローバルな営業・流通ネットワークにアクセスできることです。単独のホテルがグローバルマーケットに営業網を持つことは現実的ではありません。しかし私たちは世界35都市に営業拠点を持ち、企業旅行、グループ需要、ラグジュアリートラベルアドバイザーなど、さまざまなチャネルに日常的にアプローチしています。また、予約経路も多様です。GDS、コールセンター、ブランドサイト、など複数の流通チャネルを通じてホテルの可視性を高めています。独立系ホテルにとって、こうしたグローバルプラットフォームにアクセスできることが大きな価値だと言えるでしょう。もう一つ重要なのが、ロイヤルティプログラム「I Prefer」です。現在600万人以上の会員が登録しており、これらの会員は通常の旅行者と比較して滞在回数や消費額が高い傾向があります。さらにプリファードネットワーク内での送客によって、新しい顧客層とリピーターの獲得にもつながっています。マーケティング分野では、デジタル、紙媒体、SNSといった幅広いチャネルで存在感を強化するプログラムを提供しています。そして重要なのが流通とレベニューマネジメントであり、各ホテルはプリファードの専任チームと連携し、価格戦略や流通チャネルを調整することでRevPARの最大化を支援しています。つまり営業、ロイヤルティ、マーケティング、レベニューマネジメントという複数の機能が連動することで、加盟ホテルの収益創出を支えているのです。\nホテル椿山荘東京(東京)\n日本の独立系ホテルに広がる可能性、次の成長市場としての日本\nQ7|グローバルチェーンとの比較(オーナー戦略)\n―日本を含め世界各地で、グローバルホテルチェーンとの運営契約は長年拡大を続けており、近年は日本市場でもその動きが加速しています。そのような市場環境のなかで、ホテルオーナーがリファーラルチェーン、あるいはプリファードを選択することには、どのような戦略的意味があるのでしょうか。\nA|ホテルオーナーの視点から見ると、リファーラルブランドとチェーンブランドの違いは主に三つの観点で整理できます。一つ目は収益性です。グローバルチェーンのMC契約では、ブランドフィーや管理費用など複数のコストが発生します。これらはホテルのGOPや最終的な利益に大きく影響します。一方、私たちのモデルではフィー体系が比較的シンプルで、主に客室売上をベースとしています。そのためホテルのトップラインを伸ばしながらも、純利益を過度に圧迫しない構造になっています。二つ目はブランド価値の考え方です。チェーンブランドの場合、ホテルはブランドの一部として位置付けられます。しかし私たちの役割は、ホテル本来のブランドを守り、その魅力をさらに引き上げることにあります。ホテル名やストーリー、デザイン、地域性やアイデンティティを維持しながら、グローバルネットワークの一員になることができます。言い換えれば、私たちはホテルの建物に掲げられるブランドというよりも、「信頼の証(seal of approval)」のような存在だと言えるかもしれません。三つ目は資産価値と出口戦略です。長期の運営契約は、ホテル資産を売却する際の制約になることがあります。チェーンブランドのMC契約は15年から40年といった長期になる場合も多く、売却時には契約が大きな影響を及ぼします。しかし私たちの契約期間は平均約5年です。これはオーナーにとって、将来的に売却やブランド変更を行う際の柔軟性を確保することにつながります。つまり、ホテルを「不動産資産」として考えた場合の自由度が高いのです。さらに運営の柔軟性も重要です。スタッフ配置、アメニティ、F&B、サービス内容、ゲスト体験やブランド戦略など、ホテルは市場のニーズに合わせて迅速に意思決定することができます。今のラグジュアリートラベラーは、オーセンティックな体験を求めています。その期待に応えるためには、現場が柔軟に動ける環境が必要です。私たちは、ホテルがその独立性を保ちながら、グローバル市場で競争できる環境を提供しているのです。\nQ8|日本市場の可能性と今後\n―日本では外資系ブランド進出が続く一方で、独立系ラグジュアリーホテルや地域資本によるホテルの価値も見直されつつあります。プリファードにとって日本市場はどのようなポテンシャルを持つと見ていますか。\nA|日本は、私たちにとって非常に重要な市場です。アジア太平洋地域のなかでも、日本は特別な存在だと考えています。現在、Preferred Hotels \u0026amp; Resortsは東京を中心に展開しており、京都にも加盟ホテルがありますが、今後はさらに展開を広げていきたいと考えています。具体的には大阪、名古屋北海道、箱根など、さまざまな地域に大きな可能性を感じています。近年、訪日旅行需要は非常に強い成長を見せており、初めて日本を訪れる旅行者だけでなく、リピーターも確実に増えています。こうしたリピーターは東京や京都だけにとどまらず、より深い地域体験を求めるようになっており、これは独立系ホテルにとって大きなチャンスです。地域に根ざしたホテルや独自のコンセプトを持つホテルは、こうした旅行者のニーズに非常に適しているからです。また、日本のホスピタリティ文化は世界的にも非常に高く評価されています。サービスの質、細やかな配慮、そして文化的な背景を持つ体験価値は、日本ならではの魅力です。私たちは、日本のホテルオーナーや運営会社と協力しながら、こうした魅力をグローバル市場に届け続けていきたいと考えています。特に、グローバルマーケットで通用する運営力を持ちながら、日本ならではの体験価値を提供できるホテルパートナーとの連携を拡大していきたいと思っています。訪日旅行の成長を考えると、日本市場は今後も非常に強いポテンシャルを持つ市場であり、私たちにとっても長期的に重要な地域であり続けるでしょう。 \n\nプリファード ホテルズ&リゾーツ\nプリファード ホテルズ\u0026amp;リゾーツは世界最大の独立系ホテルブランドで、80カ国以上に625以上の個性的なホテルやリゾート、レジデンス、特色あるホテルグループが加盟しています。4つのグローバルコレクションは、ライフスタイルや旅行、イベントに合わせた唯一無二のラグジュアリーなおもてなし体験を提供し、全ての加盟施設は最高品質とサービスレベルを維持するための統合品質保証プログラムに参加しています。I Prefer (アイ・プリファー)ホテルリワードプログラム、プリファード・レジデンス、プリファード・ファミリー、プリファード・プライド、プリファード・ゴルフなど、多彩なプログラムを旅行者へ提供しています。www.PreferredHotels.com\n \nEditor's Note\n\nグローバルチェーン時代の独立系ホテルの戦略\n世界のホテル市場では、マリオット、ヒルトン、IHG、ハイアット、アコーといったグローバルチェーンの存在感が年々高まっている。巨大なロイヤルティプログラムと営業ネットワークを背景に、世界各地でブランド展開が加速している。一方で、ホテルの魅力はブランドだけで決まるものではない。地域性や建築、歴史、文化、そしてそのホテルならではの体験価値は、独立系ホテルが長年培ってきた強みでもある。Preferred Travel Groupが展開するリファーラルブランドというモデルは、まさにその独立系ホテルの価値を世界市場につなぐ仕組みだ。ホテル運営を担うチェーンブランドとは異なり、営業、流通、ロイヤルティ、マーケティングといった機能を提供することで、独立系ホテルのグローバル競争力を支えている。グローバルホテルチェーンへの加盟、国内ホテルチェーンとの提携、あるいは独立運営。ホテル経営にはさまざまな選択肢が存在する。そのなかでPreferred Travel Groupが展開するリファーラルブランドというモデルは、ホテルの独自性を維持しながらグローバル市場へアクセスするための仕組みとして、独立系ホテルのもう一つの戦略になりつつある。訪日需要が拡大する日本市場においても、このモデルの可能性は今後さらに存在感を高めていくだろう。\n\n巨大チェーン時代のホテル戦略 独立系ホテルを支えるプリファード【前編】",
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"title": "巨大チェーン時代のホテル戦略 独立系ホテルを支えるプリファード【前編】",
"content": " \n\nリンジー・ユベロス氏(Lindsey Ueberroth)Preferred Travel Group CEO。1968年創立の世界最大級の独立系ホテルブランドであるPreferred Hotels \u0026amp; Resortsを中核とする同グループの経営を統括。ホテルブランド事業に加え、トラベルおよびデスティネーション領域を含むグローバルなトラベル・エコシステムの構築を推進している。現在、同グループは80カ国以上に広がる独立系ホテルネットワークを展開し、営業・流通・ロイヤルティ・テクノロジーなどの機能を通じて加盟ホテルの国際競争力向上を支援。デジタル、ロイヤルティ、サステナビリティ分野への投資を進め、独立系ホテルの成長を支えるグローバルプラットフォームの強化を進めている。\n\n独立系ホテルを世界市場へPreferred Travel Groupの進化\nQ1|Preferred Travel Groupとは何か\n―「Preferred Hotel Group」から「Preferred Travel Group」へとブランド名称を刷新されました。ホテルネットワークを中心とした事業体から、どのようなトラベル・エコシステムへ進化しているのか、Preferred Travel Groupの全体像と現在の事業領域についてお聞きします。\nA|2023年に私たちは「Preferred Travel Group」へとブランド名称を変更しました。これは単なるリブランディングではなく、私たちの事業がホテルブランドの枠を超え、より広いトラベル・エコシステムへと進化していることを示すものです。現在、グループは大きく分けて二つの領域で事業を展開しています。ひとつはホテルブランド、もうひとつはトラベルおよびデスティネーションに関わるコンサルティングサービス事業です。ホテルブランドとしては、私たちの中核であるPreferred Hotels \u0026amp; Resorts、Beyond Green、Historic Hotels of America、Historic Hotels Worldwide、という4つのブランド\/認証プログラムがあります。Beyond Greenは、厳格なサステナビリティ基準を満たしたホテルのみで構成される環境・文化・地域志向のラグジュアリーホテルブランドで、Historic Hotelsの2コレクションは文化や歴史的価値を持つホテルのプログラムです。一方で、ホテルや観光地に対するコンサルティングや営業支援などのサービス事業も拡大しています。これにはホテルの開業前後の支援、営業・流通のサポート、収益管理、さらにはデスティネーションマーケティングなどが含まれます。つまり現在のPreferred Travel Groupは、ホテルブランドを中心にしながらも、ホテル・旅行・観光のエコシステム全体を支援するグローバルプラットフォームへと進化しているのです。私たちの最終的な使命は非常にシンプルです。独立系ホテルの価値を高め、グローバル市場での競争力を強化することです。そのために営業、マーケティング、流通、ロイヤルティ、テクノロジーなどあらゆる機能を提供しています。現在は特に、デジタル、ロイヤルティ、サステナビリティの分野に積極的な投資を行っており、ホテルパートナーの成長を支えるグローバルネットワークとしての役割をさらに強化しています。\n\nブランドの域を超え、独立系ホテルを支えるプリファードのモデル\nQ2|Preferred Hotels \u0026amp; Resortsの役割\n―中核ブランドであるPreferred Hotels \u0026amp; Resortsは、どのような役割を担っているのでしょうか。\nA|Preferred Hotels \u0026amp; Resortsの最も重要な役割は、独立系ホテルが世界の大手チェーンと競争できる環境を提供することです。ヒルトン、ハイアット、マリオットといったグローバルチェーンは、巨大な営業ネットワークとブランド力を持っています。独立系ホテルが単独でその規模と競争することは容易ではありません。しかし同時に、独立系ホテルには大きな強みがあります。それは個性、ストーリー、地域性、そして独自の体験価値です。私たちは、独立系ホテルのその魅力を守りながら、営業・マーケティング・流通・ロイヤルティプログラムといった機能や基盤を提供することで、グローバル市場での競争力を高める役割を担っています。現在、Preferred Hotels \u0026amp; Resortsには世界80カ国以上で約625のホテルが加盟しています。グループ全体では90カ国以上、1100軒を超えるホテルネットワークとなっています。また私たちの組織の特徴として、約400名のグローバルスタッフのうち、約半数が営業・マーケティング・流通などのコマーシャル部門に従事しており、単にブランドを提供するだけでなく、加盟ホテルの収益創出に直接貢献する組織なのです。グローバルチェーンと競争するために必要な信頼性、スケール、ネットワークを提供しています 。これを実現するのが、グローバルセールス、マーケティング、デストリビューション、PR、ソーシャルメディア、そしてロイヤルティプログラム『I Prefer Rewards Program』です。さらに大きな差別化要素となっているのが「柔軟性」です。大手チェーンとは異なり、私たちはホテルオーナーや運営会社に対して高い自主性を提供しており、競争が激化する現在のホスピタリティ業界においてその価値はますます高まっています。この柔軟性こそが、大手ブランドと世界市場で戦いながらも、独自性を維持しながら、グローバルなスケールとサポートの恩恵を受けられる理由です。\nQ3|リファーラルチェーンとしての強み\n―他のリファーラルチェーンと比べたとき、プリファードの強みはどこにあるのでしょうか。\nA|私たちは家族経営としても世界最大規模の独立系ホテルグループであり、加盟ホテルとの関係性にあります。私たちは加盟ホテルを顧客という概念を超え、「Preferredファミリー」の一員、つまりパートナーとして捉えています。これは単なる言葉ではありません。意思決定のスピードや柔軟性、そしてホテルごとの事情に寄り添う姿勢に表れています。また、スケールの大きさも強みです。私たちは全ブランドで世界85カ国・1,300軒以上のホテルを展開しており、Preferred Hotels \u0026amp; Resorts だけでも約80カ国に625軒を擁し、400名超のグローバルチームが支えています。約半数がセールスやマーケティング、ですとリビューションなど商業部門に従事しており、加盟ホテルの収益向上に直結する成果を重視しています。単なるブランド力ではなく、「結果を出す」ことにこそ価値があります。もう一つの特徴がコレクション構造です。Preferred Hotels \u0026amp; Resortsは、Legend、L.V.X.、Lifestyle、Residences、という4つのコレクションで構成されています。Legendは超ラグジュアリー、LVXはラグジュアリー、Lifestyleは多様なライフスタイルホテル、Residencesはレジデンス型ホテルです。この構造によって、旅行者は目的や価格帯に応じてホテルを選ぶことができます。例えば記念日の旅行であればLegend、家族旅行であればLifestyleというように、旅行の目的に合わせた選択が可能になります。こうした柔軟なコレクション戦略は、私たちの大きな競争力だと考えています。\nアンダラ ・リゾート&ヴィラズ (プーケット)\nグローバルチェーンとどう戦うか、独立系ホテルの戦略\nQ4|リファラルチェーンの役割\n―いまの時代において、リファーラルチェーンはどのような役割を担う存在でしょうか。\nA|私たちのようなホテルブランドは、ホテルオーナーにとってグローバルチェーンに対する戦略的な代替選択肢を提供する存在です。グローバルチェーンと契約する場合、契約期間は通常15年から40年と非常に長期になり、ホテルオーナーにとって大きな意思決定です。一方、私たちの契約期間は平均で約5年です。つまり、オーナーはグローバルブランドの営業力を活用しながら、将来の選択肢を保持することができるのです。さらに重要なのは、ホテルの個性を維持できる点です。現在の旅行者は、画一的なホテルではなく、その土地ならではの体験や文化、歴史と結びついたホテルを求めています。独立系ホテルはまさにそうした体験を独自に提供できる存在です。私たちはその魅力を守りながら、グローバル市場へのアクセスを提供しています。つまり、グローバルリーチと独立性の両立。これがリファーラルブランドの本質だと思います。【後編につづく】\n巨大チェーン時代のホテル戦略 独立系ホテルを支えるプリファード【後編】",
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"tags": ["free-service","サステナブル","ホテル","ホテルブランド","海外","経営","運営","開発・開業"],
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"url": "\/en\/blogs\/interview\/2026042201",
"image": "//hoteres.com/cdn/shop/articles/img_20260421preferred_01_5db87cbe-10d9-4695-8eab-1e9df202c60f.jpg?v=1778803378&width=600" ,
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"title": "旧横浜市庁舎跡地に星野リゾートが「OMO7横浜by 星野リゾート」を4月21日開業、ペットフレンドリー機能を備えたレガシーホテルに",
"content": "「BASEGATE横浜関内」旧横浜市庁舎跡地のコンバージョンとして誕生したOMO7横浜by 星野リゾート\n 星野リゾート(本社:長野県北佐久郡軽井沢町、代表:星野佳路)は、「OMO7横浜by 星野リゾート」(横浜市関内)を2026年4月21日に開業した。 JR関内駅前の旧横浜市庁舎跡地を活用した開発プロジェクト「BASEGATE横浜関内(横浜市旧市庁舎街区活用事業)」内に、1959年竣工の歴史的建造物(村野藤吾設計)を保存・活用したレガシーホテルと指定展開する。 同ホテルの客室(全276室)は、最大定員6名のスイートや4名のルームなど多人数対応ほか、3階をドッグフレンドリーフロアに据え、愛犬と泊まれる客室(32室)や室内およびテラスにドッグランを設けた。大型犬も滞在できる都市型としては稀有な、ペットフレンドリーホテルとして位置付けていく。 全客室は、旧庁舎の色彩を反映したテーマカラー(赤・青・緑)を採用した多様な滞在ニーズに対応できるように設計。また館内に、村野藤吾氏の意匠を再構築したサインや歴史的な展示「ハマイズムコレクション」などを構成することで、横浜の歴史や文化を体感できるだけでなく歴史的要素を現代的に再解釈したデザインを楽しむことができる。 館内は二つのF&Bで構成。「OMOダイニング」(朝食100席/夕食20 席)では横浜らしさを念頭に中国料理や洋食をメインに、朝食はブッフェを提供する。ディナーメニューには“ちょい飲み”と称したライトメニューも用意。また、ブランド初となる「OMOベーカリー」では、ベースの異なる5種のカレーパンを筆頭に約30種のパンを販売。夜はcaféでの“パン飲み”も促進するという。 同ブランド特有の街歩き支援サービス「Go-KINJO」や、徒歩圏内の情報を提供する「ご近所マップ」、歴史や建築を深く知るガイドツアー「横浜レガシーウォーク」、ディープな飲食店を巡る「野毛ホッピングセレクション」など、多彩な地域体験を促進。旧庁舎屋上の「HAMAKAZEテラス」では、ジャズやクラフトビールを楽しむ夜のフェスイベント「気分上々、ハマナイト」を開催するという。 \n村野藤吾氏 (写真提供:Togo Murano Archives)\n村野氏がデザインしたフロア階数サインを基に存在しなかった「0」を創作(※)、客室番号サインに用いた(※村野氏と共に活動していた鈴木志朗氏と村野朋子氏が監修)\n5種のカレーパンほか、ミニ食パン(350円)~マスカルポーネの山型食パン(1,200円)などを販売\n「OMOダイニング」の朝食ブッフェ\n「野毛ホッピングセレクション 」。OMO7横浜から徒歩15分ほどの「野毛エリア」は約600もの飲食店が連なる日本屈指のディープな街探訪を推進\nOMO7横浜by 星野リゾート 総支配人羽毛田 実氏\n OMO7横浜by 星野リゾート 総支配人羽毛田 実氏によると、築60年超の建物からのコンバージョンとあって数々の制約が予想されたという。「単に村野藤吾建築を再現するリノベーションではなく、新しい発想とOMOらしい設計が実現できることを念頭にホテルインテリアデザインを成瀬・猪熊建築設計事務所様にお願いさせていただきました。改修基本設計の竹中工務店様とのタッグだからこそ、実現できたと考えています」。 また、横浜はさほどインバウンド率が高くなく、まずは地域住民や日帰り旅行者や都内宿泊者が“横浜を満喫できる仕掛けを展開したいとして、中華街やみなとみらい、関内の繁華街など多彩な街の魅力を活用した地域との連携も視野に入れている。「ディープな繁華街と観光スポットの両方を楽しめる拠点を担っていく」という。 初年度の目標としては、「初年度は市場認知を重視し、営業しながら需要構造を創出していきます。目標値はNAですが、都内施設や周辺ホテルの状況を踏まえて、街ナカホテル「OMO」のコンセプトに基づき、歴史的な街歩きや隠れた名店を案内するOMOレンジャーのアシストを設け、地域と一体となった取り組みを図っていきます」。\n 都市型ペットフレンドリーはコロナ禍を機に急速に拡大しているが、同ホテルはフロア丸ごとドッグフレンドリー仕様で、全32室ほか室内外のドッグランも完備。さらに「都市では珍しい大型犬の滞在も可能です。首都圏在住の愛犬家やペットと街歩きを楽しむ旅行者をターゲットに、ペットと共に楽しめるイベントや交流企画を図りながら新たな需要の創出につなげていきたい」。 その街のコンシェルジュとして、OMOレンジャーを据えているOMOブランド。同施設でも「街とホテルの魅力をつなぐ人材育成を重視し、横浜の歴史や文化、地元食を自ら語れるよう育成しています。多様な背景を持つ人材で国内外のお客さまをお迎えします」。 3年後には、“横浜巡りの拠点ホテル”として新しい横浜の魅力を発信する存在となるべく、これからも地域との連携を密に築き上げていくと話している。\nペットフレンドリーは3階フロアのみ。画像はドッグフレンドリースイート\n3階のテラスに設けられた屋外ドッグラン\nかたりばルーム\nダブルルーム\nOMO7横浜by 星野リゾート フロント\n 【施設概要】OMO(おも)7横浜by 星野リゾート\n\nhttps:\/\/hoshinoresorts.com\/ja\/hotels\/omo7yokohama\/所在地:神奈川県横浜市中区港町1丁目1番1アクセス:JR根岸線「関内」駅徒歩1分、横浜市営地下鉄ブルーライン「関内」駅徒歩1分、横浜高速鉄道みなとみらい線「日本大通り」駅徒歩7分客室数:276室(うち3階・32室ペットフレンドリー)客室料金:1泊1室3万6,000円~(2名利用時・食事別、税込)施設:客室、OMOベース(フロント、ライブラリーラウンジ/ミーティングルーム、OMOダイニング、OMOベーカリー、ご近所マップ、ショップ、ハマイズムコレクション、OMOドッグガーデン)、ロッカー、ワークルーム、ランドリー事業者:㈱竹中工務店、東急㈱、京浜急行電鉄㈱設計:当初設計…村野、森建築事務所 改修基本設計・実施設計…㈱竹中工務店 ホテルFOH(*6)部 インテリア基本設計・インテリアデザイン監修…㈱成瀬・猪熊建築設計事務所 ホテルFOH部 造作家具実施設計…アイリスオーヤマ㈱社・I.P.Mプロジェクトマネジメント合同会社 ホテルサインデザイン…UMA \/ design farm 数字フォントデザイン…村野、森建築事務所・MURANO design FFE(*7)設計・監理…㈱成瀬・猪熊建築設計事務所施工:当初施工…免震改修工事:戸田組(現・戸田建設㈱) 改修施工…㈱竹中工務店開業日:2026年4月21日URL:https:\/\/hoshinoresorts.com\/ja\/hotels\/omo7yokohama\/電話:050-3134-8095(OMO予約センター) *6:Front of House ホテルの延床面積のなかで、利用客に使用される面積部分。 *7:Furniture Fixture \u0026amp; Equipment 家具や据え付け設備、什器など\n取材・本誌 森下智美",
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"title": "価値は、関係の中で生まれる — HOTEL THE MITSUI KYOTO×POLAが示した体験のつくりかた",
