「ラグジュアリーとは旅である」
Oscar Lucien Ono(オスカル・ルシアン・オノ)/Maison Numéro 20(メゾン・ヌメロ20)が語る体験価値
Aurea, an Architectural Fiction
Maison Numéro 20
Concierge コンセルジュ
Courtesy of Salone del Mobile.Milano ©Saverio Lombardi Vallauri
「ラグジュアリーとは、現実から少し離れ、時間を忘れられる旅のような体験です。」パリのデザインスタジオ メゾン・ヌメロ20を率いるオスカル・ルシアン・オノは、そう...
ミラノサローネが示したホテルの未来像 ラグジュアリーは「空間」から「体験」へ
2026年のミラノサローネ会期中に強く感じられたのは、ラグジュアリーをめぐる価値観が、明確に転換点を迎えているという事実だった。
これまでラグジュアリーは、建築の完成度、インテリアの質、サービスの精緻さといった“空間の出来栄え”によって語られてきた。しかし会場で交わされていた議論の中心はそこではない。問われていたのは、空間そのものではなく「体験」であり、さらに言えば「体験がどのように編集されるか」であった。
何を所有するかではなく、どのような時間を過ごすのか。どのような順序で感情が動き、どのような記憶として残るのか。そうした問いが、異なる展示やプロジェクトの背後に共通して流れていた。
オスカル・ルシアン・オノ、アンナリーザ・ロッソ、そしてOMAのデイヴィッド・ジャーノッテン。三者の言葉はそれぞれ異なる立場から発せられていたが、その先にある風景は似ている。均質化された空間の時代から、個別に編集された体験の時代へ。その移行である。
この変化は、ホテル産業にとって単なるデザインの話ではない。むしろ経営そのものの前提を問い直す変化であろう。 現地取材・文:浦田薫