トランジットグループは3月30日、東京・赤坂「東京ワールドゲート赤坂」2階に新業態「たますけ」をオープンした。大阪・堀江発のお好み焼き酒場「たまちゃん」と、福岡で支持を集めるうどん居酒屋「二〇加屋長介(にわかやちょうすけ)」。同グループが東京へ進出させ、人気を博してきた二つのブランドを掛け合わせたハイブリッド居酒屋だ。

店舗エントランス。「お好み焼きたまちゃん」代表の玉井哲雄氏と、「二〇加屋長介」オーナーの玉置康雄氏の似顔絵が描かれたのれんがお客さまを出迎える
同店は、“ハシゴ無用。一軒落着。”をコンセプトに、鉄板料理から酒肴、〆までを一軒で完結できる新たな酒場スタイルを提案している。近年の外食市場では、専門性を追求した単業態型に加え、複数の食文化や利用動機を横断する“編集型業態”への注目も高まっている。それに加え、コロナ禍以降のライフスタイル変化に伴い、外食シーンにおける二次会需要が減少する中、食事から飲み、〆までを一軒で完結できる“1.5次会業態”へのニーズも高まりつつある。
「たますけ」は、そうした潮流に応える一軒だ。大阪の“お好み焼き酒場”文化と、福岡の“うどん居酒屋”文化。地域で支持を集めてきた二つの酒場文化を融合し、飲み利用から食事、〆までをシームレスに楽しめる構成へと再編集した。メニューは「たまちゃん」や「二〇加屋長介」それぞれの人気メニューに加え、両店のエスプリを掛け合わせたオリジナルメニューで展開している。

「たますけ」オリジナルメニューの‟たますけ名物 桶うどん 6種のつけだれ”(画像左)と、‟鉄板もつ入りやきうどん”(画像右)桶うどんは、たれごとの味の違いを楽しみながら、自然と会話が弾むことを意図し、6種類で展開している
トランジットグループといえば、海外人気ブランドを“日本初上陸”の形で国内展開するイメージが強い。一方で、地方で支持を集める国内ブランドを東京へ“初上陸”させる取り組みにも力を入れてきた。「たまちゃん」と「二〇加屋長介」も、そうした戦略のもと東京進出を果たしたブランドである。「たますけ」は、同グループと両ブランドの経営者たちが、それぞれの東京展開を通じて築いてきた関係性があったからこそ生まれた店舗といえる。また、海外ブランドではなく国内ブランド同士だったからこそ、今回のようなコラボカルチャー型の店舗が実現したともいえる。
単なるブランドコラボレーションではなく、地域性が色濃く反映された酒場文化を、赤坂という都市環境へ自然に、そしてオシャレに落とし込む感覚は、さすがトランジットグループといえる。溜池山王駅直結のオフィス立地という特性を踏まえ、ランチ帯はうどん業態として、夜は鉄板料理や酒肴を楽しむ居酒屋として機能。飲む人も飲まない人も立ち寄れる、“ちょうどいい一軒”を目指していく。
専門店化が進む現代において、異なる地域文化や業態価値を横断しながら、一軒完結型の酒場として再構築した「たますけ」。そこには、トランジットグループならではの編集感覚やカルチャーニーズへの感度の高さが垣間見える。今後の展開にも注目したい。

明太子ソースでいただく‟とん平串(画像左)“も「たますけ」オリジナルメニュー。豚肉の厚さに驚くお客さまも多い逸品だ。またランチタイムは、気軽に楽しめるうどん各種で展開している

同店では‟とりあえずの一品”も豊富に揃え、ちょい飲み需要にも対応している。またグレープフルーツやレモンをその場で搾る‟名物生搾りサワー”は、マストドリンクといえる美味しさ。果物には社長二人の似顔絵の焼き印が施されている