"content": "\n\nHOTEL THE MITSUI KYOTOコミュニケーションマネージャー 峯 健氏一般企業を経てホテルでのキャリアをスタート。ANAクラウンプラザホテル大阪にてマーケティング職に従事し、その後「翠嵐 ラグジュアリーコレクションホテル京都」や「THE THOUSAND KYOTO」の開業に携わる。2020年、HOTEL THE MITSUI KYOTOの開業に伴い、アシスタントコミュニケーションマネージャーとして着任。2023年より現職のコミュニケーションマネージャーを務める。\n㈱ポーラ BtoB事業部 藤田 唯子氏2012年大学卒業後、㈱ポーラに入社。toC事業の美容トレーナー・店舗コンサルに従事した後、2017年よりtoB事業でホテル向けプロダクト・サービスの企画開発・プロモーションを担当。ポーラ最高峰ブランド「B.A」のアメニティ化やポーラアメニティ最高峰ブランド「IUGEN」の立ち上げを実施。「ラグジュアリーホテルさまとの共創」プロジェクトリーダーを担う。 \n\n「THE B.A Winter Ritual at Kyoto Nijo Onsen」\n\n―まず今回の取り組みについてですが、具体的にどのような企画だったのか、改めて教えてください。\n藤田:はい。今回の企画は、HOTEL THE MITSUI KYOTOの「京都二条温泉」と、ポーラの最高峰ブランド「B.A」の価値を掛け合わせ、“五感で体験する美”をテーマに設計しました。温泉については、ポーラのサイエンスを活用した「美肌温泉認証」を取得し、その価値を科学的に可視化しています。さらに、その泉質に合わせたスキンケアとしてB.Aの使用方法をご提案しました。また、プロダクトそのものだけでなく、音楽や香り、さらにはホテル様とご一緒して開発したスイーツなども含めて、B.Aの世界観を五感で体験できる構成としています。それぞれの要素を並べるのではなく、どうすれば自然に調和し、一つの体験として成立するかを重視して設計しました。\n\n\n―単なるプロダクトの導入ではなく、“体験そのものを設計している”ということですね。\n藤田:そうですね。B.Aというブランドの価値を、商品単体ではなく、空間や時間の中でどう感じていただくか。その点に一番こだわりました。\nプロジェクトは、どこから始まったのか\n\n―今回の取り組みは、単なるプロモーションではなく、ホテルとパートナー企業が“ともに価値をつくる”プロジェクトだったと感じています。まずは、それぞれの立場から、このプロジェクトがどのように始まったのか教えてください。\n峯:当ホテルは開業以来、「日本の美しさ」をどう体験として届けるかを軸に、さまざまな取り組みを行ってきました。ただ、その中で温泉という大きな資産がありながら、“価値としてどう伝えるか”という点には課題がありました。美肌効果があること自体は言えるのですが、それを裏付けるものがありませんでした。\n―“言えるけど、証明はできない”状態ですね。\n峯:そうなんです。そこにポーラさんの「美肌温泉認証」というお話をいただき、これは単なる機能の補強ではなく、体験そのものを引き上げられる可能性があると感じました。\n藤田:私たちとしても、ホテルは単なる販路ではなく、ブランド体験をどう届けるかという意味で非常に重要なパートナーです。特にB.Aは、五感にアプローチしながら“感性を育む”ことを大切にしてきたブランドです。その思想と、HOTEL THE MITSUI KYOTOさんが掲げる「日本の美しさ」というコンセプトが非常に近いと感じ、今回の取り組みにつながりました。\n\n「できない」をどう突破したのか\n\n―ただ、今回の取り組みは、簡単ではなかったですよね。既存の契約や前提条件もある中で、どのように実現していったのかは非常に興味深いです。\n峯:おっしゃる通りで、最初からできる領域ばかりではありませんでした。客室のアメニティやスパのトリートメントには既に契約があり、そのままでは新たな取り組みを入れることができない状況でした。ただ、今回はどうしても実現したいという思いがありましたので、「できない理由」ではなく「どこならできるか」を考え続けました。\n―そこで見つかったのがプライベート温泉だった。\n\n峯:そうです。既存の契約に影響しない“空いている領域”としてプライベート温泉があり、そこに今回の企画を重ねることで、新しい体験として成立させることができました。結果として、温泉×美肌認証×B.Aという、これまでにない組み合わせが実現できたと思います。\n藤田:私たちとしても、単に提案するだけでなく、どのようにすれば成立するかを一緒に考え続けるプロセスが非常に重要でした。制約があるからこそ、逆に新しい発想が生まれた部分もあったと感じています。\n価値を成立させた“関係性”\n\n―今回の取り組みでは、お互いに遠慮せず意見を出し合いながらも、配慮を持って関係性を築いていたように感じましたが、実際に進める中でどのような工夫があったのでしょうか。\n\n藤田:そうした関係性を維持するうえで大きかったのは、窓口を明確にしたことです。ホテル側は峯さん、ポーラ側は私が中心となり、情報を集約しながら進めていきました。その上で、常に意識していたのは「双方にとって価値が成立しているか」という点です。一方だけのメリットにならないように、都度確認しながら進めていました。\n峯:そうですね。やはりお互いにこだわりがありますので、遠慮してしまうと良いものはできません。ただし、それを押し付けるのではなく、どうすれば両方にとって最適な形になるかを探る。そのバランスが大事だったと思います。\n―プロジェクトを進める中で、やり取りや調整も多かったのではないかと思いますが、どのような工夫があったのでしょうか。\n藤田:はい。プロジェクトを進める中で、メールや打ち合わせを通じてやり取りを重ねながら、スケジュールやタスクを整理しつつ、関係性の温度を保つことを意識していました。\n想定を超えた反応と広がり\n\n―結果としての反応も非常に良かったと伺っています。\n峯:はい。共同リリースの反応も非常に良く、広告換算でも高い結果となりましたし、何よりこれまで届かなかった層にしっかり届いたという実感があります。また、ポーラさんの会員の方がこの体験を目的に宿泊してくださるなど、新しい顧客の動きも見られました。\n藤田:ポーラ側でも同様で、会員のお客さまからの反応は非常に高かったです。特に印象的だったのは、温泉体験だけのご案内にも関わらず、宿泊を伴って来てくださる方が多かったことです。B.Aを“いつもと違う形で体験できる”という点に、大きな価値を感じていただけたのだと思います。\n―ブランドがホテルへの来訪動機になるというのは、非常に象徴的な動きですね。これは、プロダクト(商品)を導入する関係を超え、ブランドそのものがホテル体験の一部として機能していることを示していると言えそうです。\n共創がもたらした“内側の変化”\n\n―今回の取り組みは、ゲストに向けた価値だけでなく、働く皆さんにとっても良い影響があったのではないかと感じています。\n\n峯:非常に大きかったです。新しい取り組みを通じて、スタッフ自身がホテルが提供する体験価値や、その背景にあるコンセプトをより深く理解する機会になり、それがサービスの質にもつながっていると感じています。それに加えて、これまで気づかなかった視点や発想に触れる機会にもなりました。外部のパートナーと一緒に取り組むことで、「こういう考え方があるのか」「こういう表現の仕方があるのか」といった新しい気づきが生まれ、それが結果として現場の成長にもつながっていると感じています。単に一つの企画を実施したということではなく、関わったメンバーそれぞれの視野が広がり、次の取り組みにつながる土壌ができたという意味でも、大きな価値があったと思います。\n藤田:私たちも同様で、ホテルのプロフェッショナルの方々とご一緒することで、“おもてなし”の考え方や現場の精度の高さを改めて学ぶことができました。特に印象的だったのは、単にプロジェクトを進めるだけでなく、互いの価値観や考え方を共有しながら進めていくプロセスそのものです。異なる業界だからこそ、自分たちだけでは気づけなかった視点に触れることができ、それがチームとしての成長にもつながったと感じています。\nこれからのパートナーシップのあり方\n\n―最後に、今回の取り組みを踏まえて、ホテルとパートナー企業の関係は今後どのように変わっていくと感じていますか。\n藤田:これからは単発の取り組みではなく、継続的に価値をつくり続けるパートナーシップが重要になると考えています。ブランド同士が価値観を共有し、長期的に体験をつくっていく関係です。\n峯:ホテル単体でできることには限界があります。だからこそ、外部のパートナーとともに体験価値をつくっていくことが、これからのホテルにはより求められていくのではないかと思います。\n\n \nEditor's Note\n\n今回の取材を通じて浮かび上がったのは、ホテルとパートナー企業の関係をどのように捉えるべきかという問いである。これまでの構造は明確だった。ホテルが商品を選び、メーカーやサプライヤーがそれを提供する。価値はプロダクト単体で評価されるものとされてきた。しかし、ホテルのあり方を捉え直してみると、その構造は必ずしも本質ではない。ホテルは単体で完結するものではなく、さまざまな要素が重なり合うことで、はじめて一つの体験として成立する。つまりその価値は、外部との関係の中で生まれる構造を持っている。にもかかわらず、その関係はこれまで「調達」や「仕入れ」という言葉で処理されてきた。そこに違和感がある。パートナー企業は単なる供給者ではなく、体験価値をともに設計する存在として捉え直す必要があるのではないか。今回のプロジェクトが示していたのは、その可能性である。印象的だったのは完成度以上に、そのプロセスだった。互いの価値観を持ち寄り、時にぶつかりながら最適解を探り続ける。その中で成立していたのが、「配慮はするが、遠慮はしない」という関係性である。ホテル×パートナー企業、ホテル×地域、ホテル×メディア。関係のつくり方そのものが、これからのホテルの価値を規定していく。共創とは、完成された状態ではない。関係の中で立ち上がり続けるプロセスそのものだ。\n",
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"title": "奈良発!AIを経営・運営に活用し、会社設立から2年で計22の宿泊施設を展開",
"content": "\n(株)コンフィーステイ代表取締役金児崇行氏\n個人事業から短期宿泊事業を開始\n「2011年5月に個人事業として、短期宿泊事業を始めました。その後14年に民泊事業を開始。いまの会社の形になったのは24年1月に会社を法人化してからです。『住むように暮らす』をコンセプトに掲げ、奈良市内を中心に無人ホテル・宿泊施設を開発・運営しています。現在は6名の社員に、清掃アルバイト社員の方を含めると約40名で宿泊施設を運営しています」と話すのは、金児崇行代表取締役。 同社は26年3月現在、奈良19施設・大阪3施設、計22施設を運営。7月15日にはさらに4施設増加予定。会社設立2期目(25年7月決算)の売上高は約2億2700万円を達成したという。\n「宿泊業をテック産業へ」\n 同社はいわゆる民泊事業を主軸としている。法人で民泊事業を始めている事例は増えているが、他社との違いはテクノロジーを活用していること。金児氏は、主な特徴として以下の七つを挙げた。\n\n無人・自動化オペレーション\nAIの全面活用\n自社予約システムの構築\nPMS・IoT連携\n自社NASサーバーによるデータ一元管理\n全施設10Gネットワーク整備\nデータドリブンな経営管理\n\n「生成AI分野の専門エンジニアを迎え入れ、そこから一気に当社のテクノロジーが進み、いまは弊社の社員として活躍しています。彼が入社したことで、当社はAIを経営・オペレーションの中核に据えることができ、飛躍的に成長できました」\nAIの全面活用とコロナ禍の教訓を活かした経営\n 金児氏の話を聞くなかで、1番のポイントを挙げるなら「AIの全面活用」だろう。「当社は約2年前よりAIを活用し、需要・競合・曜日・イベント情報をもとに宿泊単価をリアルタイムで最適化し、収益の最大化を図るダイナミックプライシングを実装しています。各OTAに蓄積されたゲストレビューをAIが自動で精査・分類し、自社サイトへ16言語で自動反映する仕組みの構築は直販予約の信頼性向上につながっています。加えて、清掃・備品補充データをもとに、リネン類をはじめとする消耗品の使用量をAIが自動集計・予測し、発注精度の向上と在庫ロスの削減を実現できました」と話す。 同社の大手民泊サイトにおけるレビューは高く、その結果、宿泊施設のADRは5万円以上。宿泊客は、欧米・アジア圏を中心としたインバウンド旅行者と、国内カップル・ファミリー層で、割合は50:50。「個人事業で民泊を運営していたときは、外国人が宿泊割合の約95%を占めていましたが、コロナ禍で大打撃を受けました。そのときから、国内客を意識的に取り込むようにしています。OTAへの依存度を低減するためにも、Next.js製の多言語対応自社サイトを開発・運用しています。16言語対応・SEO強化により直販比率を高め、OTA手数料の削減に貢献しています」 また、AIによる自動言語対応は日本滞在中に急病にかかった訪日客にも有効。ゲストの症状等を確認し、周辺の病院やクリニックを紹介する。「家族で海外旅行中に娘が体調を崩した際、娘自身がAI翻訳を活用して現地クリニックで治療を受けることができました。会話で症状を伝えるのが1番ですが、十分な語彙力がない場合は、AIがその言語力を補ってくれる段階にきています。AIを活用したホスピタリティが、これからの時代、より求められてくるかもしれませんね」 金児氏に現状の課題について聞くと、以下の三つを挙げた。その上で、課題解決に向けて取り組んでいることを述べた。課題1:OTA依存とコスト構造課題2:人材・オペレーションの安定化課題3:収益性と成長投資のバランス\n将来の夢は「奈良国際空港」の建設\n 最後に、今後の目標を聞くと「短期・中期目標としては、高付加価値宿泊施設の開業や1施設あたりの収益を高めることです。現在開発中のボヌールならまちは1泊7万円台(2名利用)を想定したデザイン特化型施設です。素材・空間設計にこだわることで、ラグジュアリー需要の取り組みを目指し、奈良の中心地における旗艦ブティックホテル開発を構想しています。国際的なデザインホテルブランドへの加盟も視野に、奈良観光の拠点となる旗艦施設を開業したいです」。 ただし、上記は会社経営者としてのビジョン。金児氏自身の夢は「奈良国際空港の建設」だという。それは金児氏が世界約40カ国を訪れ、国際空港の重要性を感じたことから。「わたしが生まれ育った奈良。1300年の歴史あるこの地に、世界中の旅行者を迎え入れるためにも国際空港を建設したいです。そのためにも、宿泊事業を通じて奈良の地域経済に貢献し、皆が空港建設を望むような状況になるよう励んでいきます」と締めくくった。\n■会社基本情報商号:株式会社コンフィーステイ設立:2024年1月4日代表:代表取締役 金児崇行所在:奈良県奈良市小川町5-2事業:宿泊施設の運営・管理(無人ホテル)施設:奈良19施設・大阪3施設、計22施設(26年3月現在)、7月15日にはさらに4施設増加予定https:\/\/comfystay.jp\n取材・文:長谷川 耕平",
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"title": "ウッドフォードリザーブ「The Wonderful Race 2026 JAPAN FINAL」開催── The Ritz-Carlton, Tokyo The Barの小島 卓氏が優勝、5月のアジアファイナルへ",
"content": "\nブラウンフォーマンジャパンは3月30日、同社本社オフィスで、プレミアム・バーボン「ウッドフォードリザーブ」が主催する若手バーテンダー向けカクテルコンペティション「The Wonderful Race 2026」の決勝ステージ「The Wonderful Race 2026 JAPAN FINAL」を開催した。大会には事前審査を通過した5人のファイナリストが出場し、「四季を楽しむオールドファッションド カクテル」をテーマに、ウッドフォードリザーブを使用したオリジナルカクテルを披露した。優勝はThe Ritz-Carlton, Tokyo The Bar(東京都)の小島 卓氏で、5月に中国で開催予定のアジアファイナル出場権を獲得した。\n大会は今回で第3回。司会進行では、2月末のセミファイナルオンライン審査を突破した5人が本選に進出したことに加え、優勝者にはアジア大会出場と米ケンタッキー州のウッドフォードリザーブVIP蒸留所ツアーが用意されていることも紹介された。審査は、ブランドの表現力、ストーリーテリングとコンセプト、創造性、味わい、見た目などの項目で行われ、味覚だけでなく、カクテルを通じていかにテーマを立ち上げたかが問われる構成となった。\n季節の移ろいを、記憶の断片から一杯に落とし込む\n\n写真:The Ritz-Carlton, Tokyo The Bar 小島 卓氏, 優勝作「Transition Fassinoned」\n 優勝作「Transition Fassinoned」は、幼少期に感じた夏から秋への移ろいを着想源とした一杯だ。白檀とシトラスをまとった燻製の煙、自家製ポルチーニビターズ、金木犀とローリエのコーディアル、アンバーシロップを重ね、時間の経過とともに味わいにグラデーションが生まれる構成が高く評価された。主催者は、ウッドフォードリザーブの新しい可能性を切り開く一杯だったとしている。\n 競技後の取材で小島氏は、四季の表現について「四季の素材をそれぞれ並べるのではなくて、切り取って表現した」と説明した。人がどのような瞬間に季節の移ろいを感じるのかを考え、記憶の中にある情景として組み立てたという。実演では、夏休みの終わりの花火の残り香や、その先に重なる秋の気配を語り、地元・中野の花火大会の記憶も交えながら、一杯の中に時間の流れを落とし込んだ。\n また小島氏は、プレゼンテーションをしながらメイキングを行う大会は初めてだったとし、動作と語りの間に無言の時間を作らないよう、進行の尺を調整する点に苦労したと振り返った。予選ではグラスに直接スモークしていたが、決勝では「夏休みの終わり」の始まりを印象づけるため、最初に煙を提示する構成へ変更し、時系列に沿って味と情景が伝わる見せ方を意識したという。受賞後には「信じられない」という驚きとともに、苦節を乗り越えバーテンダーを続けてきて良かったと語った。\n審査員は、ブランド表現と物語性の両立を評価\n 審査員からは、各作品がウッドフォードリザーブの個性を生かしながら、それぞれの経験や解釈を物語として落とし込んでいた点を評価する声が上がった。生田目龍生氏は、各バーテンダーが自身の個性を生かしつつ、ウッドフォードリザーブの特徴を最大限に引き出していたとコメント。石川麻子氏は、オールドファッションドはシンプルな構成でありながら解釈の自由度が高く、今回の作品には知識や体験に基づいた思いがレシピから伝わってきたと述べた。\n 小島真理子氏は、オールドファッションドは海外では広く飲まれている一方、日本ではまだ距離を感じる人もいるが、四季を重ねる今回のようなコンセプトを介することで、日本の飲み手にも身近なカクテルとして受け取られる可能性があると話した。ステファン・モリゼ氏も、日々の営業の中で時間を割いて参加したファイナリストたちの作品は水準が高く、こうした場を継続して設けること自体がバーテンダーの成長を後押しする機会になるとの認識を示した。\n入賞者それぞれが異なるアプローチで“オールドファッションド”を再解釈\n\n写真:The SG Club Wang Sheng氏, 受賞作「In a Wooden Mood」\n 2位には、The SG Club(東京都)のWang Sheng氏が入賞した。受賞作「In a Wooden Mood」は、ジャズスタンダード「In a Sentimental Mood」から着想を得た一杯で、「四季の木」をテーマに据えた構成が特徴だ。黒文字スプレーが日本の森を思わせる木の香りを立ち上げ、無花果の葉の青みとミルキーさ、金木犀シロップの甘み、フィノシェリーのドライネスが層をなし、氷が溶けるにつれて香気が変容していく飲用体験そのものを作品にした。中国・上海出身のWang氏は、カクテルを文化の媒体として表現することを信条としており、受賞後には、今回の経験を通じて、今後もウッドフォードリザーブでさらに面白いカクテルを作っていきたいと語った。\n\n写真:茶寧庭 濱 真太氏, 受賞作「Shikimeguri Old Fashioned」\n 3位は、茶寧庭(石川県)の濱 真太氏が獲得した。受賞作「Shikimeguri Old Fashioned」は、日本の四季を「茶の所作」で紡ぐオールドファッションドで、練り抹茶と煎茶コーディアルで春夏の清々しさを、オレンジピール&カルダモンのティンクチャーとバニラ・チョコレートビターズで秋冬の温かみと深みを表現した。茶筅を用いた所作や金箔、畳コースターも体験に組み込み、味覚だけでなく視覚や所作も含めて一杯を成立させた。石川県金沢市・ひがし茶屋街でバーを営む濱氏は、地元の茶や果実を生かしたカクテルを手がけており、能登半島地震後には復興チャリティーイベントにも参加。受賞後には、この舞台で得た経験を今後の日々の営業にもつなげていきたいと述べた。\n\nStarbucks Reserve Roastery Tokyo ARRIVIAMO™ Bar 田辺 友美氏, 「Harvest Fashioned」\n また、惜しくも入賞には届かなかった2人のファイナリストも、それぞれ異なるアプローチでテーマに向き合った。Starbucks Reserve Roastery Tokyo ARRIVIAMO™ Bar(東京都)の田辺 友美氏は、「Harvest Fashioned」を披露。日本の四季の多彩さを、りんごが1年をかけて実る過程になぞらえた一杯で、冬の剪定、春の受粉、夏の手入れ、秋の実りという生産者の営みを、ウッドフォードリザーブのものづくりと重ね合わせた。農大生時代にりんご農家で研修した経験を出発点に、青森県産りんごジュースを使った自家製アップルハニーや、自社で販売するアップルサイダーをイメージしたブレンドティー由来の自家製アップルサイダーベルモットを組み合わせ、さらにエチオピア産コーヒーをエアロプレスでまとわせることで、春の花、夏の果実、秋の重厚なアロマ、冬の澄んだ余韻を一杯に重ねた。最後には、りんご飴をイメージしたガーニッシュとミントを添え、実りへ向かう時間の流れと、努力の先に一杯を届けるバーテンダー自身の姿も投影した。\n\nWaldorf Astoria Osaka, Peacock Alley 松本 拓弥氏, 「Charred Orchard」\n 一方、Waldorf Astoria Osaka, Peacock Alley(大阪府)の松本 拓弥氏が発表した「Charred Orchard」は、果樹園を1年かけて歩き、冬にたどり着く物語として四季を描いた作品だ。春はラズベリーとアップルスキンを組み合わせたシュラブ、夏はホップビターズ、秋はウッドフォードリザーブが持つアプリコットやりんご、洋梨、メイプルのニュアンス、冬はメイプルシロップのリダクションで表現した。松本氏は、初めてウッドフォードリザーブを飲んだ時に感じた「華やかでフルーティー」でありながら、焦がした樽由来の力強さも併せ持つ印象を出発点に、その二面性を果樹園の情景へと置き換えたと説明。質疑では、段階的に味が現れるというより、四季すべてが一つの調和へとまとまった味わいとして着地させたかったと語っている。\n 今回の決勝では、3位に国内ゲストシフト、2位にアジア圏でのゲストシフト、1位に中国でのアジア大会出場権と米国でのVIP蒸留所ツアーが贈られた。単なる順位付けにとどまらず、次の舞台へつながる機会を設けている点も、このコンペティションの特徴といえる。\n国内決勝を経て、次はアジアの舞台へ\n 今回の決勝で改めて浮かび上がったのは、同じ「四季を楽しむオールドファッションド」というテーマでも、素材の選び方、香りの立ち上げ方、物語の組み立て方によって表現が大きく広がるということだ。主催者側は、本大会を若手バーテンダーに活躍の場を提供し、その技術と創造性を発信する機会と位置付けている。国内決勝を勝ち抜いた小島氏は、アジア大会に向けて、参加したバーテンダーたちの思いも背負いながら胸を張れる仕事をしたいと意気込みを示した。日本代表として次の舞台でどのような表現を見せるのか、5月の中国大会に注目が集まる。\nウッドフォードリザーブ「The Wonderful Race 2026 JAPAN FINAL」:公式ホームページブラウンフォーマンジャパン:公式ホームページーーー取材・文:オータパブリケイションズ 松島Mail:matsushima@ohtapub.co.jp",
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"title": "アジア・パシフィックの視点から読み解く アコーの多層ブランド戦略と日本という市場【後編】",
