【HOTERES DIGITAL 取材レポート】ホテルニューオータニ「クリスマスケーキ発表会2026」

【HOTERES DIGITAL 取材レポート】

ホテルニューオータニ「クリスマスケーキ発表会2026」
新機軸「フロマージュ」と極限の素材探求が彩る、週末クリスマスの食卓
ホテルニューオータニは2026年8月26日、メディア向けに「クリスマスケーキ新商品ラインナップ説明会」を開催した。2026年のクリスマスは12月25日が金曜日にあたることから、週末にかけて家族や友人と過ごす多彩なオケージョン需要を見据え、直営3ホテル(東京、幕張、大阪)の「パティスリーSATSUKI」にて展開する充実のラインナップを発表。第7代シェフパティシエ・森山雄大氏が就任後初めて手掛ける注目の新作や、秋の風物詩「スーパーモンブラン」の実演がお披露目された。

■ 新作「あまおうフロマージュ」と進化を続けるショートケーキ

説明会では、同じイチゴのショートケーキでありながら素材の選定によって異なる表情を見せるショートケーキのバリエーションが提示された。
注目は、今年のクリスマス限定新作として登場した『あまおうフロマージュ~Noël~』。見た目は端正なショートケーキでありながら、口に運ぶと奥深いチーズケーキの風味が広がるサプライズに満ちた一品である。しっとりとしたスフレ生地に、ホワイトチョコレートを合わせて泡立てるガナッシュモンテの技法を用いたクリームチーズのクリーム、そして博多あまおうを重ねた。濃厚なコクを持ちながらも驚くほど軽やかな口どけを実現している。

また、同ホテルの代名詞である「スーパーシリーズ」も盤石の布陣を誇る。

  • 『新スーパーあまおうショートケーキ』:長崎県産「太陽卵」のスポンジと黒蜜入りスポンジの2種に、九州大牟田産生クリームを合わせ、博多あまおうの甘酸っぱさを引き立てた王道。
  • 『新エクストラスーパーあまおうショートケーキ』:無農薬の玄米を食べて育った鶏の「玄米卵」の生地とホテルオリジナル雑穀「Jシリアル」の生地を採用。博多あまおうを贅沢に36粒使用し、大ぶりながら軽やかな後味に仕上げた至極の逸品。
  • 『エクストラスーパーダブルショートケーキ』:博多あまおうと静岡県産マスクメロン(糖度14度以上)を贅沢に組み合わせ、ライチの層やエルダーフラワー葛をアクセントに忍ばせた“一つで二度愉しめる”最高峰ショートケーキ。

さらに、エスプレッソを含ませたビスキュイやダークガナッシュなど全14層で構成されるビターな大人のケーキ『スーパーオペラレジェール』や、30名以上の大型パーティーに対応する『スーパークリスマスタワー』など、ホテルならではのスケール感を誇る商品もラインアップされている。

■ 和と洋、伝統と革新のペストリー&デリカテッセン

ケーキのほかにも、ホリデーシーズンを彩る伝統アイテムがそろう。
シュトーレンは、ブランデーに漬け込んだ5種のドライフルーツとくるみを使用した伝統の『新シュトーレン』に加え、青ヶ島産「ひんぎゃの塩」をきかせた黒蜜あんこを包み込み和三盆糖を纏わせた和テイストの『新江戸シュトーレン』の2種を用意。さらに、じっくり焼き上げる伝統製法によるジューシーな『ローストチキン』(東京・大阪限定)など、ホームパーティーを格上げするデリカテッセンも展開する。

■ 9月1日販売開始、和栗を極めた『スーパーモンブラン』

発表会後半では、9月1日より販売が開始された秋の風物詩『スーパーモンブラン』の実演が行なわれた。第5代シェフパティシエの中島眞介総料理長の想いを受け継ぎ、森山シェフがさらなる高みへと昇華させた逸品である。
9月には和栗の最高峰とされる兵庫県産「銀寄(ぎんよせ)」を使用。マロングラッセを練り込んだアーモンドタルトを土台に、和三盆バニラもち、エルダーフラワー香る焼きメレンゲ、バニラとクリームチーズが調和するガナッシュモンテを重ね、茨城県産の蒸し栗を包み込む。仕上げに絞られる濃厚なマロンペーストと隠し味の青ヶ島産「ひんぎゃの塩」が栗本来の甘みを際立たせる。時期ごとの栗の移ろいとともに楽しめる本商品は、2027年1月中旬頃まで提供される予定だ。

