ブランド戦略

アジア・パシフィックの視点から読み解く アコーの多層ブランド戦略と日本という市場【前編】

世界110カ国以上、5,700軒超のホテルを展開するアコーは、ラグジュアリーからエコノミーまでを網羅する多層ブランド戦略を軸に、世界有数のホスピタリティグループとして成長を続けてきた。その戦略が、いま最も集中的に試されている市場の一つが日本である。2024年1月には、22施設・約6,400室という前例のない規模での一斉リブランドを実施。さらにラグジュアリーやプレミアム領域でも、中長期を見据えた開業計画が進行している。本稿では、アジア・パシフィックを舞台にアコーの成長を担う5名への取材を通じて、グローバル戦略がどのように構想され、日本という成熟市場でいかに実装されているのかを立体的に読み解く。
1|アジア開発最高責任者が語る、アコー全体の構想  アコーの成長戦略を読み解く起点となるのが、ブランドを「どう増やすか」ではなく、「どう配置するか」という考え方だ。世界各地でホテル開発が進むなか、ブランド数の拡大そのものが目的化してしまうケースも少なくない。しかしアコーは、早い段階から多層ブランド構造を戦略の軸に据え、それぞれのブランドに明確な役割を与えてきた。現在、アコーが展開するホテルブランドは50を超えるが、その広がりは量の追求というより、配置を前提とした結果として形づくられてきたものと言える。その全体像をアジア・パシフィックの視点から語るのが、プレミアム、ミッドスケール、エコノミー部...
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武田雅樹(Takeda Masaki)

武田雅樹(Takeda Masaki)

㈱オータパブリケイションズ 執行役員 ブランドメディア統括/Chief Brand & Editorial Officer。

ホテル開発、ブランド戦略、デザイン、トレンドなどを横断的に取材・分析し、事業・開発・運営をつなぐ視点を強みに活動。ホテルを「事業」と「体験」の両面から再解釈し、その価値や可能性を多角的に読み解く。また、都市や地域のなかでホテルが果たす役割や意味に注目し、国内外での取材・視察を通じて、観光・まちづくり・コミュニティとの関係性を問い続けている。メディアを単なる情報発信の手段ではなく、人と人、思想と実装を接続する“場”として設計し、業界を横断する対話と共創の機会を創出。HOTERES Digitalでは、ホテルの「いま」と「裏側」を掘り下げながら、現場のリアリティとグローバル潮流をつなぐ編集・発信を行なっている。