"content": "\n4|ホテルの先へ――アコー・ワン・リビングという構想\n宿泊と居住の境界が曖昧になりつつあるなかで、アコーが打ち出しているのが「アコー・ワン・リビング」という考え方だ。この分野をアジア・パシフィックで開発を統括するラクラン・デ・モートン氏は、次のように語る。「人々はもはや、泊まる場所としてだけブランドを選んでいるわけではありません。住む、長期滞在する、仕事と余暇を行き来する。そのすべての時間軸の中で、ブランドとどのような関係を築けるのかが問われています。アコー・ワン・リビングは、新しい商品をつくるというよりも、そうした関係性を一貫して設計していくための考え方なのです」「泊まる」「住む」という二項対立では捉えきれない滞在のあり方が、都市部を中心に広がっている。品質志向と居住性への期待が同時に存在する日本市場は、この考え方が具体的な形を取り得る数少ない舞台でもある。\n5|日本市場という「実装の現場」\nこうしたグローバル戦略を、日本という成熟市場で具体的に形にしているのが、日本法人を率いるディーン・ダニエルズ氏である。2024年1月に実施された22施設・約6,400室の一斉リブランドは、日本市場におけるアコーの存在感を大きく押し上げた。とりわけ、大和リゾートからグランドメルキュール、メルキュールへの大規模な転換は、国内ホテル市場においても前例の少ない取り組みとして注目を集めた。「日本市場で重要なのはTranslation(翻訳・変換)と人材です。グローバルブランドを、そのまま持ち込んでも成功しません。日本の文化やサービス観を理解したうえで、ブランドの価値をどう翻訳・変換するか。そして、その翻訳・変換を現場で体現できる人材をどう育てていくか。この二つが、日本市場で持続的に成長していくためには欠かせないと考えています」ここで語られている「Translation (翻訳・変換)」は、単なるローカライズではない。ブランドの思想や設計意図を理解したうえで、日本の文化、地域性、運営慣習に置き換え、現場で機能する形へと再構築する。その一連のプロセス全体を含んだ言葉として使われている点が印象的だ。今回の一斉リブランドにおいても、単に名称や内装を切り替えるのではなく、温泉や大浴場、食体験、地域との関係性といった日本独自の要素を、グローバルブランドの世界観の中にどう組み込むかが重視された。量的なインパクトの大きさ以上に、日本市場でブランドを「成立させる」ための実装力が問われたプロジェクトだったと言える。\n\n2026年の国内展望について永澤 伸介氏コメント\n「本年5月には、東急ステイとのダブルブランドとなる『東急ステイ・メルキュール広島』の開業を予定しています。国内で長年培われてきた東急ステイの運営ノウハウと、アコーが持つグローバルブランドとしてのネットワークやシステム、ロイヤルティ基盤を掛け合わせることで、日本市場ならではの協業モデルを具体化できると考えています。日本にはすでに成熟した国内ブランドが数多く存在しており、それぞれが地域や顧客との関係性を築いています。私たちは、それらを一方的に置き換えるのではなく、尊重しながらグローバルブランドの知見を重ね、新しい価値を共創していくアプローチを重視しています。今回のプロジェクトは、その象徴的な事例の一つになると捉えています」そのうえで永澤氏は、日本におけるブランド展開の広がりについて次のように続ける。「現在、日本ではグランドメルキュール、メルキュール、イビスといったミッドスケールから、スイスホテル、プルマン、フェアモントといったプレミアム・ラグジュアリー領域まで、多様なブランドポートフォリオが展開されています。今後も、プルマン東京銀座(2027年予定)、ラッフルズ東京(2029年予定)など、中長期を見据えた開業計画が控えており、日本市場は量的拡大のフェーズから、ブランドの質と完成度を高める段階へ移行しつつあると見ています」量より質、スピードより持続性。そうした条件が厳しく突きつけられる日本市場は、アコーにとって単なる重要市場ではなく、グローバル戦略の完成度が試される「実装の場」となっている。\nEditor's Note\n\n6名への取材を通じて浮かび上がったのは、日本市場がアコーにとって単なる展開先ではなく、戦略そのものを検証する「試金石」であるという事実だ。アコーの多層ブランド戦略は、しばしば「ブランド数の多さ」として語られる。しかし実際には、その本質は数ではなく「配置」にある。都市の成熟度、需要構造、投資環境、さらにはオーナーの意思までを含めて市場を分解し、その中でブランドの役割を定義する。この思考は、単一の成功モデルを横展開する従来のチェーン戦略とは一線を画している。同時に興味深いのは、アコーが標準化と非標準化という相反する要素を、意図的に併存させている点だ。エニスモアに象徴されるように、ライフスタイル領域においてはむしろ標準化を避け、ブランドの個性や文化を守るための距離を保つ。一方で、ミッドスケールやエコノミー領域では、運営効率と再現性を前提とした標準化を進める。この両極を同時に成立させる構造こそが、アコーの戦略の特徴である。\nそして、日本市場において鍵となるのが「Translation(翻訳)」という考え方だ。これは単なるローカライズではない。ブランドの思想や設計意図を理解したうえで、日本の文化や運営の文脈に置き換え、現場で機能する形へと再構築するプロセス全体を指している。今回の大規模リブランドにおいても、この翻訳の精度が、ブランドを「導入する」から「成立させる」へと転換する決定的な転換点となった。多層ブランド、ライフスタイル、居住、そして翻訳と人材。これらは個別の戦略ではなく、「ブランドとは何か」「ホテルはどのように社会と関係を築くのか」という問いへと集約されていく。成熟市場である日本は、その問いに最も厳しく向き合う場であり、同時にその答えを具体化していく場所でもある。\nアコーの戦略は、日本において実装されることで、その意味と精度を試されている。\n\n\n\nプロフィール\n\nラクラン・デ・モートン氏アコー・ワン・リビング アジア・パシフィックの開発責任者。ホテル、サービスアパートメント、ブランデッドレジデンスを横断する新たな居住・滞在モデルを統括。複合開発分野で豊富な経験を持つ。\n\n\nプロフィール\n\nディーン・ダニエルズ氏アコー日本法人 代表取締役社長。日本市場におけるブランド展開、リブランド戦略、人材育成を指揮。2024年の大規模リブランドを主導し、日本市場の次なる成長フェーズを牽引している。\n\n永澤 伸介氏アコー 日本国内の開発責任者。国内のラグジュアリーからエコノミーまで、ライフスタイル、ブラデッドレジデンスの開発を担当する。\n\nアジア・パシフィックの視点から読み解く アコーの多層ブランド戦略と日本という市場 前編",
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"title": "アジア・パシフィックの視点から読み解く アコーの多層ブランド戦略と日本という市場【前編】",
"content": "\n1|アジア開発最高責任者が語る、アコー全体の構想\n アコーの成長戦略を読み解く起点となるのが、ブランドを「どう増やすか」ではなく、「どう配置するか」という考え方だ。世界各地でホテル開発が進むなか、ブランド数の拡大そのものが目的化してしまうケースも少なくない。しかしアコーは、早い段階から多層ブランド構造を戦略の軸に据え、それぞれのブランドに明確な役割を与えてきた。現在、アコーが展開するホテルブランドは50を超えるが、その広がりは量の追求というより、配置を前提とした結果として形づくられてきたものと言える。その全体像をアジア・パシフィックの視点から語るのが、プレミアム、ミッドスケール、エコノミー部門の開発を統括するアンドリュー・ラングドン氏である。「重要なのはブランドの数ではありません。それぞれのブランドが、その市場の中でどんな役割を果たすのか、その意味を明確にすることです。私たちは価格帯でブランドを並べたいわけでも、すべての都市に同じブランドを当てはめたいわけでもありません。都市の成熟度、観光とビジネスのバランス、立地条件、投資環境、人材市場、さらにはオーナーの考え方まで含めて、その市場にとって“いま本当に必要なブランドは何か”を考え、その結果としてブランドが決まっていくのです」話の中心にあるのは、ブランドそのものよりも都市の読み方だ。市場を一括りにせず、条件を分解し、その組み合わせのなかでブランドの役割を考える。そこには、単一の成功モデルを横展開するという発想はない。アジア・パシフィックという多様性と変化のスピードが同時に存在する地域において、この「配置の思考」は、開発を前に進めるための現実的な態度とも言える。\n\n2|ラグジュアリー:ヘリテージを未来につなぐ\nラグジュアリー領域におけるアコーの特徴は、その幅の広さにある。ラッフルズ、フェアモント、ソフィテルといった長い歴史を持つヘリテージブランドに加え、Mギャラリー、エンブレム・コレクションといった編集型のブランドを同一カテゴリーに内包している点は、他のグローバルチェーンと比べてもユニークだ。この領域をアジアで統括するロール・モルヴァン氏は、日本市場について次のように語る。「日本は、ラグジュアリーの“本質”が最も厳しく問われる市場だと感じています。単に高価格であることや、豪華な設備があることだけでは評価されません。ブランドがどのような背景を持ち、どんな哲学のもとでつくられているのか。空間、サービス、スタッフの立ち居振る舞いまで含めて、一貫した考え方があるかどうかを、ゲストは非常に敏感に感じ取っています」日本では、ラグジュアリーという言葉が意味する範囲が広い。格式や伝統を重んじる価値観と同時に、空間や体験の編集力、物語の伝え方も問われる。ヘリテージと編集型という異なるアプローチを同時に展開しているアコーの構造は、日本市場の感性の幅と向き合うための、ひとつの答えとも受け取れる。\n3|ライフスタイルという別軸――エニスモアとは何者か\nアコーのブランド戦略を語るうえで、近年欠かせない存在となっているのが、ライフスタイル領域を担う独立組織エニスモアである。モンドリアン、デルアノ、ザ・ホクストン、25アワーズ、SO\/、など、いずれも強い個性とカルチャーを持つブランドが名を連ねる。ヒューゴ・ウィートマン氏は、エニスモアのあり方について次のように語る。「エニスモアは、効率や標準化のために存在する組織ではありません。むしろその逆で、ブランドが本来持っている文化や個性、自由度を守るための枠組みです。私たちは、ブランドを一つのフォーマットに押し込めることを良しとせず、それぞれのブランドが、その街やコミュニティとどのような関係を築くのかを最優先に考えています」 \n\nここで語られているのは、成長スピードよりも時間の使い方だ。拡大を急げば、カルチャーは薄まる。そのリスクを前提に、あえて距離を保つ。アコーがエニスモアを既存のブランド管理フレームに組み込まず、特別な枠組みとして扱っている理由は、ライフスタイルという領域を単なる成長エンジンとして消費しないためでもある。【後編につづく】\n\nプロフィール\n\nアンドリュー・ラングドン氏アコー アジアのプレミアム、ミッドスケール、エコノミー領域の開発最高責任者(Chief Development Officer Asia)。2019年にアコー参画。アジア地域におけるプレミアム、ミッドスケール、エコノミー領域の開発を統括。モーベンピック・ホテルズ&リゾーツではグローバル開発責任者を務め、同社の成長を牽引した。\n\n\nプロフィール\n\nロール・モルヴァン氏アコー ラグジュアリーブランド アジア開発最高責任者(Chief Development Officer Asia)。ラッフルズ、フェアモント、ソフィテル、Mギャラリー、エンブレム・コレクションなどを管掌。ヘリテージと編集型を横断したラグジュアリー戦略を担う。\n\n\nプロフィール\n\nヒューゴ・ウィートマン氏エニスモア ビジネスデベロップメント ディレクター。モンドリアン、ザ・ホクストン、25アワーズなどのライフスタイルブランド開発をアジアで統括。ブランドの自律性を重視した成長モデルを推進。\n\nアジア・パシフィックの視点から読み解く アコーの多層ブランド戦略と日本という市場 後編",
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"title": "星のや東京が「鮨」を選んだ理由 ──湯上がりで完結する日本旅館の食体験",
"content": "\n 星のや東京が昨年館内に開いた「鮨 大手門」は、都心の日本旅館という舞台で江戸前の粋と地方の鮨文化を束ねる。湯上がりに裸足、館内着のままカウンターに座り、酒肴から握りへと進む構成が特徴だ。外部名店の予約難を越え、滞在の食を館内で完結させる狙いは何か。池上総支配人に、立ち上げの手応えと十年先の旅館像を聞いた。職人技と旅館サービスをどう融合し、凛とした空気と気楽さを両立させるのかにも迫る。現場の言葉で追う。\n王道の鮨で、需要を館内価値に変える\n\n\n――星のや東京はこれまで「Nipponキュイジーヌ」で高い評価を得てきました。今回、あえて王道の「鮨」を選択された最大の狙いはどこにありますか?\n 一番は、ゲストの明確なニーズです。フロントに寄せられるレストラン手配のご要望の中で、鮨が圧倒的に多い。ただ、東京の名店は予約が取りづらく、たとえ手配できても直前キャンセルなど運用上の難しさが残ります。滞在の満足度を食で左右される以上、「外にある名店」に左右されない体験を館内に持ちたいと考えました。 もう一つは、連泊のお客さまに向けた食の選択肢です。メインダイニングで旅館ならではの料理を楽しんでいただいたあと、別の夜に東京らしい王道を求める方は多い。そこで鮨を館内に用意できれば、移動や服装の準備といった負担を減らしつつ、食体験の幅を広げられます。鮨を足すことで、星のや東京の滞在価値全体を底上げする。そんな位置づけです。 店はカウンター八席、17時30分と20時の二回転という小さな設計です。料金はおまかせのみで1名36,300円(税・サービス料込)。席数を増やして量で取りに行くのではなく、滞在の中核体験として丁寧に磨き込むためのサイズ感にしました。\n職人のこだわりを、サービスが翻訳する\n\n\n――鮨職人と旅館のサービススタッフ。異なる文化を持つプロフェッショナルを、一つの「星のや」というチームとしてどう融合させていくのでしょうか。\n 鮨は、言葉がなくても成立するほど完成された文化です。一方で星のや東京が目指すのは、きちんと伝える鮨です。産地や旬、仕事の意味、食べ方のポイントまで、伝えてこそ日本文化としての体験価値が立ち上がると考えています。 そこで鍵になるのが、サービスによる通訳・翻訳です。職人が当たり前に使う専門用語や微妙なニュアンスを、ゲストの背景に合わせた言葉に置き換える。英語対応も含めて、料理とサービスのコミュニケーションは必須です。そっけない鮨屋が多いと言われる中で、丁寧に伝えること自体が差別化になります。 料理は握りが主役ですが、日本料理の技術を生かした酒肴にも力を入れています。握りに入る前に、だしや火入れ、季節の移ろいを感じられる一皿を重ねることで、日本料理としての導入をつくる。結果として、開業から一年目でも高い満足度につながっている手応えがあります。 来店の7〜8割は外国籍ゲストです。だからこそ「おいしい」で終わらせず、文化としての意味を持ち帰っていただく必要があります。職人の言葉をそのまま訳すのではなく、相手の国の食体験に引き寄せて説明する。これを属人化させないため、言い回しや用語の共有、当日のストーリーをチームで蓄積していくことが、運営の骨格になります。\n凛とした空気と、湯上がりの気楽さを両立する所作\n\n\n――高級鮨店には一定の緊張感が伴うものですが、「湯上がりの寛ぎ」と「鮨屋の凛とした空気」を両立させるために、現場のスタッフに求めている振る舞いとは? 緊張感は、押しつけるものではなく、自然に生まれるものだと思っています。職人の佇まい、カウンター越しの所作、言葉の選び方。こうした積み重ねで、場の凛はつくられます。 一方で星のや東京は旅館です。温泉に入って、お化粧を落とし、館内着で、裸足で行ける。ここにホテルや街場の鮨店にはない気楽さがあります。だからこそスタッフには「丁寧だが身構えさせない」振る舞いを求めています。たとえば最初の一声は、形式的な説明ではなく、その日の流れをやさしく案内する。ゲストが緊張していると感じたら、会話の温度を少し上げ、文化背景が異なる方には「なぜそうするか」を補足する。凛とした空間を守りながら、距離を詰めすぎず、離れすぎない。難しいですが、旅館のサービスが得意とする領域です。 湯上がりの導線は、単に楽というだけでなく、滞在の物語をつなげます。「風呂→一杯→鮨→就寝」という流れが成立すると、食が点ではなく線になり、旅館体験として記憶に残ります。\n若手に必要なのはマルチタスクをベースにした提案力\n\n\n――若い世代のホテルパーソンにとって、こうした新しい挑戦はどのような刺激になるとお考えですか?\n 日本旅館の仕事は、実は学びの密度が高い。星のや東京は「塔の日本旅館」として各階にお茶の間ラウンジがあり、フロア当たりの客室数も限られています。だからこそ、お一人おひとりに手が届く接客ができる半面、待っているだけでは価値が伝わりません。滞在体験をこちらから提案して初めて、旅館の魅力が立ち上がります。 鮨 大手門は、その提案力を鍛える格好の教材です。江戸東京文化、日本料理、鮨の技法と歴史。学ぶ対象が多いぶん、スタッフは自然と「言語化」を求められる。マルチタスクをこなすこと自体が目的ではなく、学んだことを目の前のゲストに合わせて提案する力へ変えることが重要です。若手にとっては、自分の言葉で日本文化を語れるようになる機会になりますし、それはどの現場でも通用する武器になります。\n未来の日本旅館は、食で総合体験を完成させる\n\n\n\n\n――池上総支配人が考える「未来の日本旅館」において、食体験が果たすべき役割についてお聞かせください。\n星のや東京 総支配人 池上 真敬氏\n 旅館とは、日本文化の総合体験ができる場所です。温泉、お茶の間、室礼、もてなし、そして食。ここが分断されると、旅館の価値は薄まってしまう。いまは泊食分離が進み、外食に出ること自体は悪いことではありません。ただ、星のや東京としては、滞在のどこかで「館内で食を体験していただく」ことが、旅館の理解につながると考えています。 立ち上げ期はいまのように外来も一部受け入れ、コメントや評価を蓄積しながら、価値の伝え方を磨く段階です。ただし稼働が安定すれば、宿泊者の体験を優先する設計へ戻していく。旅館の私的な時間を守るために、どの時点で切り替えるかを含め、運営としての判断軸を明確にしていきます。 十年の展望で言えば、星のや東京が高級ホテルとしてではなく日本旅館として認知されることが重要です。そのために、チェックイン時のオリエンテーションから提案の仕方を磨きます。温泉に入っていただく、各階のお茶の間ラウンジで季節を感じていただく、その流れの中で鮨も位置づける。体験をきちんと味わってもらうための見せ方と提案を、運営として標準化していきたい。 鮨は世界的に強い言語です。だからこそ王道を選び、旅館体験の中に置いた。鮨は、星のや東京が次の十年に向けて、食を通じて旅館の価値を再提示するための一手だと思っています。\n星のや東京東京都千代田区大手町一丁目9番1https:\/\/hoshinoresorts.com\/ja\/hotels\/hoshinoyatokyo\/ 聞き手・構成・文 本誌:義田真平",
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"title": "ヒルトン料飲コンテスト「F\u0026Bマスターズ 2026」【料理部門優勝】インタビュー:ウォルドーフ・アストリア大阪 金子大輔氏",
"content": "「海と春」で魅せた一皿、優勝を支えた技術と創造性\n 優勝者発表後、ウォルドーフ・アストリア大阪 金子大輔氏への個別取材の機会を得ることができた。金子大輔氏は、ウォルドーフ・アストリア大阪のオールデイダイニング『Jolie Brasserie』でシェフ・ド・パルティを担当。今回のコンテストにおいて、「海と春」をテーマとして日本の四季の移ろいを表現した。舞台となる広島県と、自身が所属するウォルドーフ・アストリア大阪(大阪府)、そしてウォルドーフ・アストリアの起源であるニューヨーク、その要素を見事に融合させながら、季節の移ろいを食材・味・盛り付けで表現しつつ、ヒルトンの掲げる「サステナビリティ」の概念をも取り入れた食のストーリーを披露した。メインの桜鯛は浅い器で盛り付けることで、春に産卵期を迎え、浅瀬へと泳ぐ真鯛を想起させる情景を設計。決勝大会期間ははからずも「立春」(2026年2月4日)にあたり、いよいよ訪れる春の喜びを感じられる一皿となった。\n前菜「“予感” ムール貝とヴィシソワーズ」\nメイン「“芽吹き” 桜鯛とそのスープ」\n 決勝では、競技当日まで「ブラックボックス」となっている各地区を代表する5つの食材の中から1つを選び、メニューに取り入れることが競技条件として参加者に課されている。使用食材は当日発表となるため、参加者には即時の判断力と応用力が試される。競技時間は2時間30分。限られた時間内で食材の選定からメニュー構成、調理、仕上げ、プレゼンテーションまでを一貫して行う実践形式で実施されることから、味や完成度だけでなく、テーマ性、独創性、オペレーションまで総合的に審査対象となる点も大きな特徴だ。\n そうした条件下において「飛びぬけていた」という審査員からの絶賛の声が聞かれたのも、業務や日常の中で磨き上げてきた技術力や創造力の結果だと感じられた。「次はこの経験を後輩に伝え、チーム全体でクオリティを維持・向上させたい」と意気込む金子氏。今後の氏の活動にも注目したい。\n決勝大会終了後、快く取材を受けてくださった金子大輔氏\nゲスト体験を高める「人材」の力を向上\n ヒルトンでは、F\u0026amp;Bをゲストロイヤルティ向上の重要要素と位置づけている。F\u0026amp;B マスターズは、現場で培われたスキルを「コンテスト」という形で可視化し、優秀人材のモチベーション向上と横断的なナレッジ共有を促進する仕組みとして機能している。 過去10年で「F\u0026amp;Bマスターズ」への参加者数は2倍以上に増加し、地区全体で料飲人材の育成投資が進んでいることを示している。ヒルトンは2025年、Great Place To Workと米フォーチュン誌による「働きがいのある会社」ランキングで第1位に選出された企業として、世界中の50万人のチームメンバーにとってベストな企業文化を築くことを目指している。ホテルF\u0026amp;Bが体験価値の差別化要素として再評価される中、編集部としても引き続き注目していきたい。\nヒルトン「F\u0026amp;Bマスターズ 2026」日本・韓国・ミクロネシア地区決勝大会開催詳細\n決勝大会参加ホテル:32(日本28 \/ 韓国3\/ ミクロネシア1)【日本】ヒルトンニセコビレッジ\/コンラッド東京\/ヒルトン東京\/ヒルトン東京お台場\/ダブルツリーbyヒルトン東京有明\/ヒルトン東京ベイ\/ヒルトン成田\/ヒルトン小田原リゾート\u0026amp;スパ\/ヒルトン横浜\/旧軽井沢KIKYOキュリオ・コレクションbyヒルトン\/ヒルトン名古屋\/ダブルツリーbyヒルトン富山\/ROKU KYOTO, LXR Hotels \u0026amp; Resorts\/ヒルトン京都\/ダブルツリーbyヒルトン京都駅\/ヒルトン・ガーデン・イン京都四条烏丸\/ウォルドーフ・アストリア大阪\/コンラッド大阪\/キャノピーbyヒルトン大阪梅田\/ヒルトン大阪\/ダブルツリーbyヒルトン大阪城\/ヒルトン広島\/ヒルトン福岡シーホーク\/ヒルトン長崎 \/ダブルツリーbyヒルトン那覇首里城\/ヒルトン沖縄北谷リゾートとダブルツリーbyヒルトン沖縄北谷リゾートの合同チーム\/ヒルトン沖縄瀬底リゾート\/ヒルトン沖縄宮古島リゾート【韓国】コンラッド・ソウル\/ダブルツリーby ヒルトン・ソウル・パンギョ\/ヒルトン・ガーデン・イン・ソウル江南【ミクロネシア】ヒルトン グアム リゾート\u0026amp;スパ\n日時:2026年2月3日(火)~5日(木)場所:ヒルトン広島6部門競技会 料理部門:調理~審査 参加人数:30名 菓子部門:調理~審査 参加人数:24名 ソムリエ部門:筆記試験~実技 参加人数:16名 バー部門:筆記試験~実技 参加人数:24名 バリスタ部門:筆記試験~実技 参加人数:24名 フォト部門:審査 参加人数:17名\n前編:【10周年】ヒルトン料飲コンテスト「F\u0026amp;Bマスターズ 2026」日本・韓国・ミクロネシア地区決勝大会をヒルトン広島にて開催!",
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"tags": ["public-service","インタビュー","ホテル・レストラン","レポート","食"],
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"url": "\/en\/blogs\/interview\/26022402",
"image": "//hoteres.com/cdn/shop/articles/260327_shibuya_online17index_cd5f0d73-df41-4dfc-87d4-7eca635e5203.jpg?v=1776004252&width=600" ,
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"title": "ラディソン ホテル グループ、日本市場に注力",
