増やすことより、「どこに何を置くか」を決める
日本では、ラグジュアリー、ライフスタイル、フルサービス、フォーカス・サービスと、ヒルトンの選択肢が広がっている。だがタン氏が最初に強調したのは、ブランド数そのものではなかった。「ヒルトンはブランド主導、ネットワーク主導であり、オーナーへのリターンを常に重視しています」取材の中で示されたのは、いわばブランドの“ピラミッド”である。ウォルドーフ・アストリアは象徴性の高い最上位ブランドとして選択的に展開し、コンラッドやLXRがそれに続く。一方、ヒルトン・ホテルズ&リゾーツやダブルツリーbyヒルトンは、タン氏が“bread and butter”と表現す...
ホテル会社の競争力は「ブランド数」ではなく、“選択の精度”にある――ヒルトンが貫く「規律ある成長」
ブランドの選択肢が増えるほど、ホテル会社は強くなるのか。JHIS 2026でヒルトンのアジア太平洋地域 開発担当上席副社長のクラレンス・タン氏と、日本・ミクロネシア地区 開発担当副社長の藤本博久氏に話を聞くと、答えは単純な「YES」ではなかった。重要なのは、どの土地に、どのブランドを、どの規模で置き、何を残し、何を変えるのかを見極めること。さらに、オーナーが望むブランドであっても、事業として成立しなければ別解を示す。ヒルトンが繰り返した「disciplined growth=規律ある成長」という言葉をたどると、同社の日本戦略は“拡大”よりも“選択”によって整理できる。