アイリスオーヤマ、法人向けDX清掃ロボット「JILBY」を発売

アイリスオーヤマは、法人向けDX清掃ロボット「JILBY」を7月1日に発売する。ソフトウェア・ハードウェアを完全内製し、AIエージェントとの連携により、清掃ルートや頻度、時間帯の最適化を支援する。

DX清掃ロボット「JILBY」を7月1日に発売

アイリスオーヤマ株式会社は2026年7月1日、法人向けDX清掃ロボット「JILBY(ジルビー)」を発売する。発売に先立ち、同社は6月26日、アイリスグループ 東京アンテナオフィスにおいて、「ロボットの社会実装はどう進むのか?~現場と開発のリアルから読み解くサービスロボットの現在地~」をテーマにトークセッションイベントを開催した。
当日は、アイリスオーヤマ株式会社 執行役員 ロボティクス事業本部 本部長の吉田豊氏と、株式会社シンクロボ 代表取締役社長の小倉崇氏が登壇。サービスロボット市場の現状、社会実装における課題、JILBYの開発背景と機能について紹介した。会場ではJILBYの稼働デモンストレーションと体験会も行なわれ、床面清掃を自律走行で行なう様子や、AIエージェントを通じた操作・提案機能が披露された。

3年連続シェアNo.1の知見を生かし、完全内製モデルへ

JILBYは、床面の集塵清掃を自動で行なう法人向けDX清掃ロボットである。アイリスグループのシンクロボがソフトウェア開発を手掛け、ハードウェアは自社の大連工場で製造する。同社として、ソフトウェアとハードウェアの開発・製造を完全内製した初のDX清掃ロボットとなる。
アイリスオーヤマは2020年にロボティクス事業に参入し、業務用清掃ロボットにおいて2023年から3年連続でベンダーシェアNo.1を獲得している。現在ではサービスロボットの累計導入社数は7000社、累計出荷台数は2万5000台を超える。吉田氏は、同社の強みを、製品販売にとどまらず運用定着まで伴走してきた経験にあると説明した。

“現場で使われ続ける”ための機能を搭載

ホテル・旅館をはじめとする宿泊業界では、清掃人材の確保、作業品質の平準化、夜間・日中の作業計画などが継続的な課題となっている。床面清掃は日々発生する定型業務でありながら、人手不足の影響を受けやすい領域でもある。JILBYは、こうした現場業務の一部をロボットに置き換えるだけでなく、清掃データを活用し、業務全体の効率化につなげることを狙う。
JILBYの特徴は、現場の声を反映した仕様にある。清掃完了後に自動で充電ステーションへ帰還する自動充電機能に加え、着脱式バッテリーにも対応する。清掃モードはノーマル、パワー、静音の3種類を搭載。静音モードでは清掃中の稼働音を抑え、商業施設が稼働している日中の時間帯や、医療・福祉施設などでも使用しやすい設計とした。

AIエージェントが清掃ルートや頻度を提案

さらにJILBYは、NTT西日本グループが提供する「AIロボティクスプラットフォーム」と連携することで、フィジカルAIを実現する。タブレットやスマートフォンを通じて、ユーザーとロボットがテキストや音声で双方向にコミュニケーションを取ることができる。蓄積された清掃データを基にAIが学習し、最適な清掃ルートや頻度、時間帯などをAIエージェントが提案する。
トークセッションでは、サービスロボットの社会実装について「導入」と「定着」は別であることが強調された。清掃ロボットは、人の仕事を単純に置き換える存在ではない。床面の定期清掃をロボットが担い、人は仕上げや品質確認、ゲスト対応など、より付加価値の高い業務に集中する。JILBYの登場は、宿泊施設を含む多くの現場において、人とロボットの役割分担を再設計する契機となりそうだ。

Editor’s Note


商品詳細

  • 商品名:DX清掃ロボット「JILBY(ジルビー)」
  • 発売日:2026年7月1日
  • 販売:アイリスオーヤマ株式会社
  • 対象/用途:法人向け/床面の自動集塵清掃
  • 本体サイズ:約470mm×534mm×722mm(全幅×全長×全高)
  • 本体質量:約43kg(バッテリー内蔵)
  • 清掃能力:約500㎡/時間
  • 連続稼働時間:ノーマル約3.6時間、パワー約2.5時間、静音約11.5時間
  • 集塵容量:約6.3L(紙パック)
  • バッテリー:リチウムイオンバッテリー。1本標準装備、2本目以降はオプション。
  • 充電時間:自動充電約4.5時間、プラグイン充電約3.5時間、交換バッテリー約3.5時間
  • 充電器電源:100-240V AC
  • 安全機能:障害物検知(LiDAR、3Dカメラ、超音波センサー)、衝撃検知(センサー搭載バンパー)、段差センサー、車輪浮き検知センサー、IMU、仮想障壁(RFID)など
  • 主な機能:自動充電、着脱式バッテリー、ノーマル/パワー/静音の3清掃モード、10インチ大型モニター、紙パック式集塵、フットステップによるメンテナンス性向上
  • AI連携:NTT西日本グループの「AIロボティクスプラットフォーム」と連携。AIエージェントが清掃ルート、頻度、時間帯などを提案する。
  • 付属品:ブラシ、紙パック10枚、電源ケーブル、充電ステーション、マイクロファイバークロス、ロケーションコード10枚、ブレード、HEPAフィルター2個、バキュームモーターフィルター、バッテリー、簡単ガイド
  • 備考:AIロボティクスプラットフォームとの連携はNTT西日本グループ提供のオプション機能。仕様・外観は予告なく変更される場合がある。

松島 基機

HOTERES編集部

編集部

ホテル専門メディア『HOTERES』の編集チーム。創刊60年の専門誌「月刊HOTERES」と「HOTERES Digital」を横断し、経営、開発、投資、ブランド戦略、運営、食、人材といったテーマを軸に、取材および調査・分析を行っている。業界をリードする経営者やトップマネジメント、事業者・運営会社・投資主体への取材に加え、日本国内のホテル新規開業動向、ホテルチェーン一覧、売上高ランキングなどのデータ収集・整理を継続的に実施。マーケット・リサーチの視点も取り入れながら、ホテルを取り巻くビジネスの構造や意思決定の変化を多角的に提示している。
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