"content": "\n 世界展開するラディソン ホテル グループは、日本市場における開発戦略の強化を打ち出した。国内での開発活動を本格化させる体制を整え、日本開発統括の岩井 州王氏が東京を拠点に陣頭指揮を執る。日本市場への考え方と展望を聞いた。\nオーナーを納得させるラディソンの強み\n――オーナー企業から見た投資価値は\n 当社はEMEAおよびアジア太平洋地域を中心に、世界100か国以上で1,600軒超のホテルを運営・開発しています。10のブランドを展開し、ブランドプロミスは「Every Moment Matters」、サービス哲学として「Yes I Can!」を掲げています。 オーナーへのメッセージは明確です。グローバル標準と開発・運営プラットフォームを備えつつ、実務的でパートナー起点の姿勢を持ち、業績向上と資産価値の維持を長期視点で支えること。業績、透明性、迅速な意思決定、そして契約後も継続して関与する体制が重要だと考えています。 当社では顧客を「宿泊客」と「オーナー」の二つと捉えます。日本では特に、初期段階から現実的な事業性評価を行ない、開業後まで一貫して支援する「規律」と「信頼性」を重視します。\n日本市場への期待と注力方針\n――日本市場への取り組みは\n 日本は成熟したホスピタリティ市場で、宿泊客の期待水準が高く、オーナーも長期的な信頼性を重んじます。堅調な国内需要とインバウンド成長が併存し、大きな可能性がある市場です。関係性構築と細部への配慮が重要な日本において、東京に拠点を設け、私自身も常駐しています。パートナーの近くで機会を見極め、商業合理性のあるパイプラインを長期的に築いていきます。\n――日本開発統括としてのミッションは\n 日本における開発戦略を主導し、適切なオーナーと持続可能なパイプラインを構築することです。案件ごとに最適なブランドと運営モデルを選定し、初期検討から契約、実行まで規律を持って推進します。手続きや期待値を明確にし、各段階でオペレーターが関与する体制を整えたいと考えています。\nラディソンが想定する顧客層とセグメント\n――日本で支持されるブランドは\n 日本では立地とブランドの適合が不可欠です。当社はラグジュアリーライフスタイルからミッドスケールまで、幅広いセグメントに対応できる点が強みです。アフィリエーションなど柔軟な選択肢も用意しています。案件にブランドを当てはめるのではなく、立地、ターゲットカスタマー、競合、建築上の制約、投資方針を踏まえ、最適なポジショニングを選びます。\n――コスト上昇や高い運営期待への対応は\n 出発点は初期段階からの規律です。現実的な事業性評価、明確なコンセプト、効率的な運営設計が不可欠です。高い基準を強みとしつつ、宿泊客の満足と事業性の両立を図ります。\nこれからの展望と協業の方向性\n 日本を重要市場と捉え、日本に拠点を置き、長期視点で協業できる国際的なホテルパートナーを求めるオーナーと対話していきたいです。参入にあたっては、現地関与、柔軟なブランド展開、オーナー起点の姿勢を基盤に、業績と実行を重視します。ブランド名だけでなく、2,500万人超のRadisson Rewards会員基盤、直接販売を含むデジタル基盤、人材育成を支えるRadisson Academyなど、実務面の支援も提供します。日本の基準にかなうホテルを実現し、長期的価値を生み出すことが目標です。\n【岩井 州王氏 プロフィール】\n写真:岩井 州王氏\n 日本開発統括(Head of Development, Japan)。公認会計士。ホテル開発、不動産投資、コーポレートファイナンス分野で25年以上の経験を持つ。直近はAnoma Hospitality Groupで開発・企画担当副社長を務め、複数のホテル開発プロジェクトを推進するとともに、主要グローバルブランドとのフランチャイズ契約を実行。これまでにシャングリ・ラ、ハイアット、イシンホテルズグループ、Lone Star Groupなどで要職を歴任。アンダーライティングやストラクチャリングに携わりつつ、関係性を重視した開発推進を行う\n【ラディソン ホテル グループ 概要】\n 欧州・中東・アフリカ(EMEA)およびアジア太平洋地域を中心に事業を展開する国際ホテルグループ。世界100か国以上で運営中および開発中のホテルを計1,600軒以上展開し、ラディソンホテルズの傘下で10ブランドを擁する。ブランドプロミスは「Every Moment Matters」。サービスの考え方として「Yes I Can!」を掲げる。\n",
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"title": "インバウンドの旅行動向の変化にロックオン!東京タワーと富士山ビューというSNS映えを強みに高層階の料飲・客室を大規模リニューアル【PR】",
"content": "Sky Bar \u0026amp; Dining Stellar Gardenのバーラウンジ\n2025年に開業20周年を迎えた東京都港区のザ・プリンス パークタワー東京。5月から始めた高層階の改装が10月に完了し、33階の「Sky Bar \u0026amp; Dining Stellar Garden(スカイバー&ダイニング ステラガーデン)」と「Private Dining Brise Verte(プライベートダイニング ブリーズヴェール)」、スカイバンケット、32階のスイートルームとプレミアムクラブラウンジをリニューアルオープンした。改装内容の詳細とリニューアルの狙いについて同ホテル総支配人の神田 泰寿氏に聞く。\nインバウンド需要の増加と新しい訪日目的に着目\nザ・プリンス パークタワー東京は2005年に東京プリンスホテル パークタワーとして開業。2007年よりプリンスホテルのフラッグシップブランドを冠して営業を続けている。開業20周年となった2025年には高層階のリニューアルを実施。最上階の33階ではSky Bar \u0026amp; Dining Stellar Garden(以下、ステラガーデンと略)、Private Dining Brise Verte(以下、ブリーズヴェールと略)、スカイバンケットを、32階はスイートルームとプレミアムクラブラウンジを改装した。今回の取り組みはインバウンド需要の急増を背景に、ホテルの強みを最大限に訴求することを念頭に置いたと総支配人の神田 泰寿氏は話す。\n総支配人 神田 泰寿氏\n「東京のシンボルの一つである東京タワーを至近で見られる唯一無二のロケーションを有しているのが当ホテルの強みです。この絶景体験が叶う新たな東京の特等席をホテルのコンセプトにしております。その特等席を今回リニューアルしました。その背景には訪日外国人需要が急速に伸びていることがあります。2024年度は宿泊の外国人比率は約65%、最上階のステラガーデンも直近の外国人比率は70%を超え、海外ゲストを中心に連日入場待ちが続いています。SNS、口コミなど東京で必ず訪れるべき絶景バーとして紹介されていることも後押ししているようです」。リニューアルではインバウンドが日本へ来る目的の変化にも注目。「訪日外国人の三大訪日目的として、一つは富士山や京都などの観光名所を「訪問する」こと、二つ目は寿司、天ぷら、鉄板焼きなど日本食を「食べる」こと、三つ目は銀座、渋谷などで「買い物をする」ことが挙げられます。これらに加えて昨今浮上しているのが、映えスポットで写真や動画を「撮る」ことです。こうした潮流にも着眼し、夜景と東京タワーを間近に見られる東京らしい体験を提供する、ホテルの強みや魅力を尖らせて、さらにホテルの価値を向上させるために今回の改装を行ないました」。デザインコンセプトに据えたのは「THE TOKYO FUSION」だ。東京の景観や東京タワーのそばで、伝統や文化を背景にしながら、上品さ、先進的でラグジュアリーな質感を持った空間を創出することを心がけたという。カラースキームは、東京タワーとの親和性を深めるようインターナショナルオレンジや芝公園に広がる緑をアクセントカラーに取り入れ、高層階のきらめきや伝統文化を現代風に再解釈したインテリアを各所に配したという。\nSky Bar \u0026amp; Dining Stellar Gardenのバーカウンター\nSky Bar \u0026amp; Dining Stellar Gardenのダイニングエリア\nバー&ダイニングを拡張しさらなるパノラマビューに、西洋料理やスカイラウンジも使い勝手よく改装\n今回のリニューアルの目玉は33階の一体的な大規模改装だろう。ステラガーデンはバーに加えてダイニングエリアも新設し大幅に増床。スカイバンケットにアクセスできる扉も新設した。また、西洋料理を提供するブリーズヴェールは、大型レストランから4室のプライベートダイニングに生まれ変わった。それでは各施設の特徴と狙いを見ていこう。ステラガーデンはどの客席からも東京タワーや夜景がみられるようフルリニューアル。バーはこれまでの54席から84席にし、1日3組限定のプラチナシートプランも販売開始した。新設したダイニングエリアは116席を設け、朝食は和洋ブッフェ、ディナーはアラカルトとコース料理を提供している。「バーエリアのプラチナシートは東京タワーを正面に見て一人占め気分になれるところが強みで、ボトルシャンパンとオードブルプレートをセットにして10万円で販売しています。国内のお客さまにプロポーズの場所としてご利用いただくこともあります。また、インバウンドはSNSで発信するためによい場所を確保したいというニーズが多いです。当初この価格設定に半信半疑だったのですが、実際に販売してみると好調な出だしとなりました。それ以外の客席は予約を取らずにご案内することで、回転率を高める戦略を取っています」。ブリーズヴェールはシェフこだわりのコースを個室で提供するプライベート感のダイニングに進化。「100席の大型レストランから4室26席のプライベートダイニングにリニューアルしました。料理はフランスの料理コンクールで入賞経験を持つ料理長の茂手木 了が手掛けております。自ら足を運んで選定した契約農家や契約漁港から直送された厳選食材を特性に合わせて提供することを得意としています」。また、スカイバンケットの改装は用途の幅を広げることを目指した。「今回の改装で私がどうしても作りたかったのがステラガーデンにつながる扉でした。これにより、ステラガーデンの混雑状況によってはセカンドバーラウンジとして活用できます。また、日中は婚礼でスカイバンケットを利用される列席者の控室としてステラガーデンを使用できます。まず列席者をステラガーデンにお招きし、扉を開けるとそこに披露宴会場が現れるという、新たな婚礼スタイルも提案しています。さらに、スライディングウォールで区切り、東京タワーの見えるブリーズヴェールの個室として20名程度の会食利用ができるよう考えました」。\nステラガーデンにつながる扉を新設し、日中は婚礼列席者の控室として展開\nプレミアムクラブラウンジのタワーシート\nスイートルームはニーズに合わせて刷新し4名以上も利用可能に、クラブラウンジは約3倍に拡張\nザ・プリンス パークタワー東京では客室階を2階のガーデンフロア、3~18階のパークフロア、19~28階をパノラミックフロア、29階以上をプレミアムクラブフロアにカテゴリー分けしている。今回のリニューアルでは最上位クラスの32階の改装に着手した。そして、このフロアに設けられているスイートルームも需要を見直して刷新。「改装前までは200㎡以上のスイートルームが3室ありましたが、正直言って稼働があまりよくありませんでした。そこでインバウンドやファミリー層などが利用しやすい4~5名で宿泊できる70~135㎡のスイートルーム5室に改装しました。その一つがタワービュースイートで、名前のごとく東京タワーを独占する絶景を誇ります。定員5名のパノラマスイートは天気のいい日はベッドから正面に富士山が見えます。デイベッドのようなソファーを置き、子どもたちが遊んだり、寝かせるような使い方もできるでしょう。ファミリースイートはキッチンを備えており、長期滞在にも対応しています。ビューバススイートはレインボーブリッジを望む大きなバスタブを擁し、カップル需要などを意識しました」。また、同階に位置するプレミアムクラブラウンジも既存エリアを拡張して、39席から3倍近くの110席まで増席。従前の東京タワーエリアに加え、東京スカイツリーエリア、レインボーブリッジエリアまで見渡せるぜいたくな空間へと変貌した。「席数を増やしたのは手狭になってきたことに加え、ADR向上も期待しました。インバウンドは長居しないのですが、ちょっとビールを飲んだり、食べ物をつまむなど頻繁に利用されます。また、プレミアムクラブフロア以外の客室もラウンジアクセス権付きの宿泊プランを販売することで客室単価アップが可能となります。プレミアムクラブラウンジには東京タワーと東京スカイツリーを眼の前に臨む予約制のタワーシートも新設しました。通常1名席は90分制3000円ですが、1日1万円でリザーブすることも可能です。2名席や4名席も設けております」。日本のシンボルである東京タワーと富士山を臨める強みを最大限に生かした大規模なリニューアルに踏み切ったザ・プリンス パークタワー東京。その結果はどうだったのだろうか。ステラガーデンでは新たに販売を始めたシグネチャーカクテルや、東京タワーを模した東京タワー ランドマークも人気で、ライトアップされた東京タワーを背景に画像や動画に収めるゲストが後を絶たないという。港区のナイトタイムエコノミーにも一役買っているのではないかと神田氏は胸を張る。また、スイートルームは4名部屋から予約が埋まっており、戦略が見事に当たっていると言えるだろう。ニーズに合ったサイズ感と仕様に改装したことで、ADR、稼働率ともに上昇しているそうだ。今後もさまざまなトライアルを続けさらなるアップセルを目指すザ・プリンス パークタワー東京。そびえ立つ東京タワーのオーラを受けてさらに存在感が増した同ホテルの挑戦に今後も期待したい。\nバーラウンジ内のプラチナシート\nシグネチャーカクテル、左から Legacy、東京タワー ランドマーク、東京タワー ダイヤモンドヴェール\nパノラマスイートのリビングエリア\nタワービュースイートのバスルーム\n―――取材・オータパブリケイションズ 岩本 大輝、文 アクセント、撮影 林 正",
"excerpt": "2025年に開業20周年を迎えた東京都港区のザ・プリンス パークタワー東京。5月から始めた高層階の改装が10月に完了し、33階の「Sky Bar \u0026amp; Dining Stellar Garden(スカイバー&ダイニング ステラガーデン)」と「Private Dining Brise Verte(プライベートダイニング ブリーズヴェール)」、スカイバンケット、32階のスイートルームとプレミアムクラブラウンジをリニューアルオープンした。改装内容の詳細とリニューアルの狙いについて同ホテル総支配人の神田 泰寿氏に聞く。",
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"title": "「トラベロッジが日本で描く、成長と人のストーリー」",
"content": "\nプロフィール\n\n井上絵梨(いのうえ・えり)氏トラベロッジ・ホテルズ・アジア最高執行責任者(日本)大学卒業後、エアライン業界を経て2005年よりホテル業界へ。日本、中国、韓国、シンガポールなどで約12年間の海外勤務を経験。セールス&マーケティングを軸に、宿泊・予約・運営など幅広い領域を経験する。2021年以降は支配人として複数のホテル開業に携わり、2025年9月より現職。現在は日本における事業・運営全体を統括している。\n\n1939年に米国で誕生し、現在は世界1,000軒以上を展開するトラベロッジ。そのアジア展開を担うのが、トラベロッジ・ホテルズ・アジアだ。シンガポールに本社を構え、日本を含むアジア各国でセレクトサービス型ミッドスケールホテルを展開している。「トラベロッジが大切にしているのは、シンプルでありながら快適に過ごせることです。Comfort(快適性)、Convenience(利便性)、Connectivity(接続性)。この3つは、時代が変わってもブレることのないブランドの軸ですね」そう語るのは、日本事業を統括する井上絵梨氏。同社は現在、日本、韓国、香港、タイ、シンガポール、マレーシアなどで21軒のホテルを展開しており、日本市場においても着実に存在感を高めている。日本初進出は2022年、大阪・本町。その後、札幌、名古屋、京都と出店を重ね、現在は国内5ホテルを運営。さらに2026年夏には、大阪・心斎橋での新規開業を予定している。「心斎橋は、国内外の旅行者が集まる大阪を象徴するエリアです。大阪では2軒目のトラベロッジになりますが、日本におけるブランドの次のステージを示すホテルになると考えています」\nトラベロッジ札幌すすきの ロビー\nトラベロッジの特徴は、立地や価格帯だけにとどまらない。組織の在り方そのものが、アジアを横断する構造になっている点も大きな特徴だ。「日本を拠点とするローカルチームと、アジア各国に拠点を置くセントラルチームが連携しながら運営しています。レベニューマネジメントはフィリピン、私は関東、セールスチームは関西。距離は離れていても、日常的に密なコミュニケーションを取っています」ホテルのオペレーションチームも多国籍で、さまざまなバックグラウンドを持つ人材が集う。異なる価値観が交差する環境の中で対話を重ねながら、一つのホテルをつくり上げていく。そのプロセス自体が、組織や個人の成長につながっているという。井上氏自身のキャリアも、そうした国際的な環境と深く重なる。エアライン業界を経て2005年にホテル業界へ。日本に加え、中国、韓国、シンガポールなどで約12年間勤務してきた。「自分では“ホテルで働くホテル好き”だと思っています。セールス&マーケティングが軸ですが、フロントや予約業務など、現場に近い仕事も経験してきました。現場を知っているからこそ、事業や組織を考えるときの視点が養われたのだと思います」2021年以降は支配人として複数のホテル開業に携わり、現場マネジメントの最前線を経験。そして2025年9月、より広い視点でホテル事業に関わる立場としてトラベロッジに参画した。\nトラベロッジ京都四条河原町 客室\n「ホテル開業は、建物を完成させることがゴールではありません。人が集まり、チームが育ち、時間をかけて“ホテル”になっていく。そのプロセスこそが、最大の学びであり、成長の機会だと感じています」2026年夏に開業予定の大阪・心斎橋のホテルも、まさにそのプロセスの途中にある。現在は採用をスタートし、新しいチームづくりが始まっている段階だ。「ゼロからホテルを立ち上げる経験は、誰にとっても大きな財産になります。ブランドとしても、チームとしても、日本でさらに成長していきたい。その想いに共感してくださる方と、ぜひ一緒に働けたら嬉しいですね」\nトラベロッジ本町大阪 コワーキングスペース\n編集部コメント\n\nフルサービスでも、バジェットでもない。ミッドスケールという領域は、価格や効率だけで語られがちだが、トラベロッジの取り組みからは、「どんな体験を、どんなチームでつくるのか」という明確な思想が浮かび上がる。分散型でありながら有機的につながる組織、開業を“成長の場”と捉える姿勢、そして人材へのまなざし。日本市場での展開が進む今、トラベロッジは単なるホテルブランドを超え、「人が育つミッドスケール」という新しい価値を提示しようとしている。その次の一歩に、注目したい。\n\nトラベロッジホテルズアジアのホテル求人情報",
"excerpt": "世界1,000軒以上のホテルを展開するトラベロッジ。日本でも着実に存在感を高めるトラベロッジ・ホテルズ・アジアにて日本事業を統括する井上絵梨氏に、ブランドの思想、国境を越えた組織づくり、そして2026年夏に控える大阪・心斎橋開業と採用への想いを聞いた。",
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"title": "小規模であることが、最大の贅沢だ ――スモール・ラグジュアリー・ホテルズ・オブ・ザ・ワールドが語る、ポストコロナ時代のラグジュアリートラベル",
"content": "(右から順に)アジア太平洋担当シニア・バイス・プレジデント マーク・ウォン氏、最高執行責任者(COO)兼マネージングディレクター リチャード・ハイド氏 、小社編集長 義田真平\n コロナ禍を経て、「ラグジュアリー」の意味は静かに、しかし大きく変わりつつある。世界650軒超の独立系小規模ホテルを束ねるスモール・ラグジュアリー・ホテルズ・オブ・ザ・ワールド(以下、SLH)は、その変化の最前線に立つ存在だ。平均客室数約50室、多くはオーナー自らが現場に立ち、ゲスト一人ひとりと向き合う。 パーソナライズ、ウェルビーイング、サステナビリティ、そして“EI(感情知能)”。いまSLHは何をラグジュアリーと定義し、日本市場をどう見ているのか。その哲学と戦略を、最高執行責任者(COO)兼マネージングディレクター リチャード・ハイド氏、アジア太平洋担当シニア・バイス・プレジデント マーク・ウォン氏に伺った。\n\nコロナ後に再定義される「ラグジュアリー」\n\n「ラグジュアリー」とは今、どのように再定義されつつあるのでしょうか?パーソナライズ、ウェルビーイング、サステナビリティといった要素が強調される中で、SLHはそれをどのように捉えていますか?\n\n まず、私たちSLHは「小規模かつ個性溢れる、ラグジュアリーブティックホテル」にこだわっているブランドです。現在、加盟ホテルの平均客室数はおよそ50室。多くの場合、オーナー自身がジェネラルマネージャーを兼ねており、「会社から派遣されたマネージャー」ではなく、「自分の家にゲストを迎えるように」お客さまと向き合っています。 コロナ禍以降、世界中の旅行者はよりプライベートで、人が密集しない環境を求めるようになりました。その中で、「本当に価値のあるラグジュアリーとは何か」が改めて問われています。 私たちにとってのラグジュアリーは、豪華さそのものではなく、一人ひとりに合わせた“体験そのもの”です。オーナーの情熱や美意識、理念が、空間やサービスの細部にまで宿っていること。そこにパーソナライズ、ウェルビーイング、そしてサステナビリティへの真摯な姿勢が加わった時、初めて本当のラグジュアリーになると考えています。\n\n旅行者がSLHのホテルに求める「体験の質」とは何だとお考えですか?単なる施設の豪華さを超えた“ソウルフルな滞在”のニーズについて、どう見ていますか?\n\n 現代の旅行者にとって、第一の目的は「リラックス」であることが多いと感じています。ただし、それは単にスパに行って癒される、という意味ではありません。 私たちが重視しているのは、「小さなスケールだからこそ提供できる、心の距離の近さ」です。スタッフがお客さまの表情やコンディションを読み取り、その日の気分に合う提案をしたり、さりげない会話から滞在の過ごし方を一緒にデザインしていく。そうした“感情のやり取り”から生まれるリラックスと高揚感こそ、SLHが考えるソウルフルな滞在です。 ロケーションも重要です。私たちは「人々が本当に行きたいと思う場所」に、個性的で小さなホテルを展開したいと思っています。そこで得られるのは、記号化されたラグジュアリーではなく、「その土地だからこそ味わえる時間」です。\n\n小規模・個性・サステナビリティ──SLHの4つの柱\n\n直近数年で、SLHが飛躍的に成長した要因は何ですか?コレクション戦略(Finest \/ Considerate \/ Private \/ Wellbeing)など、差別化の要素も含めて教えてください。\n\n 成長の背景には、ブランドとして大切にしている「4つの柱」があります。 1つ目は「小規模であること」。これが、パーソナルな体験の前提条件です。 2つ目は「ラグジュアリーな体験」。ハードの豪華さ以上に、一期一会の物語を生む体験価値を重視しています。 3つ目は「個性」。オーナーの美意識やローカルカルチャーが強く反映されていることが必須です。 4つ目が「サステナビリティ」。環境配慮に加え、地域社会への貢献も含めた持続可能性を重視しています。 こうした価値観をベースに、Finest Collection、Considerate Collection(思いやりのあるコレクション)、Private Collection、Wellbeing Collectionといったコレクションを展開することで、お客さまに分かりやすい選択軸を示しつつ、それぞれのホテルの個性を引き立ててきました。コロナ以降の需要の変化と、私たちが元々大切にしてきた思想が、きれいに重なったことも、成長を後押ししています。\n\n“大きなホテルでは得られないもの”を求めて\nグローバルで650軒を超える加盟ホテルの中でも、特に注目している新規地域や動向があれば教えてください。アジアや日本市場への期待も含めてお聞かせください。\n 特定の地域に限定するのは難しいのですが、現在の動きとして顕著なのは中国本土です。高級ホテル開発が急速に進む中で、「小規模で個性のあるラグジュアリーブティックホテル」を求める層が明らかに増えてきています。 日本に関して言えば、旅館文化や独立系ホテルの多さという点で、非常に可能性に満ちたマーケットだと感じています。世界中のゲストが日本に強い関心を持っており、「地元の小さな宿に泊まり、その土地に触れたい」と考える方が多い。SLHの価値観と、日本のホスピタリティはとても相性が良いと思います。\n世界の観光強国と比べると、日本ではグローバルオペレーターの方が料金水準が高く、独立系ホテルの方が安いケースも多い状況です。このギャップをどのように埋めていけるとお考えですか?\n 日本の独立系ホテルや旅館の価格が、グローバルチェーンよりも低く設定されている現状は確かにありますが、私はそれが永続的なものだとは考えていません。 日本は世界的にも“キャラクターがはっきりした国”です。海外からの旅行者は、「大きな高級ホテルに泊まりたい」というよりも、「日本らしさを感じられる場所に泊まりたい」と感じている方が多い。つまり、適切なマーケティングと情報発信、そして受け入れ体制さえ整えば、独立系ホテルがむしろ高い価値を認められ、適正以上の価格を実現していく余地は十分にあると思います。 SLHとしては、そうしたホテルが世界の富裕層とつながるための“橋”になりたいと考えています。\n\nホテル側から見たSLHの魅力と加盟の意義\n\nSLHに加盟することで、ホテル側はどのような支援を受けられるのでしょうか?マーケティング、グローバルネットワーク、リピーター獲得、SLH Clubなど具体的な支援内容を教えてください。