【商品概要(抜粋・すべてテイクアウト料金)】

  • あまおうフロマージュ~Noël~:10,800円(直径約18cm×高さ6.5cm/6~8名向け)
  • 新スーパーあまおうショートケーキ:15,660円(18cm)/18,900円(21cm)
  • 新エクストラスーパーあまおうショートケーキ:23,760円(直径18cm×高さ9cm/6~8名向け)
  • エクストラスーパーダブルショートケーキ:35,000円(直径18cm×高さ9cm/6~8名向け)
  • スーパーオペラレジェール:21,600円(縦12cm×横12cm×高さ7.5cm/2~4名向け)
  • 新シュトーレン:3,240円/新江戸シュトーレン:2,700円
  • ローストチキン:15,000円(3~4名向け ※東京・大阪限定)
  • スーパーモンブラン:3,780円(販売期間:2026年9月1日~2027年1月中旬予定)

【クリスマスケーキ販売概要】

  • 予約期間:2026年10月1日(木)~12月22日(火) ※大阪は12月23日(水)まで、受取希望日の前売り予約制
  • 引渡期間:2026年12月20日(日)~12月25日(金) ※大阪は12月19日(土)より
  • 販売店舗:ホテルニューオータニ(東京、幕張、大阪) パン&ケーキ「パティスリーSATSUKI」

Editor’s Note


「伝統は、進化してこそ受け継がれる。」
コモディティー化を打破する「本物の追求」と、ホテルの未来を切り拓くペストリー戦略
原材料費の高騰やエネルギーコストの上昇、そして深刻な人手不足と、日本のホテル業界を取り巻く環境は激変の渦中にある。そうしたなか、多くの現場がオペレーションの効率化やコストコントロールという「守りの一手」に傾倒しがちであるのも無理はない。しかし、それではコモディティー化の波に呑まれ、ホテル本来の価値を自ら縮小させてしまう危うさを孕んでいる。
今回、ホテルニューオータニが提示したクリスマスおよび秋のラインナップは、そうした停滞感を吹き飛ばす、ホテル料飲部門が目指すべき「高付加価値戦略」の明確な解答である。
まず注目すべきは、世代交代とフィロソフィーの鮮やかな継承だ。中島眞介総料理長が打ち立てた「生産者の想いと素材の品質をとことん突き詰める」という絶対的な理念。それを第7代シェフパティシエの森山雄大氏がしっかりと受け継ぎながら、単なる模倣に終わらせず、現代の空気感をまとった新作「あまおうフロマージュ~Noël~」という新たな解へと昇華させている。
熟練の技を持つベテランの哲学を、次代を担う若い世代がリスペクトを持って引き継ぎ、時代の感性でアップデートしていく――。高齢化と変革の必要性に直面する日本のホテル業界において、この有機的な継承のあり方は、組織マネジメントの観点からも極めて示唆に富む。
さらに、同ホテルの取り組みが単なる「贅沢なスイーツ」の領域にとどまらない点も見逃せない。全国の産地に足を運び、最高峰の素材を見いだして共創し、隠し味の塩一振り、乳脂肪分1%の差異にまで職人の知見を注ぎ込む。その愚直なまでのこだわりが生み出す体験は、他所では決して代替できない、ホテルの強固なアイデンティティーそのものだ。また、展示会で披露されたアップサイクルプロジェクトのように、持続可能な取り組み(サステナビリティー)を単なるスローガンではなく、収益とブランド価値を押し上げるストーリーとして具現化している点も大いに評価できる。
価格競争という底なしの消耗戦から脱却し、お客さまが心から感動し、その対価を喜んで支払う「絶対的な価値」をいかに創造し続けるか。2026年、金曜日から週末にかけて広がるクリスマス商戦のなかで、伝統を守りながら未来へ向けて果敢に舵を切る同ホテルの挑戦は、変革を模索するすべてのホテルパーソンにとって、力強い道標となるに違いない。
HOTERES編集長 義田


義田真平(Yoshida Shimpei)

義田真平(Yoshida Shimpei)

㈱オータパブリケイションズ 執行役員 月刊HOTERES編集長

兵庫県出身。阪神タイガースとともに育つ。ホテルやレストランなどの現場経験を通じて、「答えは現場にある」という信念を培う。現在は創刊60年を迎える業界専門誌の編集長として、歴史を継承しながら、変革が求められるホテル業界の現在地と未来を発信。
編集、イベント、自治体連携を横断し、人材不足、F&Bの収益化、DX、ラグジュアリー、地域観光、次世代経営などを主なテーマに、現場の実務知と経営視点をつなぎ、業界に必要な問いと提言を届けている。

取材、寄稿、講演、セミナー、紙面企画、協業など、ホテル・観光業界の未来につながるご相談をお待ちしてます。

https://hoteres.com/pages/contact

著者の記事一覧