軽井沢の森に佇む一軒家で楽しむ
滋味溢れるフレンチ
屋外テラス
緑陰の森に囲まれたグランメゾン
軽井沢の「ブレストンコート ユカワタン」は、フランス郊外のオーベルジュを思わせる、澄んだ空気が漂う一軒家のレストラン。約6万坪の「軽井沢星野エリア」の一画に佇む。アペロは緑溢れる屋外テラスでシャンパンを飲みながら楽しむ。次々とテーブルに運ばれるアミューズたちは、まるで宝石のように輝き、映画のワンシーンのような特別な気持ちにさせてくれる。フランス料理の完璧な手法で表現されたアミューズは、総料理長、祢津一宏氏の世界観が凝縮されている。通常であれば数品で終わるアペロだが、ここでは実に7〜8種類もの絶品アミューズが供される。
アペロとシャンパン
自分で仕立てる歓びを味わう「ミニマル・ガストロノミー」
そして、いよいよダイニングルームへ。ユカワタンのコースは、自らの好みでカスタマイズして楽しむ独自の「ミニマル・ガストロノミー」スタイルをとっている。季節ごとに表情を変えるミニマルな7品のコースをベースに、その日のスペシャリテである岩魚のムニエルやジビエのパテなど、心魅かれるアラカルトをチョイスしていく。この日選んだ「鰻とフォアグラのテリーヌ」と「ジビエのパテ」は、素材の力強さが存分に引き出され圧巻。祢津一宏総料理長は言う。「地元の農家や漁業組合、畜産農家と長年培ってきた信頼関係があるからこそ手に入る希少で価値ある食材ばかりです。地のジビエや川魚、珍しいきのこ類など信州の恵みを頂けて本当に幸せですね」。そんな旬の素材を伝統的なフランス料理の手法で、モダンかつ優美にクリエイトされるひと皿は、身体の隅々にまで染み渡る美味しさ。 ここだけの味を求めて、遠方から多くの美食家たちが足繁く通うのもわかる。( ※仕入れ状況により、料理内容や食材が一部変更になる場合がある)
祢津一宏総料理長
料理 ジビエのパテ
料理 鴨肉のロティ
真心のホスピタリティが手繰り寄せる記憶
料理に花を添えるドリンクは、ノンアルコールのペアリングを選んだ。地元の旬のフルーツやエディブルフラワーを巧みに取り入れたドリンクは見た目も美しく、ワインに負けることなく、各料理を引き立たせる。またソムリエの松原未那人氏をはじめとするスタッフの細やかなおもてなしも素晴らしい。冷房が苦手な私のためにテーブル近くの通風口を塞ぎ、椅子に薄いホットマットを用意してくれるなど、真心にあふれた気配りに感動した。最近はフランス料理がしんどいと思うようになってきたが、さすが"水のジビエ"と言われるだけあり、フレンチの重さがなくすべてが美味しく楽しめた。アペリティフからデセールまで、圧巻の4時間。かつてフランス料理に恋し、ミシュランガイドとゴー・ミヨを聖書のように携え、ヨーロッパ中を旅しながら、フレンチレストランの扉を開け続けていた記憶がなつかしく蘇るディナーでもあった。自然に囲まれた上質な環境のなかでグランメゾンの料理を嗜む時間は、人生をより豊かに彩ってくれる――「ブレストンコート ユカワタン」は、そんな普遍的な魅力を再確認させてくれる特別な場所でもある。
レストラン外観
【店舗概要】
ブレストンコート ユカワタン
所在地:長野県軽井沢町星野 軽井沢ホテルブレストンコート敷地内
営業時間:ランチ:11時30分~15時(5月~10月の土曜・日曜限定)/
ディナー:17時30分~
料金:コース:1万9800円~(サービス料別)
取材・レポート:ホテルジャーナリスト 松澤壱子