\n\n 多くの独立系ホテルにとっての課題は、「素晴らしいプロダクトを持っているのに、世界中のゲストに知られていない」という点です。 SLHに加盟するメリットは、大きく3つあります。 1つ目は、グローバルマーケティングとブランド力です。SLHの一員となることで、世界中のトラベルエージェントやメディア、私たちが有するグローバルコミュニティに対して存在感を出すことができます。 2つ目は、ロイヤリティプログラム「SLH Club」を通じたリピーター獲得です。ブランドとしての信頼があることで、「次の旅もSLHのホテルを選びたい」と考えるお客さまを各ホテルが共有できます。 3つ目は、価格戦略のサポートです。経済環境が変化する中で、「値上げしてもお客さまが途絶えない状態」をつくるのは簡単ではありません。SLHとして、データとネットワークを活かしながら、そのお手伝いをしていきたいと考えています。\n\nSLHでは“個性の尊重”が理念の中核にあるとのことですが、それが加盟ホテルとの関係性にどう影響していますか?管理ではなく共創的なパートナーシップについてお聞かせください。\n\n 私たちは、加盟ホテルのオペレーションを細かく管理する立場ではありません。むしろ、「そのホテルらしさ」を最大限に引き出すことが役割だと考えています。 SLHでは、加盟ホテルを「メンバー」ではなく「ファミリー」と呼びます。それぞれのホテルが持つストーリー、オーナーの想い、地域とのつながりを尊重し、その魅力が世界に届くように支援しています。 品質を守るためにミステリーインスペクション(覆面調査)は行いますが、それは一方的なチェックではなく、「どうすればもっと良くなるか」を一緒に考えるための対話の場です。共創的なパートナーシップであることに、強いこだわりがあります。\n\nESG・サステナビリティと“地域との共生”\n\nサステナブルな取り組みは、今後のホテル業界全体にどのような示唆を与えるとお考えですか?GSTCやSDGsとの整合、ラグジュアリー×環境意識の融合について教えてください。\n\n サステナビリティは、もはや「やるべきか、やらないべきか」という議論ではなく、「どうやって本質的に組み込むか」の段階に入っていると思います。 ラグジュアリーホテルだからこそ、お客さまの期待値は高くなります。環境負荷を減らすだけでなく、地域の自然や文化を尊重し、それを守り、次の世代につなぐ姿勢が求められます。 SLHとしても、国際的なガイドラインやフレームワークと整合しながら、各ホテルが無理なく、かつ本気でサステナブルな取り組みを進められるようサポートしています。\n\nESG文脈において、SLHは社会的責任(S)の部分にどのような優先度を置いていますか?地域との関係、文化の継承、雇用創出などについてお聞かせください。\n\n 私たちが重視しているのは、「ホテルの成功が、地域の幸せにつながる状態」です。 小規模ホテルは、その土地の生産者や職人、文化と非常に近い距離で存在しています。地元のスタッフを雇用し、ローカルの食材や工芸品を取り入れ、その土地ならではの文化をゲストに伝えていく。こうした営みそのものが、社会的責任の実践であり、同時にホテルの魅力にもなります。 ラグジュアリーと社会的責任は相反するものではありません。むしろ、真にラグジュアリーであるためには、地域との健全な関係が不可欠だと考えています。\n\nAIの時代にこそ問われる、「EI(感情知能)」と日本へのメッセージ\nAI(人工知能)が急速に広がる中で、SLHが大切にしている「EI(感情知能)」とは何でしょうか?\n 世界は今、AIの話題で溢れています。もちろん、予約やチェックインなど、テクノロジーが効率化できる部分はたくさんありますし、それ自体は歓迎すべきことです。 しかし、ホテルにおいて本当に価値を生む瞬間は、ゲストとスタッフの間に生まれる「感情のやりとり」です。到着した時の表情から、その日の疲れ具合や気分を察すること。何気ない会話から、本当に求めている体験を汲み取ること。こうした力を、私たちは「EI(Emotional Intelligence/感情知能)」と呼んでいます。 SLHが小規模性にこだわるのも、このEIを最大限に発揮できる環境を守るためです。AIの時代だからこそ、人の感情を理解し、寄り添う力が、これまで以上にラグジュアリーの核心になっていくと考えています。\n日本のSLH加盟ホテルについて、どのような印象や可能性を感じていますか?\n 日本のホテルや旅館には、世界でも類を見ないホスピタリティ文化があります。「お客さまを自宅に招く」という感覚が、今も現場に息づいていると感じます。 その意味で、日本の独立系ホテルや旅館とSLHは、とても相性が良いと思っています。もし英語対応や海外へのPRがもう一段強化され、政府や地域がインバウンド受け入れ体制をさらに整備していけば、日本は“第二のイタリア”のような存在になってもおかしくありません。 私たちとしては、ぜひ多くの日本のホテルの皆さんにSLHファミリーに加わっていただき、その魅力を世界中のゲストと共有できればと願っています。\n最後に、SLHがこれから目指す“未来のラグジュアリーホテルの理想像”を教えてください。\n 私たちが目指すのは、「ゲストが行きたいと思うすべての場所」に、小さくて個性的なラグジュアリーホテルが存在している世界です。例えば、今も多くの需要があるにもかかわらず、まだSLHの加盟ホテルがないハワイのような場所にも、ぜひファミリーを増やしていきたいと考えています。 同時に、どれだけ拡大しても、品質とあたたかさを失わないこと。リラクゼーションやウェルビーイングへのニーズに寄り添い続け、サステナビリティを大切にし、そして何よりも「EI(感情知能)」を核に据えたホテルであり続けること。 私たちにとって最も大切な資産は、不動産でもブランドロゴでもありません。家族のようなつながり、心と心のつながりです。その価値観を共有できるホテルと共に、これからのラグジュアリートラベルの未来をつくっていきたいと思っています。\nSmall Luxury Hotels of the World™(スモール・ラグジュアリー・ホテルズ・オブ・ザ・ワールド)について\n世界90ヶ国以上、650軒を超える独立系ラグジュアリーブティックホテルが加盟する、世界有数のホテルブランドのグループ。\n公式HP:https:\/\/www.slhhotels.jp\/―――文・オータパブリケイションズ 月刊HOTERES編集長 義田\nMail:yoshida@ohtapub.co.jp",
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"title": "外食産業に夢と希望を持ち日々鍛錬してきた学習成果の披露と来場者交流で消費者ニーズを識る機会に",
"content": " (学)誠心学園(理事長・校長 廣瀬 道氏)は、2025年10月19日「東京誠心調理師専門学校」(東京都大田区蒲田3-21-4)、11月3日「国際フード製菓専門学校」(神奈川県横浜市西区北幸2-9-6)にて、2025年度フードフェスティバル(学園祭)を開催した。 東京誠心調理師専門学校の今年のテーマは「~美味しいだけじゃだめですか 記憶に残る一皿を~」。同校は地元あやめ商店会の会員として、地域とのつながりを大切にしながら、これまでの学習成果を発表。学園祭限定 西洋レストラン、日本料理レストランほか、世界一のピザ職人坂本シェフと作る「ピザ教室」(要予約)を運営。また、国際フード製菓専門学校では「食欲の秋祭 2025」と題し、カフェレストランや甘味処の運営ほか、高校生限定の体験実習(クリスマスケーキを作ろう!)などを催した。学生らによる菓子(和・洋菓子)やパンの製造販売を目当てに、今年も開場前には約2,000人の行列ができるなど盛況だった。また両校とも、学生作品展示ならびに企業物販やお土産販売コーナーを設け、学園祭の色を添えた。\n11月3日「国際フード製菓専門学校」\n毎年、開場前には多くのお客さまが列をつくる横浜の名物祭典の一つ\n 理事長・校長 廣瀬 道氏によると、現状の外食産業に夢と希望を持って入学してきた在校生が、教職員とともに、日頃の学習成果を披露する場として学園祭を毎年開催しているが、「今年は二度目の大阪・関西万博が開催され、2,500万人以上が来場。前回、海外から多くの飲食店や来日し、まさに外食産業元年とも言える大きな節目でもあったが、55年後のいま、国内の外食産業も大きな変化と進化を遂げてきたと感じる」。両校は、学園祭当日にも入校相談コーナーを設けており、親子来場者も少なくない。廣瀬氏は、外食産業の可能性をとらえながら、フードビジネスに携わる職人の育成に注力していると話している。※画像はすべて、11月3日に実施した「国際フード製菓専門学校」学校情報東京誠心調理師専門学校 https:\/\/www.seishingakuen.ac.jp\/tokyo\/国際フード製菓専門学校 https:\/\/www.seishingakuen.ac.jp\/international\/\n高校生限定の体験実習「クリスマスケーキを作ろう!」\n体験実習に参加の高校生たち(当日受付)\nカフェレストラン「Lian(リアン)」も毎年、満員御礼\n製パン部門作品一例\n洋菓子部門作品一例\nお祭り仕立てで装飾された催し案内",
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"title": "第一建設ホテルアカデミー 「匠の和朝食パック」提供開始 プライベートセントラルキッチン化目指す",
"content": " 第一建設ホテルアカデミーは、2025年9月、ホテル・旅館向けに調理人不要の本格的な和朝食「匠の和朝食パック」の提供を開始した。調理人が確保できず人手不足に悩む施設に対し、湯煎や電子レンジで本格的なプロの味を提供する。「匠の和朝食パック」の展開により、小規模から大規模施設まで地域の特性にあわせた朝食メニュー提案を通じた、「プライベートセントラルキッチン」としての展開を目指す。監修は、ホテルチェーンの朝食監修を担ってきた(株)水屋光琳 代表取締役 総料理長・鈴木清氏。今回、鈴木氏と第一建設ホテルアカデミー学長の細見恭司氏に話を伺った。\nメニューは、厳選銀鮭、ウインナーソーセージ、手作り煮物など。惣菜は保存料、着色料、添加物不使用だ\n現場課題に即した“真空パック”ソリューション\n 細見氏は、ホテル経営における、朝食の重要性を次のように指摘する。「宿泊者がホテルを選ぶ理由は“立地”、“価格”、そして“朝食”。特に出張客やリピーターにとっては“朝食の満足度”が再訪率に直結します」。同アカデミーの客員教授でもある鈴木氏とともに、日本全国のホテルを巡り、ブッフェの改善提案を行ってきた。そこでは各地の食材を活かしたご当地の朝食戦略を推進している。\n 一方で、ホテル現場では調理人材の不足が深刻だ。「料理人がいない」、「調理時間を確保できない」という各施設のお声に応えるため、この度、鈴木氏は長年の和食経験を活かし、真空パックによる高品質な調理済み食材「匠の和朝食パック」の提供を開始した。防腐剤を使わず、冷凍技術で品質を保つ。焼き鮭や煮物、漬物に至るまで、手作りの味をそのままホテルへ届ける。この仕組みにより、調理師不在の施設や労働時間に制限のある現場でも、高いクオリティを維持できるようになった。小規模施設では個食パックで、大規模施設では大量パックで納品に対応できる。味の均一化・衛生管理面で「プライベートセントラルキッチン」を提案していく。\nふっくらと焼き上げた銀鮭\n丁寧に仕上げた煮物\n付け合わせにうれしいぜんまい\nゲストからも高評価のソーセージ\n「地域の味」を活かすコンサルティング力\n さらに鈴木氏は「料理は見せ方ひとつで印象が変わる」と語る。「和歌山なら梅、宇都宮なら餃子やレモン牛乳。地域の特色をいかに“見せる”かでホテルの印象は変わるんです」同社では各地域に合わせた朝食コンセプトの構築から、提供方法の改善までコンサルティングを実施。実際にビジネスホテルの朝食評価を「2.5→4.5」へと引き上げた事例もあるという。\n 現在、大手ホテルチェーンではセントラルキッチン化が進んでいるが、中小ホテルではコスト面で実現が難しい。そこで第一建設では、“地域版セントラルキッチン”として、真空パック食材と朝食指導を組み合わせた柔軟な運営モデルを提案。「大手のように一括調理はできなくても、小回りが利く、高品質の朝食を提供できる仕組みは作れる」と細見氏は強調する。“朝食の質”がホテル選びの決め手となる今、同社の挑戦はホテル業界の持続可能な運営モデルの一つとして注目される。\n\nプロフィール\n\n第一建設ホテルアカデミー客員教授・朝食アドバイザー 鈴木清氏㈱水屋光琳 代表取締役総料理長。1977年より料理の修行を始め以後48年間その道一筋に突き進み現在に至る。2015年には和歌山県国体開催中に皇太子(現天皇陛下)を初め四皇族の料理監修、2016年、日本航空国内線ファーストクラス夕食御膳監修、2019年、天皇陛下御即位記念第39回全国豊かな海づくり大会秋田大会招待者公式弁当監修。㈱水屋光琳代表取締総料理長として自ら庖丁を握り、「美味しい!の一言が私たちのエネルギーです」をキャッチフレーズにし、日々お客様の喜ぶ顔を見るため奮闘しており、又飲食店経営者の団体である「秋田市飲食店組合環同連合会」の会長としても業界の発展に努めてる。\n\n\n\nプロフィール\n\n第一建設ホテルアカデミー学長 細見恭司氏1975年、ホテルニューオータニでホテル人生の第一歩を客室の清掃からスタート。1991年、ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテルに入社。2005年、同ホテル副総支配人兼宿泊部長に就任。2007年、ダイワロイヤル株式会社に転職。ダイワロイネットホテル和歌山の総支配人に就任。2014年、取締役ホテル事業部長に就任。2021年、第一建設ホテルアカデミー学長に就任。\n\n\n第一建設ホテルアカデミーHOME - 匠の朝膳パック|第一建設",
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"title": "こころに響く“和”の再構築 ― ハイランドリゾート ホテル&スパ 早川社長インタビュー「『こころぎ』再生の舞台裏」",
"content": "こころに響く“和”の再構築― ハイランドリゾート ホテル&スパ 早川社長インタビュー「『こころぎ』再生の舞台裏」\n\n富士急ハイランドのオフィシャルホテルとして1986年に開業した「ハイランドリゾート ホテル&スパ」。40周年を迎える節目の2025年9月5日、館内和食店「こころぎ」が大幅リニューアルで再始動した。狙いは“館内レストラン”を超え、「ここで食べるために泊まる」目的地化。その意思決定の背景、内装・メニュー・サービスの刷新点、そして“地域共創型リゾート”としての未来像を、早川社長が語る。\n富士山の麓で40年、需要の質が変わった\nまずホテルの現状からお聞かせください。\n当館は1986年3月に開業し、客室は163。2007年には温浴を整備して『ホテル&スパ』としての価値を強化してきました。富士山を間近に望むロケーションと、富士急ハイランドとの連携が当館の独自性です。ここ数年はインバウンド比率が明確に上がり、コロナ前に約23%だったところが、2023年には35〜38%、2024年は約46%に達しました。ADRもコロナ前比で3割ほど伸びています。一方で、遊園地を主目的に来館される国内ファミリー、若者グループ層は相対的に減少し、宿泊需要の『質』が変わってきた実感があります。\n「こころぎ」再生の意図“受け皿がない”に応える\n2025年9月5日の『こころぎ』再始動に至った背景は。\n「こころぎ」は2002年に一度刷新しているのですが、施設の老朽化や嗜好の変化を踏まえ、2023年から再リニューアルを具体化させました。インバウンドの回復傾向を見ながら、近隣エリアの供給や価格帯を改めて調査すると、『上質な和食を落ち着いて楽しみたいのに、ちょうど良い受け皿がない』という声が多くありました。そこで“館内の一食”ではなく、“ここで食べるために選ばれる”和食を目標に据えたのです。\n\n中核は「地産地消食材×創作和」価格改定も“目的地化”のため\nメニューや価格、内装の要点を教えてください。\n従来は1万円弱の懐石中心でしたが、1万5千円〜2万円の高級和食へとレンジを引き上げました。中核は旬な地産地消食材活用×創作和食です。富士山エリアらしい素材感と現代性を両立させ、“五感で楽しむ和食”を設計しています。近隣市場には1.8万円帯の上位価格帯も見えており、当館としては“価格だけで勝負しない”ストーリー設計が重要だと考えました。空間は富士山を想起させる要素を随所に織り込み、火・水・木・緑といった自然のニュアンスを抽象化。炭火台を視覚的な核に据え、個室も落ち着きと余韻を大切にしています。\n“サービスが肝”外国語対応と「気配り・目配り」の再訓練\nサービス面のアップデートはありますか?\nサービスが肝です。料理の説明力、所作、間合い、テーブルまわりの視野を広げるトレーニングを再設計しました。インバウンド対応は言語だけでなく、文化的背景への理解も含めた“体験の翻訳”が大切です。日本語・英語でのご案内整備はもちろん、予約前後のコミュニケーション品質も見直しています。きめ細かい“気配り・目配り”を、全ての接点で再現性高く提供することにこだわっています。\n\nグループ全体像の中で「ラグジュアリー化」を牽引\n富士急グループの中での役割は?\n当館は富士山という世界級のアイコンを背に、ラグジュアリービジネスの牽引役を担います。遊園地・ホテル・温浴・アウトドアなど多面的なアセットをつなぎ、上質な滞在の“核”をつくっていきます。『こころぎ』の再生は、その象徴です。上位路線の磨き込みを通じて、グループ全体の“格”をさらに引き上げていきます。\n受け身から“攻め”へ海外セールスと直販の再強化\nインバウンド戦略と販売の見直しについて聞かせてください 2022〜24年は“押し寄せる需要”を丁寧に受け止める局面でしたが、今後は能動的に海外へ届けるフェーズです。国・地域別の嗜好に合わせた発信を強化し、旅行の動機づけとして“食”を前面に出します。同時に、直販比率の向上を最重要テーマに置いています。OTAに頼るだけでは価格と可視性のゲームに呑まれやすいので、指名予約を獲得できる“目的の設計”、つまり『こころぎで過ごす夜のために、ハイランドリゾートを選ぶ』という構図を積み上げます。\n“地域共創型リゾート”としての次の一手\n最後に、読者へのメッセージをお願いします。\n『こころぎ』は、地域の“和”を現代に再編集する場です。炭火の香り、器の手触り、静かな間(ま)――そのすべてで“ここに来た意味”を感じていただきたい。受け身で需要を待つのではなく、選ばれる理由を自ら設計する。富士山エリアの資源を“宿・食・体験”で束ね、地域とともに価値を高めていく。ハイランドリゾートは、そんな“地域共創型リゾート”の実装に、これからも挑み続けます。\n編集後記取材を終えて、あらためて痛感したのは、ホテルにとって飲食こそが顔であり、思想の翻訳装置だということです。客室は売上を、レストランは“理由”をつくる。記憶に残る一皿が、そのホテルの価値を最も強く語ります。一方で、いま日本のホテルは町場のレストランとの乖離が広がり、便利さと価格訴求の前に“ホテルで食べる必然性”が薄れている。放置すれば、「滞在の中でホテルで食事を楽しむ」という文化そのものが痩せ細る——この強い危機感をここで共有します。その意味で、「こころぎ」の挑戦は希望です。“館内の一食”を超えて“目的地の一夜”へ。旬な地産地消食材×創作和食という明快な核、サービスの再訓練、そしてグループ資産(温浴・パーク)と結んだ体験設計。これは、地方リゾートがもう一度“食”で主導権を取り戻すための具体的な設計図になりうる。私は編集長として断言します。ホテルが夕食に強くなれば、旅の記憶は一段と豊かになる。私たちはこの動きを継続的に追い、現場の知恵を伝えていきます。ホテルで食べる歓びを、もう一度当たり前にしていきましょう。「こころぎ」の次の一手に、心から期待していますし、他社の取り組みも積極的に追っていきますので、皆様お気軽にぜひご連絡ください。\nホテレス義田yoshida@ohtapub.co.jp\n\nこころぎ(KOKOROGI) 店舗概要\n象徴的な「炉」を空間の中央に据え、洗練された和モダン空間の中で富士山麓を中心とした地産食材を、伝統的な日本料理と原始的な炭火焼で味わう、新たなスタイルの創作和食レストラン。料理人の手捌きを間近で臨む臨場感、炭炉が魅せるライブ感、富士山麓の素材の美味しさを最大限に引き出す技術で、食事の本質を存分にお愉しみいただけます。\n店舗名\n日本料理「こころぎ(KOKOROGI)」\n席数\n80席 内カウンター12席 個室2部屋(6名/10名)\n営業時間\nランチ 11:30~14:00(最終入店)ディナー 17:30~20:00(最終入店)\n事前予約制\nレストラン予約:https:\/\/www.tablecheck.com\/ja\/shops\/highlandresort-kokorogi\/reserve",
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"title": "ホテルウイング、全国約40施設でPMS刷新。ミナシア社が選んだ「改革に寄り添うパートナー」とは",
"content": "── まず、SQUEEZEとの最初の出会いについて教えてください。\n小野:最初の接点は2020年頃、浅草の施設での取り組みでした。私は当時は直接関わっていなかったのですが、同じ拠点で働いていた支配人が、SQUEEZEさんとやり取りをしていたのを覚えています。PMSの刷新というより、業務効率化やDX推進に向けたコンサルティング的なところから関わっていただいていて、まずは1施設で「suitebook」を試験的に導入し、オペレーションがどう変わるかを検証していたようです。その後、コロナ禍の影響でしばらく話は落ち着いていたのですが、2023年に入り、社内でPMSの課題が改めて浮き彫りになったタイミングで本格的な選定プロジェクトが立ち上がりました。前任者が主導して「suitebook」に決定し、私が導入プロジェクトを引き継ぐ形になりました。\nSQUEEZEは伴走パートナーとして企画・コンサルティングから運用フェーズまで、 一貫して支援が可能新井:SQUEEZEでは、いきなり「ツールを入れて終わり」ではなくて、まずは企画やコンサルティングの段階からご一緒させていただいて、限られた施設でのトライアルを経て、少しずつ深く伴走させていただくこともあります。今回のミナシアさんとの取り組みでも、まずは浅草の施設でのトライアルを経て業務フローを一緒に整理し、どうすればsuitebookが現場でちゃんと使われるか、改善しながら進めていきました。単なるシステムの入れ替えではなく、企画から現場まで一貫して支援できるのが私たちの強みですし、関わり方もフェーズに応じて柔軟に設計できるのが特徴です。\n── 当時抱えていた課題について、あらためて教えていただけますか?\n小野:以前使っていたPMSは、機能は豊富だったものの操作が複雑で使いきれていませんでした。コストが高額になっていたので、必要な機能をシンプルに使えるようなシステムへの切り替えが社内の大きな課題でした。事業や組織が拡大していく中で、「より使いやすく」「より習得しやすい」基幹システムを選定することの重要性は日に日に高まっていたと思います。\n── 大規模なシステム変更には、通常、現場からの抵抗も少なくありません。その点、現場の方々の反応はいかがでしたか?\n小野:ありがたいことに、私たちの現場では、新しいPMSへの移行に対する抵抗は想像以上に少なかったです。むしろ、多くのスタッフが現状の課題に疲弊しきっていたため、「これでシステムが安定するなら」「業務が楽になるなら」という期待の方が大きかったのだと思います。以前から、社内アンケートなどでPMSへの不満や改善要望を継続的に吸い上げていました。PMSに関する要望は常に上位にあり、現場の課題として広く認識されていたんです。だからこそ、システム刷新プロジェクトの立ち上げは、長年抱えていた現場の課題解決に応えるものであり、皆が「いよいよ変わるんだ」という前向きな姿勢で受け入れてくれました。これは、プロジェクトを推進する上で非常に大きな後押しとなりましたね。\n\nプロフィール\n\n㈱ミナシア運営企画部 部長 小野 雄一郎氏2004年入社後、後楽園や相模原など複数店舗で支配人を歴任し、現場運営の改善を牽引。2019年以降は本部で全店の運営支援や口コミ管理、収支予測、DX推進を担当し、2024年にはPMS変更プロジェクトを率いて多数の施設切替を成功させ、2025年より現職。現場と本部の両面を熟知し、ホテル運営とデジタル化を融合する取り組みを続けている。\n\n\n「選ばれた理由」は、操作性ではなく“共に走る力”──ホテル運営を知り尽くしたパートナーシップ\n── PMSを選んだプロセスについて教えてください。\n小野:選定段階では、国内外の多くのPMSベンダーを比較検討しました。候補は10社から5社、そして最終的に3社に絞り込み、さらに詳細な検討を重ねました。選定軸は明確でした。クラウド型であること、UIが直感的に使えること、そして何より簡単なものにしたいという三つです。 \n── 最終的にSQUEEZEを選んだ決め手は?\n小野:機能面だけで見れば、当時のsuitebookは、他の成熟したPMSと比較して、足りない機能もありました。しかし、最終的な決め手は、SQUEEZEさんのホテル運営に深く精通した「伴走力」、そして「共に未来を創る」という姿勢でした。選定段階のやり取りの中で、SQUEEZEさんのレスポンスの速さと、質問に対する回答の的確さは群を抜いていました。これは、SQUEEZEさんが自らホテル運営をされているからこそ、私たちの要望の背景にある現場の課題、経営的な意図を正確に理解し、最適な提案をしてくれるのだと実感しました。以倉:ありがたいお言葉です。ミナシアさんが抱えていらっしゃったのは、単にシステムを入れ替えれば解決するような課題ではなく、スタッフの皆さんが現場で“使いこなせる”システムを前提に、オペレーション全体をDXしていくことが本質的なテーマだと感じていました。だからこそ、「システムを導入して終わり」ではなく、経営課題を共に解決していくパートナーとして伴走する姿勢を大切にしていました。私たち自身も日々ホテル運営を行っているからこそ、現場のリアルな課題に共感でき、単なる機能提供にとどまらず、運営全体に寄り添ったご提案ができることは、SQUEEZEの大きな強みだと考えています。小野:例えば、私たちが「こういう機能が欲しい」と伝えると、SQUEEZEさんは単にそれを開発するだけでなく、「こちらの運用の方が現実的ですよ」「この機能は別の方法でカバーできますよ」といった、ホテル運営のプロとしての具体的なアドバイスを返してくれました。まさに、単なるシステム提供者ではなく、私たちの経営課題を共に考え、解決策を提案してくれるパートナーだと感じました。また、コスト面においても、旧PMSの運用コストや、外部システムとの連携にかかる莫大な費用を考えると、suitebookのトータルコストは非常に魅力的でした。このような、システム提供+運営知見+コストパフォーマンスの総合的なバランスが、SQUEEZEさんを選んだ最終的な決め手となりました。新井:提案段階では正直、足りない機能も多かったですね。しかし、ミナシアさんのオペレーションを理解して、本当に必要なものは何かを一緒に考えていきました。フルスペックではなく使いやすさを重視されている点も明確だったので、そこに合わせた提案を心がけました。\n\nプロフィール\n\n㈱SQUEEZE 執行役員 CTO 新井 正貴氏東京大学文学部を卒業後、アライドアーキテクツ㈱に入社し、マーケティング支援のプロダクト開発に従事。2016年4に㈱SQUEEZEに入社し、「suitebook」プラットフォームをはじめ、ブッキングエンジンやBI・経営管理ツール、外部パートナーとのOTA連携推進など、プロダクト開発全般を管轄。2024年7月に執行役員・CTOに就任。どのような機能が必要か、導入にあたって課題となるものは何か、など、主にプロダクトのスペシャリストとしてホテル経営改革に伴走。\n\n\n2ヶ月の開発、10ヶ月で全店導入─両社の本気と伴走体制\n── 2024年4月に決定して、9月には導入開始。スケジュールとしてはかなりタイトな印象です。\n新井:テストまで2ヶ月での開発は、極めて挑戦的なスケジュールでした。足りない機能も多い状態から、運営する上で必要不可欠な機能を作り、データ連携も完了させる必要があり、かなりハードなスケジュールでしたが、チーム一丸となって開発に取り組みました。小野:プロジェクトメンバーの力があったから実現できましたね。各施設からメンバーを選出してもらい集まった時点で「このプロジェクトは成功だな」と。そう思えるくらい、優秀な方が各施設各部門から協力してくださったんです。プロジェクトメンバーのみならず、快く協力してくださった各部門の皆様ふくめ、会社全体で成功させていただいたと思ってます。この場を借りて心から感謝を伝えたいです。目標にしたのは、統一したオペレーションで全店の切り替えが完了することと、シンプルなオペレーションを組み立ててシステムを習得する時間を減らすことでした。 \nsuitebook オペレーション画面イメージ\n── 100を超える改善要望があったそうですが、プロジェクト進行で工夫された点は?\n小野:優先順位をつけることですね。もちろん、前提としてすべての要望に答えてあげたかったですが、時間的な制約もありましたので、「この機能は運用でカバーできる」「これは既存機能の使い方を工夫すれば解決できる」といった判断をしました。開発コストをかけるべきところと、オペレーションの工夫で対応できるところの見極めに集中しました。新井:小野さんの優先順位付けが本当に絶妙でしたね。「あれもこれも全部欲しい」と要望が積み重なると、プロジェクトがなかなか前に進まなくなってしまうこともあります。でも、小野さんは何を最優先すべきかを明確に判断し、ステップを細かく区切って進めていく道を模索してくださった。これが、あの短期間で全店導入を成功させた1つの重要なポイントでした。以倉:小野さんが開発側の負荷にも細やかに配慮してくださっているのが、ひしひしと伝わってきました。「ここまであれば大丈夫ですよ」と、SQUEEZEチームを気遣って言葉を選んでくださる優しさが感じられて。それが、かえって私たちの「何としてでも期待に応えよう」というモチベーションに火をつけましたね。小野:お互いの状況を理解し、歩み寄る「本気」の姿勢こそが、この挑戦的なスケジュールを可能にした最大の要因だと感じています。単なるシステムの入れ替えをゴールとするのではなく、「ホテル運営・経営の課題を解決する」という共通のゴールに向かって優先順位をつけて動けていたからこそ、タフな状況を乗り越えられました。\nシステムが変わると、人が変わる。学習期間は1ヶ月→1週間へ──DXがもたらす現場の変化\n── システム切り替え後の反響について、あらためてどのように感じていますか?\n小野:導入後のアンケートでは、操作性や理解度など、複数の面で約90%以上のスタッフが「良くなった・改善した」と回答してくれました。特に大きな成果は、新人スタッフの学習期間が従来の1ヶ月から1週間に短縮されたことです。「シンプルで分かりやすくなった」「習得時間が短くなった」との声が多く寄せられました。もともと「わかりやすく、簡単に」を目的に導入を進めてきたので、期待通りの反響ががあったのはすごく良かったです。\nミナシア社からのアンケート結果をもとに、SQUEEZEにて作成\n── 現場から届いたリアルな声で印象的だったものは?\n小野:6月に実施した交流研修で効果を実感したとの声がありました。どの店舗から来たスタッフも、1週間の研修で基本操作を習得し、大部分は統一されたオペレーションで業務ができたと報告を受けました。従来なら1ヶ月かかっていた習得までの期間を大幅に減らすことができました。施設や部署間の人の移動や交流がしやすくなったことの嬉しかったですね。これは、導入時にマニュアルを作り込み、全社統一のオペレーションを構築した成果でもあります。別の店舗に行き来してもスムーズに扱える状況を作りたかったので、最初のステップとしては達成できたかなと思います。以倉:センタライズされたオペレーションは、今後の新しいデジタル施策を展開する上でも大きな強みになります。データが揃って、オペレーションが揃っているからこそ、次のステップに進みやすくなります。\n── 一方で、課題や要望もあったのでしょうか?\n小野:「もっとDXを進めて欲しかった」という声もありました。具体的には非対面チェックインやペーパーレス化など、よりスマートでテクノロジーを活用したオペレーションに進化したいという期待も大きいです。今回はあくまで「PMSの切り替え」が第一フェーズでしたが、実はSQUEEZEさんとも次のステップとして、モバイルチェックイン・アウト、会計システムとの連携強化などを議論しているところです。新井:私たちとしても、課題解決のためにはより幅広い提案をしたかったのですが、タイトなスケジュールの中で、まずはPMSの切り替えに集中させていただきました。suitebookは顧客・施設管理だけでなく、予約管理・会計・清掃・CRM・レポート作成など、宿泊運営に必要な機能を一つのプラットフォームで完結できる設計です。今後は、ミナシアさんのスタイルに合わせた非対面チェックインなど、プラットフォームやその他幅広いソリューションを順次ご提案していきます。\nSQUEEZEが提供するホテルソリューション\nPMSは\"導入して終わり\"ではない。DXの本質は「進化し続ける」こと\n\n── 約10ヶ月間のSQUEEZEの導入支援に対しての印象をお聞かせください。\n小野:伴走力とスピード感に本当に助けられました。SQUEEZEさんがいなければ、このスケジュールでの導入は不可能だったと思います。自分たちのチームに不足している部分を引き受けてもらって、積極的に提案・行動し続けてくださり一緒に成功させる熱意を感じました。以倉:私たちとしても、この規模のプロジェクトは大きな挑戦でした。本プロジェクトにおいては、下嶋社長や小野さんをはじめ各部署の皆さまの多大なご協力やご支援をいただき、本当にありがとうございます。プロジェクトを通じて、ミナシアさんと一緒に成長させていただいています。現場のリアルな声を届けていただけるのは非常に嬉しいですが、まだまだ日々改善すべきことやアップデートすべき機能もあるので、気を引き締めて伴走させていただきたいと思っています。\n\nプロフィール\n\n㈱SQUEEZEソリューション事業部 マネージャー 以倉 竜一氏大学卒業後、警視庁勤務やIT企業での法人営業を経て2019年SQUEEZEに入社。宿泊施設向け物件管理システム「suitebook」の営業兼カスタマーサクセスマネージャーとして、自社サービスの成長と顧客価値の向上をリードしている。プロジェクトマネージャー(本プロジェクトの責任者)として、全店導入に至るまでの課題抽出、プランニング、実際の導入にあたってのタスク・スケジュール管理や問い合わせ対応などを担う。\n\n── 今後、suitebookをどのように活用していきたいですか?\n小野:現場目線でいえば、当社にジョインしてくれた皆さんが、「接客の楽しみ」にすぐたどり着けるようにしたいです。 私自身、ホテル業の楽しみの一つはお客様との接客であったり、会話だと思います。でもPMSの操作は複雑で、覚えるのにとても時間がかかっていました。楽しさを感じる前に離職してしまうことすらあります。なるべく短い期間でお客様の前に立ち、接客業の楽しさを体感してもらいたいです。そして、この仕事の魅力を感じて長く働いてもらえたら嬉しいですね。以倉:システムの学習期間短縮は、ホテル業界全体が抱える人材不足の課題に対して、非常に大きな意味を持つと考えています。スタッフがPMSの操作習得に要する時間を短縮できれば、その分、お客様との接客やホスピタリティの向上に時間を割くことができます。これは、お客様満足度の向上に直結するとともに、スタッフが「お客様に向き合う楽しさ」をより早く実感できるようになり、結果的にスタッフの定着率向上にも繋がります。新井:suitebookの強みは、現場からのフィードバックを柔軟に取り入れ、常に進化し続けられる点にあります。画面設計や機能の組み合わせ、日々のオペレーションのあり方まで、「こうあるべき」という固定概念に縛られることなくアップデートしていけるPMSです。 実際の運営を通じて「ここを変えたい」「もっとこうできたら」という現場の声をスピーディーに反映し、現場スタッフがより使いやすく、より早く本来の接客に集中できる環境を整えていきたいと考えています。\n── 最後に、今後の目標を教えてください。\n小野:今回のPMS刷新は、あくまで経営改革の「強固な基盤作り」だと捉えています。PMSが安定稼働し、現場の負担が軽減されたことで、次のステップへと進む準備が整いました。 今後は非対面チェックインやペーパーレス化など、現場から期待されている機能を順次導入していきます。より効率的で、スタッフがお客様に向き合える時間を増やせる未来を描いていきたいです。 また、旧PMSでは高コストで複雑だったデータ連携も、suitebookの高い拡張性によって、よりスムーズかつ低コストで実現できると期待しています。単なるシステム提供にとどまらず、私たちの経営戦略全体を理解し、共に未来を描けるパートナーとして、SQUEEZEさんには引き続き、深く伴走していただきたいです。新井:ミナシアさんが実現したい「新しいホテル運営」、そして「人にしかできないホスピタリティ」に、伴走できるのは自分たちしかいないという使命感と自負を持って、これからも多角的なご提案、ご支援をしていきたいと思っています。SQUEEZE自ら日々のホテル運営で得ている知見やノウハウを惜しみなく発揮し、「進化し続けるPMS」を創っていくことは勿論のこと、システムやテクノロジーを活用することでミナシアさんのホテル経営変革の一助になるよう尽力していきます。以倉:システムを導入して終わりではなく、これからが本当に課題を解決してより良い環境を作っていくフェーズです。ミナシアさんと共に、ホテル業界の新しいスタンダードを作っていけることを楽しみにしています。",
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"title": "東急ホテルズ&リゾーツ「ユニバーサルサービス EXPO」開催",
"content": "ユニバーサル対応における実体験をへて全社的にさらなるサービスの向上を目指す\n 東急ホテルズ&リゾーツ㈱(東京都渋谷区)は、運営するホテルのスタッフに対し、ユニバーサル対応(※)への認識を深めることを目的とした「ユニバーサルサービス EXPO」を2025年6月16日開催した。\n 当日は、全国39テルから約60名が参加。車いすユーザーを想定した緊急避難シミュレーションや車いすを用いたサポート走行および自身による走行やブッフェ利用を想定した体験ほか、アクセシビリティサポート備品の説明および会場ホテル(二子玉川エクセルホテル東急)から周辺の歩道や敷地内の動線を体験するアクセスルート検証をへて、体験者同士のグループセッションを行なった。互いの気づきを共有することで、自社の課題解決につなげていきたいとしている。\n また、緊急避難シミュレーションの講師には、一般社団法人 障害攻略課の加藤さくら氏、屋内体験の講師には上原大祐氏、アクセスルート検証の講師には大塚訓平氏が務めた。 同社では、料飲部門向けの社内コンテンツとして20年以上前から料理コンテストを行なっているほか、カクテルコンテスト、料飲サービスコンクールなども行なっている。本企画は、全部門のスタッフのサービス力向上を目的としたアクションとして、2024年より実施。初回はウェビナーのみで、体験型(オンライン配信あり)は今回が初となる。今後も継続的に年に1回程度行なうことで、成熟度を測りながら、ガイドブックやマニュアルの策定、案内表示の改善などにつなげていきたいと考えている。\n このようなインナーエデュケーションを運営している執行役員 金子真之氏は、「実体験をテーマとする今回を“ユニバーサルサービス EXPO1(ワン)”と位置付け、今後も年に1回は開催していきたい。こうした取り組みをサービスに反映させ続けていくことで、ユニバーサル対応といえば東急ホテルズとなるよう努力を重ねていきたい」と話している。(※)障がいの有無や年齢・国籍等に関係なく誰もが等しくサービスを利用できること\n車いすユーザーを想定した緊急避難シミュレーションでは4名のスタッフが持ち上げた\n屋内の車いす体験は上原大祐氏が講師に\n車いすを用いたサポート走行:人工芝の上で走行をサポート\n車いすを用いたサポート走行:車いすを使用しながらブッフェ体験\nアクセスルート検証:駐車場の看板に記された車いすのピクトグラムの位置について指摘。乗車中は目立たない\nアクセスルート検証は大塚訓平氏が講師に\n体験者同士のグループセッション:活発な意見が交わされた",
"excerpt": "東急ホテルズ&リゾーツ㈱(東京都渋谷区)は、運営するホテルのスタッフに対し、ユニバーサル対応(※)への認識を深めることを目的とした「ユニバーサルサービス EXPO」を2025年6月16日開催した。",
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"title": "阪神甲子園球場100周年、阪神タイガース90周年 地域の一員として、環境に配慮して次の100年も",
"content": "1924年、全国中等学校優勝野球大会(現全国高等学校野球選手権大会)の開催を目的に建設されてから、2024年で100周年を迎えた阪神甲子園球場。ホームとする阪神タイガースと共に、地域や社会、環境とどのように向き合って来たのだろうか。また、3月に新たに兵庫県尼崎市にオープンする「ゼロカーボンベースボールパーク」では、どのように向き合っていくのか。兵庫県出身で大の虎ファンの小誌 義田真平が阪神タイガース社長 粟井一夫氏に聞いた。\n阪神タイガース 代表取締役社長 粟井 一夫 氏\n本誌 執行役員 月刊HOTERES 編集長 義田 真平\n「故郷」として次の100年も次世代につないでいく使命\n義田 阪神甲子園球場(以下、甲子園球場)は2024年8月に100周年、阪神タイガースは今年90 周年を迎えられました。改めてどのようなお気持ちですか。\n粟井 西宮の地で100年運営させていただくなかで、西宮市だけでなく関西の「コミュニティの一部」になれたと感じています。高校野球も含めると、おこがましいかもしれませんが、「日本のコミュニティの一部」と言えるかもしれません。\n義田 たしかに、私も含めて関西人にとって甲子園球場は「故郷」みたいな感覚がある気がします。次の100年をどのように見据えておられるのでしょうか。\n粟井 まずは甲子園球場が今の形であり続けることが使命だと感じています。高校球児にとっても、プロ野球選手にとっても「故郷」ですから。もっと言えば、「自分の地域の代表校が出場した球場」という支持もあります。そういう方の期待を裏切らず、確実に次世代につなげるために、「日本一の球場であり続けること」「日本一愛される球場であること」「日本一を決める球場であること」という目標を掲げました。\n義田 具体的に、どのような活動をしていかれるのでしょうか。\n粟井 地域コミュニティの結節点になることであれば、野球だけでなくさまざまな機会を設け、みなさまに来ていただきたいと思っています。西宮市の成人式の会場にしていただいたり、近隣の方やお子さんにも集まっていただいて、球場をフルに使って楽しんでいただくイベントを開催したりもしています。\n義田 幅広いシーンで利用されているのですね。\n粟井 これは今に始まったことではなくて、1938 年には、長野から雪を運んでスキージャンプの大会を開催したり、ボクシングが行なわれたり、現在もアメフトの大会である甲子園ボウルが開かれています。そうやって歴史を紡いできたからこそ、自然と地域に溶け込んでこられたのだと思います。\n環境省、企業の協力を得て「あらゆる方法」でゼロカーボン化へ\n義田 環境への取り組みも積極的に行なわれていると聞きました。\n粟井 2009 年に耐震補強と動線の整備のためのリニューアルをしたのですが、その際、銀傘の上に太陽光パネルを付けたり、雨水を貯めるタンクを作ってトイレや散水に使えるようにしました。企業様の協力を得て、代替的にCO2の排出量を減らす「カーボン・オフセット試合」を開催したり、関西電力様にエコパートナーとなっていただき、球場で使用する電力の再エネルギー化も推進しています。照明もLED に変え、消費電力量は格段に下がりました。\n義田 3月には、尼崎市に「ゼロカーボンベースボールパーク」もオープンされるそうですね。\n粟井 ファームの公式試合を行なう球場「日鉄鋼板SGL スタジアム尼崎」(以下、SGL スタジアム)と室内練習場を建設しています。元々は西宮市内にあるファーム施設が手狭になって移転先を探していたところ、尼崎市さんに誘致していただいたのです。尼崎市南部にある小田南公園という都市公園内なのですが、公園と隣接する遊休地を合わせて7万平米以上もあります。そこに私たち専用の球場と練習施設をつくると共に、市民のための球場も建てるなど、小田南公園の整備も行ない、建てた施設の一部を竣工後に尼崎市に寄付したうえで、阪神グループが管理・運営していくスキームとなっております。\n義田 大きな投資ですね。\n粟井 甲子園球場のようにコミュニティの一部だと思っていただける施設になれるよう、精一杯できることをと考えました。ファームの寮もつくり、選手も住ませていただく街ですから。\n義田 施設自体に「ゼロカーボン」を謳われているのも驚きました。\n粟井 環境省が、脱炭素化に取り組むエリアを「脱炭素先行地域」として推進されているのですが、尼崎市との共同事業として、親会社の阪神電鉄の駅施設を含めてその対象に選ばれ、ご支援いただけることになったのです。プラスアルファの投資もして、太陽光発電と蓄電池の導入から、ゴミ処理場の廃棄物発電の利用、省エネ徹底により、あらゆる方法で脱炭素に尽力しました。その結果、「ゼロカーボン」が可能になったのです。満員でも4400人という規模感だからこそ実現できた部分も大きいですね。\n義田 1からのスタートですが、どのような未来を描かれていますか。\n粟井 甲子園球場が歩んできた道をできるだけ短期間で歩み、地元のコミュニティの一部だと思っていただける施設になることです。ファームの施設は甲子園球場より小さいですが、だからこそ、尼崎市のみなさんと一緒に成長していけるのではないでしょうか。尼崎市の商店街には、開幕前から優勝マジックを点灯するほど熱心なファンがいてくださいますし、心強いですね。\n義田 2025 年は大阪・関西万博の年でもあります。\n粟井 この機会に海外の方にも阪神タイガースを知っていただき、チケットを買っていただける仕組みを取り入れていけたらと思っています。また、今年は阪神・淡路大震災から30年、太平洋戦争終結から80年の年でもあります。そういう意味でもぜひ優勝したいと考えています。\n義田 震災のあった年や戦争中、甲子園球場で野球は行なわれていたのでしょうか。\n粟井 野球が止まったのは、戦争中とコロナ禍だけです。スポーツは無力かもしれませんが、大変なときこそ元気を出していただける存在でもあると思います。そして、戦争も震災もコロナも、後世に伝えていかなければいけません。今、甲子園球場の銀傘を延ばす工事も進めています。戦前はアルプス全体を覆っていたのですが、戦中の鉄の供出で、軍に持って行かれてしまいました。もう一度アルプスを覆い、平和の象徴としての存在を目指していきたいですね。\n義田 新時代の幕開けですね。銀傘工事の着工とSGL スタジアムの完成、そして悲願の優勝と、2025年は阪神タイガースにとって大きな節目の年になりそうです。\n粟井 ありがとうございます。絶対優勝します!\n",
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"title": "ロッジ風の設えとフレンドリーな接客で注目を浴びるUNWIND HOTEL \u0026 BAR 札幌、今後は英語力の底上げにも注力【PR】",
"content": "\nプロフィール\n\nUNWIND HOTEL \u0026amp; BAR 札幌総支配人 大内 智博氏20年間札幌市内シティホテルで業務全般に携わりフロントマネージャーとして勤務。札幌市内のホテル系専門学校にてカリキュラム作成、クラス担任、授業運営、就職指導に携わる。2023年10月より株式会社グローバルエージェンツ UNWIND HOTEL & BAR 札幌の総支配人として就任。現在も専門学校にて非常勤講師を務めている。\n\n\n既存の概念に取らわれないUNWIND HOTEL \u0026amp; BAR 札幌\n■初めに大内総支配人のご経歴を教えてください。 ホテル業界のキャリアのスタートは札幌市内のシティホテルでした。その宿泊部門で20年ほど勤務しました。その後、観光系の専門学校からお声がかかり、10年間ホテル学科で授業運営とカリキュラム編成、就職指導などを行いました。卒業生は延べ500人ぐらいを輩出し、日本全国のいろいろなホテルで活躍しています。そのような卒業生を見ているうちに私自身も次のキャリアとして、もう一度ホテルの現場に戻りたいと強く思うようになりました。そんな折に出会ったのがグローバルエージェンツの山﨑 剛社長でした。2023年10月に入社を決断し、現在はUNWIND HOTEL \u0026amp; BAR 札幌の総支配人を務めています。そのほか国家資格であるホテルマネジメント技能検定の検定委員や現在も専門学校のホテル学科で非常勤講師を受け持っています。■グローバルエージェンツの企業カルチャーやUNWIND HOTEL \u0026amp; BAR 札幌のコンセプトなどをご紹介いただけますか。 グローバルエージェンツは今年で20周年を迎えます。ソーシャルアパートメント事業からスタートし、加えて現在はホテル事業として6ブランド、12ホテルを展開するほか、飲食事業やワークプレイス事業などを行っています。ホテルで働く社員の平均年齢は33.9歳と若く、業界経験者も50%程度。ホテルはこうでなければならない、という固定概念がよい意味でないのが特徴の一つだと思います。教育機関で働いていた私から見るととても新鮮で面白い企業だと感じています。私が総支配人を務めるUNWIND HOTEL \u0026amp; BAR 札幌は、ロッジの世界観を強く打ち出すブティックホテルです。木材を多用した内装やパブリックスペースには暖炉やアンティーク家具を備え、非日常感と自宅にいるような快適性を併せ持つロッジをホテルのスペックで提供しています。顧客層は25〜40歳代の女性、カップル、海外からのお客さまが非常に多いです。客室数は47部屋で、ご滞在されるすべてのお客さまを把握して顔が見える接客・接遇が可能です。\n■一般的なホテルでは、チェックイン後ゲストからのリクエストがない限りあまりコミュニケーションがないと思います。一方、貴ホテルでは気軽に話しかけたり、イベントを行うなどコミュニケーションを図っているのが特徴的だと思います。どのような考えのもとスタッフを教育されているのですか。\n 専門学校で教職に就いていたので、日々授業でも指導していましたが笑顔や接遇姿勢は率先して実践しています。接客用語も重要ではあるのですが、当ホテルではゲストに対して、“積極的に会話しよう”ということをスタッフに教育しています。丁寧な言葉遣いは前提ではありますが、ゲストがどうして私達のホテルを選んでいただいたのかをイメージしながら声掛けをするよう伝えています。\n\n英語力向上は接遇力アップのみならず自身のキャリアップにも必要不可欠\n■利用者におけるインバウンド比率はどれくらいですか。 札幌地区のインバウンドは去年12月ごろからやっと本格的に戻ってきたかなという感じです。当ホテルでは今年2月の雪まつり、春節の時期はインバウンド比率が約6割でした。一年を通すと3〜4割ぐらいの比率になると思います。■インバウンドゲストに対して、コミュニケーションツールとして英語がすごく大切になってくると思いますが、貴ホテルの英語教育についてのお考えを教えてください。 英語力は接遇の面だけでなく、ホテル運営や自身のキャリアアップのためにも必要不可欠だと考えています。札幌にもこれから多くの外資系オペレーターのホテルが開業します。そうしたホテルで働いたり、ホテルマネジメントの世界に入っていくにはすごく重要なスキルだと考えています。当ホテルに関してはフロントスタッフの30〜40%ぐらいが外国籍なので、比較的英語を使えるスタッフが多いとは思いますが、全員というわけではありません。私が就任した当初はアルバイトスタッフが翻訳アプリを使って接客していました。それを見て私は「翻訳アプリはしまって。ジェスチャーでも何でもいいから体当たりで話してみて」と伝えました。そもそもスタッフは半分以上がホテル業界未経験で、接客におけるフレーズもあまり理解していない状態でしたので、英語での接客用語などから教育し、外国人ゲストと積極的に会話できるように指導していきました。さらに外国籍のスタッフも自ら提案して英語の勉強会を開いてくれているので、より実践的なフレーズも教えられています。日本人スタッフからは実際に英語が通じるとすごくうれしいという声もたくさん聞きました。外国人ゲストに対して積極的に話しかけ、さらに自ら英語を学ぶというマインドが醸成されつつあるので、次の段階として、これまでの接客や自己学習で身につけた英語力を測るため、TOEIC® Listening \u0026amp; Reading Test(TOEIC L\u0026amp;R)の導入を検討しています。■さまざまな教育のプログラムがある中でTOEIC Programに関心を持たれた理由は。 以前、専門学校で教職についていた際、クラス分けなどでTOEIC Bridge® Listening \u0026amp; Reading Testsを実施していたため、TOEIC Programが実践的な英語コミュニケーション能力を細かく正確に測れることは知っていました。さらに、IPテスト(団体特別受験制度)であればオンラインでの受験が可能であり、自宅など自分の希望する時間・場所で受験でき、若いスタッフが多い当ホテルにフィットしていると思いました。特にTOEIC L&R IPテスト(オンライン)は、試験時間がマークシート方式の半分の時間(約1時間)で受験でき、試験会場にいなくても自分の英語力が把握でき、合否ではなく、スコアとして可視化できるのがとても魅力的だと感じました。また、外国人ゲストとのコミュニケーションをはかるためには、積極的に話すことも大事ですが、話すためには相手の言っていることを聞き、正しく理解することも大切だと考えています。TOEIC L\u0026amp;Rを活用し、自身の英語力を見える化することは、学習するスタッフのモチベーションアップにつながると思いました。ゲストの望むことに応えられるということは、ホテルとして大きな魅力の一つになります。ホテル運営の次のステップとして、このような英語力向上をサポートできる制度も前向きに検討しているところです。■今後の展望をお聞かせください。 グローバルエージェンツのVISIONでは文化創造企業をうたっています。文化づくりを本当に大切にしている会社なので、われわれもUNWIND HOTEL \u0026amp; BAR 札幌というホテルの文化をしっかり築いていきたいと考えています。その中に自然体で等身大のホスピタリティーを押し出していこうと考えています。当社独自の基準に則し、よりゲストとの距離が近い接遇を行うことで、このホテルを推してくださるお客さまを増やしていきたいと思っています。■さまざまホテルが札幌に開業していくと思いますが、貴ホテルは他とは一線を画す独自のポジションを築かれています。今後さらにUNWIND HOTEL \u0026amp; BAR 札幌らしさに磨きがかかっていくことに期待しています。\n●UNWIND HOTEL \u0026amp; BAR 札幌住所:北海道札幌市中央区南8条西5丁目289-111アクセス:地下鉄南北線 中島公園駅下車徒歩4分、すすきの駅下車徒歩10分詳細はこちら\n\nホテル業界にフィットするTOEIC Program訪日外国人観光客の増加を受け、ホテル業界の接客現場では、英語で対応しなければならない機会が増えています。ホテル全体の英語力の底上げを図るために、TOEIC Programを活用してみませんか?―ホテル業界でTOEIC Programが最適な理由―●外国人ゲストに関わる機会が多く、多岐にわたる対応が必要なフロントスタッフにはTOEIC Tests、レストランや宿泊部門など日常的な英語力が必要なスタッフにはTOEIC Bridge Testsなど、目的とレベルに応じて、最適なテストを活用できる●オンライン方式ならシフト体制を敷いてるホテルでも24時間好きなタイミングで受験可能●TOEIC Bridge Testsは、より日常的な英語コミュニケーション能力を測るテストで、出題の場面設定などは接客現場に通じるものも含まれる●英語による発信力を測るなら、TOEIC Bridge S\u0026amp;W、TOEIC S\u0026amp;Wを活用【活用例】●新入社員研修や英語研修の効果測定 ●スタッフのレベルチェック●海外研修選抜 ●スタッフへの自己啓発支援 などTOEIC Programの詳細はこちら",
"excerpt": "ホテルの現場から教育者に転身し、再びホテル企業に就職したという経歴を持つ大内 智博氏。現在は札幌市のUNWIND HOTEL \u0026amp; BAR 札幌(アンワインドホテルアンドバー札幌)にて、総支配人として活躍している。そんな同氏にホテルのコンセプトや運営方針、英語教育などについて伺った。",
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"image": "//hoteres.com/cdn/shop/articles/IIBC01_01_96217703-4b22-4dfe-8fef-3912572adb80.png?v=1774826766&width=600" ,
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"title": "小学4年生を対象に食育特別授業「福田メソッド」最終授業「いのちへの感謝(イワシの手開き)」をへて修了へ",
"content": " 東急ホテルズ&リゾーツ(東京都渋谷区)と東京都市大学付属小学校(東京都世田谷区)は、同校の4年生を対象に、年間を通じて食育特別授業「福田メソッド」(年間全12回)を実施している。授業の最終回(第11回:「いのちへの感謝」(イワシの手開き))である2月17日には初のメディア取材を実施した。 同校では食育プロジェクトチームを設けており、2011年からは、同チームの研究結果に基づく食育プログラムを4年生の授業カリキュラムに採用している。児童の健やかな身体の成長や豊かな心・人間性を育むことを目的に全12回の特別授業として編成。日本の食文化である“うま味”や食材の見極め方など、実体験やフィールドワークを通じて楽しみながら育んでいくとしている。2023年からは東急グループでもある同ホテルとの連携を開始。東急ホテルズ総料理長で、セルリアンタワー東急ホテル 総料理長の福田順彦氏が総合監修・講師となり食育特別授業を行なっている。なお3月4日には、同ホテルにおいて第12回修了式:「楽しいときを分かち合う」が行なわれた。\n東急ホテルズ総料理長/セルリアンタワー東急ホテル 総料理長 福田順彦氏\n \n「本日の第11回はイワシの手開きです。実際に行ないながら「いのちへの感謝」を考えていきます。今日の食材のイワシは岩手県の漁港で水揚げされ今朝、東京に届いたものです。授業としては本日が最終となりますが、ぜひともお家に帰って、ご両親に今日行なったこと、食材がこうして届いて調理されていくこと、そして私たちは食材という命をいただいて生きていることをお話ししてみてください」今回の課題(イワシの手開き)は座学をへて実践。各自、その出来具合に一喜一憂しながら「福田メソッド」を体感する機会となった。\n食育授業①座学で食材がどのように届いたか、本日行なう工程を説明\n食育授業②本日の課題「イワシの手開き」の説明\n食育授業③各班に赴き個別にていねいな指導も\n食育授業④さばいた後に調理をして各自で試食\n東京都市大学付属小学校「3段階の学び」1~2年生:からだ全体で学ぶ3~4年生:ともに学ぶ5~6年生:自ら学ぶ\n東京都市大学付属小学校https:\/\/www.tcu-elementary.ed.jp\/\n東急ホテルズ&リゾーツhttps:\/\/www.tokyuhotels.co.jp\/index.html",
"excerpt": "東急ホテルズ&リゾーツ(東京都渋谷区)と東京都市大学付属小学校(東京都世田谷区)は、同校の4年生を対象に、年間を通じて食育特別授業「福田メソッド」(年間全12回)を実施している。授業の最終回(第11回:「いのちへの感謝」(イワシの手開き))である2月17日には初のメディア取材を実施した。",
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"title": "JR東日本グループ 日本ホテルとSQUEEZEが連携、Suicaを活用したスマートホテルブランド「ホテル B4T」を開発した背景とこれから",
"content": "●日本ホテル株式会社 開発推進部 開発グループ 課長代理 十楚 晃一郎氏●ホテルB4T インフォメーションセンター 支配人 畑 光範氏●株式会社SQUEEZE ビジネスディベロップメント事業部 事業部長 森椙 愛子氏※以下、敬称略\n「Suica」の認証技術を活用し非対面で1秒でも早い接客を\n■まず、日本ホテルとSQUEEZE提携のきっかけをお聞かせください。十楚 2018年に新ブランドとしてスマートホテルのプロジェクトが立ち上がり、スマートホテルを目指してコンセプト、プロポジション、ターゲットを一から検討しました。それを形にしたのが「ホテル B4T」(以下、B4T)です。ちょうどその頃、「JR東日本スタートアップ」というベンチャーキャピタルが立ち上がり、毎年スタートアップ企業と協業してパイロット事業を進めるプログラムがありました。そこでSQUEEZEさんがホテルのスマート化の提案を持って応募してくださっていたのです。非対面で1秒でも早く客室でお過ごしいただけるというサービス思想に則っていましたので、まさにこれだと。また当時から、Suicaを認証技術にも活用できることは分かっており、JR東日本でも認証ビジネスとしての機会を拡大しようという中期経営構想がありました。その切り口で連携できるパートナーとして見たときに、技術面、費用面両方で秀でていたためSQUEEZEさんを選んだのです。森椙 従来のPMSは納品型で、アップデートには施設ごとのカスタマイズが必要となり、都度費用がかかります。一方当社ではトレンドに合わせた機能改善や外部ツールとの連携を前提としたプラットフォームとして開発しており、ご要望に応じたスピーディーな対応が可能です。Suicaの認証機能との連携については、セキュリティ的なハードルはありましたが、システム開発自体は難解なものではありませんでした。■畑さんは2022年8月に現場支配人としてアサインされたとお聞きしています。畑 私自身、新規ホテルの立ち上げや支配人経験があったため、新しい取り組みに常に挑戦したいという願いが反映されたと考えています。私は建物やオペレーション、データ共有のための通信プロトコルを決定するタイミングで日本ホテルから責任者としてアサインされ、スタッフの採用や備品の選定、オペレーションの構築を進めていきました。\n誰にも触れずにすぐ客室へ新たなニーズに応える設計\n■開発側、運営側、PMS側の企業と、立場の異なるチームによる立ち上げが成功した要因はどこにあると思われますか。十楚 「B4T」は手厚いサービスを受けず、誰にも触れることなく客室に行ける、手軽に予約ができることに便宜を感じる方をターゲットにしています。「B4T」のサービスは従来の形ではないということを認識して、オペレーションを設計していったことが成功の鍵だったと思います。得てしてホテルに従事するスタッフは、お客さまが求めているレベルよりも、さらに上のサービスを提供することがモチベーションです。けれども畑支配人以下、B4Tのスタッフがそこをしっかり理解してくれたことが非常に大きかったですね。■ここまでサービスをする、しないという線引きも難しかったのではないですか。十楚 そこは我々作る側、オペレーションチーム、システムパートナー側でかなり議論しました。開業したから終わりではなく、今もミーティングなどで関わっていただいています。運営していく中でのイレギュラーやトラブルをフィードバックして、より良くするための話し合いが円滑にできています。畑 サービスについては当初、抵抗やとまどいを感じるスタッフもいました。都度、「ここは変えましょう」「ここは我慢しましょう」と柔軟性を持ちつつブラッシュアップを行ない、ブランドを体現しています。森椙 日本ホテル様がお客さまのご意見を非常に大事にされており、対応するスピードがとても速いことも成功の要因だと感じています。また「B4T」が新ブランドとして作られ、トライアル的な挑戦もされているため、皆様が「既存の枠にとらわれず常にアップデートする」という姿勢であることも大きかったのではないでしょうか。\nゲストからの厳しい指摘もコンセプトを崩さず逐次考える\n■オープン後の反響はいかがでしょうか。十楚 スマート化による利便性への評価もある一方で、お客さまからの厳しいご指摘もあります。素早い改善活動が重要で、当初やろうとしていたサービスやブランドコンセプトの根幹が崩れないよう、よくよく議論した上で改善しています。その一つ一つの意見に対して我々が目指す姿をイメージして、判断することが大事だと考えています。■ゲストの声からオペレーションに導入されたものはありますか。畑 例えば体調の優れないお客さまに予備の布団をお貸し出しするとか、怪我をされたお客さまにタオルを一枚余分に渡すなど、安全や安心に関わることに関しましては極力対応するようにしています。■業績についてはいかがですか。畑 想定よりも多くの方に利用いただいており、ADRも事業計画時の予想を超えて推移しています。十楚 その一つの理由として、周辺のホテルでインバウンドを取り込んでいるホテルが、軒並みADRが上がっている状況があります。そこの単価と出張や国内観光のニーズがマッチングしていない場合に、「B4T」の価格がマッチングしたのではと捉えています。運営費、固定費についてはまだ開業初年度で、平準化した実績が出ていません。ただ、メッツ一館分の人数で2ホテルを運営できるなど、人件費は確実に抑制できています。SQUEEZEさんが導入している、カンボジアの多言語スタッフによる「24時間遠隔コンシェルジュ」を参考にした、リモート接客のビジネススキームは、人件費の課題を打破するポイントになりました■最後に、今後の可能性についてお聞かせください。十楚 「B4T」のネットワークを拡大していくことが、中長期的なゴールだと思っています。観光立国の貢献に対して、鉄道のネットワークと宿泊施設というシナジーを発揮していきたいですね。現在、地方の宿泊施設がない駅前等で、宿泊施設が欲しいニーズというのは必ずあると思います。そういった方々を「B4T」の開発や運営の仕組み、ソリューションを持ってサポートしていきたいですね。畑 ホテルの従業員の働く場所として、新しい提案になれればと思っています。「B4T」の運営は田端にインフォメーションセンターを置き、そこにスタッフが常駐して、オンラインで遠隔接客をしています。つまり、センターがどこにあってもお客さまと接続できる状態なのです。これを利用して、お体やご家庭の事情があり現場で働くのは難しいけどホテルで仕事がしたい方に対して、新しい働く形として機能できればと思っています。森椙 システムソリューションを提供する立場として今後チャレンジしたいのは、宿泊業と交通の連携です。移動情報と宿泊者情報を掛け合わせて、最寄駅到着時にホテルにアラートを出したり、滞在中に周辺のアクティビティを販売したり、移動前から滞在中の楽しみ全般を一気通貫で提供するようなCRMの取り組みなど、移動と滞在空間がシームレスにつながる仕組みを作っていきたいですね。●関連記事「PMSから“オペレーションプラットフォーム”へ、AIを活用しアルバイトでも3日でシフトインできる仕組みへ」https:\/\/www.hoteresonline.com\/articles\/13286",
"excerpt": "JR東日本グループの日本ホテル㈱は、スマートホテルのためのシステムやツールを提供するスタートアップ企業株式会社SQUEEZEと連携。2023年、Suicaでチェックイン・チェックアウトが可能で、客室キーにもなるスマートホテル「ホテル B4T」を開発した。同ホテルではインフォメーションセンターでの遠隔接客により、省人化を実現している。本企画ではプロジェクトを推進したキーマン3人に、提携の背景と今後の可能性について聞く。",
"tags": ["public-service","インタビュー","サプライヤー","ホテル・レストラン","開発・開業"],
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"title": "PMSから“オペレーションプラットフォーム”へ、AIを活用しアルバイトでも3日でシフトインできる仕組みへ",
"content": "\nプロフィール\n\n株式会社SQUEEZE 代表取締役CEO舘林 真一氏東海大学政治経済学部卒業後、ゴールドマンサックス証券シンガポール支社に勤務。その後、トリップアドバイザー株式会社 シンガポール支社のディスプレイ広告の運用を担当。2014年9月、株式会社SQUEEZE を創業、代表取締役CEOに就任、現在にいたる。\n\n\nAI活用によりにより変わるホテル業界の働き方\n\n■数年前からホテルビジネスにもDXが必要と言われる中、貴社はいち早くDX領域に取り組まれてきましたが、いまのホテル業界の進捗についての印象をお教えください。 ゲストタッチに関しては、非接触のテクノロジーや顔認証などいろいろなサービスが出ており、チェックイン方法もゲスト側がセルフで行なうという潮流がかなり浸透してきています。運営側でも、紙だったものをデジタルにするといったレベルではかなり進んでいると感じますが、業務フローが変わり在宅やリモートの方でも業務支援ができるようなビジネスの在り方や組織構造が変わるところまでは至っておらず、そこは伸びしろだと考えています。アフターコロナのホテル業界は、マーケットが回復し宿泊需要も高くなって価格も上がっている一方、とにかく人手不足でオペレーションが回っていないことが課題であり、そこに対してどのようにDXの視点をいれていくかが重要です。「一人当たりの生産性を上げること」、「誰でもどこからでも業務を可能にしリソースを確保すること」「既存業務を見直し、自動化により業務自体を変えていくこと」といった視点で取り組む必要があると思っています。そして、仕事をただ回すだけではなく、付加価値を高めていくという視点でDXを推進していくことが大切だと考えています。■そうした状況に対し、貴社ではどのような取り組みをされていますか。 DXの本質はオペレーションや業務フローが“改善される”のではなく、“根本から変わる”ことだと考えています。当社では、ホテル運営における管理システムを自社開発しており、既存のPMSとは全く異なる概念の「オペレーションプラットフォーム」を構築しています。オペレーションプラットフォームとは、運営にかかわる各ステークホルダーそれぞれに対し最適なサービスを提供する、新しいシステムソリューションです。例えば、フロントスタッフ、レベニューマネージャー、マーケティング、ハウスキーピング、本部・経営、施設オーナーなど、様々な役割に応じた最適なダッシュボードを提供し、日常業務を行なえるシステムとなっています。モバイルベースでも利用ができ、いつでもどこからでもホテル運営が可能です。特徴は「習得のしやすさ」で、それぞれの業務はシンプルかつスマートなUIになっており、熟練したスタッフでなくても業務が成り立つように設計しています。そうしなければ深刻な課題である人手不足には対応していけないためです。今後はさらにAIを搭載し、「プル」ではなく「プッシュ」型の業務運営化を進めていく計画です。 SQUEEZE社のAI搭載オペレーションプラットフォーム構想図■AIを活用したプラットフォームとは、具体的にどのようなものでしょうか。 例えば、ホテルの会計やレベニューマネージメントといった業務は、これまでであれば技術や経験が必要なため、人材確保のハードルになっていました。当社では、過去の実績やマーケットデータ・イベント情報などから最適なブッキングカーブを予測し、それに合わせた価格設定をシステムの方から提案する仕組みにより、専門知識がなくとも一定レベルの業務が可能な形にしています。また、業務内容やアラート、サジェスチョンを提示し、モバイル上のコミュニケーションツールにも通知したりと、情報を「プッシュ」する発想です。そういった仕組みを活用すれば、運営現場における業務内容も変わっていきますし、実際に当社の運営施設では最短3日でオペレーターが独り立ちしたり、在宅でもゲスト対応に関われるようになるなど、働き方自体も進化しています。DXを進めるにおいては「逆算思考」がとても重要であり、各施設により異なる“理想とするゲスト体験”や“あるべきオペレーション”にあわせてプラットフォームを変化させていく必要があります。システムに合わせていく進め方はもう古く、創りたい姿から逆算してシステムやオペレーションを設計することが求められます。当社の取り組むオペレーションプラットフォームでは、柔軟性、汎用性を高め、今後はAIも搭載してあらゆるニーズにこたえられように設計を進めています。■実際に貴社のプラットフォームを活用した事例はどのようなものがありますか。 当社のシステムを活用し、ホテルオペレーションのあり方自体を変えた事例としては、JR東日本グループ様の「ホテル B4T」でのフロント無人化が挙げられます。JR東日本グループ様はもともとコロナを通じてDXに取り組みたい意向が強く、効率化した運営を実現したいということももちろん、攻めのDXとして、自社が抱えるSuicaプラットフォームをホテル運営にも活かしたいと考えておられました。そこで当社のオペレーションプラットフォームを活用・連携することにより、Suicaのワンタッチでのチェックインアウトを可能にし、Suicaがそのまま客室のルームキーとなる新たなホテルを実現できました。また、これまでにない無人オペレーションという業務フローを構築することに踏み切りました。今後さらにクラウドレセプションの業務領域を広げ、複数施設の運営をまとめていくとより経営へのインパクトがあると考えています。本プロジェクトの推進にあたっては、取締役の推薦で毎年選出されているJR東日本グループ様内での「中期経営計画に大きく業績貢献したグループ会社」に送られるという感謝状に、グループ外の当社を選んでいただきました。このような業界に新しい価値を生み出すプロジェクトに参画させていただき、大変光栄に思っております。JR東日本グループ、感謝状授与式の様子、左からマネージャーの以倉氏、CEOの舘林氏、JR東日本副社長の喜勢氏(当時、4月1日付で同社代表取締役社長に就任)、CTOの関根氏、事業部長の森椙氏 他にも、大手チェーンホテル様へのシステム導入の取り組みも進めております。当社のプラットフォームは、いろいろな既存のシステムやツールと連携させることもできるため、今ある資産を活用していただきながら、業務の一部を集約してクラウド管理へ移行できる点を評価いただきました。また、こういう追加機能を入れてほしいというご要望にもお応えすることも可能です。導入いただいた施設様には、オペレーターから定期的なヒアリングを実施しシステムの改善も図っており、ユーザー様からいただく声を反映しスピード感を持ってアップデートすることを大切にしております。「システムの操作が簡単だね」や「シンプルで習得するのがすごく早く助かっている」という声も多くいただきます。こうしたシステムの柔軟性とAIなどの最新技術の導入スピードの速さ、お客さまと伴走して一緒にオペレーションを構築するスタイルなどが当社のソリューションが選ばれる理由だと考えています。■ホテル側に大きなメリットがあるのは理解できましたが、一方、顧客満足という観点からゲスト側にとってもメリットがありますか。 基本的な考え方として、ゲストへの満足度を上げていくベースとなるのはやはり人ですから、テクノロジーの活用によりノンコアな業務をオートメーション化し、“本当に人が必要な所に付加価値創出のための時間を使えるようにすること”が大事だと思います。システムの付加価値を上げるキーワードとして、当社では「インスタント」と「シンプル」の二つを掲げています。インスタントはとにかく速いこと。例えばレスポンスが速い、対応が速いなどです。シンプルとは誰にでも分かりやすいこと。この二つはゲスト側も同じです。モバイル一つでいろいろなことが完結したり、チェックインもより早く分かりやすく、問い合わせも電話だけでなくチャットにも対応し、瞬時に返信がくるなど。そういったところも顧客満足につながると考えています。\n真のDXを実現するリーディングカンパニーを目指して\n■DXを取り入れた新しいタイプのホテルは市場でもニーズが高まっていますね。 不動産開発の観点で見ると、現在は建築費などのインフレに対しても事業収益化が可能なアセットとしてホテルが注目されており、新規参入しようという企業も増えています。レジデンスやオフィスの賃料は一度設定した後には変更がしづらいですが、ホテルはRevPARを上げれば収益を上げることができます。新規参入のホテルは新しいコンセプトを導入しやすく、いろいろな掛け算を考えることができるので幅が広がりますね。昨年3月に開始した、北海道日本ハムファイターズの新球場「エスコンフィールドHOKKAIDO」(北海道北広島市)のレフトスタンド後方に建つ「TOWER11」にて当社が取り組んでいるホテル・温浴施設の運営においても、デジタルを活用した新たな宿泊施設の創造に挑んでいます。tower eleven hotel 客室■デジタルを活用した具体的な取り組みについて教えてください。 ホテルのチェックインにおいて自社プラットフォームの機能であるセルフチェックインを導入していることはもちろん、外来のお客さまもいらっしゃる温浴施設の運営においてもQRコードの掲示による1秒チェックイン機能を開発し、運用しています。また、北海道ボールパークFビレッジ内には新球場である「エスコンフィールドHOKKAIDO」や「TOWER11」のほか、ヴィラやレストラン、テナントショップなどが入っているのですが、これらのエリア全体の予約サイト開発・OTA運営支援も実施しております。将来的には、Fビレッジ全体でのゲストのデータを蓄積することで、その方のロイヤリティや消費動向に合わせた、より新しいサービス提案ができるような仕組みも構築していきたいと考えています。■デジタルを活用すると、とてつもなくロイヤリティが高い顧客を見出すこともできるわけですね。 そうなのです。当社では単なる管理ツールとしてのシステムを開発するのではなく、いろいろなデータベースやスマートロック、ペイメントと連携することができ、そのデータを活用してより付加価値の高いことを提供できる仕組みの構築を目指しています。今後のホテルの置かれる環境の変化を考えると、さまざまなものと連携が可能であり、ホテルを通じた総合的な滞在経験の提供を可能とし、顧客満足度と収益力の双方を高めるオペレーションプラットフォームとしてのPMSがさらに求められるのではないかと考えています。また、前述のように今年はオペレーションプラットフォームにAIを搭載していく大きな転換点にあると思っています。あらゆる業務にAI poweredサービスが入ることで、これまでマネージャーの勘や経験に頼っていた、また一人のマネージャーに偏っていた業務をデータ化して、ChatGPTのようにカスタマイズしたホテルマネージャーをAIベースで創ることもできるようになると考えています。単なる業務改善にとどまらず、業務の定義や枠組みさえも変化させながら、業界全体の新たな価値創造に貢献していきます。●関連記事「JR東日本グループ 日本ホテルとSQUEEZEが連携、Suicaを活用したスマートホテルブランド『ホテル B4T』を開発した背景とこれから」https:\/\/www.hoteresonline.com\/articles\/13285●会社概要会社名:(株)SQUEEZE本社所在地:東京都渋谷区神山町6-4 ARCHES KAMIYAMACHO3階設立:2014年9月1日資本金:4億6842万6300円(資本準備金含む)代表者:代表取締役CEO 舘林 真一氏事業内容:不動産バリューアップ、ホテル運営ソリューション、街づくり・DX企画URL:https:\/\/squeeze-inc.co.jp\/",
"excerpt": "人材不足を背景にデジタル技術の活用を前提とした新規ホテルブランドも誕生するなど、ホテルオペレーションにおけるDX(デジタルトランスフォーメーション)に注目が集まっている。本項では、「Minn‒ミン」や「Theatel‒シアテル」などのスマートホテルを展開するとともに、次世代クラウド型運営ソリューションの推進を通し宿泊産業のDXを進める株式会社SQUEEZEの代表取締役CEOの舘林 真一氏に、いまホテル業界にさらなるDXが必要な理由や戦略的活用事例について伺った。",
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"url": "\/en\/blogs\/interview\/2024032901",
"image": "//hoteres.com/cdn/shop/articles/SQUEEZE02_01_eb0b2137-ad16-42a4-9d9c-e323b6b32b11.jpg?v=1774826677&width=600" ,
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"id": 563579715697,
"title": "アコーグループが国内の名だたるリゾートにメルキュールおよび初上陸となるグランドメルキュール23軒を来春開業、魅力ある日本のローカルを世界に向けて発信",
"content": "アコー アジアCEOガース・シモンズ氏〈profile〉東南アジア、日本、韓国、インドのプレミアム、ミッドスケール、エコノミー部門の最高経営責任者。 381軒以上のホテル(86,000室以上)と、Pullman、Novotel、ibisなどアコーの有名なプレミアム、ミッドスケール、エコノミーブランドを展開している地域の責任者を務める。\nその土地の魅力を引き出し最高のおもてなしを提供■大和リゾートとのパートナーシップの背景についてお知らせいただけますか。背景としては、大和ハウスが子会社の大和リゾートを恵比寿リゾートに譲渡し、そのアセットマネジメントを担当しているJHRAから今回の運営受託の相談を受けました。メルキュール横須賀、メルキュール沖縄、メルキュール札幌はJHRAがオーナーを務めており、当社が既に運営受託をしている関係が以前からありましたので。また、アコーは今回のようなリブランディングを他の国でも数多く行なってきた実績があります。アコーは、23軒のホテルの開業に際し、日本全国に定番の観光地以外の土地にも魅力ある地域が多くあること、そこに根付く文化・伝統が点在することに着目しました。観光需要の増加で分散型旅行の重要性が注目される中、地域の魅力の再発掘により、お客さまにより豊かな観光・宿泊体験を提供するとともに、日本の地方観光産業への貢献を目指していく考えです。素晴らしいホテルがわれわれのアコーグループに参画いただけることを光栄に思います。■アコーは53のブランドを有していますが、その中で、今回、グランドメルキュールとメルキュールを選ばれた理由と狙いについて教えてください。グランドメルキュールとメルキュールともに、ローカルにインスパイアされたホテルをコンセプトとしています。大和リゾートのこれまでの取り組みを見るとこのコンセプトにマッチしていると感じました。それがこの二つのブランドを選んだ理由です。大和リゾートが日本全国で展開してきたホテルは、日本ならではの情緒を感じられる山々や海などの自然あふれる立地に隣接しており、本物のローカル体験、その土地ならではの体験が可能です。東京、大阪、京都といった定番の観光地はもちろん訪れる価値がありますが、ときには大都市から離れた地域でその国々の本物の文化に浸ることも旅の醍醐味であると考えます。私たちは、これまで大和リゾートが築き上げてきた各地域とのリレーションを尊重したいと考えました。今回は日本23拠点でのグランドメルキュール、メルキュールの開業を通して、その土地の魅力を引き出し、最高のおもてなしをお客さまに提供していきたと考えています。■グランドメルキュールとメルキュールの違いを教えてください。メルキュールブランドは国際的なネットワークを生かし、世界60カ国以上、900を超える拠点でその土地の魅力を食・デザインを通じて感じ取っていただけることを目指したミッドスケールホテルです。ビジネスやレジャーなどさまざまな目的を持つお客さまに、身近でありつつ非日常の宿泊体験を提供しています。一方のグランドメルキュールブランドは、世界12カ国、約60の拠点を有し、館内に漂うその土地を象徴するような香り、地元の食材を用いた食体験などを通して五感でその土地の文化・慣習に深く浸っていただくことを目指したアップスケールホテルです。グランドメルキュールはサービスもプレミアムになります。例えばカルチャーホストというスタッフが各ホテルにいて、ローカルのコンシェルジュのようにお客さまをお迎えします。デザイン、食に加えて大和リゾートでは温泉やサウナになると思いますが、ウエルネスや香りなどでもローカルを感じていただくことをコンセプトにしています。現在はグランドメルキュールのロビーや湯上りラウンジなどで使う日本独自の香りを開発中です。■これだけ集中したリゾートのオープンは、なかなかないことだと思います。多分日本初だと思います。JHRAもリブランドプロジェクトをたくさん手がけていますので、大和リゾートを含めて三社で手を組んで成功させたいと思っています。JHRAは強力なパートナーです。\n日本のマーケットに期待、今後もアコーブランドを拡大\n■この23軒のオープンによって、日本におけるアコーブランドを押し上げるのではないかと思います。この取り組みが日本における開発計画に影響を与えるとお考えですか。もともと日本にはフォーカスしていました。23軒が加わることでアコーのプレゼンスが来春に47軒と2倍になり、インターナショナルホテルオペレーターの中では3位になるでしょう。それだけでなく、来年の秋には、ノボテル奈良、2025年にはフェアモント東京も開業予定と、今後も拡大していく計画です。日本という国はとても魅力的ですし、コロナ中もコロナが終息したら最初にどこに行きたいかという話をしていたとき、やはり日本という人が多かったですね。こうした声も聞こえてくるので今後も日本にはフォーカスしていく考えです。■アコーブランドが増えていくと、メンバーシップ制度がさらに有効に働くと思われます。これから日本人メンバーを獲得する取り組みを強化していくお考えなのでしょうか。ロイヤルティメンバーを国内で増やすことは一番の目標です。いままで日本で運営しているホテルはほとんど海外からのお客さまだったので、国内の顧客をターゲットにする機会があまりありませんでした。このほど加わる23軒のホテルでは、これまで80〜90%がドメスティックのお客さまでしたので、この方たちにメンバーになっていただける機会も増えるでしょう。X(旧ツイッター)を見ると、アコーのメンバーシップを取らなければ、というコメントが増えているので、大変ポジティブに捉えられているようで嬉しい限りです。■今後の日本におけるホテル開発の展望、目標など教えてください。今後も、さらにアコーブランドを拡大していく計画です。アコーの強みは新規開業のホテルだけでなく、リブランドプロジェクトを他社よりも多く手がけている自負があります。ミッドスケールのブランドもアコーの強みです。現在は全世界で週に一軒のペースでホテルをオープンしています。今年だけでアジア地域で65軒オープンし、来年も60軒以上を開業する目標があり、とくに日本、インド、タイ、インドネシア、シンガポールのマーケットにフォーカスしています。日本では東南アジアからの集客にも注目しており、来春開業する23軒はプレミアムとミッドスケールで東南アジアの方が泊まる比率が高いと予想されるので、大変期待しています。",
"excerpt": "フランス・パリを拠点とする世界最大級のホスピタリティグループ・アコーは、ジャパン・ホテル・リート・アドバイザーズ株式会社(JHRA)がアセットマネジャーとなった大和リゾート株式会社の国内23軒6000室以上のホテルの運営を受託し、2024年春にメルキュールブランド11軒と日本初上陸となるグランドメルキュールブランド12軒の23軒をオープンすることを発表した。今回、来日したアコー アジア CEOプレミアム、ミッドスケール、エコノミー部門のガース・シモンズ氏に特別インタビューを実施。日本市場における戦略および展望など伺った。",
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"title": "座談会3 充実した制度や仕組みが従業員の活躍を後押し、社内でさまざまな経験やスキルアップのチャンスがあるのも魅力",
"content": "左から髙橋 正弘 氏、平中 美紗子 氏、伊藤 麻美 氏、田村 信哉 氏■初めに皆さまの経歴と現在の業務内容についてお伺いします。髙橋 「アートホテル盛岡」の前身である「ホテル東日本盛岡」に新入社員として入社しました。入社後5~6年は料飲やバンケットサービスを行ない、その後、ウエディングプランナーを15年ほど担当し、2016年に総支配人に就任しました。2018年にホテルがマイステイズグループとなり、ホテル名も「アートホテル盛岡」にリブランドしましたが、私は引き続き総支配人を務めました。その後、東北エリアの拠点が増えたことから2020年に東北エリアの統括を担当することとなり、現在はさらに北海道、東京、千葉、埼玉、茨城が加わり、MRM事業部ビジネスマネジメント 本部長として16施設を統括しています。平中 2011年に「ホテル東日本盛岡」に新入社員として入社し、5年ほど和食レストランに勤めた後、出産のため産休と育休を取得しました。復帰後はマイステイズグループとなった「アートホテル盛岡」でブライダルを担当し、その後、現職であるセールスで内勤をしています。田村 2011年に「駒ヶ岳グランドホテル」に入社しました。最初はルームメイク、清掃、布団敷きからスタートして、フロントなどを担当してきました。そして、ホテルが2020年4月からマイステイズグループに入りました。しかし、その後、2022年11月に「駒ヶ岳グランドホテル」が休館したことから「田沢湖レイクリゾート」に異動になり、現在は宿泊部門で団体予約の管理をしております。伊藤 前職は不動産会社でマンションの建築請負営業部門と海外リゾートホテルの法人営業を経験しました。同社を退職後は韓国へ1年間ワーキングホリデーに行き、2015年2月に中途入社でマイステイズ・ホテル・マネジメントに転職しました。入社後は「ホテルマイステイズ名古屋栄」でフロント業務を担当し、2016年に東京都内に異動希望を出して「ホテルマイステイズ羽田」に転勤しました。2019年12月から産休と育休を取得してました。2021年4月に復帰してから、今年1月まで当ホテルで勤務していました。その後、家庭の都合で名古屋に引っ越すことになり、現在は「マイステイズ名古屋錦」にて主にフロント業務と団体の予約管理業務や経理などを行なっております。■チャレンジしたければ都心のホテルへ転勤することできるし、全国に拠点があるので何かあれば地元に戻るという選択肢もあるということですね。伊藤 そうですね。当社の運営施設はグループを含めると約150店舗あるので、自分の行きたい場所に挑戦できるのも魅力だと思います。勤務スタイルも全国転勤のあるグローバルマネジメントコース、全国5つのエリアの中で働くワイドエリアマネジメントコース、転勤はなくそのホテルで働くエリアマネジメントコースの3つのコースがあり、私は家庭の都合で名古屋に異動するタイミングでエリアマネジメントコースを選択しました。■髙橋さんは勤められていたホテルがマイステイズグループに入るという経験をされましたが、どのような変化があったと感じられていますか。髙橋 勤務しているホテルがマイステイズグループに変わったときは、規模に圧倒され少し抽象的な表現ですが世界観が大きく広がったように感じました。もともとの会社は関東以北を中心に5施設を運営していましたが、現在のマイステイズグループの運営施設は約150施設に及んでいます。また、宿泊特化、フルサービス、リゾート、旅館と多様な形態の運営を行なっております。このような規模が大きな会社では吸収できることも多く、広いエリアを担当したことでその土地の文化やお客さまの求める価値観の違いを知ることができました。また、フルサービスホテルに身を置いていた私にとってはリゾート、旅館や温泉旅館など経験の少ないジャンルの運営に関われたことも大きなポイントでした。こうした経験で成長させていただいていると実感しています。■伊藤さんは現在、働く中でどのような部分にやりがいを感じていますか。伊藤 私は2015年に入社後、2017年9月にシニアスタッフに昇進し、2018年3月にはデピュティマネージャーに昇進させていただきました。このようにホテル業が未経験で入ったにも関わらず、早い段階から役職を経験できたことですね。現場ではお客さまから感謝の言葉をいただいたり、楽しそうな姿を直接見て感じることができるので、そうしたときはやりがいや楽しさを感じます。また、最近、娘が私の働いている姿を見て、ママかっこいい、ママみたいになりたいと言ってくれたので、この仕事をやっていて良かったと思いました。■平中さんはいかがでしょうか。平中 レストランでの接客やウエディングプランナー、営業内勤といったさまざまな仕事を経験出来たことで、自分自身スキルアップが出来ているなと感じます。他にも、家庭と仕事との両立という環境でも、昇格のチャンスがあり、現在はデピュティマネージャーという役職に就いて、責任ある仕事を任せてもらえることにもやりがいを感じています。■田村さんにも働く中で感じるやりがいについてお尋ねしたいと思います。田村 私は知り合いの紹介で、ホテルで働くようになり、最初、接客は自分に向いてないと思っていました。しかし、気付けばのめり込んで、いまでは仕事を楽しんでいます。お客さまから直接感謝やお褒めの言葉をいただいたときや、お客さまの笑顔がこの上ないやりがいとなっています。以前、還暦祝いの旅行のお客さまの部屋にワインサービスをしたことがあり、帰り際に「来て良かった、ありがとう。また来るね」と言っていただいたときは、本当にこの仕事をやっていて良かったと思いました。■ホテル業界は以前、結婚して出産すると職場に戻るのはなかなか難しい状況がありましたが、伊藤さんと平中さんは出産後職場復帰されていますね。それにはマイステイズ・ホテル・マネジメントのケアや配慮があったと感じられていますか。伊藤 私も結婚・出産した後にホテルの現場の仕事を続けることは難しいと思っていたのですが、働きやすい環境が整いつつあります。例えば当社ではマタニティー制服が用意されています。フロント業務は24時間体制ですが、時短勤務制度や土・日・祝日もお休みをいただける配慮があります。平中 私が産休・育休を取得した際は、いままで出産後復帰した前例がほぼなく、不安な気持ちが大きかったです。しかし、時短勤務が可能なことやシフトの調整も配慮してもらえたため、子育てしながらでも働きやすい環境でした。そして何より周りの方たちが理解し、協力してくれるということも大きく、働きながら子育てしやすい環境が整っていると感じました。いまは出産を理由に退職する従業員はおらず同じように制度を利用し復帰する方も増えています。男性の育休取得者が生まれたのも大きな進歩です。今後もこのように出産しても復帰して働ける環境が続いていくと良いなと思っています。髙橋 いまでは産休・育休を取って復帰する女性従業員が増えて来ました。未だに地方では男性の育休についても取得するケースは珍しいのですがアートホテル盛岡でも今年初めて男性が育休を取得しました。これは大きな進歩だと思いますし、今後もさらに同様の事例が増えてほしいと願っております。■そのほかライフワークバランスについてはいかがですか。伊藤 私はオンとオフのメリハリをはっきりつけたいと考えているので、休日の多さも魅力の一つで入社を決めました。年間、夏季休暇、冬季休暇がありますがフルに活用させていただいています。夏季休暇は最大で10日間取ることができるので、結婚前は海外旅行も行っていました。旅行先では他社のホテルを使う機会も多く、接客のヒントを得られるなど仕事のモチベーションにつながっています。田村 休日は趣味のドライブをして翌日からの仕事に向けて気持ちをリフレッシュしてお客さまに元気な笑顔で接客ができるように心がけています。今後はPCを操作することも好きなので日商PC検定を受けて成長に繋げていきたいと考えております。■マイステイズグループは教育制度も充実していると伺っておりますが、皆さん積極的に活用されているのですか。髙橋 語学をはじめ料飲接遇、調理の技能向上資格からIT関連WEBデザインや総務・人事・施設系の資格まで多様な支援制度がありますが活用している従業員はまだ少数です。私たちが従業員に対し制度の周知に努めることが必要だと考えております。そして、実際に活用頂きそれがスキルアップとなり遣り甲斐に繋がってくれると嬉しく思います。伊藤 私は語学の補助制度を使い韓国語を学びました。自身で選んだスクールの月謝代を会社が補助してくれる仕組みで、制度が始まったときにすぐに申請して数年間活用させていただきました。おかげさまで韓国語を接客業務に生かすことができております。平中 私は資格取得支援制度を活用し衛生管理者資格を取得しました。一定数以上の従業員が働く組織で衛生管理者は重要な役割を担いしますし、アートホテル盛岡でも数名しかおりませんので今後もっと制度を活用しチャレンジするスタッフが増えてくれると嬉しく思います。今年も新たに1名取得者が増えました。■次に、皆さまの将来のキャリアビジョンについて伺いたいと思います。田村 現在はデピュティマネージャーというポジションで、ホテルの営業計画のサポートなど少しずつ支配人を手助けしていますが、将来的には自分もやはり支配人クラスに就きたいと考えています。伊藤 私はお客さまの表情がリアルに見える現場の仕事がとても好きなので、いまの役職も保ちつつこれからもママ社員として現場に立ち続けたいと思っております。東京都内の店舗を経験したので、それを地方でも生かしていきたいですね。また、なかなか地方だと本部に届きにくい現場の声を、東京時代の人脈を生かして伝える役割を担っていけたらと考えております。そのほかこれまで新規店舗の開発に携わった経験がないので、チャンスがあれば挑戦したいと思っております。平中 私は盛岡での勤務の経験しかないため、今後いろいろな施設を経験してみたいですね。その場所によっての違いがある環境で、自分がどこまで成長できるのかを試してみたいという気持ちがあります。髙橋 この立場でしか経験のできないことがあるのでそれを自身の糧にしていきたいと考えています。いまはホテル業にあこがれを抱き、志す人材が貴重だと思っています。そうした中で自分に何ができるかを考えたとき、より多くの従業員がやりがいを感じ成長出来る環境を構築することが求められている役割だと認識しています。■最後に、マイステイズで働くことの魅力についてお話しいただけますか。平中 他施設、新しい環境へ挑戦する機会があることです。働く場所や自分がやりたいと思う業務があった時、場所も業務内容も選択肢が多いことが魅力だと思います。表彰などの社内の制度もあり頑張ったことがしっかり評価されるのも嬉しく思います。田村 お客さまからお褒めの言葉とか感謝の言葉をいただけることがとても多く楽しさを感じます。他のホテルの人と情報交換が出来ることと考えております。また、実際に他のホテルにお手伝いに行って自分のホテルとの違いから、良いところ悪いところを肌で感じることが出来ることで、自館をより良くできるよう繋げられることも魅力だと考えております。伊藤 当社はフロント業務からITや人事など、多岐にわたる部署があるので転職せずとも会社内で活躍できる部署がたくさんあるのも魅力だと感じています。女性にとっては結婚・出産しても続けられる体制も整っています。今年からは、グループ会社も含めプライベートで宿泊の補助制度も始まりました。家族、同僚に限られていますが上限3万円の補助があります。このように常に新しい制度が生まれたり、日々変わっていく会社の姿勢が好きですので、一緒に働く仲間が増えたらいいなと思っています。髙橋 当社は宿泊業における多種多様なジャンルの施設を運営しているので、ビジネスホテルで生かせるスキル、リゾートや旅館で生きてくるスキルなど違ったスキルを一つの会社に在籍しながら、志があればいろいろな経験ができることが魅力だと思います。また、地方でホテル業を志望する学生の多くは首都圏を希望する傾向にあります。マイステイズグループは全国各地に多くの拠点を有しており、地方採用者であっても戻れる場所を地元に残しつつ首都圏のホテルや業態の異なるホテル、本社勤務など新たなチャレンジをすることが当社の魅力の一つであると思います。転職を検討されている方に、こうしたマイステイズ・ホテル・マネジメントの取り組み、システムが価値や魅力として伝わると嬉しく思います。\n",
"excerpt": "マイステイズ・ホテル・マネジメントでは、従業員の働く環境の向上を図るためにさまざまな制度を導入・実施している。ここではマイステイズ・ホテル・マネジメント MRM事業部ビジネスマネジメント 本部長の髙橋 正弘氏とアートホテル盛岡の平中 美紗子氏、ホテルマイステイズ名古屋錦の伊藤 麻美氏、天然温泉 田沢湖レイクリゾートの田村 信哉氏にお集まりいただき、仕事のやりがいやライフワークバランス、将来のキャリアビジョンなどについて伺った。",
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